院試hub

関東 · 東京大学

東大 数理情報学 院試 過去問対策|最初に解く年度と数学答案の初手

東大 情報理工学系研究科 数理情報学専攻の2021〜2026年度 専門科目25問について、解答・解説PDFと、最初に解く年度、半正定値計画・確率・力学系・離散最適化の答案の始め方と捨て方をまとめました。

最終更新: 2026/10/12

東京大学の研究科別・公式過去問を見る

結論から言うと、最初は2024年度で「定式化して評価する」型を作り、次に2026年度で半正定値錐・ガウス集中・力学系・吸収確率・グラフ最適化の最新型へ進むのが効率的です。2025年度はPDEとmax-plusまで広げる総仕上げ、2021〜2022年度のレポート課題は、筆記後に研究計画と口述準備へ回してください。

東大数理情報学は、通常の数学専攻の筆記とは違います。半正定値行列、凸最適化、確率集中、反応拡散、力学系、確率過程、離散最適化、max-plus、スケジューリング、研究計画型論述が同じ商品単位に並びます。つまり、定理を知っているだけでなく、現象を数式に落とし、アルゴリズムや統計的評価までつなげる力が必要です。

この記事の根拠

年度確認したファイル試験形式としての扱い
2026第1問〜第5問直近の専門科目。半正定値錐、確率集中、力学系、吸収確率、グラフ最適化を確認する。
2025第1問〜第5問PDE、統計、Poisson近似、max-plusまで広げる総仕上げ年度。
2024第1問〜第5問最初の診断年度。最適化、数値解析、確率、スケジューリングを横断する。
2023第1問〜第5問解析、力学系、複素積分、確率変換、符号化が混在する弱点発見年度。
2022第1問〜第2問レポート課題。研究背景、数理モデル、評価指標の組み立てを練習する。
2021第1問〜第3問凸最適化の基礎概念と研究計画型論述を口述・志望理由へ接続する。

先に結論: 最初は2024年度、仕上げは2026年度

最初に1年分を解くなら、2024年度が最も扱いやすいです。直交Procrustes問題、加速勾配法、一方向三角多項式近似、指数分布、制約付きスケジューリングが並び、数理情報学で必要になる「定式化してから評価する」型を5問で確認できます。

次に2026年度へ進むと、半正定値錐への射影、ガウス行列の集中、平面力学系、吸収確率、非巡回向き付けまで入り、最新型の重さが分かります。2025年度はPDE、Poisson近似、max-plusまで広げる年度、2023年度は解析・力学系・確率・符号化の混在に慣れる年度として使うと整理しやすいです。2021〜2022年度は筆記の後に、研究計画と口述準備へ回してください。

最初の10分は定式化できる問題を3問選ぶ

順序見る型答案の初手
1凸最適化・行列目的関数、制約集合、内積、KKT条件、射影条件を書けるなら先に選ぶ。
2確率統計支持、独立性、分布関数、モーメント母関数、差分方程式を置けるなら点を作る。
3力学系・PDE・数値解析不変領域、境界条件、エネルギー、誤差評価の対象を固定できない場合は後回し。
4離散最適化・グラフ頂点、辺、順序制約、閉路条件、目的関数を短く定義できるときだけ着手する。

6年25問で見えた出題の変化

以下は問題本文の転載ではなく、ローカルの解答ファイル見出し、source notes、解説解説の要点から作った対策用の地図です。2021〜2022年度はレポート課題、2023年度以降は専門科目試験として読むと、必要な準備がかなり明確になります。

