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九大 システム情報科学府 情報理工学専攻 専門科目(情報系4分野) 2025年度 院試 過去問 解答例・解説(全4問)

全4問の分野は情報4問です。解説はすべて、途中式と最終答は大問1問ぶんを公開しています。残りは解答PDFに収録しています。問題本文は含みません。

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第1問 — 情報理論

対称通信路は一様入力を見る

この通信路は0と1が対称で、出力2への確率も両入力で同じである。そのため容量計算では、出力0と1を均等にする入力分布が自然に候補になる。

新記号の混合は二段階エントロピー

YY は「新記号を出すかどうか」というベルヌーイ選択と、出さない場合の XX の値に分解できる。ここを直接和で展開すると計算が長くなる。

解答

通信路

入力 X∈{0,1}X\in\{0,1\}、出力 Y∈{0,1,2}Y\in\{0,1,2\} の通信路で、遷移行列は W=(1−p−qpqp1−p−qq) W=\begin{pmatrix} 1-p-q&p&q\\ p&1-p-q&q \end{pmatrix} である。入力分布を PX(0)=ω, PX(1)=1−ωP_X(0)=\omega,\ P_X(1)=1-\omega とすると PY(0)=p+ω(1−2p−q),PY(1)=1−p−q−ω(1−2p−q),PY(2)=q. P_Y(0)=p+\omega(1-2p-q),\quad P_Y(1)=1-p-q-\omega(1-2p-q),\quad P_Y(2)=q. まず P(X≠Y)=p+q P(X\ne Y)=p+q である。YY のエントロピーは、固定された qq の下で PY(0)=PY(1)P_Y(0)=P_Y(1) のとき最大となる。よって ω=(1−q)/2−p1−2p−q=12 \omega=\frac{(1-q)/2-p}{1-2p-q}=\frac12 である。ただし 1−2p−q=01-2p-q=0 の退化場合は、任意の ω\omega で PY(0)=PY(1)P_Y(0)=P_Y(1) となる。

通信路容量は C=max⁡ωI(X;Y)=max⁡ω{H(Y)−H(Y∣X)}. C=\max_{\omega} I(X;Y)=\max_{\omega}\{H(Y)-H(Y\mid X)\}. H(Y∣X)H(Y\mid X) は入力に依らず H(1−p−q,p,q) H(1-p-q,p,q) であり、最大の H(Y)H(Y) は ((1−q)/2,(1−q)/2,q)((1-q)/2,(1-q)/2,q) で達成される。したがって C=H ⁣(1−q2,1−q2,q)−H(1−p−q,p,q). C=H\!\left(\frac{1-q}{2},\frac{1-q}{2},q\right)-H(1-p-q,p,q).

エントロピーの分解

BB が XX と独立で、B=1B=1 のときだけ新しい記号 M+1M+1 を出す。したがって PY(i)=(1−q)PX(i)(1≤i≤M),PY(M+1)=q. P_Y(i)=(1-q)P_X(i)\quad(1\le i\le M),\qquad P_Y(M+1)=q. よって自然対数単位で H(Y)=h(q)+(1−q)H(X), H(Y)=h(q)+(1-q)H(X), ただし h(q)=−qlog⁡q−(1−q)log⁡(1−q) h(q)=-q\log q-(1-q)\log(1-q) である。固定された pXp_X の下で微分すると dH(Y)dq=log⁡1−qq−H(X). \frac{dH(Y)}{dq}=\log\frac{1-q}{q}-H(X). したがって最大値を与える q=11+eH(X). q=\frac{1}{1+e^{H(X)}}.

最終答

P(X≠Y)=p+qP(X\ne Y)=p+q。H(Y)H(Y) 最大は通常 ω=1/2\omega=1/2。容量は H((1−q)/2,(1−q)/2,q)−H(1−p−q,p,q)H((1-q)/2,(1-q)/2,q)-H(1-p-q,p,q)。後半は H(Y)=h(q)+(1−q)H(X)H(Y)=h(q)+(1-q)H(X)、最大化する qq は 1/(1+eH(X))1/(1+e^{H(X)})。

第2問 — オートマトンと言語

スターフリーは「禁止部分文字列」で表す

禁止部分文字列を含まない言語は、Σ∗uΣ∗‾\overline{\Sigma^*u\Sigma^*} の形にできる。問題文の定義では Σ∗\Sigma^* を ∅‾\overline{\emptyset} と見ればよい。

交換操作は2カウンタになる

操作3が入ると順序情報が消え、二つの独立な個数一致条件が残る。この二重一致が文脈自由性を壊す。

オートマトンと言語の途中式・最終答をPDFで見る

第3問 — アルゴリズム

ヒープは添字で親を確認する

見た目ではなく、Parent(i)=⌊(i−1)/2⌋Parent(i)=\lfloor(i-1)/2\rfloor で親を確定してから比較する。0始まりの配列なので、ここを1始まりに読み替えると誤る。

探索距離は等差級数か等比級数か

Algorithm 1 は折り返し距離が線形なので累積距離が二次になる。Algorithm 2 は倍々に伸びるので、直前までの総和が最後の距離と同じオーダーに収まる。

アルゴリズムの途中式・最終答をPDFで見る

第4問 — 計算機アーキテクチャ

ドントケアを利用する

表に現れない HH の入力は、どちらの値を置いても外部出力に影響しない。最簡形ではこのドントケアを積極的に使う。

WB同一サイクル読み出しの意味

WBで書いた値を同じサイクルのIDで読めるため、隣接依存では2個の nop で足りる。3個入れる答案は過大である。

計算機アーキテクチャの途中式・最終答をPDFで見る

年度別の解答例(5年度)

  • 2026年度(全4問)

    情報理論 / オートマトンと言語 / アルゴリズム

  • 2025年度(このページ・全4問)

    情報理論 / オートマトンと言語 / アルゴリズム

  • 2024年度(全4問)

    情報理論 / オートマトンと言語 / アルゴリズム/プログラミング

  • 2023年度(全4問)

    情報理論 / オートマトンと言語 / アルゴリズム・プログラミング

  • 2022年度(全4問)

    情報理論 / オートマトンと言語 / アルゴリズム・プログラミング

2025年度の出題内容

全4問

この4問の分野は情報4問です。

大問分野主題解説の小見出し最終答
第1問情報情報理論対称通信路は一様入力を見る / 新記号の混合は二段階エントロピーあり
第2問情報オートマトンと言語スターフリーは「禁止部分文字列」で表す / 交換操作は2カウンタになるあり
第3問情報アルゴリズムヒープは添字で親を確認する / 探索距離は等差級数か等比級数かあり
第4問情報計算機アーキテクチャドントケアを利用する / WB同一サイクル読み出しの意味あり

前年度(2024年度)との違い

大問数
2024年度 4問 → 2025年度 4問
2024年度の解答例

九州大学の公式過去問

公開年度範囲
令和4〜8年度(直近5年)
公式の解答例
非公開(問題冊子のみ)
英語の扱い
2027年度は国内TOEIC L&Rのデジタル認定証、TOEFL iBT(ETS送付も必要)、IELTS Academic。一般試験の出願末日から2年以内の受験日。
院試hubの最終確認
2026-10-15
九州大学の公式過去問PDF