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電気通信大学 院試 過去問 解答例

電通大 情報理工学研究科 情報学専攻 専門科目(情報学) 2025年度 院試 過去問 解答例・解説(全2問)

全2問。線形代数1問・微分積分・解析1問。テーマタグは2件(線形空間・基底・重積分と極座標)。2024年度と共通のテーマは重積分と極座標。

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解説2問と大問1問の途中式・最終答(全2問)
解答PDFに収録
途中式と最終答(最終答つき2問)
問題本文
非収録

電通大 専門科目(情報学) 2025年度 院試 過去問の出題内容(全2問)

この2問の分野は線形代数1問・微分積分・解析1問です。

大問分野主題解説の小見出し最終答
第1問線形代数—像の次元 / 核が零でない条件あり
第2問微分積分・解析微分積分陰関数の二階微分 / 積分領域の変換あり

この年度の解説には採点の置き所1件が付いています。

2025年度の出題テーマと、同じテーマを出した他大学・他年度

この年度は2問に2テーマが出ています。

前年度(2024年度)との違い

大問数
2024年度 2問 → 2025年度 2問
両年度に出たテーマ
重積分と極座標
2025年度で新しく出たテーマ
線形空間・基底
2024年度のページを見る

第1問 — 線形代数

像の次元

線形写像 f(x)=Axf(x)=Ax の像は,AA の列ベクトルが張る空間である。したがって列ベクトル間の一次関係を調べればよい。今回は a3a_3 が a1,a2a_1,a_2 の一次結合であり,かつ a1,a2a_1,a_2 は一次独立なので,像は二次元である。

核が零でない条件

R3\mathbb{R}^3 から R3\mathbb{R}^3 への線形写像では,行列が正則でないときに限り核が非自明になる。したがって BB の行列式を因数分解すれば条件がそのまま出る。

像と核の交わり

Im⁡f\operatorname{Im}f の一般元を sa1+ta2sa_1+ta_2 と書き,これが BB で 00 に送られる条件を見る。非零解があるかどうかは,Ba1,Ba2Ba_1,Ba_2 が一次従属になるかどうかで判定できる。

採点の置き所

像の次元では,単に rank⁡A=2\operatorname{rank}A=2 と書くだけでなく, a3=9a1+5a2,a1,a2 は一次独立 a_3=9a_1+5a_2,\qquad a_1,a_2\ \text{は一次独立} を示すと根拠が明確になる。核が非自明な条件は det⁡B=0\det B=0 の因数分解で決まるが,像との交わりでは,さらにその核が span⁡{a1,a2}\operatorname{span}\{a_1,a_2\} に入るかを別に調べる必要がある。

c=3c=3 を落とす理由

c=3c=3 では BB 自体は正則でないが,Im⁡f\operatorname{Im}f の一般元 sa1+ta2sa_1+ta_2 が BB で 00 に送られる非零条件を満たさない。したがって第2小問の条件 c=−3,3c=-3,3 をそのまま第3小問へ流用しない。答案では Ba1,Ba2Ba_1,Ba_2 の一次従属性を調べたことを明示するのが失点を避ける書き方である。

解答

行列 AA の列ベクトルを a1,a2,a3a_1,a_2,a_3 とする。 a1=(371),a2=(−5−12−2),a3=(23−1). a_1= \begin{pmatrix}3\\7\\1\end{pmatrix},\quad a_2= \begin{pmatrix}-5\\-12\\-2\end{pmatrix},\quad a_3= \begin{pmatrix}2\\3\\-1\end{pmatrix}. a3=λa1+μa2a_3=\lambda a_1+\mu a_2 とおくと,第1成分と第3成分から 3λ−5μ=2,λ−2μ=−1 3\lambda-5\mu=2,\qquad \lambda-2\mu=-1 である。これを解いて λ=9,μ=5 \lambda=9,\qquad \mu=5 を得る。実際,第2成分も 7⋅9−12⋅5=3 7\cdot 9-12\cdot 5=3 を満たす。したがって a3=9a1+5a2. a_3=9a_1+5a_2. また a1,a2a_1,a_2 は比例しないため一次独立であり, dim⁡Im⁡f=rank⁡A=2. \dim \operatorname{Im} f=\operatorname{rank}A=2.

