院試hub

豊橋技術科学大学 院試 過去問 解答例

豊橋技科大 工学研究科 情報・知能工学専攻基礎科目 2026年度 第2次募集 院試 過去問 解答例・解説(全3問)

全3問。確率・統計1問。テーマタグは1件(固有値・固有ベクトル)。2026年度 外国人留学生入試と共通のテーマは固有値・固有ベクトル。

最終更新:

このページで公開
解説3問と大問1問の途中式・最終答(全3問)
解答PDFに収録
途中式と最終答(最終答つき3問)
問題本文
非収録

豊橋技科大 情報・知能工学専攻基礎科目 2026年度 第2次募集 院試 過去問の出題内容(全3問)

この3問の分野は確率・統計1問です。

大問分野主題解説の小見出し最終答
第1問—線形微分方程式と対角化状態変数の選び方 / 対角化の意味あり
第2問確率・統計三つのサイコロの確率順序付きで数える / 最大値の数え方あり
第3問—水の移動手続き水量状態で管理する / 履歴によるスキップあり

この年度の解説には検算1件・採点上の注意1件が付いています。

2026年度 第2次募集の出題テーマと、同じテーマを出した他大学・他年度

この年度は1問に1テーマが出ています。

テーマこの年度全体の出題実績他大学の直近出題
固有値・固有ベクトル第1問25大学・544問

前年度(2026年度 外国人留学生入試)との違い

大問数
2026年度 外国人留学生入試 3問 → 2026年度 第2次募集 3問
両年度に出たテーマ
固有値・固有ベクトル
2026年度 外国人留学生入試のページを見る

第1問 — 線形微分方程式と対角化

状態変数の選び方

二階方程式を一階連立系に直すときは、xx と x′x' を並べたベクトルを作るのが標準である。行列の一行目は x′=yx'=y を表すので (0,1)(0,1)、二行目は y′=−3x+4yy'=-3x+4y を表すので (−3,4)(-3,4) になる。

対角化の意味

対角化は、連立した二つの量を固有方向の独立な指数関数に分ける操作である。ここでは初期値を固有ベクトル基底に直すと (1,−1)(1,-1) となるため、二つの指数関数の差として x(t)x(t) が現れる。

検算

得られた x(t)=e3t−etx(t)=e^{3t}-e^t は x(0)=0x(0)=0 を満たす。また x′(t)=3e3t−etx'(t)=3e^{3t}-e^t なので y(0)=2y(0)=2 も満たす。さらに x′′−4x′+3xx''-4x'+3x に代入すると各指数関数の係数が消える。

解答

状態変数を z(t)=(x(t)y(t)),y(t)=dxdt z(t)=\begin{pmatrix}x(t)\\ y(t)\end{pmatrix}, \qquad y(t)=\frac{dx}{dt} とおく。微分方程式は x′′−4x′+3x=0x''-4x'+3x=0 なので x′=y,y′=x′′=4y−3x x'=y,\qquad y'=x''=4y-3x である。したがって ddt(xy)=A(xy),A=(01−34). \frac{d}{dt}\begin{pmatrix}x\\y\end{pmatrix} = A\begin{pmatrix}x\\y\end{pmatrix}, \qquad A=\begin{pmatrix}0&1\\-3&4\end{pmatrix}.

固有方程式は det⁡(A−λI)=det⁡(−λ1−34−λ)=λ2−4λ+3=(λ−3)(λ−1) \det(A-\lambda I)= \det\begin{pmatrix}-\lambda&1\\-3&4-\lambda\end{pmatrix} =\lambda^2-4\lambda+3 =(\lambda-3)(\lambda-1) である。よって λ1=3,λ2=1\lambda_1=3,\lambda_2=1 とできる。各固有値に対し e1=(13),e2=(11) e_1=\begin{pmatrix}1\\3\end{pmatrix},\qquad e_2=\begin{pmatrix}1\\1\end{pmatrix} を選べばよい。

