院試hub

関東 · 千葉大学

千葉大物理の院試対策|120分×2の形式と連成振動の解答

千葉大物理の専門試験は120分ずつ2回。2026年度は各回2問とも必答です。英語・配点、2026年度連成振動のラグランジアンから柱本数までの導出、公式解答と解説の使い方を説明します。

最終更新: 2026/10/16

千葉大学の融合理工学府16コース・公式過去問を見る

千葉大物理は専門科目(1)と(2)に分かれ、各120分、2026年度過去問では各2問とも必答です。4分野を一つの試験時間の中で自由に選ぶ形式ではありません。午前の力学・電磁気、午後の統計・量子を、それぞれの時間内で解く練習が必要です。

専門は120分ずつ2回、口頭は第1次選抜後

科目2027年4月一般の日時過去問で練習する形式
専門(1)2026年8月6日10〜12時2026年度は力学・電磁気の2問とも必答
専門(2)同日13時30分〜15時30分2026年度は統計・量子の2問とも必答
口頭試問8月7日13時から同日正午掲示の第1次選抜合格者が対象

日程と配点は2027年度募集要項の本文10〜13ページ、必答数は2026年度の専門(1)・専門(2)の各表紙で確認できます。配点は英語200点・専門600点・口頭200点、計1000点。上の日程は実施済みです。

英語はTOEIC L&RまたはTOEFLの外部スコアで評価します。2027年度一般では2024年6月〜2026年5月末に受験した成績が有効です。物理は理学系なのでTOEFL iBT Home Editionも認められます。認定証の提出形式と出願手順も確認してください。

2026年度専門(1)I:連成振動をエネルギーから解く

公式問題の本文1〜2ページは、3階の変位をx₁・x₂・x₃、各階の質量をm、地面と1階のばね定数を2k、他の階の間をkとする模型です。公式解答例の結果を、自分で導く手順を示します。

1.ばねの伸びは隣り合う階の変位の差

地面は動かないので最下部の伸びはx₁、上の二つはx₂−x₁とx₃−x₂です。各階の変位をそのまますべてのばねの伸びにしないことが出発点です。

T=m2(x˙12+x˙22+x˙32)T=\frac{m}{2}(\dot x_1^2+\dot x_2^2+\dot x_3^2)
V=kx12+k2(x2−x1)2+k2(x3−x2)2,L=T−VV=kx_1^2+\frac{k}{2}(x_2-x_1)^2+\frac{k}{2}(x_3-x_2)^2,\qquad L=T-V

最下部だけ2kなので、そのエネルギーはkx₁²です。復元力を−∂V/∂xᵢで計算すると、隣り合う変位の符号も決まります。

mx¨1=−3kx1+kx2,mx¨2=kx1−2kx2+kx3,mx¨3=kx2−kx3.\begin{aligned}m\ddot x_1&=-3kx_1+kx_2,\\m\ddot x_2&=kx_1-2kx_2+kx_3,\\m\ddot x_3&=kx_2-kx_3.\end{aligned}

2.行列の固有値から角振動数を求める

x¨+Kx=0,K=kmA,A=(3−10−12−10−11)\ddot{\boldsymbol{x}}+K\boldsymbol{x}=0,\qquad K=\frac{k}{m}A,\quad A=\begin{pmatrix}3&-1&0\\-1&2&-1\\0&-1&1\end{pmatrix}

振動解を代入すると、Kの固有値は角振動数の二乗です。以下では無次元の変数s=mω²/kを使います。Aの固有値をそのまま角振動数としないように区別します。

det⁡(A−sI)=(3−s){(2−s)(1−s)−1}−(1−s)=−(s−2)(s2−4s+1).\begin{aligned}\det(A-sI)&=(3-s)\{(2-s)(1-s)-1\}-(1-s)\\&=-(s-2)(s^2-4s+1).\end{aligned}
s=2−3, 2, 2+3,ω=kmss=2-\sqrt3,\ 2,\ 2+\sqrt3,\qquad \omega=\sqrt{\frac{k}{m}s}

