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筑波大応用理工・電子物理の院試|科目選択と冬の数学全問解説

筑波大電子・物理工学は数学必答と5分野から3問選択、力学か電磁気を必ず含めます。180分の配分、英語出題、2027年冬の日程、2026年度冬の数学全小問の解答を説明します。

最終更新: 2026/10/16

筑波大学応用理工学の電子・物理工学サブプログラムは、数学必答+5分野から3問選択です。その3問には力学か電磁気学を必ず含めます。数学・量子・光学・半導体の組合せは不可で、数学・力学・電磁気・量子のように力学と電磁気の両方を選ぶことはできます。

選択条件・英語出題・試験時間

2027年度一般の募集要項では、専門は180分・500点、英語200点、口述300点です。冬は専門が2027年1月27日10〜13時、口述が翌28日の10〜17時の時間帯です。出願前の教員の内諾と英語スコアが必要で、Web出願と郵送の締切は異なります。

2026年度の公式問題PDFは夏と冬の2回分を収録しています。夏は2025年8月、冬は2026年1月の実施です。両方の表紙は、日本語または英語で解答、4問を超える解答はすべて無効と指定しています。数学は2ページのPart (1)・Part (2)で1問です。専攻の入試案内も併せて確認してください。

問題扱い2026年度冬の配点
1 数学Part (1)(2)とも必答合わせて140点
2 力学・3 電磁気学少なくとも一方を選択各120点
4 量子・5 光学・6 半導体2〜6の全体で3問となるよう選択各120点

2026年度の問題文は英語で、専門用語に日本語が添えられています。例えばnormalizedは規格化、orthogonal matrixは直交行列です。指示語を読み、答える対象を式に直す練習をします。

2026年度冬・Problem 1:数学の全小問の解答

公式PDF17〜18ページを開いて参照してください。Part (1)の5小問とPart (2)の4小問を順に解説します。

Part (1)(a)(i):逆三角関数

θ=arctan√8とおけば0<θ<π/2でtanθ=√8です。直角三角形の斜辺が3になるため、主値の範囲も満たす解は次のとおりです。逆関数を表すsin⁻¹を、1/sinと読み違えないことが要点です。

x=sin⁡θ=81+8=223.x=\sin\theta=\frac{\sqrt8}{\sqrt{1+8}}=\boxed{\frac{2\sqrt2}{3}}.

Part (1)(a)(ii):複素数の正弦と共役

sin(z)の指数表示に代入し、eとe⁻¹の係数を整理します。Aの実部・虚部がそれぞれ一意に決まります。

sin⁡(π3−i)=34(e+e−1)−i4(e−e−1),A=3−i4.\sin\left(\frac\pi3-i\right)=\frac{\sqrt3}{4}(e+e^{-1})-\frac{i}{4}(e-e^{-1}),\qquad \boxed{A=\frac{\sqrt3-i}{4}}.

Part (1)(a)(iii):二次形式で表された楕円の面積

二次式を(x−y)²+4y²へ平方完成します。u=x−y、v=2yと変数変換すれば半径aの円になり、面積の倍率は1/2です。

∣∂(u,v)∂(x,y)∣=2,∬Ddx dy=12∬u2+v2≤a2du dv=πa22.\left|\frac{\partial(u,v)}{\partial(x,y)}\right|=2,\qquad \iint_D dx\,dy=\frac12\iint_{u^2+v^2\le a^2}du\,dv=\boxed{\frac{\pi a^2}{2}}.

Part (1)(b)(i):無限区間の積分

部分積分で指数を一つ下げます。無限遠の境界項は指数関数の減衰により0、n≥1なら原点側も0です。最後にI₀=1へ戻せます。

In=∫0∞xne−xdx=nIn−1,I0=1,In=n!.I_n=\int_0^\infty x^n e^{-x}dx=nI_{n-1},\qquad I_0=1,\qquad \boxed{I_n=n!}.

Part (1)(b)(ii):円内の広義積分

極座標の面積要素r dr dθを含めます。境界r=1では被積分関数が発散しますが、下の積分は有限です。上限を1未満に置いて極限を取ることで広義積分を評価します。

∬x2+y2<1dx dy1−x2−y2=2π∫01r1−r2dr=2π.\iint_{x^2+y^2<1}\frac{dx\,dy}{\sqrt{1-x^2-y^2}}=2\pi\int_0^1\frac{r}{\sqrt{1-r^2}}dr=\boxed{2\pi}.

