九州工業大学 院試 過去問 解答例
九工大 情報工学府 共通科目(数学) 2026年度 院試 解答例・解説
九州工業大学 情報工学府 共通科目(数学) 2026年度の院試 過去問について、設問ごとの解法方針と確認点を解説。全2問収録の解答・解説PDFと併用できます。問題本文は含みません。
最終更新:
設問ごとの解法方針と確認点を公開しています。
続きの途中式・最終答は解答・解説PDFに収録しています。問題本文は含まれません。
第1問 — 線形代数
方針
この行列は,対角成分と非対角成分がすべて同じ型でそろっている。したがって,成分和の方向 と,成分和が である平面に分けるのが最短である。特性多項式を展開してもよいが,この構造を使うと計算量が大きく減る。
直交対角化の注意
固有値 の固有空間は2次元なので,固有ベクトルを2本選ぶだけでは足りない。選んだ2本が互いに直交し,さらに長さ になっていることを確認してから直交行列の列に置く。ここを省くと「対角化」はできても「直交行列による対角化」の答案としては弱い。
二次形式と最大値
の最小・最大は固有値と直結する。今回は最小固有値が ,最大固有値が であるため, 上での最大値は になる。平方和表示は非負性と等号条件を直接読めるので,証明として特に書きやすい。
第2問 — 解析
方向微分の尺度
この問題の方向微分は,方向ベクトルを単位ベクトルに正規化していない定義である。そのため, がそのまま答えになる。単位方向微分と混同して で割ると値が変わる。
定数関数の証明
「偏微分係数が両方 だから定数」とだけ書くと,領域が連結であることの使いどころが抜ける。連結でない集合では,成分ごとに別々の定数を取ることがあり得る。したがって,曲線や折れ線で任意の2点をつなぎ,その各線分上で値が変わらない,という流れを明記する。
逆正接の加法公式
単に加法公式を引用すると,値域の枝の問題を見落としやすい。ここでは指定された領域の中で差の偏微分が消えることを示し,基準点で値を合わせる方法が堅い。枝のずれがある場合でも,この方法なら定数差を正しく検出できる。