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東大 情報理工 院試数学の過去問対策|5年15問で見る解く順番と答案の初手
東京大学大学院 情報理工学系研究科の一般教育科目(数学)について、2022〜2026年度の15問の解答解説メモから、線形代数・解析・確率統計の年度別テーマ、最初の10分の選択、答案の初手を整理します。
最終更新: 2026/10/12
5年15問の解答制作で見えた「最初の10分でどれを選ぶか」「答案の1行目に何を置くか」「式は合っているのにどこで減点されるか」を、線形代数・解析・確率統計に分けて整理します。
この記事の根拠
- 2022〜2026年度の5年分、各3問、合計15問の 各大問の解答解説 を確認しました。
- 2026年度は実対称行列と極分解、常微分方程式、単純ランダムウォークと指数評価です。
- 2025年度は直線の係数ベクトルと鏡映、周期係数の微分方程式、連続する表の出現確率です。
- 2024年度は空間ベクトルと最小二乗、ガンマ関数と対数分散、停止時刻付き格子上ランダムウォークです。
- 2023年度は補間多項式とVandermonde行列、線形微分方程式とRiccati方程式、連続成功までの待ち時間です。
- 2022年度は不等式で定まる投影領域、Frullani型積分、一様分布点が作る長方形の面積です。
- 2026年5月31日に東京大学大学院 情報理工学系研究科の過去問アーカイブを確認し、一般教育科目(数学)の2022〜2026年度PDFと2026年度の出題の意図PDFが掲載されていることを確認しました。
先に結論: 2024年度から入り、2026年度で仕上げる
初回演習には2024年度が向いています。空間ベクトルと最小二乗で線形代数の設定力、ガンマ関数で積分と不等式の扱い、停止時刻付きランダムウォークで確率変数の置き方を同時に見られるからです。いきなり2026年度に入ると、極分解の一意性、Riccati型の分岐、指数モーメント評価まで要求され、弱点の分類がしにくくなります。
2本目は2025年度です。直線と鏡映は法線ベクトルをどう使うか、周期係数ODEは閉じた変数から解く順番、連続する表の確率は状態の取り方が見えます。最後に2026年度で、スペクトル定理、正定値平方根、Riccati型、Chernoff型評価を答案としてつなげられるか確認してください。
5年15問のテーママップ
| 年度 | 線形代数・幾何 | 解析・微分方程式 | 確率・統計 | 準備への示唆 |
|---|---|---|---|---|
| 2026 | 実対称行列、正定値平方根、極分解。 | 同次化、Riccati型、特殊解による線形化。 | 単純ランダムウォーク、Markov不等式、指数モーメント。 | 仕上げ年度。定理名だけでなく、一意性と分岐条件を書けるかを見る。 |
| 2025 | 直線の係数ベクトル、鏡映、符号選択。 | 周期係数ODE、積分因子、軌道の消去。 | 連続する表の出現確率、漸化式、特性方程式。 | 2周目向き。幾何とODEは初手を作りやすく、確率は状態設計で差がつく。 |
| 2024 | 空間ベクトル、アフィン独立性、最小二乗、射影行列。 | ガンマ関数、対数分散、不等式評価。 | 停止時刻付き格子上ランダムウォーク、幾何分布、相関。 | 初回診断向き。3分野の標準的な答案の作り方を比較できる。 |
| 2023 | 補間多項式、Vandermonde行列、Lagrange基底。 | 線形微分方程式、連立方程式の分離、Riccati型。 | 連続成功までの待ち時間、確率母関数。 | 弱点補修向き。一意性、変数変換、生成関数の3つをまとめて鍛える。 |
| 2022 | 不等式で定まる投影領域、楕円、行列式による面積。 | Frullani型積分、パラメータ微分。 | 一様分布点が作る長方形の面積、最小値分布。 | 基礎の確認向き。図形領域と積分評価を短く処理できるかを見る。 |
最初の10分で見る場所
3問構成なので、最初の10分で「完答候補」「部分点候補」「後回し」を分けます。読んだ順番で解き始めるのではなく、答案の1行目を書ける問題から着手してください。
| 順序 | 見る分野 | 着手する条件 | 保留する条件 |
|---|---|---|---|
| 1 | 線形代数・幾何 | 固有値、直交射影、最小二乗、法線ベクトルのどれかに落とせる。 | 図形の見た目だけで進めそうになり、行列や内積の設定が立たない。 |
| 2 | 確率・統計 | 状態、確率変数、母関数、指数モーメントのいずれかを宣言できる。 | 場合分けだけで押し切ろうとして、独立性や停止条件を書けない。 |
| 3 | 解析・ODE | 積分因子、変数分離、パラメータ微分、Riccati型の変換が見える。 | 特殊解や分岐条件を見落としそうな問題で、計算量だけが増える。 |
参考書の戻り先
