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東京科学大学 院試 過去問 解答例

東京科学大 工学院 情報通信系 情報通信 2024年度 院試 過去問 解答例・解説(全3問)

全3問。線形代数1問・微分積分・解析1問。テーマタグは4件(固有値・固有ベクトル・重積分と極座標・ヒルベルト空間)。2023年度と共通のテーマは固有値・固有ベクトル・重積分と極座標。

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解説3問/全3問(1,022字)
解答PDFに収録
途中式と最終答(最終答つき3問)
問題本文
非収録

東京科学大 情報通信 2024年度 院試 過去問の出題内容(全3問)

この3問の分野は線形代数1問・微分積分・解析1問です。

大問分野主題解説の小見出し最終答
1微分積分・解析二重積分と級数和領域変換の見方 / 級数和への帰着あり
2線形代数対称行列と最小ノルム補正列空間への射影 / 最小ノルム解あり
3情報通信系論述採点されやすい構成 / 図表の扱いあり

2024年度の出題テーマと、同じテーマを出した他大学・他年度

この年度は3問に4テーマが出ています。

前年度(2023年度)との違い

大問数
2023年度 5問 → 2024年度 3
2024年度で新しく出たテーマ
ヒルベルト空間符号理論
2023年度のページを見る

1 — 二重積分と級数和

領域変換の見方

x=uv, y=u+vx=u-v,\ y=u+v は正方形を uu-vv 平面上のひし形領域へ移す。内側積分の上端が uu1u1-u に分かれるのは,ひし形の幅が u=1/2u=1/2 を境に増加から減少へ変わるためである。Jacobian の 22 と,偶関数性により半分の領域だけ積分する係数 22 を掛け合わせて D=4D=4 になる点が落としやすい。

級数和への帰着

この問題の狙いは,Basel 和を二重積分から導くことである。単に 1/n2=π2/6\sum 1/n^2=\pi^2/6 を既知として書くのではなく,変数変換で I1I_1I2I_2 を評価してから和を結論する構成にすると,設問全体が一つの証明としてつながる。

二重積分と級数和の途中式・最終答をPDFで見る

2 — 対称行列と最小ノルム補正

列空間への射影

解を持たない連立方程式を最小限に補正する問題は,「右辺を列空間へ直交射影する」問題として処理するのが最も確実である。対称行列なので固有空間が直交し,列空間は非零固有値に対応する固有空間そのものになる。

最小ノルム解

補正後方程式の解は一意ではない。零空間方向 (1,1,0)(1,1,0)(0,0,1)(0,0,1) を足しても AzAz は変わらないためである。最小ノルム解は列空間方向だけに残るので,xy=1/2x-y=1/2 の制約下で x2+y2+z32x^2+y^2+z_3^2 を最小化して x=1/4, y=1/4, z3=0x=1/4,\ y=-1/4,\ z_3=0 を得る。

対称行列と最小ノルム補正の途中式・最終答をPDFで見る

3 — 情報通信系論述

採点されやすい構成

論述答案は,知識の羅列ではなく,問いの二点に明確に対応させる必要がある。前半では「何を選ぶか」「なぜ重要か」「どういう仕組みか」を書き,後半では「何が未解決か」「なぜ難しいか」「どう解くか」を書くと,設問要求に対する対応が見えやすい。

図表の扱い

公式問題では図または表を答案に含めることが求められている。図表は大きく描けばよいわけではなく,本文の論理を補助する役割に絞る。上の答案例では,通信システムの流れを簡単なブロック図で示し,低遅延・高信頼通信の制約を表で整理した。これにより,抽象的な議論だけでなく,実装上の論点も押さえていることを示せる。

情報通信系論述の途中式・最終答をPDFで見る

東京科学大 情報通信 院試 過去問の収録5年度

  • 2025年度(全3問)

    極限・二重積分・数列の収束 / 対称行列と二次曲面 / 情報通信分野の論述

  • 2024年度(このページ・全3問)

    二重積分と級数和 / 対称行列と最小ノルム補正 / 情報通信系論述

  • 2023年度(全5問)

    ガンマ関数とWallis積 / Gram行列と固有値 / 二項分布とロジスティック回帰

  • 2022年度(全5問)

    多変数微分と体積 / 線形写像と対称行列 / 2状態Markov連鎖

  • 2020年度(全5問)

    変数変換と二変数関数の極値 / 正定値行列と対称化写像 / ガウス分布のモーメント