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九大 院試 過去問の解答|理学府 地球惑星科学 6年48問

九大 理学府 地球惑星科学専攻の2021〜2026年度 専門科目48問について、解答・解説PDFと、地質・古環境・岩石鉱物・同位体化学・熱力学・力学・電磁気・物理数学の8科目から2科目を選ぶ判断をまとめました。

最終更新: 2026/10/12

九州大学の学府・専攻別の公式過去問を見る

この記事は、九州大学大学院 理学府 地球惑星科学専攻の過去問対策です。InshiHubで2021〜2026年度の一般選抜・専門について、各年度8問、合計48問の解答解説を作成したときに見た、科目選択、答案冒頭、検算、典型ミスを、過去問演習の計画に変換する記事です。

この試験の特徴は、出題分野が6年続けてかなり安定していることです。地質学・構造地質、古環境学・古生物学、岩石学・鉱物学、化学・同位体化学、熱力学、力学、電磁気学、物理数学の8科目が並び、そこから2科目を選ぶ前提で考える必要があります。したがって、対策の中心は「全部を薄く読む」ではなく、「2科目を主戦場にし、1〜2科目を保険にする」ことです。

2021〜2026年度48問の地図

以下は問題本文ではなく、解答解説ファイルの見出しと解説の要点から作った対策用の地図です。6年とも8科目枠は同じなので、年度差よりも「どの年度をどう使うか」が重要です。

年度収録した8科目この年度で見ること準備への使い方
2026地質・古環境・岩石鉱物・同位体化学・熱力学・力学・電磁気・物理数学。2026年度募集までの旧仕様の最終確認に使う。公式ページ上でも、この枠の筆記試験は2026年度募集までのものとして扱われている。最後の総合演習に回す。2科目選択を10分で決め、答案冒頭の条件だけで選択可否を判断する。
2025同じ8科目構成。地質と岩石鉱物は図・観察の言語化、物理系は符号と単位が重い。2026と同じ選択戦略が再現できるかを見る。主戦場2科目が年度をまたいでも崩れないかを確認する。2回目の本番演習に使う。2026で選ばなかった保険科目を入れて、選択肢を増やす。
2024地球科学系4科目と物理数学系4科目が明確に分かれる。地質・古環境・岩石・同位体の記述型と、熱力学・力学・電磁気・物理数学の計算型のどちらが安定するかを見る。主戦場を決める年度。ここで2科目が90分以内に形にならない場合は、保険科目を組み替える。
20238科目の題名は同じでも、答案では「定義を一行置く」問題が多い。CCD、同位体、自由エネルギー、ガウス/アンペール的な場の扱いなど、定義不足で失点する箇所を洗う。答案開始テンプレートの訓練に使う。最終答より、最初の3行が正しいかを採点する。
2022標準的な8科目演習として使いやすい。図の読み取り、符号、単位、近似条件が一通り出る。地球科学系と物理系の両方を触り、どちらを捨てすぎているかを確認する。1周目の診断年度にする。8科目を眺め、主戦場候補と保険候補を分類する。
2021入口年度として使いやすい。全科目の答案作法を短く試せる。走向・傾斜、古環境指標、相図、年代測定、熱力学ポテンシャル、保存則、場の対称性、線形代数を総点検する。最初に解く年度。解けない科目を切るのではなく、どの章へ戻るかを決める。

8科目から2科目を選ぶ判断

最初の10分で見るべきなのは、問題の見た目ではなく「答案の一行目を書けるか」です。地質・古環境・岩石鉱物・同位体化学は、観察事実と解釈を言葉で分けられるか。熱力学・力学・電磁気・物理数学は、符号規約、座標、境界条件、変数定義を置けるか。ここで詰まる科目は、本番では見送り候補にします。

科目群選びたいサイン避けるサイン保険にする条件
地質・古環境走向・傾斜、断層センス、堆積相、化石相、CCD、同位体指標を定義と意義で説明できる。用語は知っているが、露頭観察から過程へつなぐ文章を書けない。計算科目が荒れたとき、定義問題と短い説明問題を確実に拾える。
岩石鉱物・同位体化学相図、てこの原理、ケイ酸塩分類、酸素数規格化、電子配置、放射年代式を手順化できる。公式図を眺めるだけで、タイラインや規格化操作を言葉にできない。地球科学系を主戦場にする場合の2科目目として使える。
熱力学・力学自由エネルギーの全微分、マクスウェル関係、サイクル効率、力積、保存力、エネルギー保存を式で始められる。仕事の符号、ポテンシャルの勾配、近似条件を答案中で一度も宣言しない。物理系で受けるなら主戦場候補。符号ミスが減るまでは保険にしない。
電磁気・物理数学対称性、積分経路、ポインティングベクトル、直交対角化、ODE、ベクトル解析を定義から置ける。対称性だけで解けない有限線電荷や、行列の対角化順序で止まる。数学・物理基礎が強い受験生の得点源。計算量が読めない年度では2問目に回す。

