電気通信大学 院試 過去問 解答例
電通大 情報理工学研究科 情報学専攻 専門科目(情報学) 2026年度 院試 過去問 解答例・解説(全2問)
全2問。線形代数1問・微分積分・解析1問。テーマタグは3件(固有値・固有ベクトル・重積分と極座標・正定値行列)。2025年度と共通のテーマは重積分と極座標。
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- 解説2問と大問1問の途中式・最終答(全2問)
- 解答PDFに収録
- 途中式と最終答(最終答つき2問)
- 問題本文
- 非収録
電通大 専門科目(情報学) 2026年度 院試 過去問の出題内容(全2問)
この2問の分野は線形代数1問・微分積分・解析1問です。
この年度の解説には採点の置き所2件・検算1件が付いています。
2026年度の出題テーマと、同じテーマを出した他大学・他年度
この年度は2問に3テーマが出ています。
| テーマ | この年度 | 全体の出題実績 | 他大学の直近出題 |
|---|---|---|---|
| 固有値・固有ベクトル | 第1問 | 25大学・544問 | |
| 重積分と極座標 | 第2問 | 23大学・142問 | |
| 正定値行列 | 第2問 | 17大学・70問 |
前年度(2025年度)との違い
- 大問数
- 2025年度 2問 → 2026年度 2問
- 両年度に出たテーマ
- 重積分と極座標
- 2026年度で新しく出たテーマ
- 固有値・固有ベクトル・正定値行列
第1問 — 線形代数
行列を と見る
対角成分が ,それ以外が の行列は,直接成分計算してもよいが, と見るのが最も早い。 は を全成分にもつベクトルである。したがって,成分和が のベクトルには が消えて, は単に として働く。
固有空間の構造
方向では が 倍として働くため, は 倍として働く。これと直交する成分和 の三次元部分空間では が として働くため, は 倍として働く。この分解により,固有値の重複度まで一度に分かる。
基底であることの確認
が固有空間に入る条件は成分和が であることだけである。値を決めた後は,三つが一次独立であることを確認すればよい。第2,第3,第4成分がそれぞれ係数を直接与える形になっているため,一次独立性は即座に従う。
採点の置き所
この問題は,成分計算で押し切るよりも と認識できるかが大きい。答案では, が「成分和を全成分に並べたベクトル」になることを一文で書くと, と固有空間の記述が同じ理由から出ていることが伝わる。
検算
とした三つのベクトルはいずれも成分和が であるため,確かに 固有空間に属する。さらに三つのベクトルの第2,第3,第4成分を並べると単位ベクトル型になっているので,一次独立性の確認も容易である。値を求めたら,この二点で答を検算するとよい。
解答
行列 は,全成分が の行列を ,単位行列を とすると と書ける。この表示を使うと,計算は各ベクトルの成分和だけで整理できる。
の成分和は である。したがって となり,
次に固有値を求める。まず とおくと, だから よって は固有値である。
一方,成分和が の任意のベクトル については なので よって も固有値であり,その固有空間は である。この空間は一次方程式を一つだけ満たす の部分空間なので,次元は である。
最後に,指定された三つのベクトルが に属する条件を見る。 の成分和はそれぞれ である。したがって このとき であり, とすると第2,第3,第4成分から が従う。したがって三つのベクトルは一次独立である。さらに三つとも次元 の空間 に属するので,これらは の基底である。
最終答
固有値は であり, の固有空間は である。求める値は
第2問 — 微分積分
陰曲線の法線
曲線 の接線方向は,勾配 と直交する。したがって法線方向は そのものである。点を通り,方向ベクトルが の直線として表すと,計算ミスを防ぎやすい。
極値判定
二変数関数の極値は,まず停留点をすべて列挙し,ヘッセ行列の正定値・負定値・不定値で判定する。今回の停留点は三つあるが,正定値になるのは だけである。行列式が負になる点は,増える方向と減る方向が両方あるため,極値ではない。
平方根を消す変数変換
領域条件に と が現れるときは, とおくのが自然である。領域が標準的な三角形になり,被積分関数とヤコビアンも単項式になる。最後はベータ積分として処理できるが,多項式を展開して積分しても同じ値が得られる。
採点の置き所
法線では,点を通ることと方向ベクトルが勾配であることの二つを書く。極値では から場合分けし,三つの停留点を漏れなく列挙することが最初の山である。各点のヘッセ行列の行列式まで書けば,極小点と鞍点の区別が明確になる。
積分の検算
変数変換後の領域は であり,面積要素は である。被積分関数 と合わせて になるため,積分値は正で小さい値になる。得られた はこの符号・大きさと整合する。
電通大 専門科目(情報学) 院試 過去問の収録5年度
2026年度(このページ・全2問)
線形代数 / 微分積分
線形代数 / 微分積分
線形代数 / 微分積分
線形代数 / 微分積分
線形代数 / 微分積分