院試hub

関東 · 筑波大学

筑波大数学の院試対策|3問選択・冬入試・2026年度の解答解説

筑波大数学の専門は2026年度の夏・冬とも6問から3問選択。2025年度冬は5問から3問です。2027年度の日程・配点、2026年度夏の線形代数全4小問の解答、過去問の使い方を説明します。

最終更新: 2026/10/16

筑波大学数学学位プログラムの専門試験は、2026年度の夏・冬とも6問から3問選択です。微積分・線形代数・代数をすべて選ぶ義務はありません。各問の証明まで見て、3問を最後まで書ける組合せを練習します。

選択数と試験時間を確認する

入学年度・期実施時期公式問題の選択指定
2026年度8月期2025年8月6問から3問。第3問はA/B、第6問はE/F/Gからそれぞれ一つ。
2026年度1〜2月期2026年1月6問から3問。第3問・第6問の選び方は同上。
2025年度1〜2月期2025年1月5問から3問。第3問はA/Bから一つ。

答案は1題につき1枚で、問題番号と該当する選択肢の記号を記入します。2026年度の第5問を選ぶ場合はC・Dの両方に解答します。第3問・第6問のように枝を一つ選ぶ形式と混同せず、各問冒頭も読んでください。出典:数学学位プログラムの公式過去問の各冊子。次年度も同じ出題数とは限りません。

2027年度一般の専門は180分です。配点は専門600点、英語100点、口述300点。冬は2027年1月27日に専門、翌28日に専門等に関する個別面接があります。出願日程・教員の内諾・英語成績の提出方法を確認してから演習計画を組んでください。

2026年度8月期・第2問:階数から表現行列と対角化へ

公式問題PDFの3ページの全4小問を解説します。与えられた行列の階数が3であるという条件から、像上の線形変換が対角化できないことまで示す問題です。行列の最初の3列を順にu₁、u₂、u₃、像をWとします。

A=(100−1−11020−11000−1a),W=Im⁡A.A=\begin{pmatrix}1&0&0&-1\\-1&1&0&2\\0&-1&1&0\\0&0&-1&a\end{pmatrix},\qquad W=\operatorname{Im}A.

(1)階数3となるパラメータ

上から3行・左から3列の小行列は下三角で行列式1です。したがって、どのaでも階数は3以上です。一方、4行全体では次の行列式になります。

det⁡A=a+1.rank⁡A=3  ⟺  a=−1.\det A=a+1.\qquad \operatorname{rank}A=3\iff a=-1.

行列式が0という条件だけでは、一般には階数が3とまでは言えません。この問題では3次小行列式が0でないことが必要な補足です。

(2)u₁、u₂、u₃がWの基底になる理由

先ほどの3次小行列式から3本の列は一次独立です。すべてAの像に属し、Wの次元は階数と同じ3なので基底です。a=−1のとき第4列u₄は次のように表せます。

u4=−u1+u2+u3.u_4=-u_1+u_2+u_3.

(3)像に制限した変換の表現行列

AはWをWに写します。実際、w=AxならAw=A(Ax)も像に入ります。基底ベクトルにAを作用させ、その結果をu₁、u₂、u₃の係数で書き直すと、表現行列の各列が得られます。

Au1=u1−u2,Au2=u2−u3,Au3=u3−u4=u1−u2,B=(101−11−10−10).Au_1=u_1-u_2,\quad Au_2=u_2-u_3,\quad Au_3=u_3-u_4=u_1-u_2,\qquad B=\begin{pmatrix}1&0&1\\-1&1&-1\\0&-1&0\end{pmatrix}.

検算ではU=(u₁ u₂ u₃)としてAU=UBを確認します。Aの左上3×3をそのままBにすることはできません。Wで使っている基底が標準基底とは異なるためです。

(4)実数上で対角化できないことの証明

det⁡(tI−B)=t2(t−2),ker⁡B=span⁡ ⁣{(−101)}.\det(tI-B)=t^2(t-2),\qquad \ker B=\operatorname{span}\!\left\{\begin{pmatrix}-1\\0\\1\end{pmatrix}\right\}.

固有値0の代数的重複度は2ですが、固有空間の次元は1です。固有値2の固有空間は1次元なので、固有ベクトルを3本の基底にできません。したがって、Bを対角化する実正則行列は存在しません。「重根があるから対角化できない」だけでは証明にならず、固有空間の次元を計算することが決め手です。

180分で3問を書き切る練習

演習の一例は、最初の10分で問題と枝を確認し、3問に各50分、最後の20分を検算に使う配分です。これは練習用の目安で、問題ごとの公式配点を仮定したものではありません。計算問題だけで3問を選ぶと、後半の証明で止まることがあります。選択前に各問の最後の小問まで読みます。

  • 線形代数:階数・像・核の次元、基底の取り方、表現行列、固有空間まで一続きに説明する。上の第2問でAU=UBを自力で検算する。
  • 微積分:停留点だけで結論にせず、極値の判定、積分領域の変換、広義積分の収束を確認する。
  • 代数・幾何・解析の選択:使う定理の仮定を問題の条件から確認する。例えば準同型では像と核、位相では連続性やコンパクト性の定義を書けるかを確認する。