固有ベクトルを列に並べて P=(1131) P=\begin{pmatrix}1&1\\3&1\end{pmatrix} とおくと、 P−1=1−2(1−1−31)=(−1/21/23/2−1/2) P^{-1}=\frac1{-2}\begin{pmatrix}1&-1\\-3&1\end{pmatrix} = \begin{pmatrix}-1/2&1/2\\3/2&-1/2\end{pmatrix} であり、 P−1AP=(3001)=D P^{-1}AP= \begin{pmatrix}3&0\\0&1\end{pmatrix} =D となる。z=Puz=Pu とおけば u′=Du,u(t)=(c1e3tc2et). u'=Du,\qquad u(t)=\begin{pmatrix}c_1e^{3t}\\c_2e^t\end{pmatrix}. 初期条件は z(0)=(0,2)Tz(0)=(0,2)^{\mathsf T} であるから u(0)=P−1z(0)=(−1/21/23/2−1/2)(02)=(1−1). u(0)=P^{-1}z(0)= \begin{pmatrix}-1/2&1/2\\3/2&-1/2\end{pmatrix} \begin{pmatrix}0\\2\end{pmatrix} = \begin{pmatrix}1\\-1\end{pmatrix}. したがって z(t)=P(e3t−et)=(e3t−et3e3t−et). z(t)=P\begin{pmatrix}e^{3t}\\-e^t\end{pmatrix} = \begin{pmatrix}e^{3t}-e^t\\3e^{3t}-e^t\end{pmatrix}.

最終答

A=(01−34),λ1=3, e1=(1,3)T,λ2=1, e2=(1,1)T, A=\begin{pmatrix}0&1\\-3&4\end{pmatrix},\quad \lambda_1=3,\ e_1=(1,3)^{\mathsf T},\quad \lambda_2=1,\ e_2=(1,1)^{\mathsf T}, P=(1131),D=P−1AP=(3001),x(t)=e3t−et, y(t)=3e3t−et. P=\begin{pmatrix}1&1\\3&1\end{pmatrix},\quad D=P^{-1}AP=\begin{pmatrix}3&0\\0&1\end{pmatrix},\quad x(t)=e^{3t}-e^t,\ y(t)=3e^{3t}-e^t.

第2問 — 三つのサイコロの確率

順序付きで数える

同時に投げても、三つのサイコロを区別して (X1,X2,X3)(X_1,X_2,X_3) と見れば全事象は 216216 通りで一貫する。途中で順序なしの組を使う場合は、必ず並べ方を掛ける。

最大値の数え方

最大値がちょうど 44 という条件は直接数えるより、 #{max⁡≤4}−#{max⁡≤3} \#\{\max\le 4\}-\#\{\max\le 3\} と差を取るのが速い。境界の「少なくとも一つは 44」を数え漏らさないための典型手法である。

期待値と分散

和の期待値は常に期待値の和でよい。一方、分散を足してよいのは独立性があるときである。この一文を書いてから 3Var⁡(Xi)3\operatorname{Var}(X_i) とするのが答案として安全である。

三つのサイコロの確率の途中式・最終答をPDFで見る

第3問 — 水の移動手続き

水量状態で管理する

この問題は、各コップの名前よりも状態ベクトルで管理すると誤りにくい。移動量は常に min⁡{S(i), C(j)−S(j)} \min\{S(i),\,C(j)-S(j)\} で決まる。移動元が空、または移動先が満杯なら、その PP は実行できない。

履歴によるスキップ

注意すべき点は、手続き XX の中でも履歴判定が働くことである。例えば二回目の XX の冒頭で P(A,B)P(A,B) をそのまま行うと (3,7,0)(3,7,0) になり、これは一回目で既に現れている。したがってここでは状態を変えずに次の P(B,C)P(B,C) へ進む。

採点上の注意

(9,1,0)(9,1,0) や (5,5,0)(5,5,0) だけを書くより、どの PP が履歴でスキップされたかを示す方が安全である。特に「四回の XX」と「九回の PP」は数える対象が異なるため、表か状態列を添えて区別する。

水の移動手続きの途中式・最終答をPDFで見る

豊橋技科大 情報・知能工学専攻基礎科目 院試 過去問の収録3年度