- 線形代数は、斉藤正彦『線型代数入門』なら内積空間、直交射影、固有値・実対称行列の章に戻ります。極分解だけを暗記するのではなく、正定値平方根と直交対角化の一意性を説明できるようにします。
- 解析は、杉浦光夫『解析入門I』なら広義積分、パラメータ付き積分、ガンマ関数周辺を戻ります。常微分方程式は、変数分離、一次線形、Riccati型の線形化、積分因子を1枚にまとめてください。
- 確率は、Ross『確率過程』や標準的な確率論の教科書で、幾何分布、停止時刻、母関数、Markov不等式、Chebyshev不等式、Chernoff型評価を戻ります。公式名より、何を非負確率変数にするかを練習します。
やらなくてよいこと
まず、専攻専門科目の範囲を一般教育科目(数学)の対策に混ぜすぎないことです。コンピュータ科学のアルゴリズム、システム情報の信号処理、電子情報の回路を先に広げても、一般教育科目の3問で必要な答案の精度は上がりません。
次に、難しい確率過程や関数解析へ先走る必要もありません。5年分を見る限り、必要なのは状態を置く力、独立性、母関数、指数評価、実対称行列、最小二乗、微分方程式の標準変換です。参考書を広げるより、15問それぞれの答案の最初の3行を再現できる状態を作ってください。
90分の過去問演習ワークフロー
- 最初の10分で3問を読み、線形代数・確率・解析のうち答案の入口が見える順に番号を付けます。
- 25分で1問目を解きます。完答に固執せず、定義、変数変換、条件、一意性を答案に残します。
- 25分で2問目を解きます。確率なら状態と独立性、ODEなら分岐条件、線形代数なら基底や射影を明示します。
- 20分で3問目の部分点を取りに行きます。最後まで解けなくても、入口の設定と重要な補題を書きます。
- 10分で見直し、分母が0になる条件、対称性、正定値性、母関数の微分位置、積分定数を確認します。
関連ガイド
東大 院試 の他専攻ガイド
東大 大学院 情報理工学系研究科 共通数学は、コンピュータ科学・システム情報学・数理情報学・電子情報学に共通する数学基礎です。共通数学で身につけた「線形代数・解析・確率の宣言」は、コンピュータ科学のアルゴリズム、システム情報学の信号、数理情報学の最適化、電子情報学の電気電子でも答案の骨格として効きます。下記の同大学他専攻ガイドも合わせて読むと、東大 院試 情報理工系全体の出題傾向が見えます。
途中式と最終答まで読める解説
このガイドで扱う解答PDF
問題本文は含みません。公式の問題冊子と併用してください。
一般教育科目(数学)の収録解説の分野(2022〜2026年度・15項目)
収録年度と解説項目数
院試hubに収録した5実施回の一覧です。どの回も解説見出しは3項目です。
東大 一般教育科目(数学)の解答で立てた注意点(49件)
院試hubの解説で、その設問だけに立てた小見出しです(「方針」「検算」のような全問共通の 見出しは除いています)。新しい実施回から並べています。
- 2026年度 第3問 単純ランダムウォークと指数評価この問題の流れ / Markov の不等式の使い方 / 指数モーメントの意味 / 最適な t を選ぶ理由 / 両側評価への戻し方
- 2025年度 第1問 直線の係数ベクトルと鏡映係数ベクトルは法線ベクトル / 直線の鏡映は点の逆変換で求める / 第5小問の符号選択
- 2024年度 第1問 空間ベクトルと最小二乗差の行列はアフィン独立性を見る / 距離の二乗和は正規方程式になる / 射影行列の見方
- 2024年度 第3問 停止時刻付きの格子上ランダムウォーク停止までの回数を見る / 幾何分布としての X / 相関が正になる理由
- 2023年度 第3問 連続成功までの待ち時間状態は末尾の四角石の個数だけでよい / 生成関数の t は1手進む印 / 平均は確率母関数の微分
- 2022年度 第1問 不等式で定まる投影領域存在条件は区間の重なり / 楕円の主軸 / 面積は行列式で処理する
微分方程式12件
- 2026年度 第2問 常微分方程式前半の見方 / 同次形への変換 / 定数解の取りこぼし / Riccati 方程式の標準手順 / 最後の具体例の発見 / 解の定義区間
- 2025年度 第2問 周期係数の微分方程式周期解の条件は一周期の増幅率 / 三角関数の入った連立方程式 / 軌道図の読み方
- 2023年度 第2問 線形微分方程式とRiccati方程式有界条件が同次解を消す / 連立方程式は和と差で分離する / Riccati型は逆数で線形化
線形代数7件
- 2026年度 第1問 実対称行列と極分解この問題の中心 / 平方根行列の一意性 / 極分解の見方 / 答案で落としやすい点
- 2023年度 第1問 補間多項式とVandermonde行列行列式は同一直線条件 / Vandermonde行列が一意性を保証する / Lagrange基底
微分積分・解析5件
- 2024年度 第2問 ガンマ関数と対数分散ガンマ関数として見る / 不等式の役割 / 最後は分散の変数変換
- 2022年度 第2問 Frullani型積分微分すると端点だけが残る / Frullani型積分
