東京大学 院試 過去問 解答例
東大 工学系研究科 都市工学専攻 都市工学 専門科目 2026年度 院試 解答例・解説
東京大学 工学系研究科 都市工学専攻 都市工学 専門科目 2026年度の院試 過去問について、設問ごとの解法方針と確認点を解説。全5問収録の解答・解説PDFと併用できます。問題本文は含みません。
最終更新:
設問ごとの解法方針と確認点を公開しています。
続きの途中式・最終答は解答・解説PDFに収録しています。問題本文は含まれません。
第1問 — B-1--B-7 都市環境工学系 選択問題別解答例(2026)
答案の作り方
この科目群は、暗記語句と計算式の両方が出る。先に「何を保存するか」を決めると答案が安定する。水質なら汚濁負荷、処理なら物質収支、エネルギーなら熱量または電力量、廃棄物なら責任主体と処理フローである。
選択科目の戦略
都市環境工学を志望する場合、B-1からB-7のうち自分の研究分野に近いものを軸にしつつ、水質、処理、気候、廃棄物の基礎語彙を横断的に準備する。C科目では、個別知識を都市全体の施策へ統合できることが見られるため、最後に便益と副作用を併記する。
第2問 — B-8--B-15 都市計画系 選択問題別解答例(2026)
論述答案の組み立て
短答でも長答でも、最初に定義、次に背景、最後に都市計画上の使い方を書くと安定する。たとえばTODなら、駅周辺高密度化という定義だけでなく、歩行環境、用途混合、駐車管理、公共交通頻度まで含めて初めて都市計画答案になる。
事例の扱い
実例を挙げる問題では、固有名詞だけで終わらせない。何が始まり、誰が関与し、どの空間操作を行い、どの効果と副作用があったかを書く。評価軸を先に置くことで、事例紹介ではなく分析答案になる。
第3問 — C-1 計画・設計・論文(都市環境工学)(2026)
仮定の書き方
この問題では「適宜設定」とされる係数がある。採点上重要なのは、正解値を一つに固定することではなく、安全側か平均的か、どのプロセスを代表させるかを説明することである。流達率、流出率、設計水量、HRTを置いたら、その理由を短く書く。
統合問題としての見方
水質、下水、浄水、気候、リン循環は別々の暗記項目ではない。都市の代謝として見れば、人口活動から負荷が発生し、処理施設で変換され、河川を通じて下流利用者へ影響し、資源回収や気候適応へ接続する。この全体像を示すと、計画・設計・論文科目らしい答案になる。
第4問 — C-2 計画・設計(都市計画)(2026)
設計答案の評価軸
この課題では、形の美しさよりも、リスク、交通、地形、施設量、地域課題が一貫しているかが見られる。高台と低地を同じ用途密度で扱うと、防災条件の読解が弱くなる。低地は可逆的・避難しやすい用途、高台は滞在・居住・避難を担う用途にするのが合理的である。
図面に落とすときの注意
答案用紙には、施設名だけでなく、避難方向、LRT駅、歩行者デッキ、車両アクセス、標高差、緑地連続を線で示す。断面図には、海側低地、LRT、駅前、高台住宅の関係を描き、津波高さと避難レベルを明記すると、条件への応答が伝わりやすい。
第5問 — C-3 論文(都市計画)(2026)
政策論文の構造
政策論文では、理念、手段、障壁、評価をすべて入れる必要がある。人間中心という理念だけを書くと抽象的になるため、道路幅員配分、駐車場管理、物流時間帯、公共交通信号、沿道協定のような操作可能な政策に落とす。
研究アプローチの比較
研究手法を二つ挙げる問題では、片方を単純な前後比較、もう片方を準実験にすると比較が明確になる。前後比較は行政実務で使いやすいが因果推論が弱い。差の差分析は因果推論に近づくが、対照群選定と仮定の説明が必要である。この長所短所を明示すると、単なる手法名の羅列にならない。