三つとも正なので、静止位置のまわりで振動します。行列の対称性、固有値の和が対角成分の和6になること、積が行列式2になることでも計算を確認できます。

3.Hzへの換算と柱の本数

m=5.0×10⁴ kg、k=1.0×10⁷ N/mならk/m=200 s⁻²です。最も低い周波数は、角振動数を2πで割って求めます。

fmin⁡=200(2−3)2π=1.165… Hz≃1.2 Hzf_{\min}=\frac{\sqrt{200(2-\sqrt3)}}{2\pi}=1.165\ldots\ \mathrm{Hz}\simeq1.2\ \mathrm{Hz}

柱を増やしてkをn倍にすると、質量は変わらないという条件から、周波数は√n倍になります。3.0 Hz以上にするには、

n≥(3.0fmin⁡)2=6.63…n\ge \left(\frac{3.0}{f_{\min}}\right)^2=6.63\ldots

より最小の整数はn=7です。各階の柱は順に14本・7本・7本、合計28本になります。nは全体の柱本数ではありません。丸めた1.2 Hzを途中計算に使わず、最後に有効数字をそろえると境界付近での切り上げを誤りにくくなります。

公式解答がある問題をどう勉強するか

大学は2025年10月・2026年4月入学の問題・解答例・出題意図を公開しています。まず自力で解き、公式解答と比較してください。式の意味まで説明できれば、その問題でさらに解説を買う必要はありません。

解答を見ても先へ進めない場合は、止まった箇所を特定します。連成振動なら「ばねの伸びをどう表したか」「どの行列の固有値か」「角振動数とHzをどう換算したか」の三つです。上の導出を閉じて再現できるかで、理解を確かめられます。

時間を計るときは120分で同じ冊子の2問を解きます。例えば最初の5分で全小問を確認し、各問50分、最後15分を検算に使います。止まった小問は一度保留して他方へ進めますが、選択問題として片方を捨てる練習にはしません。別の冊子も同じ条件で行います。

2021〜2026年度24問の収録内容

院試hubの物理の解答・解説集は、6年度・各4問、計24問です。2026年度は2025年実施の問題であり、2026年実施の2027年度問題を収録したという意味ではありません。

入学年度収録問題の分野
2026連成振動、同心球殻の電磁場、格子気体と平均場近似、有限井戸・Stark効果・Zeeman効果
2025回転座標系、局在スピンと自由電子の磁性、サイクロトロン、調和振動子の変分・摂動
2024駆動される振り子、二状態鎖、RLC回路と導体中の電磁波、デルタ関数・有限井戸
2023連成振動とうなり、プラズマ、古典分配関数、調和振動子・Landau準位
2022剛体の回転、電磁場、散乱、統計力学
2021中心力、静電場、量子力学、熱統計

大学公式の問題・解答例と、院試hubの解答・解説の見本を見比べ、必要な説明があるか確認してください。出願日程・英語条件・教員への連絡は別ページにまとめています。

途中式と最終答まで読める解説

問題本文は含みません。公式の問題冊子と併用してください。

物理学の収録解説の分野(2021〜2026年度・24項目)

院試hubの収録解説6実施回・24項目の見出しを分野別に数えたものです。設問を分割した項目や、公開資料の制約を説明する項目を含むため、公式問題の大問数や完成答案数とは一致しません。が8項目(全体の33%)で最多。

分野項目数全項目に占める割合直近の連続出題最後に出た回
833%—2025年度
力学625%2回連続2026年度
量子力学417%1回連続2026年度
電磁気学・回路313%1回連続2026年度
熱・統計力学313%1回連続2026年度

収録年度と解説項目数

千葉大 物理学の解答で立てた注意点(50件)

院試hubの解説で、その設問だけに立てた小見出しです(「方針」「検算」のような全問共通の 見出しは除いています)。新しい実施回から並べています。

  • 2025年度 第2問 磁性と電子気体局在スピンの検算 / 状態密度の数え方 / 自由電子ガスの磁化
  • 2025年度 第3問 サイクロトロン半周期が一定になる理由 / 磁場勾配の符号 / 動径安定性
  • 2024年度 第1問 単振子と高周波駆動符号の確認 / 平均化で落としてよい項
  • 2024年度 第4問 井戸型ポテンシャルとデルタ井戸部分積分の注意 / 負エネルギー解の個数 / 概形の描き分け
  • 2023年度 第2問 電磁波とプラズマ分散磁場の向き / 電子変位の符号 / 数値評価
  • 2021年度 第1問 中心力途中式の意味

