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東北大学 院試 過去問 解答例

東北大 情報科学研究科 3群 機械・知能系 数学・専門科目 2025年度 院試 解答例・解説

東北大学 情報科学研究科 3群 機械・知能系 数学・専門科目 2025年度の院試 過去問について、設問ごとの解法方針・部分点の置き所を解説。全16問収録の解答・解説PDFと併用できます。問題本文は含みません。

最終更新:

設問ごとの解法方針・部分点の置き所を無料で公開しています。

完全な途中式・最終答は解答・解説PDFに収録しています。問題本文は含まれません。

1 — 数学A-1

方針

(1) はロピタルを3回使ってもよいが,展開の方が誤差次数まで明確で速い。 (2) は球対称性を見抜く問題である。logx2+y2+z2=logr\log\sqrt{x^2+y^2+z^2}=\log r と置けるので,角度積分は 4π4\pi にまとまる。 (3) は x=1x=1 の特異性を無理に部分分数分解しようとせず,xn1x^n-1 を作るのが最短である。

検算

(2) の値が負になるのは,0<r<10<r<1logr<0\log r<0 だから自然である。 (3) は微分すると k=0n1xk+1x1=xn1x1+1x1=xnx1 \sum_{k=0}^{n-1}x^k+\frac{1}{x-1} =\frac{x^n-1}{x-1}+\frac{1}{x-1} =\frac{x^n}{x-1} となり,積分定数を除いて一致する。

典型ミス

logx2+y2+z2\log\sqrt{x^2+y^2+z^2}12log(x2+y2+z2)\frac12\log(x^2+y^2+z^2) のまま扱うと,球座標で logr\log r へ戻す際に係数を二重に数えやすい。 また,01r2logrdr\int_0^1 r^2\log r\,dr の境界 r=0r=0 では r3logr0r^3\log r\to0 であることを書くと答案が安定する。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

2 — 数学A-2

方針

固有値が重複しない時点で,ジョルダンブロックはすべて 11 次である。 この問題では「ジョルダン標準形」と書かれていても,一般化固有ベクトルを探す必要はない。

答案で書くべき点

AnA^n は固有ベクトルの順序に依存して途中の P,JP,J は変わるが,最終行列は一意である。 答案では A=PJP1A=PJP^{-1}An=PJnP1A^n=PJ^nP^{-1} の一行を必ず入れると,対角化を使った根拠が明確になる。

検算

n=1n=1 を代入すると 12(6222102448)=(311151224) \frac12 \begin{pmatrix} 6&2&-2\\ -2&10&2\\ -4&4&8 \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 3&1&-1\\ -1&5&1\\ -2&2&4 \end{pmatrix} となり,もとの AA に戻る。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

3 — 数学A-3

方針

面積分を表面ごとに分けて計算することもできるが,発散定理を使うと1つの体積積分で終わる。 設問(1)で発散を求めさせていることからも,(3)では発散定理を使うのが自然である。

領域の読み替え

x2+y2z21x^2+y^2-z^2\le1 は円柱座標で r21+z2r^2\le1+z^2 となる。 zz の範囲が 0z10\le z\le1 に固定されているので,各高さで半径 1+z2\sqrt{1+z^2} の円板を積み重ねた領域である。

典型ミス

ガウスの定理では外向き法線が前提である。問題の法線が外向きなので符号反転は不要である。 また体積要素は dV=rdrdθdzdV=r\,dr\,d\theta\,dz であり,この rr を落とすと答えが大きく変わる。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

4 — 数学B-1

方針

(1) は分子・分母がともに2次同次式なので,y=vxy=vx が第一選択である。 (2) は x2y,xy,yx^2y'',xy',y が並ぶ形からコーシー・オイラー型と判断する。

典型ミス

(1) で dy/dx=vdy/dx=v' としてしまう誤りが多い。y=vxy=vx では dy/dx=v+xvdy/dx=v+xv' である。 (2) では右辺 xx が同次解に含まれるため,特解 AxAx ではなく AxlogxAx\log x を試す。

検算

yp=xlogxy_p=-x\log x とすると yp=(logx+1),yp=1x. y_p'=-(\log x+1),\qquad y_p''=-\frac1x. したがって x2yp2xyp+2yp=x+2x(logx+1)2xlogx=x x^2y_p''-2xy_p'+2y_p = -x+2x(\log x+1)-2x\log x=x となり,非同次項と一致する。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