次に gg の核を調べる。核が零でないことは BB が正則でないこと,すなわち det⁡B=0 \det B=0 と同値である。直接計算すると det⁡B=−2(c+3)2(c−3) \det B=-2(c+3)^2(c-3) であるから, dim⁡Ker⁡g≠0⟺c=−3, 3. \dim\operatorname{Ker}g\ne 0 \quad\Longleftrightarrow\quad c=-3,\ 3.

最後に Im⁡f=span⁡{a1,a2} \operatorname{Im}f=\operatorname{span}\{a_1,a_2\} を用いる。x=sa1+ta2x=sa_1+ta_2 とおくと,x∈Ker⁡gx\in\operatorname{Ker}g であるための条件は B(sa1+ta2)=0 B(sa_1+ta_2)=0 である。係数行列を計算すると (Ba1Ba2)=(16−2830+7c−c22c2−12c−547+c2−10−2c2). \begin{pmatrix} Ba_1 & Ba_2 \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 16&-28\\ 30+7c-c^2&2c^2-12c-54\\ 7+c^2&-10-2c^2 \end{pmatrix}. この 3×23\times 2 行列の階数が 22 未満であれば,非零の (s,t)(s,t) が存在する。2×22\times2 小行列式を調べると,共通に消えるのは c=−3 c=-3 の場合だけである。したがって dim⁡(Im⁡f∩Ker⁡g)≠0⟺c=−3. \dim(\operatorname{Im}f\cap\operatorname{Ker}g)\ne 0 \quad\Longleftrightarrow\quad c=-3.

最終答

a3=9a1+5a2,dim⁡Im⁡f=2. a_3=9a_1+5a_2,\qquad \dim\operatorname{Im}f=2. dim⁡Ker⁡g≠0⟺c=−3, 3. \dim\operatorname{Ker}g\ne 0 \Longleftrightarrow c=-3,\ 3. dim⁡(Im⁡f∩Ker⁡g)≠0⟺c=−3. \dim(\operatorname{Im}f\cap\operatorname{Ker}g)\ne 0 \Longleftrightarrow c=-3.

第2問 — 微分積分

陰関数の二階微分

一階微分は fx+fyy′=0f_x+f_y y'=0 から出る。二階微分では,この式をさらに xx で微分して fxx+2fxyy′+fyy(y′)2+fyy′′=0 f_{xx}+2f_{xy}y'+f_{yy}(y')^2+f_y y''=0 を使う。点で y′=0y'=0 になるため,今回の計算はかなり短くなる。

積分領域の変換

I1I_1 は x−yx-y が三角関数の中にあり,領域には x+yx+y が出るため,u=x−y, v=x+yu=x-y,\ v=x+y が自然である。I2I_2 は円環の一部なので極座標に変換すると,角度と半径が分離する。

陰関数で確認する条件

陰関数の微分公式を使うには,その点で fy≠0f_y\ne0 であることを確認しておくと答案が締まる。ここでは fy(−1,−2)=−3≠0 f_y(-1,-2)=-3\ne0 なので,点の近くで y=φ(x)y=\varphi(x) と見てよい。二階微分では y′=0y'=0 を代入してから計算すると,余計な項を残さずに済む。

積分の典型ミス

u=x−y, v=x+yu=x-y,\ v=x+y の変換ではヤコビアンが 1/21/2 になる。これを落とすと I1I_1 が2倍になる。また I2I_2 では 1x2+y2−(x2+y2)2 \frac{1}{\sqrt{x^2+y^2-(x^2+y^2)^2}} に面積要素 r dr dθr\,dr\,d\theta を掛けると 1/1−r21/\sqrt{1-r^2} になる。分母に rr を残したままにしないことが重要である。

微分積分の途中式・最終答をPDFで見る

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