(1) 関数列
{gn} の一様収束
n≥1 に対し
gn(x)=f(x,n)=x2+n2x2n2.
ここで
gn(x)−x2=x2+n2x2n2−x2(x2+n2)=−x2+n2x4.
任意の有界集合 B⊂R をとり,M:=supx∈B∣x∣<∞ とする。すべての x∈B に対し ∣x∣≤M で
∣gn(x)−x2∣=x2+n2x4≤n2M4.
したがって
x∈Bsup∣gn(x)−x2∣≤n2M4→0(n→∞).
すなわち gn→x2 が B 上で一様に成立する。
(2) 極限の計算
∫01/nx2+1x2dx=∫01/n(1−x2+11)dx=n1−arctann1.
arctant のテイラー展開 arctant=t−3t3+5t5−⋯(∣t∣≤1)を t=1/n に適用すると
n1−arctann1=3n31−5n51+7n71−⋯.
よって
n3(n1−arctann1)=31−5n21+7n41−⋯→31(n→∞).
別解:ロピタルでもよい。F(t)=∫0tx2+1x2dx とおき,t=1/n で n→∞ つまり t→+0 とする。
t→+0limt3F(t)=L’Ht→+0lim3t2F′(t)=t→+0lim3t21⋅t2+1t2=31.
(3) 1次偏導関数
(x,y)=(0,0) の場合:商の微分により
fx(x,y)=(x2+y2)22xy2(x2+y2)−x2y2⋅2x=(x2+y2)22xy2(x2+y2−x2)=(x2+y2)22xy4.
x,y について対称なので
fy(x,y)=(x2+y2)22x4y.
(x,y)=(0,0) の場合:定義に戻り
fx(0,0)=h→0limhf(h,0)−f(0,0)=h→0limh0−0=0,
同様に fy(0,0)=0。
まとめると
fx(x,y)=⎩⎨⎧(x2+y2)22xy40((x,y)=(0,0))((x,y)=(0,0)),fy(x,y)=⎩⎨⎧(x2+y2)22x4y0((x,y)=(0,0))((x,y)=(0,0)).
(4)
C2 級か
結論:f は R2 上で C1 級だが C2 級ではない。
まず原点以外では f は明らかに C∞。問題は原点である。
(3) の fx を極座標 x=rcosθ,y=rsinθ に書き換えると
fx(x,y)=r42(rcosθ)(rsinθ)4=2rcosθsin4θ→0(r→0).
fy も同様。よって fx,fy は原点で連続。すなわち f∈C1(R2)。
次に2階偏導関数 fxy を (x,y)=(0,0) で計算する。
fxy=∂y∂((x2+y2)22xy4)=(x2+y2)48xy3(x2+y2)2−2xy4⋅2(x2+y2)⋅2y=(x2+y2)38xy3(x2+y2)−8xy5=(x2+y2)38x3y3.
これを極座標で表すと
fxy(rcosθ,rsinθ)=r68r6cos3θsin3θ=8cos3θsin3θ=sin3(2θ).
これは θ にしか依らないので,r→0 としても極限が方向に依存する:
θ=π/4 では sin3(π/2)=1,θ=3π/4 では sin3(3π/2)=−1。
すなわち lim(x,y)→(0,0)fxy(x,y) は存在しない。
一方,原点での fxy(0,0) を定義通り計算すると,fx(0,h)=h42⋅0⋅h4=0(h=0)と fx(0,0)=0 より
fxy(0,0)=h→0limhfx(0,h)−fx(0,0)=0.
よって fxy は原点では値を取るが,原点で連続でない。
ゆえに f は R2 上で C2 級でない。
(5) 重積分
被積分関数を変形する:
x2+y2x2y2=x2+y2x2(x2+y2)−x4=x2−x2+y2x4.
別の整理として,y について先に積分する。y を固定して
∫01x2+y2x2y2dx=y2∫01x2+y2x2dx=y2∫01(1−x2+y2y2)dx.
y>0 なら ∫01x2+y21dx=y1arctany1 なので
∫01x2+y2x2y2dx=y2(1−yarctany1)=y2−y3arctany1.
(y=0 では被積分関数が0となるので連続的に同じ式で扱える。)したがって
I=∬[0,1]2f(x,y)dxdy=∫01(y2−y3arctan(1/y))dy=31−J,J:=∫01y3arctany1dy.
y>0 で arctan(1/y)=π/2−arctany を使うと
J=∫01y3(2π−arctany)dy=2π⋅41−K=8π−K,K:=∫01y3arctanydy.
K を部分積分で求める。u=arctany, dv=y3dy とすれば du=1+y2dy, v=4y4。
K=[4y4arctany]01−∫014(1+y2)y4dy=41⋅4π−41∫011+y2y4dy.
1+y2y4=y2−1+1+y21 なので
∫011+y2y4dy=31−1+4π=−32+4π.
よって
K=16π−41(−32+4π)=16π+61−16π=61.
ゆえに J=8π−61,
I=31−J=31−8π+61=21−8π.