Part (2)(a)(b):固有値と規格化した固有ベクトル

指定されたa=−1、b=−2、c=1を代入します。対称行列なので、異なる固有値の固有ベクトルは直交します。以下のベクトルをAに掛ければ固有値と対応を直接確認できます。

A=(−1101−2101−1),det⁡(λI−A)=λ(λ+1)(λ+3),(λ1,λ2,λ3)=(−3,−1,0).A=\begin{pmatrix}-1&1&0\\1&-2&1\\0&1&-1\end{pmatrix},\quad \det(\lambda I-A)=\lambda(\lambda+1)(\lambda+3),\quad (\lambda_1,\lambda_2,\lambda_3)=(-3,-1,0).
u1=16(1−21),u2=12(10−1),u3=13(111).u_1=\frac1{\sqrt6}\begin{pmatrix}1\\-2\\1\end{pmatrix},\quad u_2=\frac1{\sqrt2}\begin{pmatrix}1\\0\\-1\end{pmatrix},\quad u_3=\frac1{\sqrt3}\begin{pmatrix}1\\1\\1\end{pmatrix}.

各ベクトルのノルムは1、異なる2本の内積は0です。固有ベクトル全体の符号を反転しても正解ですが、固有値の小さい順という問題の指定に対応させます。

Part (2)(c):直交行列による対角化

P=(u1 u2 u3)=(1/61/21/3−2/601/31/6−1/21/3),P−1=PT,D=P−1AP=diag⁡(−3,−1,0).P=(u_1\ u_2\ u_3)=\begin{pmatrix}1/\sqrt6&1/\sqrt2&1/\sqrt3\\-2/\sqrt6&0&1/\sqrt3\\1/\sqrt6&-1/\sqrt2&1/\sqrt3\end{pmatrix},\quad P^{-1}=P^{\mathsf T},\quad D=P^{-1}AP=\operatorname{diag}(-3,-1,0).

列ベクトルの順序を入れ替える場合は、Dの対角成分も同じ順に入れ替える必要があります。PᵀP=IとAP=PDで検算できます。

Part (2)(d):微分方程式の変換

Pは時間に依存しないため微分の外へ出せます。R=P⁻¹rとr=PRを順に用いると、求める式が得られます。

R′′=P−1r′′=P−1Ar=P−1APR=DR.R''=P^{-1}r''=P^{-1}Ar=P^{-1}AP R=DR.

これで3成分の方程式が独立になります。負の固有値の成分は振動し、固有値0の成分はR₃″=0です。後者を振動の式へ無理に代入せず、定数項と時間に比例する項を持つ成分として扱います。

180分の演習で選択ミスと計算の抜けを防ぐ

配分の一例は、問題確認10分、数学45分、選択3問に各35分、見直し20分です。数学は2つのPartがあるため、最初の小問集合だけで終わらないようにします。解答する3分野を決めた時点で、力学か電磁気学を含むか確認してください。

  • 力学:2026年度冬は中実・中空円柱。質量分布から慣性モーメントを求め、転がりの条件を速度やエネルギーへ反映します。
  • 電磁気:同軸系や円電流では、対称性から場の向きと積分経路を決めます。中心や遠方での極限を検算します。
  • 量子・光学・半導体:井戸の境界条件、レンズの符号、pn接合の電荷密度を、問題の図と座標に合わせて定義してから計算します。

夏・冬の過去問と解答・解説

公式の大学院過去問ページから年度別PDFを取得できます。出題意図は公開されていますが、解答例ではありません。院試hubは2025・2026年度の夏・冬、計4実施回24大問の解答・解説と見本を掲載しています。

途中式と最終答まで読める解説

問題本文は含みません。公式の問題冊子と併用してください。

電子・物理工学 専門科目の収録解説の分野(2025〜2026年度・24項目)

院試hubの収録解説4実施回・24項目の見出しを分野別に数えたものです。設問を分割した項目や、公開資料の制約を説明する項目を含むため、公式問題の大問数や完成答案数とは一致しません。が4項目(全体の17%)で最多。・数学・電磁気学・回路・物性物理・量子力学・力学は4実施回すべてに出ています。

