九州大学 院試 過去問 解答例
九大 システム情報科学府 電気電子工学専攻 専門科目 2022年度 院試 解答例・解説
九州大学 システム情報科学府 電気電子工学専攻 専門科目 2022年度の院試 過去問について、設問ごとの解法方針・部分点の置き所を解説。全5問収録の解答・解説PDFと併用できます。問題本文は含みません。
最終更新:
設問ごとの解法方針・部分点の置き所を無料で公開しています。
完全な途中式・最終答は解答・解説PDFに収録しています。問題本文は含まれません。
第1問 — 電気回路
方針
この分野は、数値代入よりも「どの等価変換を使うか」を採点されやすい。フェーザ回路は インピーダンス、アドミタンス、テブナン等価の三つへ整理すると見通しがよい。
典型ミス
相互インダクタンスでは同名端子を見落として の符号を誤るミスが多い。最大電力条件では 「インピーダンスで共役」なのか「アドミタンスで共役」なのかを混同しやすい。アドミタンス負荷で 最適化するなら と書く。
検算
問1は なので、大きさは 、偏角は で条件に一致する。 過渡応答では と の極限を必ず確認する。
第2問 — 電子回路
方針
理想演算増幅器の問題は、まず と入力電流ゼロを置く。回路図を見てすぐ公式を 暗記で出すより、非反転入力電位を一度 とおいてKCLを立てる方が符号を落としにくい。
試験で書くべき点
差動増幅回路では の定義が なのか なのかを明記する。 本解答の符号は に基づく。ボード線図は、低周波利得、折点角周波数、傾き、 位相の極限を押さえれば十分に答案になる。
典型ミス
Wien発振器で を忘れて とする誤りが多い。 発振条件は「一巡利得が1」であり、増幅器単体の利得が1という意味ではない。
第3問 — 制御工学
方針
制御の設問は、図を読む問題と証明問題が混在する。ボード線図は「折点と傾き」、 双対性は「伝達関数の転置」、倒立振子は「特性方程式」のように、使う道具をすぐ切り替える。
検算
では特性多項式が になり原点極を持つので安定限界である。 この境界がナイキスト線図の 点通過に対応する。
典型ミス
ナイキストの安定判別では、開ループ右半平面極の個数を数え忘れると包囲方向を誤る。 倒立振子はもともと不安定極を持つので、単に を囲まなければよい、という通常の安定開ループ系の感覚で処理しない。
第4問 — 電磁気学
方針
前半は二次元の電流拡がり抵抗であり、面内の円筒対称性を使う。後半は、回転する表面電荷を 表面電流と見て長いソレノイドへ対応させるのが最短である。
検算
抵抗は に無次元の対数が掛かっており、単位は で正しい。 磁気エネルギーは に比例するので、回転方向を逆にしても同じ値になる。
典型ミス
円盤電極の抵抗で断面積を として厚さ を落とすミスが多い。 ポインティングベクトルは大きさだけでなく向きを書くと、エネルギー保存の説明として強い答案になる。
第5問 — 半導体デバイス
方針
半導体デバイスでは、ドリフト、拡散、熱平衡、接合の少数キャリア注入を分けて考える。 式を丸暗記するより、電流密度 と Einstein関係から導く方が符号を確認しやすい。
検算
は が電圧、 が なので電界の単位になる。 注入効率では、 を大きくすると が小さくなり は1へ近づく。
典型ミス
npnの通常能動状態で、コレクタ接合を順方向に描くと全体のバンド図が破綻する。 また、注入効率の分子は「エミッタからベースへ注入される電子電流」であり、正孔電流と取り違えない。