京都大学 院試 過去問 解答例
京大 情報学研究科 知能情報学コース 2022年度 院試 解答例・解説
京都大学 情報学研究科 知能情報学コース 2022年度の院試 過去問について、設問ごとの解法方針・部分点の置き所を解説。全10問収録の解答・解説PDFと併用できます。問題本文は含みません。
最終更新:
設問ごとの解法方針・部分点の置き所を無料で公開しています。
完全な途中式・最終答は解答・解説PDFに収録しています。問題本文は含まれません。
第1問 — F1-1 線形代数
LU分解の検算
この問題ではピボット交換なしで消去が進む。答案では消去過程を全部書くより,得られた と の確認方針を明示する方が読みやすい。四元数部分は, を掛けると虚部が消えることが核心である。
第2問 — F1-2 微分積分
対数極座標
と見ると, 微分は に対応する。したがって は通常のラプラシアンに を掛けたものになる。
第3問 — F2-1 アルゴリズムとデータ構造
部分集合DP
部分集合の個数を数えるときは,最後の要素 を「使わない」か「使う」かで完全に場合分けする。最適化ではなく個数計算なので, ではなく和になる点に注意する。
第4問 — F2-2 アルゴリズムとデータ構造
Floyd-Warshallの考え方
頂点番号 までを中間頂点として許す,という制約を1つずつ緩める。新しく使えるようになった頂点 を通るか通らないかだけを比べるので,三重ループの単純な更新式になる。
第5問 — S-1 認知神経科学・知覚認知心理学
定義・研究・関連事項の三点セット
用語説明では,定義だけで終わると設問要求を満たさない。代表的研究では「方法」と「結果」を分けて書き,最後に関連トピックを加えると,知識のつながりを示せる。
第6問 — S-2 統計学
有意結果の事後確率
有意水準は偽の仮説が有意になる確率,検出力は真の仮説が有意になる確率である。事前オッズ とこの2つを掛け合わせると,有意結果を観測した後の事後確率が出る。
第7問 — S-3 パターン認識と機械学習
multi-labelとsoftmax
1つの入力が複数クラスに同時所属できる問題では,クラス確率を足して1にするsoftmaxは構造的に合わない。各クラスを独立な二値判定として扱うため,出力ごとにsigmoidとBCEを使う。
第8問 — S-4 情報理論
禁止語を状態で記憶する
マルコフ情報源で禁止語を避けるには,次の出力を決めるために必要な最短の履歴を状態にする。 の禁止には直前が1かどうか, の禁止には連続する0の個数が3に達したかが必要になる。
第9問 — S-5 信号処理
三角関数は矩形の畳み込み
三角形の関数は,左右にずれた矩形関数の畳み込みとして見ると簡単に扱える。畳み込みはフーリエ領域で積になるため,直接積分より見通しよく計算できる。
第10問 — S-6 形式言語理論・計算理論・離散数学
SATから独立集合への変換
各節から1つのリテラルを選ぶことを独立集合の頂点選択に対応させる。節内を三角形にすることで同じ節から複数選べなくし,矛盾するリテラル間に辺を張ることで同時に選べなくする。