東大 工学系研究科 電気系工学専攻 専門科目 2022年度 院試 過去問 解答例・解説(全6問)
全6問の分野は電磁気学・回路3問、情報1問、制御工学1問です。固有値・固有ベクトル、伝達関数、フーリエ変換などが出ています。解説はすべて、途中式と最終答は大問1問ぶんを公開しています。残りは解答PDFに収録しています。問題本文は含みません。
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第1問 — 電磁気学
Poynting ベクトルはエネルギー収支で確認
導体表面の は半径方向内向きになる。向きで迷ったときは,表面積分した値が ジュール熱と一致するかを確認するとよい。
解答
点電荷 に対して とおくと 無限長線電荷では として である。基準点 で になるように定数を取った。
四本の線電荷が作る原点近傍の電位を と書けば 一様磁束密度を とすると荷電粒子の力は 従って 束縛条件はこの線形系の固有値が実正部を持たないことであり,磁場による回転項が電気四重極の発散を 上回る範囲として を得る。
半径 の円柱導体に一様電流 が流れると,Ampere の法則より 電界は導体内で であり,単位長さ単位時間あたりのジュール熱は 表面の Poynting ベクトルは で内向きである。表面積 を掛けると流入電力は と一致する。
平行平板コンデンサでは 放電中の電界は 半径 の周回路に Ampere--Maxwell の法則を用いると である。十分長時間でコンデンサ内の電磁エネルギーは 0 になるため,Poynting ベクトルで数えた正味の 流出エネルギーは で,これは抵抗で消費される熱に等しい。
最終答
点電荷は ,線電荷は 。円柱導体の磁場は内側で ,表面から入る Poynting 流はジュール熱 に等しい。コンデンサの放電で外へ出る電磁エネルギーは初期エネルギー 。
第2問 — 電気回路
線路は と まで一気に出す
伝送線路では一階方程式から二階方程式へ進み,解の係数比で特性インピーダンスを決める。MOS 増幅器は 直流バイアスの飽和条件と小信号の伝達関数を分けて考える。
第3問 — 情報理論・信号処理
Z チャネルは 側が無雑音
条件付きエントロピーを全入力で同じにしないことが重要である。信号処理後半は,実信号の共役対称性と Hilbert 変換による片側波帯生成が中心になる。
第4問 — 論理回路・アルゴリズム
遅延は出力ごとに最長入力経路を見る
全加算器や乗算器では,機能式だけでなくどの入力からどの出力までが最長かを明示する。二分探索木は 「左部分木,根,右部分木」の順がそのまま昇順列挙になる。
第5問 — 固体物性・量子力学
井戸幅が実効的に広がる
有限障壁で固有値が下がる理由は,波動関数が外側にしみ出して実効的な閉じ込め幅が増えるからである。 半導体統計は状態密度と Boltzmann 因子の積分で有効状態密度 にまとめる。
第6問 — 制御・電気エネルギー工学
電力相差角曲線は傾きで安定判定
交流連系の安定性は の傾きで見る。制御の二自由度構成では,目標値応答と外乱応答で 分子は変わるが分母は同じになる点を押さえる。
年度別の解答例(3年度)
電磁気学 / 電気回路・MOSFET / 情報理論・信号処理
電磁気学 / 電気回路 / 情報理論・信号処理
2022年度(このページ・全6問)
電磁気学 / 電気回路 / 情報理論・信号処理
2022年度の出題内容
全6問
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