院試hub

九大 システム情報科学府 情報理工学専攻 専門科目(情報系4分野) 2024年度 院試 過去問 解答例・解説(全4問)

全4問の分野は情報4問です。正規表現・形式言語が出ています。解説はすべて、途中式と最終答は大問1問ぶんを公開しています。残りは解答PDFに収録しています。問題本文は含みません。

最終更新:

第1問 — 情報理論

Kraft不等式は構成にも使える

和が1以下なら、2分木の葉として符号語を置ける。例を出すときは、短い語が他の語の接頭辞になっていないことを確認する。

KL最小化は積最大化に直す

一様分布からの D(u∥q)D(u\|q) では、∏xq(x)\prod_x q(x) を大きくする問題に変形できる。対数の中身を見てから微分すると計算が短い。

解答

瞬時復号可能符号とハフマン符号

2元瞬時復号可能符号では、符号語長 ℓi\ell_i が Kraft 不等式 ∑i2−ℓi≤1 \sum_i2^{-\ell_i}\le1 を満たす必要十分条件である。

長さ 3,3,3,2,2,23,3,3,2,2,2 の場合は 3⋅2−3+3⋅2−2=38+34=98>1 3\cdot2^{-3}+3\cdot2^{-2}=\frac38+\frac34=\frac98>1 なので不可能である。長さ 3,3,3,3,2,23,3,3,3,2,2 の場合は 4⋅2−3+2⋅2−2=12+12=1 4\cdot2^{-3}+2\cdot2^{-2}=\frac12+\frac12=1 なので可能であり、例えば 00, 01, 100, 101, 110, 111 00,\ 01,\ 100,\ 101,\ 110,\ 111 を割り当てればよい。

確率 0.30, 0.20, 0.18, 0.13, 0.11, 0.08 0.30,\ 0.20,\ 0.18,\ 0.13,\ 0.11,\ 0.08 に対するハフマン符号の一例は 記号確率符号語s30.3010s20.2001s10.18111s40.13110s50.11001s60.08000 \begin{array}{c|c|c} \text{記号}&\text{確率}&\text{符号語}\\ \hline s_3&0.30&10\\ s_2&0.20&01\\ s_1&0.18&111\\ s_4&0.13&110\\ s_5&0.11&001\\ s_6&0.08&000 \end{array} である。平均符号長は 0.30⋅2+0.20⋅2+(0.18+0.13+0.11+0.08)⋅3=2.50. 0.30\cdot2+0.20\cdot2+(0.18+0.13+0.11+0.08)\cdot3=2.50.

KLダイバージェンス最小化

qq を p1,p2p_1,p_2 の重み付き平均として q=αp1+(1−α)p2=(α,(1−α)b,(1−α)(1−b)) q=\alpha p_1+(1-\alpha)p_2 =\bigl(\alpha,(1-\alpha)b,(1-\alpha)(1-b)\bigr) とおく。u=(1/3,1/3,1/3)u=(1/3,1/3,1/3) に対し D(u∥q)=∑x13log⁡1/3q(x) D(u\|q)=\sum_{x}\frac13\log\frac{1/3}{q(x)} である。定数を除けば、これは −13log⁡{α(1−α)2b(1−b)} -\frac13\log\{\alpha(1-\alpha)^2b(1-b)\} を最小にする問題である。bb は固定なので α(1−α)2 \alpha(1-\alpha)^2 を最大にすればよい。微分すると (1−α)(1−3α)=0 (1-\alpha)(1-3\alpha)=0 より、内部解は α=1/3\alpha=1/3。したがって q=(13,2b3,2(1−b)3). q=\left(\frac13,\frac{2b}{3},\frac{2(1-b)}{3}\right).

最終答

長さ 3,3,3,2,2,23,3,3,2,2,2 は不可、3,3,3,3,2,23,3,3,3,2,2 は可。ハフマン平均符号長は2.50。KL最小の重みは α=1/3\alpha=1/3、q=(1/3,2b/3,2(1−b)/3)q=(1/3,2b/3,2(1-b)/3)。

第2問 — オートマトンと言語

末尾条件は接頭辞ではなく接尾辞を見る

この型のDFAでは、読んだ全体ではなく「末尾がどの候補語の接頭辞になっているか」を覚える。状態最小化では同じ未来を持つ状態をまとめる。

往復性は単なる原点復帰ではない

原点へ戻るだけでは足りない。後進ステップが、対応する前進ステップを逆向きにたどることが条件である。

オートマトンと言語の途中式・最終答をPDFで見る

第3問 — アルゴリズム/プログラミング

指数時間と対数時間の対比

同じフィボナッチでも、再帰木をそのまま展開すると指数時間、行列累乗を二分すると対数時間になる。計算量の理由まで書くことが重要である。

B木の最大値は子数から数える

深さごとのノード数を (2d+1)h(2d+1)^h と見れば、あとは各ノード最大 2d2d レコードを掛けるだけである。

アルゴリズム/プログラミングの途中式・最終答をPDFで見る

第4問 — 計算機アーキテクチャ

ゼロの行を見る

1が多い真理値表では、0の行を見て補関数を考えると早い。ただし最終的には積和形で答えるので、カルノー図で1のまとまりへ戻す。

AMATは単位を最後に変換する

まずサイクル数で 1+miss rate×penalty1+\text{miss rate}\times\text{penalty} を計算し、最後にクロック周期を掛けるとミスが少ない。

計算機アーキテクチャの途中式・最終答をPDFで見る

年度別の解答例(5年度)

  • 2026年度(全4問)

    情報理論 / オートマトンと言語 / アルゴリズム

  • 2025年度(全4問)

    情報理論 / オートマトンと言語 / アルゴリズム

  • 2024年度(このページ・全4問)

    情報理論 / オートマトンと言語 / アルゴリズム/プログラミング

  • 2023年度(全4問)

    情報理論 / オートマトンと言語 / アルゴリズム・プログラミング

  • 2022年度(全4問)

    情報理論 / オートマトンと言語 / アルゴリズム・プログラミング

2024年度の出題内容

全4問

この4問の分野は情報4問です。

大問分野主題解説の小見出し最終答
第1問情報情報理論Kraft不等式は構成にも使える / KL最小化は積最大化に直すあり
第2問情報オートマトンと言語末尾条件は接頭辞ではなく接尾辞を見る / 往復性は単なる原点復帰ではないあり
第3問情報アルゴリズム/プログラミング指数時間と対数時間の対比 / B木の最大値は子数から数えるあり
第4問情報計算機アーキテクチャゼロの行を見る / AMATは単位を最後に変換するあり

同じテーマを出した他大学・他年度

1テーマ

2024年度は1問に1テーマが出ています。

テーマこの年度全体の出題実績他大学の直近出題
正規表現・形式言語第2問10大学・30問

前年度(2023年度)との違い

大問数
2023年度 4問 → 2024年度 4問
2023年度の解答例

九州大学の公式過去問

公開年度範囲
令和4〜8年度(直近5年)
公式の解答例
非公開(問題冊子のみ)
英語の扱い
2027年度は国内TOEIC L&Rのデジタル認定証、TOEFL iBT(ETS送付も必要)、IELTS Academic。一般試験の出願末日から2年以内の受験日。
院試hubの最終確認
2026-10-15
九州大学の公式過去問PDF