分野項目数全項目に占める割合直近の連続出題最後に出た回
417%4回連続2026年1-2月実施
数学417%4回連続2026年1-2月実施
電磁気学・回路417%4回連続2026年1-2月実施
物性物理417%4回連続2026年1-2月実施
量子力学417%4回連続2026年1-2月実施
力学417%4回連続2026年1-2月実施

収録年度と解説項目数

院試hubに収録した4実施回の一覧です。どの回も解説見出しは6項目です。

筑波大 電子・物理工学 専門科目の解答で立てた注意点(49件)

院試hubの解説で、その設問だけに立てた小見出しです(「方針」「検算」のような全問共通の 見出しは除いています)。新しい実施回から並べています。

力学9件

電磁気学・回路9件

物性物理9件

数学7件

量子力学7件

頻出論点と、同じ論点を出す他大学

院試hubが解答した大問の論点を、他大学の出題と突き合わせたものです。併願先を 探すときの重なりの実数として使えます。

論点この専攻での出題出題年度同じ論点を出す他大学全国の出題大学
固有値・固有ベクトル6問2026・2025神戸大学・京都大学・東京大学・大阪大学・名古屋大学25大学
重積分と極座標4問2026・2025神戸大学・京都大学・大阪大学・名古屋大学・電気通信大学23大学
静電場4問2026・2025名古屋大学・北海道大学・九州工業大学・九州大学・名古屋工業大学16大学
PN接合4問2026・2025九州大学・東京科学大学・北海道大学・東京大学・京都大学8大学
留数定理3問2026・2025東京大学・北海道大学・名古屋大学・大阪公立大学・九州大学18大学
剛体の回転運動3問2026・2025北海道大学・京都大学・広島大学・九州工業大学・九州大学16大学
直交対角化3問2026・2025名古屋工業大学・九州大学・東京科学大学・大阪公立大学・大阪大学14大学
ハミルトン形式2問2026・2025名古屋大学・広島大学・九州大学・京都大学・名古屋工業大学15大学
固有振動数と振動系2問2026・2025東京大学・名古屋大学・北海道大学・広島大学・東北大学16大学
二次形式2問2026・2025京都大学・名古屋大学・九州工業大学・東京大学・九州大学16大学

筑波大 公式の過去問の公開年度と公式解答例

公開されている年度
2025・2026(令和7・8)年度分(各年度 8月実施・1〜2月実施の2回)
公式の解答例
解答例の掲載なし
院試hubが最後にリンクを確認した日
2026-10-16
ページの内容
全学の「大学院入学試験過去問題」ページから年度別PDFに辿れる。応用理工学学位プログラム電子・物理工学の1冊に、8月実施と1〜2月実施の2回分の問題と「出題意図」がまとめて収録されている。2025年度分のPDFも公開が続いており、2025・2026年度で計4回分を参照できる。2026年度の2回は英語で出題され、専門用語に日本語が併記される。数学必答+他5分野から3問で力学か電磁気を含む。4問超の解答は無効、日本語・英語で解答可。解答例は非公開で、出題意図は評価の観点を述べたもの。

よくある質問

筑波大電子・物理工学は何問を選びますか。

数学は必答です。さらに力学・電磁気学・量子力学・光学・半導体工学から3問を選び、力学か電磁気学を必ず含めます。数学と量子・光学・半導体だけでは条件を満たしません。

英語の問題に日本語で答えてもよいですか。

2026年度夏・冬の問題冊子では、日本語または英語で解答する指定です。問題文は英語で、専門用語には日本語が併記されます。数学はPart (1)とPart (2)の両方に解答します。

冬入試の試験時間と配点はどうなっていますか。

2027年度冬一般は1月27日10〜13時に専門500点、外部スコアによる英語200点、翌1月28日に口述300点です。2026年度冬の問題では数学140点、選択する他の3問は各120点でした。

4問を超えて解答するとどうなりますか。

2026年度夏・冬の公式問題は、4問を超えて解答した場合はすべての答案を無効にすると明記しています。数学のPart (1)(2)で1問、残り3問で計4問です。

公式過去問と併用する解答・解説PDFを、筑波大学の研究科・科目別に掲載しています。収録年度と価格は各ページで確認できます。

筑波大学の解答PDF一覧で、筑波大学の研究科・専攻・科目をまとめて確認できます。

院試対策ガイド一覧(大学別)