確率・統計3件
- 2025年度 第3問 連続する表の出現確率末尾で場合分けする / 特性方程式の使い方 / 確率としての確認
頻出論点と、同じ論点を出す他大学
院試hubが解答した大問の論点を、他大学の出題と突き合わせたものです。併願先を 探すときの重なりの実数として使えます。
| 論点 | この専攻での出題 | 出題年度 | 同じ論点を出す他大学 | 全国の出題大学 |
|---|---|---|---|---|
| 固有値・固有ベクトル | 3問 | 2026・2025・2022 | 神戸大学・京都大学・大阪大学・名古屋大学・北海道大学 | 25大学 |
| 正定値行列 | 2問 | 2026・2024 | 名古屋大学・大阪大学・九州工業大学・京都大学・東北大学 | 17大学 |
| 一様収束 | 1問 | 2022 | 名古屋大学・京都大学・東京科学大学・大阪公立大学・九州大学 | 14大学 |
| 二次形式 | 1問 | 2022 | 京都大学・名古屋大学・九州工業大学・九州大学・東北大学 | 16大学 |
| ヒルベルト空間 | 1問 | 2026 | 大阪大学・名古屋大学・京都大学・東北大学・東京科学大学 | 12大学 |
| ベータ関数・ガンマ関数 | 1問 | 2024 | 京都大学・東京都立大学・大阪公立大学・早稲田大学・筑波大学 | 12大学 |
東大 公式の過去問の公開年度と公式解答例
- 公式の過去問ページ
- 情報理工学系研究科(一般教育科目 数学)
- 公開されている年度
- 2022〜2026(直近5年)
- 公式の解答例
- 解答例の掲載なし
- 英語の扱い
- TOEFL iBT/ITP のスコア提出。学内英語試験なし。
- 院試hubが最後にリンクを確認した日
- 2026-09-26
- ページの内容
- 数学(線形代数・解析・確率統計)の問題のみ。専攻別の専門科目は各専攻のページから取得。
よくある質問
東大 情報理工の院試数学は何年度から解くべきですか。
最初は2024年度が使いやすいです。最小二乗、ガンマ関数、停止時刻付きランダムウォークが並び、線形代数・解析・確率統計の3分野を標準的な難度で診断できます。次に2025年度で幾何と周期係数ODE、2026年度で極分解とChernoff型評価まで広げる順が現実的です。
一般教育科目(数学)はどの分野から出ますか。
公式アーカイブでは、線形代数、解析(微分積分・常微分方程式など)、確率・統計の3分野から3問出題と案内されています。解答解説でも、各年度がほぼこの3本に対応していました。
最初に固めるべき分野はどれですか。
短期対策では、線形代数と確率統計を先に安定させ、解析は微分方程式と積分評価に絞って戻るのが安全です。線形代数は初手を書きやすく、確率統計は状態・確率変数を置ければ部分点を作りやすいからです。
2026年度は最初に使ってよいですか。
初回診断には少し重いです。実対称行列と極分解、Riccati型のODE、指数モーメント評価が並び、仕上げ年度としては有効ですが、最初に使うと弱点分類より消耗が大きくなりやすいです。
専攻専門科目との関係はどう見ればよいですか。
コンピュータ科学志望なら確率と線形代数、システム情報・電子情報・知能機械情報志望なら線形代数と微分方程式、数理情報学志望なら3問すべてを高めに仕上げるのが目安です。一般教育科目は専攻専門の前提確認として使われます。
東京大学の解答PDF
公式過去問と併用する解答・解説PDFを、東京大学の研究科・科目別に掲載しています。収録年度と価格は各ページで確認できます。
- 東京大学 情報理工学系研究科 コンピュータ科学専攻 専門科目(コンピュータ科学)の解答PDF(収録5年分)
- 東京大学 情報理工学系研究科 システム情報学専攻 システム情報学の解答PDF(収録5年分)
- 東京大学 情報理工学系研究科 創造情報学専攻 創造情報学 専門科目の解答PDF(収録5年分)
- 東京大学 情報理工学系研究科 数理情報学専攻 数理情報学の解答PDF(収録6年分)
- 東京大学 情報理工学系研究科 知能機械情報学専攻 知能機械情報学の解答PDF(収録5年分)
- 東京大学 情報理工学系研究科 電子情報学専攻 専門科目の解答PDF(収録5年分)
- 東京大学 工学系研究科 電気系工学専攻 専門科目の解答PDF(収録3年分)
- 東京大学 数理科学研究科 数理科学専攻 専門科目Aの解答PDF(収録21年分)
- 東京大学 数理科学研究科 数理科学専攻 専門科目Bの解答PDF(収録20年分)
- 東京大学 学際情報学府 学際情報学専攻 先端表現情報学コース 専門科目の解答PDF(収録11年分)
- 東京大学 工学系研究科 マテリアル工学専攻 マテリアル工学基礎の解答PDF(収録6年分)
- 東京大学 工学系研究科 化学システム工学専攻 化学システム工学の解答PDF(収録5年分)
東京大学の解答PDF一覧で、東京大学の研究科・専攻・科目をまとめて確認できます。