冬の受験者は冬の問題冊子を本番用として解いてください。2025年度冬の5問と2026年度冬の6問のように、同じ期でも選択肢の数は変わります。夏の問題も補充演習に使えますが、必ず受験する期の冊子を通して解く回を作ります。

公式過去問と年度別の解答・解説

公式サイトには問題と出題意図があります。出題意図は答案の計算過程を示す解答ではありません。院試hubでは2023・2024年度、2025・2026年度の夏・冬、計6実施回35問の解答・解説を収録しています。収録年度と見本は筑波大数学の解答・解説ページで確認できます。

2027年度の試験日程・配点は数理物質科学研究群の博士前期募集要項第8節に基づきます。選択数は上記の過去問の指定です。募集要項の年度と過去問の年度を分けて確認してください。

途中式と最終答まで読める解説

問題本文は含みません。公式の問題冊子と併用してください。

専門科目(数学)の収録解説の分野(2023〜2026年度・35項目)

院試hubの収録解説6実施回・35項目の見出しを分野別に数えたものです。設問を分割した項目や、公開資料の制約を説明する項目を含むため、公式問題の大問数や完成答案数とは一致しません。代数が7項目(全体の20%)で最多。代数・位相・幾何・線形代数・微分積分・解析は6実施回すべてに出ています。

分野項目数全項目に占める割合直近の連続出題最後に出た回
代数720%6回連続令和8年度1・2月期
位相・幾何617%6回連続令和8年度1・2月期
線形代数617%6回連続令和8年度1・2月期
微分積分・解析617%6回連続令和8年度1・2月期
複素解析514%4回連続令和8年度1・2月期
26%—令和7年度8月期
情報26%—令和8年度8月期

このほか1項目だけ収録した分野は 数学 です。

収録年度と解説項目数

院試hubに収録した6実施回の一覧です。1回あたりの解説見出しは5〜6項目です。令和8年度8月期以降の収録分は6項目です。

筑波大 専門科目(数学)の解答で立てた注意点(19件)

院試hubの解説で、その設問だけに立てた小見出しです(「方針」「検算」のような全問共通の 見出しは除いています)。新しい実施回から並べています。

位相・幾何5件

代数4件

  • 2024年度 第6問 集合・統計・代数・補間選択肢Eの構成 / 選択肢Fの検算 / 選択肢Gの次数評価 / 選択肢Hの注意

数学3件

  • 2024年度 第5問 複素積分と関数列選択肢Cの方針 / 留数計算の検算 / 選択肢Dの方針

微分積分・解析2件

線形代数2件

  • 2024年度 第2問 対角化と反交換反交換条件の見方 / 像の次元の別確認
  • 2024年度 第3問 単元群と合同式答案で書くべき点 / 中国剰余定理での持ち上げ

複素解析1件

筑波大 公式の過去問の公開年度と公式解答例

公開されている年度
令和4〜令和8年度(8月期・1〜2月期)
公式の解答例
解答例の掲載なし
英語の扱い
2027年度冬は2025年1月以降のTOEIC L&R・TOEFL iBT(Home Edition可)・IELTS Academic。英語100点。TOEIC860等は満点換算基準で出願最低点ではない。
院試hubが最後にリンクを確認した日
2026-10-16
ページの内容
2026年度の夏・冬は6問から3問選択、2025年度冬は5問から3問。前半3問の必答指定なし。2026年度8月期は2025年8月実施。問題・出題意図を公開。

よくある質問

筑波大数学の院試は何問を選びますか。

2026年度の8月期・1〜2月期は6問から3問を選びます。前半3問の必答指定はありません。第3問はA・Bから一つ、第6問はE・F・Gから一つです。2025年度1〜2月期は5問から3問でした。

2027年度の数学の冬入試はいつですか。

専門は2027年1月27日10〜13時、口述は1月28日の10〜17時の時間帯に個別実施です。Web出願は2026年11月30日12時〜12月10日15時、書類は12月11日必着です。指導教員の事前内諾が必要です。

英語は何点で満点になりますか。

2027年度一般選抜の要項ではTOEIC860、TOEFL iBT98、IELTS7.0が満点換算の基準です。数学の配点は専門600、英語100、口述300点です。この基準は合格最低点ではありません。冬は2025年1月以降に受験した有効なスコア票が必要です。

2026年度の夏期問題は2026年に実施されたものですか。

2026年度8月期の数学問題は2025年8月実施です。同じ2026年度の1〜2月期は2026年1月実施です。入学年度と実施年を区別して過去問を選んでください。

公式過去問と併用する解答・解説PDFを、筑波大学の研究科・科目別に掲載しています。収録年度と価格は各ページで確認できます。

筑波大学の解答PDF一覧で、筑波大学の研究科・専攻・科目をまとめて確認できます。

院試対策ガイド一覧(大学別)