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九州工業大学 院試 過去問 解答例

九工大 情報工学府 共通科目(情報基礎) 2025年度 院試 過去問 解答例・解説(全3問)

全3問。情報2問・確率・統計1問。

最終更新:

収録2年度分の解答PDF:九州工業大学 情報工学府 共通科目(情報基礎)(¥1,680・紙面見本あり)

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解説3問と大問1問の途中式・最終答(全3問)
解答PDFに収録
途中式と最終答(最終答つき3問)
問題本文
非収録

九工大 共通科目(情報基礎) 2025年度 院試 過去問の出題内容(全3問)

この3問の分野は情報2問・確率・統計1問です。

大問分野主題解説の小見出し最終答
第1問情報プログラミングスタックの基本不変条件 / popの安全な書き方あり
第2問情報計算機システム2の補数の範囲 / 論理回路の簡約あり
第3問確率・統計—指数分布の積分 / 比で与えられた事前確率あり

第1問 — プログラミング

スタックの基本不変条件

stack\texttt{stack} は常に最上部の節点を指す。空なら NULL\texttt{NULL}、空でなければ stack->next\texttt{stack->next} が2番目の節点を指す。この不変条件を保てば、各関数の正しさを説明しやすい。

popの安全な書き方

free(stack)\texttt{free(stack)} の後に stack->next\texttt{stack->next} を読むのは危険である。解放する前に、値と次ポインタを作業変数へ退避しておく。答案ではこの順序を書けると、ポインタ操作の理解が伝わる。

subtractの順序

スタックトップが右オペランドである。例えば上から 3,2,13,2,1 と積まれているときの減算は 2−32-3 であり、3−23-2 ではない。逆順にすると実行例と合わない。

プログラミングの途中式・最終答をPDFで見る

第2問 — 計算機システム

2の補数の範囲

kk ビット2の補数では、負側に1つ多く値を持つ。範囲は −2k−1-2^{k-1} から 2k−1−12^{k-1}-1 であり、正の最大値を 2k−12^{k-1} と書かないように注意する。

論理回路の簡約

NANDだけで作られた回路は、ド・モルガンの法則で読むと速い。最終段が3つの否定積をまとめて否定しているので、 ab‾ bc‾ ca‾‾=ab+bc+ca \overline{\overline{ab}\,\overline{bc}\,\overline{ca}} =ab+bc+ca となる。これは3入力のうち少なくとも2つが1なら1を返す。

ループ回数の読み違い

分岐命令の「実行回数」と「分岐が成立した回数」は異なる。最後の1回は分岐しないが、命令としては実行される。今回の格納値を追うには、$s0\$s0 が0になるまでの5回の倍化を数える。

解答

問題1

  1. 110102=16+8+2=26. 11010_2=16+8+2=26.
  2. 8ビット2の補数表現の範囲は −27≤x≤27−1 -2^7\le x\le 2^7-1 なので、 −128≤x≤127 -128\le x\le 127 である。
  3. 212=4096<50002^{12}=4096<5000、213=8192≥50002^{13}=8192\ge 5000 である。したがって最小ビット数は n=13 n=13 である。
  4. 3.65=1.825×21 3.65=1.825\times 2^1 である。指数 11 は3ビット2の補数で 001\texttt{001} である。仮数部4ビットを切り捨てで取ると 1101 \texttt{1101} となり、表現値は 1.11012×21=(1+12+14+116)2=3.625 1.1101_2\times 2^1 =\left(1+\frac12+\frac14+\frac1{16}\right)2 =3.625 である。したがって誤差の絶対値は 3.65−3.625=0.025. 3.65-3.625=0.025.
  5. この誤差は、有限桁へ丸めることで生じる丸め誤差である。今回の規則は切り捨てなので、切り捨て誤差と呼んでもよい。
  6. 回路は3入力の多数決関数 x=ab+bc+ca x=ab+bc+ca と同値である。真理値表は abcx00000010010001111000101111011111 \begin{array}{c|c|c|c} a&b&c&x\\ \hline 0&0&0&0\\ 0&0&1&0\\ 0&1&0&0\\ 0&1&1&1\\ 1&0&0&0\\ 1&0&1&1\\ 1&1&0&1\\ 1&1&1&1 \end{array} である。

問題2

レジスタ番号は $zero=00000\$zero=00000、$s0=10000\$s0=10000、$s1=10001\$s1=10001、$fp=11110\$fp=11110 である。

  1. 001000⏟opcode 00000⏟rs=$zero 10000⏟rd=$s0 0000000000000101⏟5 \underbrace{001000}_{\text{opcode}}\, \underbrace{00000}_{rs=\$zero}\, \underbrace{10000}_{rd=\$s0}\, \underbrace{0000000000000101}_{5} である。
  2. −8-8 の16ビット2の補数表現は 1111111111111000\texttt{1111111111111000} である。したがって 101011⏟opcode 11110⏟rb=$fp 10001⏟rs=$s1 1111111111111000⏟−8 \underbrace{101011}_{\text{opcode}}\, \underbrace{11110}_{rb=\$fp}\, \underbrace{10001}_{rs=\$s1}\, \underbrace{1111111111111000}_{-8} である。
  3. 定数を直接オペランドに持つので、即値アドレシングである。
  4. 単一サイクル的に考えると、順序は b→d→c→a b\to d\to c\to a である。すなわち、命令フェッチ、デコードとレジスタ読み出し、ALU計算、結果書き込みの順である。
  5. 0x10010010−8=0x10010008 0x10010010-8=0x10010008 である。
  6. addi $s0,$s0,-1 \texttt{addi \$s0,\$s0,-1} と書けばよい。
  7. $s0\$s0 は5から始まり、各ループで1ずつ減る。0になった回でも分岐命令自体は実行されるため、分岐命令は5回実行される。
  8. $s1\$s1 は初期値3から、5回だけ2倍される。よって 3⋅25=96 3\cdot 2^5=96 が格納される。
  9. 一般に $s0=m\$s0=m、$s1=n\$s1=n から始めると、ループを mm 回回して $s1\$s1 を毎回2倍する。したがってメモリには n 2m n\,2^m が格納される。

最終答

問題1: 2626、−128-128〜127127、13、指数部 001\texttt{001}、仮数部 1101\texttt{1101}、誤差0.025、丸め誤差、x=ab+bc+cax=ab+bc+ca。問題2: 機械語は本文の通り、実効アドレス 0x100100080x10010008、格納値96、一般には n2mn2^m。

第3問 — 確率・統計

指数分布の積分

指数分布では、λe−λx\lambda e^{-\lambda x} の λ\lambda が積分で消える。期待値の計算では、境界項 xe−λx→0xe^{-\lambda x}\to0 を明記すると、無限区間の部分積分として答案が安定する。

比で与えられた事前確率

前売り券と当日券の比が与えられているとき、絶対確率に直してもよいが、ベイズの式では共通因子が消える。比をそのまま 0.6:10.6:1 として使うと計算が短い。

独立性検定の手順

期待度数は「行合計 ×\times 列合計 / 総数」で作る。検定統計量、自由度、臨界値、棄却判断の4点を書くと採点者が追いやすい。今回の差は主にバニラで大きく、そこが統計量を押し上げている。

確率・統計の途中式・最終答をPDFで見る

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