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熊本大学 院試 過去問 解答例

熊本大 自然科学教育部 理学専攻 数学コース 数学 2026年度第1期 専門基礎 院試 過去問 解答例・解説(全3問)

全3問。微分積分・解析2問。テーマタグは3件(重積分と極座標・一様収束・テイラー展開)。

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解説3問/全3問(1,183字)
解答PDFに収録
途中式と最終答(最終答つき3問)
問題本文
非収録

熊本大 数学 2026年度第1期 専門基礎 院試 過去問の出題内容(全3問)

この3問の分野は微分積分・解析2問です。

大問分野主題解説の小見出し最終答
1下三角分解と連立一次方程式答案上の注意あり
2微分積分・解析ガウス積分と誤差関数一様収束の見方 / 数値計算の注意あり
3微分積分・解析ハウスドルフ性・連結性・無限遠で消える関数連結性の典型手 / 最大値・最小値の検算あり

この年度の解説には検算1件が付いています。

2026年度第1期 専門基礎の出題テーマと、同じテーマを出した他大学・他年度

この年度は1問に3テーマが出ています。

1 — 下三角分解と連立一次方程式

方針

この問題は,直接 44 元連立方程式を解くよりも,指定された分解 A=BCA=BC を使う方が速い。BB は下三角,CC は結果として上三角になるため,前進代入と後退代入だけで全体が終わる。

検算

最後の解については A(917/223/29)=(1111) A\begin{pmatrix}9\\ -17/2\\ 23/2\\ -9\end{pmatrix} = \begin{pmatrix}1\\1\\1\\1\end{pmatrix} を代入で確認できる。また detA=2\det A=-2 は,CC の対角成分の積から一瞬で検算できる。

答案上の注意

A=BCA=BC から C=AB1C=AB^{-1} と書いてしまう誤りが起こりやすい。行列積は可換ではないので,左から B1B^{-1} を掛けて C=B1AC=B^{-1}A とする必要がある。

下三角分解と連立一次方程式の途中式・最終答をPDFで見る

2 — ガウス積分と誤差関数

方針

中心は ex2e^{-x^2} の整級数展開である。有界閉区間上の一様収束を先に押さえると,その後の項別積分が正当化され,テイラー展開まで自然に進む。

一様収束の見方

区間が有界であることから xR|x|\le R とできる。あとは R2n/n!\sum R^{2n}/n! で各項を上から押さえるだけでよい。ここで区間全体で同じ RR を使うことが,一様収束の答案で必ず書くべき点である。

数値計算の注意

小数第3位を四捨五入するのではなく,切り捨てる指定である。f(1)0.7468f(1)\simeq0.7468 なので,答は 0.750.75 ではなく 0.740.74 になる。

ガウス積分と誤差関数の途中式・最終答をPDFで見る

3 — ハウスドルフ性・連結性・無限遠で消える関数

方針

3つの小問はいずれも標準事実だが,定義に戻って書くことが重要である。ハウスドルフ性は「異なる2点を交わらない開集合で分ける」,連結性は「非自明な開閉分離がない」,無限遠での収束は「大きな区間の外では値が小さい」と読む。

連結性の典型手

Q\mathbb{Q} の非連結性では,有理数で切るのではなく無理数で切る。有理数で切ると切断点そのものが片側に入ってしまい,開集合としての扱いがやや面倒になる。無理数を使えば,左右の相対開集合がそのまま Q\mathbb{Q} を分割する。

最大値・最小値の検算

無限遠で 00 に近づくだけでは,常に最大値と最小値の両方があるとは限らない。例えば正の山だけを持つ関数では最大値を取り,最小値は 00 に近づくだけで取らないことがあり得る。そのため結論は「最大値または最小値」であり,正の値を取る場合と負の値を取る場合に分けるのが自然である。

ハウスドルフ性・連結性・無限遠で消える関数の途中式・最終答をPDFで見る

熊本大 数学 院試 過去問の収録3年度

  • 2026年度第2期(全3問)

    エルミート行列の対角化 / 極座標と重積分 / 距離空間と集合への距離

  • 2026年度第1期 専門(全4問)

    対称群の中心化群 / トーラスの基本群と被覆空間 / ルーシェの定理と留数計算

  • 2026年度第1期 専門基礎(このページ・全3問)

    下三角分解と連立一次方程式 / ガウス積分と誤差関数 / ハウスドルフ性・連結性・無限遠で消える関数