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北大 応用量子科学の院試過去問・解答|2026年度応用数学の微分方程式

北大工学院・応用量子科学系研究室群の公式過去問、応用数学の全問必答と専門9問から3問の選択を確認。2026年度応用数学・問1の全7設問を、変数分離、完全微分、積分因子、Wronskianまで解説します。

最終更新: 2026/10/16

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北大工学院の応用量子科学系研究室群の過去問は、工学院の公式ページで公開されています。応用数学と選択式の専門科目があり、2026年度の応用数学は微分方程式、ベクトル解析、複素解析、フーリエ・ラプラス変換を扱います。この記事では問1の全7設問を解きます。

2026年度は応用数学4問すべてと、専門9問から3問

応用数学の問題冊子の表紙では、2025年8月19日の9時〜12時に、4問すべてを解くと指定されています。「2026年度」は2026年4月入学を指し、この冊子には2025年10月入学も併記されています。

2026年度の区分出題・解答数
応用数学4問すべてを解答。試験時間は180分。
別の専門科目電磁気学・電気回路3問、材料科学・物理化学3問、原子物理・原子炉工学3問の計9問から3問を選択。

2025年度の公式表では、選択科目名は電磁気学、材料科学、原子物理・原子炉工学と表記されています。2026年度には電気回路・物理化学が科目名に加わっています。年度ごとの問題と科目表を対応させて確認してください。

工学院が公開するのは直近2年度の問題です。2026年度の「出題の意図」は問う知識や能力を説明する資料で、解答例の公表ではありません。出願日程・英語・口頭試問は受験年度の工学院入試情報で確認できます。

2026年度・応用数学の問1:微分方程式の全設問

応用量子科学系研究室群の公式問題2ページを解きます。変数分離、変数の置き換え、完全微分、定数係数方程式、積分因子を順に使います。CやC₁などは任意定数です。

問1(1–1):y−x³y′=0

x≠0の区間でy′=y/x³です。yが0でない解ではdy/y=dx/x³を積分し、定数をまとめます。

ln⁡∣y∣=−12x2+C,y=C1e−1/(2x2)\ln|y|=-\frac1{2x^2}+C,\qquad y=C_1e^{-1/(2x^2)}

C₁=0を含めれば零解も入ります。微分してx³y′=yを確認できます。x=0を含む場合は元の式からy(0)=0です。正側と負側で別々の定数を選び、0で接続する解もあるため、x=0をまたぐ一意性を通常の正規形から主張しないようにします。

問1(1–2):y′=(y−x)/(y−x−1)

u=y−xと置くとy′=u′+1です。式の分母からu≠1が必要です。

u′=1u−1,(u−1)du=dxu'=\frac1{u-1},\qquad (u-1)du=dx

積分すると(u−1)²=2x+Cです。従って、

y=x+1±2x+C(2x+C>0)y=x+1\pm\sqrt{2x+C}\qquad(2x+C>0)

根号内が0となる点では元の式の分母も0になります。その点を解の定義域に含めません。

問1(1–3):完全微分の形を見つける

方程式を(2x−3y+1)dx+(−3x+4y−2)dy=0と書きます。dxの係数をyで微分しても、dyの係数をxで微分しても−3なので、完全微分です。

Fx=2x−3y+1,F=x2−3xy+x+g(y),Fy=−3x+g′(y)=−3x+4y−2.\begin{aligned} F_x&=2x-3y+1,\\ F&=x^2-3xy+x+g(y),\\ F_y&=-3x+g'(y)=-3x+4y-2. \end{aligned}

g(y)=2y²−2yと取れます。解を陰関数の形で書けば、

x2−3xy+2y2+x−2y=Cx^2-3xy+2y^2+x-2y=C

この式をxで微分すると元の方程式に戻ります。y′の係数で割らずに求めたので、割り算による解の取りこぼしも避けられます。

問1(1–4):3重根をもつ特性方程式

y‴−3y″+3y′−y=0にy=eʳˣを代入すると、特性方程式は(r−1)³=0です。3つの独立な解はeˣ、xeˣ、x²eˣです。

y=(C1+C2x+C3x2)exy=(C_1+C_2x+C_3x^2)e^x

y=eˣvと置けば、元の左辺はeˣv‴になります。従ってvが2次以下の多項式であることからも確かめられます。

問1(1–5):多項式と三角関数の特解を足す

y″−3y′+2y=4x²+10sinxの同次解はC₁eˣ+C₂e²ˣです。多項式の特解をax²+bx+cと置き、係数を比較するとa=2、b=6、c=7です。三角関数の特解をA sinx+B cosxと置くと、

A+3B=10,B−3A=0A+3B=10,\qquad B-3A=0

A=1、B=3なので、一般解は次の通りです。

y=C1ex+C2e2x+2x2+6x+7+sin⁡x+3cos⁡x.\begin{aligned}y={}&C_1e^x+C_2e^{2x}+2x^2+6x+7\\&+\sin x+3\cos x.\end{aligned}

