広島大学 院試 過去問 解答例
広島大 先進理工系科学研究科 数学プログラム 数学 2024年度 一般B 院試 解答例・解説
広島大学 先進理工系科学研究科 数学プログラム 数学 2024年度 一般Bの院試 過去問について、設問ごとの解法方針・部分点の置き所を解説。全3問収録の解答・解説PDFと併用できます。問題本文は含みません。
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設問ごとの解法方針・部分点の置き所を無料で公開しています。
完全な途中式・最終答は解答・解説PDFに収録しています。問題本文は含まれません。
第1問 — 線形代数:交代行列・対称行列と内積
方針
(A) は順を追って, の像と核 の次元 への作用 その固有値,と進める設計。(4) は を表現行列に書いて固有多項式 を作るのが王道で, の同型を使うと がすぐに見える。(B) は が成分内積 に一致することを把握すれば,対称・交代分解と次元公式で機械的に処理できる。
典型ミス
(A)(1) では「実交代行列の像と核は直交する」を直接根拠にせず, という一般則を用いて から核が一致することを書く。可解条件 だけ書いて一般解(特殊解+核)を書き忘れる答案も多いので注意。(A)(4) で「交代行列だから固有値は純虚数または 」とだけ述べて打ち切るのは根拠不足。固有多項式を計算するか,または「 実交代行列 について 」を用いる。(B)(2) では「対称行列の直交補空間は交代行列」と断言せず,包含 を示してから次元一致で等号を出す論法を使う。
試験で書くべきポイント
- (A)(1):可解条件 を導く根拠( の特徴付け)と特殊解+核の和としての一般解。
- (A)(2):,必要なら基底 を明示。
- (A)(3): を で直接計算。
- (A)(4):基底 における の 表現行列が交代行列となること,固有多項式 ,実固有値 。
- (B)(1):双線形・対称・正定値の三条件をすべて記述。とくに正定値性で と成分計算。
- (B)(2): の対称・交代分解と を示し,次元公式で を結論。。
第2問 — 微分積分:x log sin x の解析と級数
方針
(1) は単純な微分。(2) は の標準極限と の組み合わせで処理する。(3) は の存在を中間値の定理で示すのが王道で,両端の挙動 を確認した上で,途中に となる点を一つ示せばよい。(4) は連続拡張+ハイネ・カントール,(5) は から への評価,(6) はライプニッツの判定法(極限ゼロと最終的な単調性)が標準解。
典型ミス
(2) で と の積を「」のまま扱うのは不可。 に帰着させる。(3) は「 が連続で両端の符号が違う」とだけ書いて済ませる答案があるが, で (負ではない)なので両端の符号変化だけでは中間値の定理が直接適用できない。 や などの中間点で正値をとる事実を示すこと。(4) は「コンパクト集合上の連続関数は一様連続」を引くために,定義域 がコンパクトでない点に気付かないとつまずく。 で値 に連続拡張できることを (2) で示しているのを使う。(5) で から と漸近評価で済ませず,きちんと不等式 を立てる。(6) で の単調性を「 は減少」だけで片付けると誤差項の評価が抜ける。 の微分の符号で論じるか,あるいは の漸近展開で書く。
試験で書くべきポイント
- (1):.
- (2): と の二つに分けて極限値 。
- (3):(または 等)と の連続性,中間値の定理。
- (4): で値 に連続拡張,コンパクト集合 上の連続関数は一様連続。
- (5): と の発散(積分判定法)。級数は に発散。
- (6): と最終的に単調減少( の微分が原点近傍で正)から,ライプニッツの判定法で収束。
第3問 — 第3問 (I)/(II) 選択:位相 / 確率
方針 ((I))
(A) は二点集合の有限位相を網羅するだけなので落としたくない。同値関係の証明は同相の定義(連続全単射+逆写像連続)から自動的に従う。商集合は,自己同相の個数が高々 個しかない点と,開集合の個数が同相不変量である点を使うと簡単に分類できる。(B) は が「2次元では中身を持たない」(内部空集合)ことから開集合でないことを, の境界点が の閉包に入る一方 には属さない点から閉でないことを示す。
方針 ((II))
(A) は変数変換 と畳み込み計算が中心。鍵は の畳み込み結果 と の分布関数の二乗 の微分が一致すること。(B) は Wald の等式と ランダム個数の和の分散公式(複合分布の分散)を,全分散の公式 で導く標準演習。 が または しかとらないので,全確率公式で直接和に展開してもよい。
典型ミス
(I):(A)(3) で と を「同じ点 上だから同相」と誤認するミスが多い。位相構造そのものが違うので同相ではない。(B)(1) で の閉性を「コンパクト集合は閉」だけで片付けると証明としては弱い(コンパクト性の証明が要る)。連続関数の零点集合として書く方法が短い。
(II):(A)(2) で の場合の処理を忘れると密度関数の定義域が狂う。 で を明示する。(A)(3) は「 の和の密度」と「 の密度」を別々に計算して比較する手順が必要で, と がそれぞれ別の指数分布に従う点(パラメータ と )を取り違えないこと。(B)(2) で「 が 」だけでなく「 と が独立」が本質的に効くことを明示。これがないと が言えない。
試験で書くべきポイント
- (I)(A)(1): の位相は 個,それぞれ列挙。
- (I)(A)(2):反射律(恒等),対称律(逆写像),推移律(合成)の三つを同相の定義から確認。
- (I)(A)(3): は 元,。開集合の個数(同相不変量)で区別。
- (I)(B)(1): は閉だが開でない。 はどちらでもない。境界点 の議論。
- (I)(B)(2): から相対位相で開。
- (II)(A)(1):。
- (II)(A)(2):。
- (II)(A)(3):両者の密度が で一致。
- (II)(B)(1):。
- (II)(B)(2):全分散の公式または条件付き期待値の和で, を使う。