年度解答制作で確認したテーマ対策上の意味
2026半正定値錐への射影、ガウス行列の集中、平面力学系の不変領域と爆発、二タイプ集団の吸収確率、非巡回向き付けと入次数最適化。近年型の中心年度。凸解析、確率不等式、ODE、出生死滅連鎖、離散最適化を横断するため、数理情報学の4本柱を同時に鍛える必要がある。
2025半正定値行列の真偽判定、相分離モデルとエネルギー、密度の平均と中央値、Poisson近似の結合、max-plus次数と閉路条件。行列不等式、PDE、統計、確率近似、グラフ最適化が並ぶ。Loewner順序、Neumann条件、結合、正閉路など、条件確認で差が出る。
2024直交Procrustes問題、加速勾配法のエネルギー評価、一方向三角多項式による近似、指数分布と到着回数、制約付きスケジューリング。最適化と確率・スケジューリングの年度。トレースの巡回性、エネルギー減少、指数分布の記憶なし性、制約付き順序決定を答案化する。
2023指数核平均と連続極限、Lotka-Volterra型方程式と安定性、複素積分による台形公式誤差、逆二乗正規変数と安定分布、疎な三値表現。解析・力学系・数値解析・確率・符号化が混在する。連続極限、安定性、誤差評価、分布変換、表現の最適性を短く書く訓練になる。
2022研究計画型レポート、カーボンニュートラルに対する数理情報学的論述。筆記ではなく、社会課題を数理化する年度。研究背景、入力データ、最適化対象、評価指標、検証設計を構造化する練習に使う。
2021凸最適化と双対性、分布ロバスト学習の研究計画、感染症対策への数理情報学的貢献。レポート形式でも数理の軸は明確。KKT条件、分布シフト、SIR/SEIR型モデル、資源配分、政策効果検証を言葉と式で結ぶ必要がある。

最初に作る4本柱

25問を均等に見ると散ります。数理情報学では、以下の4本を先に作ると、筆記にもレポートにもつながります。

柱該当テーマ答案の初手
凸最適化・行列半正定値錐、Loewner順序、Procrustes、加速勾配、双対性。目的関数、制約集合、内積、射影条件、KKT条件を最初に置く。
確率統計ガウス集中、Poisson近似、指数分布、吸収確率、中央値、安定分布。支持、独立性、分布関数、モーメント母関数、結合、差分方程式を固定する。
力学系・PDE・数値解析Lotka-Volterra、相分離、平面力学系、台形公式誤差、反応拡散。不変領域、保存量、エネルギー、境界条件、誤差項の次数を先に書く。
離散最適化・アルゴリズム非巡回向き付け、入次数最適化、max-plus、閉路条件、スケジューリング。グラフ、状態、順序制約、閉路、目的関数、トポロジカルソートを明示する。

レポート課題型の年度をどう使うか

2021〜2022年度は、筆記演習としてだけ見ると特殊です。しかし、数理情報学専攻を受けるなら、むしろ志望理由・口述・研究計画の準備に直結します。

  • 研究計画型では、背景、未解決点、入力データ、数理モデル、最適化または推定、評価計画の順に置く。
  • 社会課題論述では、一般論で終わらせず、モデル化、推定、最適化、検証へ分解する。
  • 「AIを使う」「機械学習で予測する」だけでなく、損失関数、制約、リスク尺度、政策効果の識別まで書く。
  • 文献名を並べるだけでなく、自分の研究課題のどの部分を支えるのかを明示する。

章単位の参考書利用

書名を増やすより、過去問で止まった入口に戻る章を決める方が効きます。以下は通読リストではなく、答案の最初の3行を直すための戻り先です。

分野戻る本・章・項目使い方
凸最適化Boyd and Vandenberghe『Convex Optimization』の凸集合、射影、KKT、双対性、半正定値計画。制約の符号、相補性、射影不等式を答案の1行目に置けるようにする。
確率統計東京大学出版会『統計学入門』の分布・推定・検定、『自然科学の統計学』の多変量正規、Chernoff bound、Poisson近似。分布の支持、独立性、差分方程式、union boundを短く書く練習に使う。
力学系・PDE常微分方程式の平衡点・安定性、偏微分方程式の熱方程式・Neumann境界条件・エネルギー法。解を求めるより、領域不変性とエネルギー減少を示す型を作る。
数値解析森正武『数値解析』または同等の数値解析で、勾配法、加速法、台形公式、誤差評価、複素積分による誤差解析。評価関数、局所/大域誤差、収束率を混同しないようにする。
離散最適化グラフ理論・組合せ最適化のDAG、トポロジカルソート、閉路条件、max-plus代数、スケジューリング。閉路条件と順序制約を最初に読む。局所条件だけで結論しない。