特解を微分して代入すると、多項式部分は4x²、三角関数部分は10sinxをそれぞれ再現します。

問1(2):積分因子の公式を導く

y′+P(x)y=Q(x)の両辺にI(x)=exp(∫P(x)dx)を掛けます。I′=PIなので、左辺が積の微分になります。

(Iy)′=I(y′+Py)=IQ(Iy)'=I(y'+Py)=IQ

両辺を積分してIで割れば、求める一般解です。P・Qが連続な区間内で計算します。

y=e−∫P(x)dx{C+∫Q(x)e∫P(x)dx dx}y=e^{-\int P(x)dx}\left\{C+\int Q(x)e^{\int P(x)dx}\,dx\right\}

指数関数であるIは0にならないため、ここでの割り算で解は失われません。不定積分の定数は最後のCへまとめられます。

問1(3):eˣとxを解にもつ2階方程式

Aeˣ+Bx=0が区間全体で成立すると仮定し、2回微分するとAeˣ=0なのでA=0、続いてB=0です。従って2つの関数は線形独立です。y″+P(x)y′+Q(x)y=0にそれぞれ代入すると、

1+P+Q=0,P+xQ=01+P+Q=0,\qquad P+xQ=0

x≠1ではP=−x/(x−1)、Q=1/(x−1)です。分母を払うと、

(x−1)y′′−xy′+y=0\boxed{(x-1)y''-xy'+y=0}

eˣとxを直接代入すると、どちらもこの式を満たします。Wronskianはeˣ(1−x)で、x=1では0ですが、そこで最高階微分の係数も0になっています。正規形の係数が連続であるという前提を外して、1点のWronskianが0だから従属だと判断してはいけません。

2025・2026年度で確認できる出題内容

入学年度応用数学選択問題で扱われたテーマ
2026微分方程式、ベクトル解析、複素解析、フーリエ変換・ラプラス変換・熱方程式。鏡像法、電流が作る磁場と力のモーメント、RC回路、半導体とpn接合、水素透過とbcc炭素鋼、X線回折と二相平衡、核分裂エネルギー、中性子散乱、矩形フィン、核反応Q値とアルファ壊変。
2025微分方程式、ベクトル解析、複素関数、フーリエ級数・ラプラス変換・波動方程式。結晶構造とX線回折、半導体バンドと水素拡散、二元系状態図、原子炉動特性と炉心諸量、黒体ふく射伝熱、核反応とボーア模型など。

問1を解き直すときは、答えを元の微分方程式へ代入して確認してください。変数で割る場合の零解、平方根の定義域、最高階微分の係数が0になる点は、それぞれ確認の仕方が違います。積分因子は公式だけを覚えるより、積の微分になる理由まで書くと、非同次方程式でも手順を再現できます。

年度別の公式問題・出題意図と、応用量子科学の解答・解説PDFから、他の問題へ進めます。販売教材の年度と収録範囲は商品ページで確認できます。

途中式と最終答まで読める解説

問題本文は含みません。公式の問題冊子と併用してください。

応用量子科学系 専門科目の収録解説の分野(2024〜2026年度・30項目)

院試hubの収録解説3実施回・30項目の見出しを分野別に数えたものです。設問を分割した項目や、公開資料の制約を説明する項目を含むため、公式問題の大問数や完成答案数とは一致しません。が13項目(全体の43%)で最多。

分野項目数全項目に占める割合直近の連続出題最後に出た回
1343%2回連続2026年度
電磁気学・回路413%1回連続2026年度
材料力学・材料310%—2024年度
微分積分・解析310%—2025年度
微分方程式27%—2025年度
複素解析27%—2025年度
物性物理27%2回連続2026年度

このほか1項目だけ収録した分野は 力学 です。

収録年度と解説項目数

院試hubに収録した3実施回の一覧です。どの回も解説見出しは10項目です。

北大 応用量子科学系 専門科目の解答で立てた注意点(62件)

院試hubの解説で、その設問だけに立てた小見出しです(「方針」「検算」のような全問共通の 見出しは除いています)。新しい実施回から並べています。

  • 2026年度 第6問 水素透過とbcc炭素鋼符号の確認 / bcc の検算
  • 2026年度 第7問 X線回折と二相平衡ピークの見分け方 / 強度からわかること / 自由エネルギーの意味
  • 2026年度 第8問 核分裂エネルギーと中性子散乱核分裂エネルギーの単位換算 / 燃焼度の基準 / 形状バックリングの意味 / 二回散乱の分布 / 表現の注意
  • 2026年度 第9問 矩形フィンの一次元定常熱伝導符号の扱い / 境界条件の読み方
  • 2026年度 第10問 核反応のQ値とアルファ壊変Q値の符号 / 原子質量を使える理由 / 結合エネルギーから壊変Q値を出す / 運動エネルギーの分配
  • 2025年度 第7問 二元系状態図状態図を読む順序 / てこの法則の使いどころ

