京都大学 院試 過去問 解答例
京大 情報学研究科 知能情報学コース 2024年度 院試 解答例・解説
京都大学 情報学研究科 知能情報学コース 2024年度の院試 過去問について、設問ごとの解法方針・部分点の置き所を解説。全10問収録の解答・解説PDFと併用できます。問題本文は含みません。
最終更新:
設問ごとの解法方針・部分点の置き所を無料で公開しています。
完全な途中式・最終答は解答・解説PDFに収録しています。問題本文は含まれません。
第1問 — F1-1 線形代数
Householder変換として見る
は 方向だけ符号を反転し, に直交する超平面上では点を動かさない反射である。この見方を使うと,対称性,直交性,固有値,行列式が一度に分かる。
第2問 — F1-2 微分積分
剰余を整数に挟む
の無理性証明では,有限和との差を階乗倍して「整数だが0と1の間」という矛盾を作る。剰余の上界が 未満になるように評価するのが核心である。
第3問 — F2-1 アルゴリズムとデータ構造
最大直径は三角形の鎖で作る
各頂点が直前2頂点へ接続する形にすると,局所的には三角形を作りながら全体として細長いグラフになる。新しい頂点が2つの過去頂点へ接続する制約の下では,これが直径を最も伸ばす典型構成である。
第4問 — F2-2 二分探索木と動的計画法
同種を区別しない数え上げ
では品物 を使わない場合と,少なくとも1個使う場合に分ける。後者は1個取り除いた残りを再び で作るので になる。
第5問 — S-1 統計学
対応ありと対応なしで標準誤差が違う
対応ありでは差 の一標本問題になり,共分散 が標準誤差に入る。対応なしでは二標本問題としてプール分散を使う。
第6問 — S-2 パターン認識と機械学習
ナイーブベイズの形
各成分が条件付き独立なので,クラスごとの尤度は3つのベルヌーイ確率の積になる。正規化定数 はクラス比較では共通なので,事前確率と尤度の積だけ比較すればよい。
第7問 — S-3 情報理論
弱対称通信路の容量
行が互いに置換で列和が一定なら,容量は 行エントロピーで与えられる。入力を一様にすると出力も一様になるためである。
第8問 — S-4 信号処理
標本化は周波数領域で複製を作る
時間領域で櫛型関数を掛けると,周波数領域では元のスペクトルが一定間隔で複製される。間隔が狭いと隣の複製が基底帯域へ重なり,これがエイリアシングである。
第9問 — S-5 形式言語理論
10進表記は余りの更新で読める
現在の余りが のとき数字 を1文字読むと,新しい数は 倍して を足したものなので,余りは になる。
第10問 — S-6 認知神経科学・知覚認知心理学
単独計測では落ちる情報を補う
fMRI だけでは速い処理順序が見えにくく,EEG だけでは発生源定位が不安定である。同時計測の価値は,単に二つのデータを取ることではなく,同じ試行・同じ認知イベントに対して時間軸と空間軸を結びつける点にある。