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琉球大学 院試 過去問 解答例

琉大 理工学研究科 物質地球科学専攻・物理系 専門(物理) 2027年度 院試 過去問 解答例・解説(全4問)

全4問。電磁気学・回路1問・量子力学1問。

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解説4問/全4問(3,607字)
解答PDFに収録
途中式と最終答(最終答つき4問)
問題本文
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琉大 専門(物理) 2027年度 院試 過去問の出題内容(全4問)

この4問の分野は電磁気学・回路1問・量子力学1問です。

大問分野主題解説の小見出し最終答
12027年度 大問I 連成振り子とうなり基準の確認 / 小角極限あり
2電磁気学・回路2027年度 大問II 電磁気学特徴値 / 点電荷極限あり
3量子力学2027年度 大問III 量子力学演算子の順序 / 直接の検算あり
42027年度 大問IV 熱放射完全微分と経路量 / 固定変数あり

前年度(2026年度)との違い

大問数
2026年度 4問 → 2027年度 4
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1 — 2027年度 大問I 連成振り子とうなり

基準の確認

θA=0\theta_A=0Ug,A=0U_{g,A}=0 となる。小角では 1cosθAθA2/21-\cos\theta_A\simeq\theta_A^2/2 である。

問2 ばねの位置エネルギー

小角極限

sd=l(θBθA)+O(θ2)s-d=l(\theta_B-\theta_A)+O(\theta^2) なので、UsU_s の二次まで残すと Uskl2(θAθB)2/2U_s\simeq kl^2(\theta_A-\theta_B)^2/2 となり、設問で後に与えられる式と一致する。

幾何学的な次数

二質点の鉛直変位差は角度の二次から始まるため、ばねの厳密な長さには必要だが、ばねエネルギーの二次近似には寄与しない。

問3 ラグランジアン

二次近似

cosθ1θ2/2\cos\theta\simeq1-\theta^2/2sinθθ\sin\theta\simeq\theta を使えば、問題中に与えられた小振幅ラグランジアンを再現する。

問4 小振幅の運動方程式

作用反作用

ばね項は二式で逆符号になる。二式を加えるとばね力が消え、同相運動だけが残る。

問5 基準振動

周波数の大小

逆相ではばねが伸縮するため復元力が増え、ω>ω+\omega_->\omega_+ となる。同相ではばねの長さが変わらない。

問6 うなりと振動の受け渡し

物理的な見方

全エネルギーは保存されるが、同相・逆相モードの位相差がゆっくり変わるため、各質点に割り当てられる振動エネルギーが交互に増減する。

時間尺度

速い振動の周期は約 2π/ω02\pi/\omega_0、受け渡しの時間は π/Δω\pi/\Delta\omegak/mg/lk/m\ll g/l なら後者が十分長く、明瞭なうなりになる。

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2 — 2027年度 大問II 電磁気学

特徴値

V(0)=ρR2/(2ε0)V(0)=\rho R^2/(2\varepsilon_0)V(R)=ρR2/(3ε0)V(R)=\rho R^2/(3\varepsilon_0)E(0)=0E(0)=0E(R)=ρR/(3ε0)E(R)=\rho R/(3\varepsilon_0) がグラフの基準点になる。

点電荷極限

球外では全電荷 Q=4πR3ρ/3Q=4\pi R^3\rho/3 を使うと E=Q/(4πε0r2)E=Q/(4\pi\varepsilon_0r^2) となる。

問2 直交する一様電場・磁場中の運動

ドリフト方向

平均速度は E×B/B2=(E/B,0,0)\bm E\times\bm B/B^2=(E/B,0,0) であり、電荷の符号によらない E×BE\times B ドリフトと一致する。

初期条件の検算

t=0t=0 で位置・速度はゼロ。初期加速度は v˙y(0)=qE/m\dot v_y(0)=qE/m で、電場方向へ動き始める。

問3 LR回路の電流減衰

時定数

電流の時定数は L/RL/R、電力 Ri2Ri^2 の時定数はその半分 L/(2R)L/(2R) である。

エネルギー収支

最初にコイルへ蓄えられていた磁気エネルギー LI2/2LI^2/2 が、回路を切り替えた後にすべて抵抗の熱へ変わる。

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3 — 2027年度 大問III 量子力学

演算子の順序

p^q^\hat p\hat qq^p^\hat q\hat p と同一視すると零点エネルギー ω/2\hbar\omega/2 が失われる。交換関係を使って並べ替える。