材料力学・材料12件

  • 2024年度 第8問 面心立方格子の粉末X線回折偶奇が混ざる場合の数え方 / 有効数字の扱い / ブラッグ角の定義
  • 2024年度 第9問 純鉄中への炭素の拡散(浸炭)図で押さえるべき点 / 答案に必ず入れる要素 / 補足になる事実
  • 2024年度 第10問 Gibbs の相律と壁面での不均一核生成数え上げの要点 / 結果の使い方 / 冷却曲線で示すべき特徴 / 臨界半径が変わらないこと / f(θ) の値の感覚 / 答案の構成

電磁気学・回路9件

  • 2024年度 第5問 帯電円板対が軸上につくる電界と電位検算(極限で確かめる) / 結果の意味
  • 2024年度 第6問 回転帯電円板がつくる電流・磁気モーメント・磁場電流の向き / 重みの違い / 別の見方 / 検算(遠方で磁気双極子に戻ること)
  • 2024年度 第7問 電磁誘導と導体棒の運動定数項が効かないこと / 検算(終状態と時定数) / エネルギーの流れ

微分積分・解析5件

  • 2024年度 第2問 ベクトル解析この設問が試していること / 幾何的な意味 / 原点の扱い / 別解による検算
  • 2024年度 第4問 ラプラス変換・フーリエ変換・拡散方程式答案に書くべき論点

物性物理2件

  • 2025年度 第6問 半導体バンドと水素拡散グラフで示すべき特徴 / 拡散問題の書き方

微分方程式2件

複素解析2件

  • 2024年度 第3問 複素関数検算(微分方程式に直接代入) / 解が複数あることの意味

頻出論点と、同じ論点を出す他大学

院試hubが解答した大問の論点を、他大学の出題と突き合わせたものです。併願先を 探すときの重なりの実数として使えます。

論点この専攻での出題出題年度同じ論点を出す他大学全国の出題大学
固有値・固有ベクトル2問2026・2025神戸大学・京都大学・東京大学・大阪大学・名古屋大学25大学
留数定理2問2026・2025東京大学・名古屋大学・筑波大学・大阪公立大学・九州大学18大学
ラプラス変換2問2026・2025東京大学・東北大学・東京科学大学・早稲田大学・名古屋工業大学12大学
結晶構造2問2025東京大学・東京科学大学・名古屋工業大学・九州大学・東北大学9大学
状態図・相変態2問2025東京大学・東京科学大学・名古屋工業大学・九州大学・京都大学9大学
X線回折2問2026・2025東京大学・京都大学3大学
線形空間・基底1問2025神戸大学・名古屋大学・東京大学・京都大学・九州工業大学21大学
フーリエ変換1問2026京都大学・東京大学・名古屋工業大学・筑波大学・名古屋大学14大学
テイラー展開1問2025京都大学・九州工業大学・東京大学・東北大学・静岡大学18大学
RC回路の過渡応答1問2026京都大学・九州大学・東京大学・東京科学大学・早稲田大学12大学

北大 公式の過去問の公開年度と公式解答例

公開されている年度
直近2年(2025・2026年度)
公式の解答例
解答例の掲載なし
英語の扱い
受験する専攻・研究室群の現行募集要項で、外部スコアの種類・期限を確認。
院試hubが最後にリンクを確認した日
2026-10-16
ページの内容
「過去2年間の問題に限りHPで公表」が明文化。応用量子科学系研究室群の試験問題も同ページで公開。解答例は非公開。2026年度は6区分に出題の意図も掲載。

よくある質問

北大の応用量子科学の公式過去問と解答はどこにありますか。

工学院の入学試験過去問題ページに2025・2026年度の問題があります。2026年度には出題の意図もありますが、工学院は解答例を公表していません。この記事では2026年度の応用数学・問1を全設問解説しています。

応用数学と選択科目はどのような構成ですか。

2026年度の応用数学は180分で4問すべてを解答します。別の専門科目は、電磁気学・電気回路3問、材料科学・物理化学3問、原子物理・原子炉工学3問の計9問から3問を選びます。応用数学をこの9問に含めないでください。

2026年度の応用数学・問1では何を使いますか。

変数分離、u=y−xへの変数変換、完全微分、定数係数線形微分方程式を使います。積分因子による一般解の導出と、eˣとxを解にもつ2階方程式の構成も問われます。

Wronskianが1点で0なら、2つの関数は線形従属ですか。

一般にはそうとは限りません。問1のeˣとxは線形独立ですが、Wronskianはx=1で0です。構成した方程式はその点で最高階微分の係数が0になるため、正規形の係数が連続な区間に関する定理をそのまま適用できません。

公式過去問と併用する解答・解説PDFを、北海道大学の研究科・科目別に掲載しています。収録年度と価格は各ページで確認できます。

北海道大学の解答PDF一覧で、北海道大学の研究科・専攻・科目をまとめて確認できます。

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