地質学・構造地質の答案開始

地質学・構造地質では、まず「観察事実」と「そこから推定する地質過程」を分けます。走向は地層面と水平面の交線、傾斜は走向に直交する最大傾斜方向と水平面の角、と定義してから層厚や見かけ傾斜へ進みます。断層では条線、階段状構造、Riedel shear、ドラッグ褶曲、地層や岩脈のずれを根拠に運動センスを判定します。

典型ミスは、見かけ傾斜を真の傾斜より大きくしてしまうこと、断層ガウジ・断層角礫・カタクレーサイトを固結度で分けないこと、堆積相を粒度だけで決めることです。堆積環境は、粒度、堆積構造、上方細粒化/粗粒化、化石・生痕をセットにして書いてください。

古環境学・古生物学の答案開始

古環境学・古生物学は、名称だけでなく「何の指標か」を書く科目です。生痕化石なら底質酸素量や堆積速度、バージェス頁岩動物群ならカンブリア紀の軟体部保存と動物門の初期進化、CCDなら炭酸塩の供給速度と溶解速度のバランスとして始めます。

酸素同位体・炭素同位体は、軽い同位体と重い同位体の分別、氷床量、温度、生物生産を区別して説明します。CCDを「炭酸塩が全く存在しない深さ」と書くのは粗すぎます。堆積物として保存されにくくなる深度、と書く方が安全です。

岩石学・鉱物学と同位体化学

岩石学・鉱物学では、公式図や相図を答案に転載するのではなく、操作を言葉で明示します。「同温度の水平線を引く」「液相線・固相線・タイラインを読む」「反対側の線分比でてこの原理を使う」「酸素4に規格化して鉱物式を出す」といった一行が、答案の再現性を上げます。

化学・同位体化学では、電子配置と放射年代式が失点源になります。たとえば炭素同位体では、安定同位体と放射性同位体を分け、14Cが宇宙線起源中性子と14Nの反応で生じること、化石燃料は古く14Cをほとんど含まないことまで書きます。年代計算は半減期を使う式を先に置き、対数の底に依存しない形で処理してください。

熱力学・力学・電磁気・物理数学

熱力学は符号規約を最初に固定します。自由エネルギーの全微分、マクスウェル関係、熱機関の効率では、系が外界へする仕事を正にするのか、外界から系へなされる仕事を正にするのかで符号が変わります。力学では、座標軸と正方向を宣言し、力積、エネルギー保存、保存力の定義、近似条件を答案の前半に置きます。

電磁気は対称性を使えるかが第一段階です。円柱電流なら円周上で磁場が一定、有限線電荷なら対称性だけで終わらず積分が必要、平面波なら波長・周期・ポインティングベクトルを単位込みで確認します。物理数学では、Euler公式、Chebyshev漸化式、発散・回転、対称行列の直交対角化、特性方程式によるODE解法、置換積分を「どの定理を使うか」から書きます。

180分演習の回し方

1回分の演習は、最初の10分で8科目を眺め、主戦場2科目、保険2科目、見送り4科目に分けます。次の65分で1科目目、続く65分で2科目目を書き切り、残り40分で保険科目の小問拾いか見直しに使います。見直しでは、新しい計算に入らず、符号、単位、図の読み違い、境界条件、定義の抜けを確認します。

6年分の使い方は、2021と2022で診断、2023と2024で主戦場決定、2025と2026で本番演習がよいです。科目別には、地球科学系4科目だけを横断する日と、物理数学系4科目だけを横断する日を分けると、どの科目が本当に選べるかが見えます。

後回しでよいこと

研究室ごとの細かい専門論文、地質時代名の丸暗記、鉱物名だけの羅列、高度な地球物理の発展問題は、最初の周回では後回しでよいです。6年48問で繰り返し効いたのは、観察事実と解釈を分けること、図の読み取り操作を言葉にすること、符号規約と単位を冒頭に置くことでした。

逆に、物理が得意だから地球科学系を全く見ない、地質が得意だから熱力学や物理数学を完全に捨てる、という準備は危険です。8科目から2科目を選ぶ形式では、問題の重さを見て逃げ道を作れる受験生ほど安定します。

九大 院試 の他専攻ガイド

九大 大学院 理学府 地球惑星科学専攻は、物理学専攻と隣接した連続体・流体・統計問題が中心です。地球惑星科学で身につけた「保存則・連続体方程式の宣言」は、物理学の場の理論、情報数学の偏微分方程式、機械工学の流体でも答案の骨格として効きます。下記の同大学他専攻ガイドも合わせて読むと、九大 院試 物理系全体の出題傾向が見えます。