直接の検算

a^(t)=eiωta^(0)\hat a(t)=e^{-i\omega t}\hat a(0)a^(t)=eiωta^(0)\hat a^\dagger(t)=e^{i\omega t}\hat a^\dagger(0) なので、積 a^(t)a^(t)\hat a^\dagger(t)\hat a(t) の位相は相殺する。

問2 二段階ポテンシャルの透過率

速度比が必要な理由

透過率は振幅比 F/A2|F/A|^2 ではなく確率流の比である。左右で波数、したがって群速度が違うため、係数 k3/k1k_3/k_1 を掛ける。

極限の検算

a0a\to0 では T=4k1k3/(k1+k3)2\mathcal T=4k_1k_3/(k_1+k_3)^2 となり、領域1から3への単一段差に一致する。k1=k2=k3k_1=k_2=k_3 なら T=1\mathcal T=1 である。

共鳴条件

k2a=nπk_2a=n\pi では中間領域による干渉項が簡単になり、T=4k1k3/(k1+k3)2\mathcal T=4k_1k_3/(k_1+k_3)^2 となる。左右の媒質が同じなら完全透過する。

確率保存による検算

ポテンシャルが実数なら確率流は全領域で保存される。反射率を R=B/A2\mathcal R=|B/A|^2 とすると、境界条件から得る振幅を代入して R+T=1\mathcal R+\mathcal T=1 を確認できる。振幅透過率だけを答えにすると、この検算を満たさない。

2027年度 大問III 量子力学の途中式・最終答をPDFで見る

4 — 2027年度 大問IV 熱放射

完全微分と経路量

U,S,VU,S,V は状態量だが、熱と仕事は経路に依存する。そのため一般には dQ,dWdQ,dW ではなく δQ,δW\delta Q,\delta W と書き分ける。

問2 Helmholtz自由エネルギーの関係

固定変数

偏微分の添字を省くと、どの変数を固定した関係か不明になる。導出では一貫して F=F(T,V)F=F(T,V) と見ている。

問3・問4 放射圧の温度依存性

次の設問との接続

熱力学だけでは比例係数 aa を決められない。光子の状態密度と量子統計を入れることで初めて定数が定まる。

問5 一つの量子調和振動子

零点エネルギー

この設問では基底状態のエネルギーをゼロに選んでいる。ω/2\hbar\omega/2 を含めても温度依存する熱エネルギー部分は同じである。

問6 放射エネルギー密度

二つの偏光

与えられた状態密度には電磁波の二偏光がすでに含まれている。追加で2倍しない。

温度の四乗

ω3dω\omega^3d\omega が変数変換で (kBT/)4x3dx(k_BT/\hbar)^4x^3dx を生むため、T4T^4 が現れる。

問7 自由エネルギーと放射圧

符号

光子気体の自由エネルギーは負であり、体積を増やすとさらに下がる。その負の体積微分が正の放射圧になる。

問8 太陽表面温度の概算

幾何学的希釈

太陽表面の放射束をそのまま地球の値と等置せず、面積比 (R/A)2(R/A)^2 を掛ける。

実在の太陽との差

ここでは太陽を一様温度の理想黒体とみなし、吸収や方向依存を無視している。設問の精度では約 6,000K6{,}000\,\mathrm K が妥当である。

放射出力による検算

同じ数値から太陽の全放射出力を計算すると L=4πA2E4.0×1026 W\begin{equation*} L=4\pi A^2E\simeq4.0\times10^{26}\ \mathrm W \end{equation*} となる。既知の太陽光度の桁と一致するため、距離や面積比の入れ方に大きな誤りがないと分かる。

見積もり誤差の効き方

TT は放射束 EE の四乗根に比例する。したがって小さな相対誤差について ΔT/T(ΔE/E)/4\Delta T/T\simeq(\Delta E/E)/4 であり、放射束を二桁で与えた設問から温度を細かく出し過ぎるべきではない。

2027年度 大問IV 熱放射の途中式・最終答をPDFで見る

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