5 — 数学B-2

方針

熱方程式の分離解では,空間側を Sturm--Liouville 問題として扱う。 両端で微分がゼロの条件は断熱境界に対応し,固有関数は正弦ではなく余弦になる。

零固有値の扱い

n=0n=0 の固有関数は定数であり,時間減衰しない。 これは全熱量が保存されることに対応する。今回の解の長時間極限が 1/21/2 になるのは,初期分布の平均値が 1/21/2 だからである。

典型ミス

u(0,t)=u(1,t)=0u(0,t)=u(1,t)=0 と誤読すると正弦級数を使ってしまう。 ここでは ux=0u_x=0 なので,X(0)=X(1)=0X'(0)=X'(1)=0 を満たす cos(nπx)\cos(n\pi x) を選ぶ。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

6 — 数学B-3

方針

g(t)g(t) は同じ矩形パルスを周期 TT で繰り返した関数である。 ラプラス変換では時間遅れが esTe^{-sT} の等比級数になるため,直接時間領域で区間分割するより簡潔である。

積分の処理

0tg(u)du\int_0^t g(u)\,du は時間積分なので,ラプラス変換では 1/s1/s が掛かる。 その後,外側の e2te^{-2t} 付き積分はラプラス変換の s=2s=2 の値である。

典型ミス

h(tnT)h(t-nT)nTnT だけ右にずれた関数なので,係数は ensTe^{-nsT} である。 ensT/2e^{-nsT/2} としてしまうと,パルス幅と繰り返し周期を混同している。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

7 — 熱力学1

方針

実在気体の内部エネルギーは一般に温度だけで決まらないが,本問では経路 pvn=const.pv^n=\text{const.} と断熱条件が与えられている。 そのため第一法則から du=pdvdu=-p\,dv として積分すればよい。

符号の確認

膨張では v2>v1v_2>v_1 であり,n>1n>1 なので (v1v2)n11<0. \left(\frac{v_1}{v_2}\right)^{n-1}-1<0. したがって u2u1<0u_2-u_1<0 である。断熱膨張で気体が外部へ仕事をするため,内部エネルギーが減るという物理的解釈と一致する。

典型ミス

気体がなす仕事を正に取るか,外部からされた仕事を正に取るかで第一法則の符号が変わる。 本解答では「気体がなす仕事」を w=pdvw=\int p\,dv として正に取り,第一法則を du=δwdu=-\delta w とした。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

8 — 熱力学2

方針

中心はジュール・トムソン係数 μJT=(Tp)h \mu_{JT}=\left(\frac{\partial T}{\partial p}\right)_h の符号判定である。μJT>0\mu_{JT}>0 なら圧力低下で温度が下がり,μJT<0\mu_{JT}<0 なら温度が上がる。

表の使い方

表では圧力一定の3点が与えられているので,vv の温度微分を中央差分で評価する。 比エンタルピーの値は,この状態が等エンタルピー線上でどう動くかを理解する補助情報であり,符号判定そのものには vvdv/dTdv/dT が効く。

典型ミス

冷却条件を vT(v/T)p>0v-T(\partial v/\partial T)_p>0 としてしまうと符号が逆になる。 等エンタルピー条件から cpdT={vT(v/T)p}dp c_p dT=-\{v-T(\partial v/\partial T)_p\}dp を一度書いて,dp<0dp<0 のときの dTdT の符号を確認すると安全である。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

9 — 流体力学1

方針

壁面せん断応力は速度勾配に比例し,トルクは「せん断力 ×\times 腕の長さ」を面積積分する。 円環要素の面積は dA=2πrdrdA=2\pi r\,dr,腕の長さは rr である。

平均速度

平均値は体積平均であり,円柱座標のヤコビアン rr が入る。 上側領域では zz 方向に線形,rr 方向に比例するので,平均は結果として ΩR/3\Omega R/3 になる。

典型ミス

トルク積分で rr を1つ落としやすい。 せん断応力が rr に比例する上板では,積分の中身は rr2πrdr r\cdot r \cdot 2\pi r\,dr となり,R4R^4 に比例する。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

10 — 流体力学2

方針

iUziUz は下向き一様流,mlogzm\log z は原点の湧き出しを表す。 したがって全体像は「下向き流れが湧き出しに押しのけられる流れ」であり,よどみ点は原点の上側にできる。

速度成分の確認

極座標では vr=ϕr,vθ=1rϕθ v_r=\frac{\partial\phi}{\partial r},\qquad v_\theta=\frac{1}{r}\frac{\partial\phi}{\partial\theta} である。直交座標の感覚で ϕ/θ\partial\phi/\partial\theta をそのまま周方向速度にしないこと。