150分の演習ワークフロー

公式の試験時間や提出条件は年度ごとに確認してください。自習では、筆記型の年度を150分で回す練習が有効です。最初から5問完答を狙うより、10分で3問を選び、各問の最初の定義・仮定・評価式を崩さないことを優先します。

  1. 最初の10分で5問を「最適化・確率・力学系・離散・その他」に分類し、得点候補を3問に絞る。
  2. 1問目は最も型が見える問題を選ぶ。半正定値性、確率集中、吸収確率、グラフ条件など、最初の定式化が書ける題から入る。
  3. 2問目は計算量ではなく検算しやすさで選ぶ。保存量、エネルギー、分布関数、閉路条件など検算軸がある題を優先する。
  4. 3問目は未完でも部分点を残す。定義、仮定、補題、評価式を書き、最後に何が残っているかを明示する。

後回しでよいもの

数理情報学は広いので、最初からすべてを平均的に広げると薄くなります。まず削るべきなのは、研究分野外の最新論文読み、アルゴリズム実装の細部、深い測度論、抽象的な最適化理論の証明だけを追う学習です。過去問では、標準的な道具を問題文の現象に当てる力が先に問われています。

また、レポート課題を「過去の特殊形式」として捨てるのも避けてください。筆記対策では優先度を下げてよい一方、研究計画や口述で、何を入力し、何を最適化し、どう評価するかを説明する訓練として有効です。

東大 院試 の他専攻ガイド

東大 大学院 情報理工学系研究科は4専攻あり、専門科目の重みが異なります。数理情報学の最適化・確率・数理モデルで身につけた「目的関数と制約の宣言→KKT/双対の使い分け」は、他専攻でも答案の骨格として効きます。数理科学研究科の専門科目Aとの比較も合わせて読むと、東大 院試 の科目選択判断ができます。

本記事はInshiHubの解答解説メモと、公開時点で確認できる東京大学公式情報に基づく非公式の対策記事です。募集要項、出願資格、日程、試験科目、過去問の公開範囲は必ず大学公式ページで最新情報を確認してください。

途中式と最終答まで読める解説

問題本文は含みません。公式の問題冊子と併用してください。

数理情報学の収録解説の分野(2021〜2026年度・25項目)

院試hubの収録解説6実施回・25項目の見出しを分野別に数えたものです。設問を分割した項目や、公開資料の制約を説明する項目を含むため、公式問題の大問数や完成答案数とは一致しません。が19項目(全体の76%)で最多。は6実施回すべてに出ています。

分野項目数全項目に占める割合直近の連続出題最後に出た回
1976%6回連続2026年度
線形代数28%2回連続2026年度
微分積分・解析28%—2023年度

このほか1項目だけ収録した分野は 確率・統計・数学 です。

収録年度と解説項目数

院試hubに収録した6実施回の一覧です。1回あたりの解説見出しは2〜5項目です。2023年度以降の収録分は5項目です。

東大 数理情報学の解答で立てた注意点(37件)

院試hubの解説で、その設問だけに立てた小見出しです(「方針」「検算」のような全問共通の 見出しは除いています)。新しい実施回から並べています。

  • 2026年度 第1問 半正定値錐への射影一意性を落とさない / 相補性の見方
  • 2026年度 第3問 平面力学系の不変領域と爆発不変領域は境界を見る / 保存量の使いどころ / 発散の判定
  • 2026年度 第5問 非巡回向き付けと入次数最適化差分グラフを見る / 削除法はトポロジカルソートの一般化 / 最適化の二つの型
  • 2025年度 第2問 相分離モデルとエネルギーエネルギー勾配流 / Neumann 条件の役割 / 相分離の読み方
  • 2025年度 第3問 密度の平均と中央値分位関数で見る / 減少密度の直感 / 局所展開の意味
  • 2025年度 第4問 ポアソン近似の結合結合で分布距離を測る / 不一致が起こる範囲 / ポアソン近似の意味

線形代数4件

  • 2026年度 第2問 ガウス行列の集中使う道具 / 定数の出し方 / 全組への拡張
  • 2025年度 第1問 半正定値行列の真偽判定逆行列は順序を反転する

