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名大 情報学研究科 数理情報学 2020年2月実施 院試 過去問 解答例・解説(全3問)

全3問の分野は線形代数1問、微分積分・解析1問です。解説はすべて、途中式と最終答は大問1問ぶんを公開しています。残りは解答PDFに収録しています。問題本文は含みません。

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第1問 — 線形代数

この問題では、WW を直接パラメータ表示するより、直交補空間を 先に求める方が速い。WW が R4\mathbb{R}^4 内の3次元空間である ことが分かれば、W⊥W^\perp は1次元であり、射影行列は uuT/(uTu)uu^T/(u^Tu) に落ちる。

(2) では wiw_i を viv_i の一次結合で表そうとするより、 「W=u⊥W=u^\perp」を使う方が計算が短い。ただし、u⋅wi=0u\cdot w_i=0 だけでは wiw_i が張る空間の次元が3とは限らないため、 b=1/2b=1/2 の後に一次独立性を確認する必要がある。

解答

(1)

u=(x,y,z,t)Tu=(x,y,z,t)^T が W⊥W^\perp に属する条件は 2x+y+2z+6t=0,x+2z+3t=0,3x+y+3z+8t=0 2x+y+2z+6t=0,\quad x+2z+3t=0,\quad 3x+y+3z+8t=0 である。第2式から x=−2z−3tx=-2z-3t、第1式から y=2zy=2z、 第3式に代入して z=−tz=-t を得る。したがって u=t(−1,−2,−1,1)T u=t(-1,-2,-1,1)^T であり、例えば W⊥=span⁡{(1,2,1,−1)T} W^\perp=\operatorname{span}\{(1,2,1,-1)^T\} である。

(2)

(1) の u=(1,2,1,−1)Tu=(1,2,1,-1)^T を用いると、W=u⊥W=u^\perp である。 したがって span⁡{w1,w2,w3}=W\operatorname{span}\{w_1,w_2,w_3\}=W のためには まず u⋅wi=0u\cdot w_i=0 が必要である。計算すると u⋅w1=2b−1,u⋅w2=2−4b,u⋅w3=2b−1. u\cdot w_1=2b-1,\quad u\cdot w_2=2-4b,\quad u\cdot w_3=2b-1. よって b=1/2b=1/2 が必要である。

b=1/2b=1/2 のとき w1=(2,−1,3,3)T,w2=(−1,1,0,1)T,w3=(1,−1,1,0)T. w_1=(2,-1,3,3)^T,\quad w_2=(-1,1,0,1)^T,\quad w_3=(1,-1,1,0)^T. αw1+βw2+γw3=0\alpha w_1+\beta w_2+\gamma w_3=0 とおくと、第4成分から 3α+β=03\alpha+\beta=0、第3成分から 3α+γ=03\alpha+\gamma=0、 第2成分から −α+β−γ=0-\alpha+\beta-\gamma=0 である。これらより −α−3α+3α=0-\alpha-3\alpha+3\alpha=0、すなわち α=0\alpha=0 となり、 続いて β=γ=0\beta=\gamma=0 である。したがって3本は一次独立で、 いずれも3次元空間 WW に属するから WW を張る。

(3)

u=(1,2,1,−1)Tu=(1,2,1,-1)^T とおくと uTu=7u^Tu=7 である。W⊥W^\perp 上への 直交射影は P=uuTuTu=17(121−1242−2121−1−1−2−11) P=\frac{uu^T}{u^Tu} =\frac{1}{7} \begin{pmatrix} 1&2&1&-1\\ 2&4&2&-2\\ 1&2&1&-1\\ -1&-2&-1&1 \end{pmatrix} である。

(4)

v1,v2,v3v_1,v_2,v_3 は WW の基底であり、uu は W⊥W^\perp の基底である。 この基底 (v1,v2,v3,u) (v_1,v_2,v_3,u) に関する PP の表現行列は diag⁡(0,0,0,1) \operatorname{diag}(0,0,0,1) である。したがってこの基底が求める対角化基底である。

最終答

W⊥=span⁡{(1,2,1,−1)T}W^\perp=\operatorname{span}\{(1,2,1,-1)^T\}、b=1/2b=1/2。 直交射影行列は 17(121−1242−2121−1−1−2−11). \frac17\begin{pmatrix} 1&2&1&-1\\2&4&2&-2\\1&2&1&-1\\-1&-2&-1&1 \end{pmatrix}. 対角化基底の一例は (v1,v2,v3,(1,2,1,−1)T)(v_1,v_2,v_3,(1,2,1,-1)^T)。

第2問 — 微分積分

ガウス積分の片側版は、正方形を四分円で挟む定番の方法で処理する。 ポイントは [0,a]2[0,a]^2 を半径 aa と半径 2a\sqrt2a の四分円で挟む ことで、極座標積分に直接変換できる。

後半は「各値をちょうど2回とる」という条件が、連続関数の端点と 極値の振る舞いに合わないことを示す問題である。最小値を2回しか とれないなら、その2点は端点に追い込まれる。すると最大値の逆像が 1点、区間、または複数点のいずれであっても、逆像数2という条件と 矛盾する。

微分積分の途中式・最終答をPDFで見る

第3問 — 離散数学

Iは φ(n)\varphi(n) の乗法性と、p−1∣24p-1\mid24 から候補素数を絞るのが 核心である。候補素数が少ないので、指数条件まで見ると有限の列挙に 落ちる。

IIはハフマン符号化の正当性を木の言葉で証明する問題である。最小の 2重みを最深の兄弟葉に置いてよいこと、その2葉を合併しても最適性が 保存されることが分かれば、通常のハフマン併合手順がそのまま導ける。

離散数学の途中式・最終答をPDFで見る

年度別の解答例(6年度)

2020年2月実施の出題内容

全3問

この3問の分野は線形代数1問・微分積分・解析1問です。

大問分野主題解説の小見出し最終答
第1問線形代数——あり
第2問微分積分・解析微分積分—あり
第3問—離散数学—あり

前年度(2019年8月実施)との違い

大問数
2019年8月実施 8問 → 2020年2月実施 3問
2019年8月実施の解答例

名古屋大学の公式過去問

公開年度範囲
2023〜2026(博士前期課程)
公式の解答例
非公開(問題冊子のみ)
院試hubの最終確認
2026-09-26
名古屋大学の公式過去問PDF