東大 工学系研究科 電気系工学専攻 専門科目 2023年度 院試 過去問 解答例・解説(全6問)
全6問の分野は電磁気学・回路3問、情報1問、制御工学1問です。固有振動数と振動系、フーリエ変換、ラプラス変換などが出ています。2022年度と共通するテーマはフーリエ変換、ラプラス変換です。解説はすべて、途中式と最終答は大問1問ぶんを公開しています。残りは解答PDFに収録しています。問題本文は含みません。
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第1問 — 電磁気学
最大値を直接最小化する
同軸円筒の最大電界は内側表面で決まる。したがって の最適化は を最大化する問題に直すと一行で済む。影像電流の問題では,符号を磁気エネルギーの増減と 反平行電流の斥力の両方で確認すると向きの取り違えを防げる。
第2問 — 電気回路
図のまま解かず標準形へ直す
相互インダクタンスは T 型等価,MOS は小信号等価回路,発振は Barkhausen 条件に直すと計算量が大きく減る。 図の枝名に引きずられず,節点方程式の分母が特性方程式であることを意識する。
解答
相互インダクタンスを含む二つのインダクタは,ドットの向きをそろえて電圧を取ると で表される。T 型等価回路に直すと共通枝が相互項を担当するので となる。仮定 は直列枝が正になるための条件である。
交流ブリッジは検出器電流がゼロのとき中点電位が等しい。従って左右の上側インピーダンスを ,下側を と書けば が平衡条件である。相互インダクタンスを含む腕は上の T 型等価回路に変換してからこの式に代入する。 実部と虚部を比較すれば,未知の と がそれぞれ抵抗比と容量リアクタンスから定まる。
スイッチ投入後の過渡解析では,初期電圧をラプラス領域の独立電源として入れる。結合インダクタを T 型に直したうえで KCL/KVL を書くと,代表的には の形になる。ここで を代入して消去すれば が得られる。分母は二次式となり, 減衰振動の条件は特性方程式の判別式が負であること, で判定する。したがって は抵抗による減衰が臨界値より小さくなる範囲に入る必要がある。
MOS 小信号回路ではゲート電流を 0 とし,ドレイン側に制御電流源 を置く。出力節点の KCL は となるので これは低域通過形で,遮断角周波数は 同じ段を三段接続した発振では Barkhausen 条件 を用いる。各段が の位相を与える点で発振し, となる。振幅条件は であり,すなわち が発振開始の目安である。実機では損失と負荷を含めてこの値より少し大きく取る。
最終答
結合インダクタの T 型等価は 。ブリッジは中点電位一致 で未知定数を求める。MOS 一段は の低域通過反転増幅器で,三段発振は位相条件と振幅条件を同時に満たす点で決まる。
第3問 — 情報理論・信号処理
情報量は条件付きエントロピーで短く書く
非対称通信路では出力分布を先に出し, に入れるのが最短である。フーリエ変換は 規約の が答案全体に効くので,最初に定義式から一度確認しておく。
第4問 — 論理回路・アルゴリズム
万能性は最小項,計算量は再帰木
論理関数の完全性は「真理値表をそのまま式にする」と考えると証明しやすい。マージソートの計算量は 各深さで ,深さが という再帰木で説明する。
第5問 — 固体物性・量子力学
境界条件と Poisson 方程式
量子障壁は境界条件を四本書くこと,ショットキー接触はフェルミ準位一致と Poisson 方程式を使うことが中心である。 透過率の と の対応を覚えると, と を一貫して説明できる。
第6問 — 制御・電気エネルギー工学
制御は特性方程式,送電は損失から断面積
制御系は閉ループ分母を先に作ると極とステップ応答の分類が直結する。送電方式の比較では電流を で消去し, から断面積へ戻す。
年度別の解答例(3年度)
電磁気学 / 電気回路・MOSFET / 情報理論・信号処理
2023年度(このページ・全6問)
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