確率・統計3件

  • 2026年度 第4問 二タイプ集団の吸収確率出生死滅連鎖として見る / 比 p_i/q_i が一定になる利点 / 期待時刻の符号確認

微分積分・解析1件

頻出論点と、同じ論点を出す他大学

院試hubが解答した大問の論点を、他大学の出題と突き合わせたものです。併願先を 探すときの重なりの実数として使えます。

論点この専攻での出題出題年度同じ論点を出す他大学全国の出題大学
固有値・固有ベクトル3問2026・2025・2023神戸大学・京都大学・大阪大学・名古屋大学・北海道大学25大学
正定値行列2問2026・2025名古屋大学・大阪大学・九州工業大学・京都大学・東北大学17大学
留数定理1問2023北海道大学・名古屋大学・筑波大学・大阪公立大学・九州大学18大学
一様収束1問2024名古屋大学・京都大学・東京科学大学・大阪公立大学・九州大学14大学
二次形式1問2023京都大学・名古屋大学・九州工業大学・九州大学・東北大学16大学
ラプラス変換1問2023北海道大学・東北大学・東京科学大学・早稲田大学・名古屋工業大学12大学
最尤推定1問2024京都大学・東京科学大学・大阪公立大学・静岡大学・千葉大学8大学
動的計画法1問2025京都大学・名古屋大学・静岡大学・大阪大学・東京科学大学9大学
直交対角化1問2026名古屋工業大学・九州大学・東京科学大学・大阪公立大学・大阪大学14大学
特性関数1問2023東京科学大学・千葉大学・早稲田大学・北海道大学・広島大学6大学

東大 公式の過去問の公開年度と公式解答例

公開されている年度
2020、2023〜2026(2021・2022年度はレポート課題を掲載)
公式の解答例
解答例の掲載なし
英語の扱い
外国語試験はTOEFLスコアを正式スコアとして利用。研究科によるTOEFL-ITPの実施なし。
院試hubが最後にリンクを確認した日
2026-08-13
ページの内容
専門科目試験を2020年度と2023〜2026年度分公開。2021・2022年度は筆記に代わるレポート課題を掲載。2026年度は出題の意図あり。解答例は非公開。

よくある質問

東大 数理情報学の過去問は何年度から解くべきですか。

最初は2024年度が使いやすいです。直交Procrustes、加速勾配法、三角多項式近似、指数分布、制約付きスケジューリングの5問で、最適化・数値解析・確率・離散最適化を一度に確認できます。次に2026年度で最新の半正定値錐、ガウス集中、力学系、吸収確率、グラフ最適化へ進み、2025年度でPDEやmax-plusまで広げる順が現実的です。

この記事の新規情報は何ですか。

InshiHubで作成した東京大学 情報理工学系研究科 数理情報学専攻の2021〜2026年度、計25問の解答・解説をもとに、年度別の出題変化、答案の初手、典型的な失点、参考書に戻る章を整理している点です。募集要項を要約した記事ではありません。

数理情報学は普通の数学の試験と何が違いますか。

線形代数や解析の証明だけでなく、最適化、確率集中、力学系、確率過程、離散最適化、数理モデル化を横断します。2021〜2022年度はレポート課題形式で、研究計画や社会課題を数理化し、評価指標と検証計画まで説明する力も問われています。

最初に固めるべき分野は何ですか。

半正定値行列・凸最適化、確率統計、力学系・PDE、離散最適化の4本です。特に2026年度の半正定値錐への射影、ガウス行列の集中、出生死滅連鎖、非巡回向き付けは、近年の数理情報学らしい出題の核です。

2021〜2022年度のレポート課題も対策に使うべきですか。

使うべきです。筆記試験とは形式が違いますが、研究背景、問題の数理化、最適化・推定・検証の柱立てを作る練習になります。面接や志望理由書の準備にもつながります。

公式過去問と併用する解答・解説PDFを、東京大学の研究科・科目別に掲載しています。収録年度と価格は各ページで確認できます。

東京大学の解答PDF一覧で、東京大学の研究科・専攻・科目をまとめて確認できます。

院試対策ガイド一覧(大学別)