典型ミス

logz=logr+iθ\log z=\log r+i\theta の虚部 mθm\theta を落とすと,湧き出しの流れ関数が消えてしまう。 また,θ=π/2\theta=-\pi/2 では vr=U+m/rv_r=U+m/r となり,よどみ点にはならない。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

11 — 材料力学1

方針

段付き軸は「ねじり剛性 GJ/LGJ/L のばねが直列または並列に働く」と見ると整理しやすい。 片持ちで端部トルクを受ける場合は直列,両端固定で中央にトルクを受ける場合は左右の軸がB点の回転を拘束する並列ばねである。

最大応力の位置

直径が大きいAB部は JJ も大きいが,両端固定問題では受け持つトルクが 1616 倍になる。 そのため最大せん断応力はBC部ではなくAB部に生じる。

典型ミス

反ねじりモーメントの和を MtM_t にするだけでは足りない。 両端固定では,B点の回転角が左右で同じであるという適合条件を使って分担比を決める。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

12 — 材料力学2

方針

BCの等分布荷重はB点に鉛直反力 wlwl と固定端モーメント wl2/2wl^2/2 を生じさせる。 そのうち wlwl はABの軸圧縮,wl2/2wl^2/2 はABの曲げとして働く。

接触条件

C点の沈下は3つの寄与に分けると見落としにくい。 AB全体が縮む量,Bでの回転によってBC先端が下がる量,BCそのものが曲がる量である。

典型ミス

BCの片持ちはりたわみ wl4/(8EI)wl^4/(8EI) だけで接触条件を立てると,ABの軸変形と回転を無視することになる。 本問ではABとBCが剛接合されているため,B点の回転がC点変位に lθBl\theta_B として効く。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

13 — 機械力学1

方針

自由度は質量の変位 xx だけで表せる。 円板の回転量はすべりなし条件 x=rθx=r\theta で従属変数になる。

等価量の考え方

回転慣性,ねじりばね,回転ダッシュポットは,すべて x=rθx=r\theta により並進系へ換算できる。 慣性・減衰・剛性のいずれも r2r^2 で割られて加わる点が共通している。

典型ミス

回転ダッシュポットの項を c2x˙/rc_2\dot x/r として運動方程式に入れると次元が合わない。 一般化力に直すと c2θ˙/r=c2x˙/r2c_2\dot\theta/r=c_2\dot x/r^2 であり,等価減衰は c2/r2c_2/r^2 である。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

14 — 機械力学2

方針

絶対変位で式を立てるので,壁とのばねは x1ux_1-u,台車間ばねは x2x1x_2-x_1 で伸びを表す。 強制変位は右辺の外力として k1uk_1u の形で台車1へ入る。

動吸振器としての見方

x1x_1 が動かない条件は,台車2とばね k2k_2 が入力を打ち消す条件である。 その角振動数が k2/m2\sqrt{k_2/m_2} になるのは,台車2単独の固有角振動数に一致するためである。

典型ミス

x2x_2 は台車1に対する相対変位ではなく絶対変位である。 相対変位として扱うと,第2式の慣性項や x2x_2 振幅の解釈がずれる。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

15 — 制御工学1

方針

安定判別は3次なのでRouth表が最短である。 根軌跡は極・零点,実軸上の存在区間,漸近線,虚軸交差を押さえれば概形として十分である。

根軌跡の見取り

3本の枝は開ループ極 0,1,40,-1,-4 から出発する。 (1,0)(-1,0) 上の2枝は分岐して複素平面へ出て,K=20K=20 で虚軸を横切る。 残り1枝は実軸上を左へ進み,-\infty へ向かう。

典型ミス

単位ステップではなく単位定速度入力であるため,位置偏差定数ではなく速度偏差定数 KvK_v を使う。 またPI化後は開ループの原点極が2つになるので,速度入力への定常偏差はゼロになる。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

16 — 制御工学2

方針

極配置可能性は可制御性で判断する。 2次系なので,可制御性行列の行列式が0かどうかを見るだけでよい。

変数変換の意味

p=1,q=1p=1,q=1 のとき,入力は x1x_1x2x_2 に同じ向きに入る。 そのため和 z1=x1+x2z_1=x_1+x_2 は動かせるが,差 z2=x1x2z_2=x_1-x_2 は入力で変えられない。 これが可制御性を失う物理的な理由である。

典型ミス

設問(5)の kk は行ベクトル [k 1][k\ -1] の第1成分であり,スカラーとして係数比較に現れる。 また閉ループ行列は AbkA-bk であって A+bkA+bk ではない。符号を誤ると p,kp,k が全く別の値になる。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

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