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電気通信大学 院試 過去問 解答例

電通大 情報理工学研究科 基盤理工学専攻 専門科目(電気電子・光デバイス系) 2024年度 院試 解答例・解説

電気通信大学 情報理工学研究科 基盤理工学専攻 専門科目(電気電子・光デバイス系) 2024年度の院試 過去問について、設問ごとの解法方針・部分点の置き所を解説。全5問収録の解答・解説PDFと併用できます。問題本文は含みません。

最終更新:

設問ごとの解法方針・部分点の置き所を無料で公開しています。

完全な途中式・最終答は解答・解説PDFに収録しています。問題本文は含まれません。

1 — 選択問題:電気・電子回路

方針

この科目は回路を「見たまま」解くより,端子対,交流接地,仮想接地という標準手順に分けると安全である。ブリッジ回路では RxR_x を外した開放電圧と,電源を殺した等価抵抗を別々に求める。共振回路ではアドミタンスの実部と虚部を分ける。トランジスタ回路では直流バイアスと小信号等価回路を混ぜない。

検算

ブリッジでは R3R1+R3=R4R2+R5+R4 \frac{R_3}{R_1+R_3}= \frac{R_4}{R_2+R_5+R_4} なら Vab=0V_{ab}=0 となり,RxR_x に電流は流れない。これは平衡条件として自然である。共振回路では Z(ω0)Z(\omega_0) の単位が LrC=ΩsΩs/Ω=Ω \frac{L}{rC} = \frac{\Omega\,\mathrm{s}}{\Omega\cdot \mathrm{s}/\Omega} =\Omega となる。

典型ミス

テブナン抵抗を求めるときに電圧源を開放してはいけない。独立電圧源は短絡する。また,エミッタフォロワの電圧増幅率で hfeReh_{fe}R_e だけを書くと,ベース電流を含むエミッタ電流 (1+hfe)ib(1+h_{fe})i_b を落としていることになる。

試験で書くべきポイント

等価回路の根拠を一言でよいので添えることが重要である。たとえば「電圧源を短絡して端子 a,ba,b から見る」「VCCV_{CC} は交流接地」「反転入力端子は仮想接地」と書けば,途中式の意味が採点者に伝わる。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

2 — 選択問題:光波動工学

方針

偏光は全体位相を同一視すること,回折は振幅をフーリエ変換してから絶対値二乗を取ることが核心である。ジョーンズベクトルでは通常の内積ではなく複素共役を取る内積で直交性を見る。

検算

ϕ=0\phi=0 なら重ね合わせは xx 方向直線偏光,ϕ=π\phi=\pi なら yy 方向直線偏光になる。これは θ=ϕ/2\theta=-\phi/2 と同じ偏光方向を与える。単スリット強度も u0u\to0 で有限値 I0I_0 に近づく。

典型ミス

ブリュースター角で θ1=θ2\theta_1=\theta_2 と置くのは誤りである。反射光と屈折光が直交するため,入射角と屈折角の和が π/2\pi/2 になる。また,回折で F(u)|F(u)| を強度としないこと。強度は F(u)2|F(u)|^2 である。

試験で書くべきポイント

円偏光の左右は採用する時間因子の規約に依存するので,答案では与えられたベクトルとの一致を示せばよい。回折では「畳み込みがフーリエ空間で積になる」と書くと,有限幅二重スリットの積形が自然に説明できる。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

3 — 選択問題:量子力学/統計力学

方針

自由粒子の問題では,位置積分が体積 VV,運動量積分がガウス積分になる。多粒子分配関数の 1/N!1/N! は同種粒子の過剰計数を除く因子であり,これを落とすとエントロピーが示量性を失う。

途中式

eβp2/(2m)dp=2πmβ=2πmkBT \int_{-\infty}^{\infty}e^{-\beta p^2/(2m)}\,dp = \sqrt{\frac{2\pi m}{\beta}} = \sqrt{2\pi mk_BT} を 3 方向分掛けるので (2πmkBT)3/2(2\pi mk_BT)^{3/2} が出る。また logZNNlog(VλT3)NlogN+N \log Z_N \simeq N\log\left(\frac{V}{\lambda_T^3}\right)-N\log N+N である。

検算

圧力が pV=NkBTpV=Nk_BT となり,理想気体の状態方程式に一致する。内部エネルギーも 3 つの並進自由度それぞれに 12kBT\frac12k_BT が割り当てられ,32NkBT\frac32Nk_BT になる。

典型ミス

ZN=Z1NZ_N=Z_1^N としてしまうと Gibbs のパラドックスを含む答えになる。量子状態和の積分近似では,量子数空間の積分範囲とエネルギー準位の係数をそろえることが重要である。

試験で書くべきポイント

古典統計は量子統計の高温・低密度極限である,と明記する。条件は典型的には nλT31,n=NV n\lambda_T^3\ll1,\qquad n=\frac{N}{V} であり,このとき粒子の波束の重なりと量子縮退を無視できる。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

8 — 選択問題:電磁気学

方針

円筒対称ならアンペールの法則,球対称ならガウスの法則,接地平面なら鏡像法を使う。いずれも対称性で場の向きと大きさの依存性を先に決めてから積分形を使うと計算が短い。

検算

同軸導体の B(r)B(r)r=a,b,cr=a,b,c で連続である。特に rcr\ge c では内側電流 II と外側電流 I-I の和が 0 なので外部磁場が消える。

典型ミス

接地導体面のエネルギーで,実電荷と鏡像電荷の相互作用エネルギーをそのまま使うと 2 倍になる。導体上の誘導電荷は電荷を近づける過程で変化するため,エネルギーは鏡像ポテンシャルによる値の半分である。

試験で書くべきポイント

法則を書く問題では,記号の意味を添える。たとえば IencI_{\mathrm{enc}} は積分路を貫く全電流,QencQ_{\mathrm{enc}} は閉曲面内の全電荷である,と書けば十分である。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

9 — 選択問題:光・電子デバイス基礎

方針

半導体の濃度式は,バンド端からフェルミ準位までのエネルギー差を指数に入れるだけで整理できる。pn 接合では「熱平衡ならフェルミ準位は平坦」という原理を,ドリフト電流と拡散電流の釣り合いから示す。

途中式

低温不純物領域ではドナーが完全電離していないため n=NDn=N_D とは置けない。ドナー準位から伝導帯へ電子を励起する過程を考えると,電子濃度は指数因子の平方根を含むため,見かけの活性化エネルギーがドナー束縛エネルギーの半分になる。

検算

EFE_FECE_C に近いほど nn は大きく,EFE_FEVE_V に近いほど pp は大きい。濃度式はこの直観と一致する。飽和領域で nNDn\simeq N_D になることも,ドナーがほぼ全電離している状況と整合する。

典型ミス

電子拡散電流の符号を正孔と同じ感覚で逆にしやすい。電子粒子流は高濃度から低濃度へ向かうが,電子の電荷は負なので,慣用的な電流密度は +qDndn/dx+qD_n\,dn/dx と書かれる。

試験で書くべきポイント

バンド図を文章で説明する場合でも,EFE_F が水平,n 側・p 側,空間電荷層,界面を明記する。光照射の説明では,電子と正孔を区別して,内蔵電界で分離され外部短絡電流に寄与する,という順に書く。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

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