途中式と最終答まで読める解説

問題本文は含みません。公式の問題冊子と併用してください。

地球惑星科学専門科目の収録解説の分野(2021〜2026年度・48項目)

院試hubの収録解説6実施回・48項目の見出しを分野別に数えたものです。設問を分割した項目や、公開資料の制約を説明する項目を含むため、公式問題の大問数や完成答案数とは一致しません。が12項目(全体の25%)で最多。・地質・鉱物・岩石・電磁気学・回路・熱・統計力学・力学は6実施回すべてに出ています。

分野項目数全項目に占める割合直近の連続出題最後に出た回
1225%6回連続2026年度
地質1225%6回連続2026年度
鉱物・岩石613%6回連続2026年度
電磁気学・回路613%6回連続2026年度
熱・統計力学613%6回連続2026年度
力学613%6回連続2026年度

収録年度と解説項目数

院試hubに収録した6実施回の一覧です。どの回も解説見出しは8項目です。

実施回解説項目数公開範囲
2026年度8第1問の途中式・最終答
2025年度8解法方針まで公開
2024年度8解法方針まで公開
2023年度8解法方針まで公開
2022年度8解法方針まで公開
2021年度8第1問の途中式・最終答

九大 地球惑星科学専門科目の解答で立てた注意点(8件)

院試hubの解説で、その設問だけに立てた小見出しです(「方針」「検算」のような全問共通の 見出しは除いています)。新しい実施回から並べています。

地質2件

鉱物・岩石1件

熱・統計力学1件

力学1件

電磁気学・回路1件

頻出論点と、同じ論点を出す他大学

院試hubが解答した大問の論点を、他大学の出題と突き合わせたものです。併願先を 探すときの重なりの実数として使えます。

論点この専攻での出題出題年度同じ論点を出す他大学全国の出題大学
固有値・固有ベクトル7問2026・2025・2024・2023・2022・2021神戸大学・京都大学・東京大学・大阪大学・名古屋大学25大学
フーリエ級数4問2025・2024・2023・2021京都大学・北海道大学・名古屋工業大学・東北大学・東京科学大学11大学
静電場3問2025・2023・2021名古屋大学・北海道大学・九州工業大学・筑波大学・名古屋工業大学16大学
結晶構造3問2024・2023東京大学・北海道大学・東京科学大学・名古屋工業大学・東北大学9大学
カルノーサイクル3問2026・2022・2021東北大学・名古屋大学・東京科学大学・早稲田大学・北海道大学9大学
電磁波2問2026・2022北海道大学・筑波大学・東京大学・名古屋大学・東北大学15大学
調和振動子1問2021名古屋大学・北海道大学・電気通信大学・広島大学・名古屋工業大学16大学
固有振動数と振動系1問2023東京大学・名古屋大学・北海道大学・広島大学・筑波大学16大学
正定値行列1問2025名古屋大学・大阪大学・東京大学・九州工業大学・京都大学17大学
二次形式1問2025京都大学・名古屋大学・九州工業大学・東京大学・東北大学16大学

九大 公式の過去問の公開年度と公式解答例

公開されている年度
平成16〜2026年度(22年分)
公式の解答例
解答例の掲載なし
院試hubが最後にリンクを確認した日
2026-08-13
ページの内容
専攻サイトで年度別に問題PDFを公開。2027年度募集(2026年度実施)以降は入試仕様が大きく変わる旨の注記あり。解答は非公開。

よくある質問

8科目すべてを準備する必要がありますか。

本番想定では8科目すべてを同じ深さで仕上げるより、主戦場2科目と保険1〜2科目を決める方が現実的です。ただし最初の10分で安全に選ぶため、各科目の答案開始パターンだけは一通り持っておくべきです。

2027年度以降も同じ対策でよいですか。

公式過去問ページには、2027年度募集以降は第1次募集の入試仕様が大きく変わる旨の注記があります。この記事は2026年度募集までの筆記試験、つまり2021〜2026年度公開問題の分析として使い、出願年度の仕様は必ず公式ページで確認してください。

物理系科目だけで受けてもよいですか。

力学、電磁気学、物理数学、熱力学を軸にできますが、地球惑星科学専攻の試験では地質・古環境・岩石鉱物・同位体化学も毎年並びます。物理系だけに寄せる場合も、岩石鉱物や同位体化学の基本答案を保険にすると選択肢が増えます。

公式過去問と併用する解答・解説PDFを、九州大学の研究科・科目別に掲載しています。収録年度と価格は各ページで確認できます。

九州大学の解答PDF一覧で、九州大学の研究科・専攻・科目をまとめて確認できます。

院試対策ガイド一覧(大学別)