力学14件

  • 2026年度 第1問 連成振動途中式の見方
  • 2025年度 第1問 回転系の力学有効ポテンシャル / 抗力の意味 / 磁場による打ち消し
  • 2025年度 第4問 調和振動子変分法の検算 / 励起状態の形 / 線形摂動の変分計算 / 四次摂動の検算
  • 2023年度 第1問 連成振動とうなりゼロモード / 正規座標の選び方 / うなりの読み取り
  • 2023年度 第3問 古典振動子の分配関数エネルギー等分配との関係 / 非調和補正の符号
  • 2022年度 第1問 剛体の回転途中式の意味

量子力学8件

熱・統計力学6件

電磁気学・回路5件

頻出論点と、同じ論点を出す他大学

院試hubが解答した大問の論点を、他大学の出題と突き合わせたものです。併願先を 探すときの重なりの実数として使えます。

論点この専攻での出題出題年度同じ論点を出す他大学全国の出題大学
固有値・固有ベクトル5問2026・2024・2023神戸大学・京都大学・東京大学・大阪大学・名古屋大学25大学
調和振動子5問2025・2023・2021名古屋大学・北海道大学・電気通信大学・広島大学・九州大学16大学
分配関数5問2026・2025・2024・2023・2022東京大学・名古屋大学・北海道大学・筑波大学・九州大学16大学
静電場3問2026・2022・2021名古屋大学・北海道大学・九州工業大学・筑波大学・九州大学16大学
ラグランジアン3問2026・2025・2024名古屋大学・北海道大学・京都大学・広島大学・筑波大学13大学
井戸型ポテンシャル2問2026・2024名古屋大学・九州大学・東京大学・北海道大学・東京科学大学15大学
フェルミ・ボース統計2問2025・2021北海道大学・九州工業大学・九州大学・筑波大学・東京都立大学13大学
摂動論2問2026・2025京都大学・東京都立大学・名古屋大学・東京科学大学・大阪公立大学11大学
剛体の回転運動1問2022北海道大学・京都大学・広島大学・九州工業大学・筑波大学16大学
ハミルトン形式1問2023名古屋大学・広島大学・筑波大学・九州大学・京都大学15大学

千葉大 公式の過去問の公開年度と公式解答例

公式の過去問ページ
融合理工学府 物理学コース
公開されている年度
2025年10月入学/2026年4月入学
公式の解答例
全年度公開
英語の扱い
2027年4月一般は外部スコアを出願時に提出し英語200点。受験有効期間は2024年6月〜2026年5月末。物理は理学系でHome Edition可。
院試hubが最後にリンクを確認した日
2026-10-16
ページの内容
公式ページで物理学コース専門科目(1)(2)の試験問題PDF、解答例PDF、出題意図PDFを公開(口頭試問は出題意図のみ)。販売PDFには問題本文・公式解答例・公式図表を転載しない。

よくある質問

千葉大物理の院試は何分で何問解きますか。

2026年度過去問は専門科目(1)と(2)が各120分で、どちらも2問すべて必答です。2027年度の募集要項も専門(1)が10〜12時、専門(2)が13時30分〜15時30分です。90分で4問を解く形式ではありません。

千葉大物理の院試には公式解答がありますか。

あります。2026年10月16日確認の公式ページには2025年10月・2026年4月入学の専門(1)(2)の問題、解答例、出題意図が掲載されています。公式解答で理解できる箇所はそれを使い、導出や検算が必要な箇所をこの記事や解説集で補ってください。

千葉大物理の英語と専門の配点は何点ですか。

2027年4月・2026年10月入学の一般選抜は、外部英語スコア200点、専門600点、口頭200点の合計1000点です。有効な外部試験の受験期間は2024年6月〜2026年5月末で、理学系の物理はTOEFL iBT Home Editionを認めます。

公式過去問と併用する解答・解説PDFを、千葉大学の研究科・科目別に掲載しています。収録年度と価格は各ページで確認できます。

千葉大学の解答PDF一覧で、千葉大学の研究科・専攻・科目をまとめて確認できます。

院試対策ガイド一覧(大学別)