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岡山大学 数理科学の院試数学|過去問6実施回の選択条件と解答例

岡山大学大学院数理科学コースの2024〜2026年度数学を6実施回で比較。Aから3問・Bから2問を選ぶ回と、区分のない回を公式PDFで確認できます。2026年度A-1の固有値・対角化・ジョルダン標準形を途中式から解説し、公式解答例の閲覧先も案内します。

最終更新: 2026/10/17

岡山大学大学院環境生命自然科学研究科の数理科学コースでは、数学の問題構成が第1回と第2回で同じとは限りません。2024〜2026年度の6実施回には、A・Bから計5問を選ぶ回と、A/B区分のない回があります。まず受験する回に近い問題冊子の選択条件を確認してください。

以下に公式PDFへのリンクと各回の条件をまとめ、2026年度第1回A-1を解きます。ほかの大学・研究科の問題を探す場合は岡山大学の公式過去問一覧、年度別の解説とPDFの収録内容は数理科学コース数学の解答ページで確認できます。

6実施回の問題数と選択条件

表の年度は4月入学年度です。公式サイトの一覧は入試の実施年度で分かれているため、PDF表紙の入学時期も確認してください。たとえば2026年度第1回の冊子には、2025年10月入学と2026年4月入学が併記されています。

実施回大問選択条件
2026年度 第1回7問Aの4問から3問、Bの3問から2問。計5問を解答。
2026年度 第2回4問第1〜4問。A/B区分と問題選択の記載なし。
2025年度 第1回7問Aの4問から3問、Bの3問から2問。計5問を解答。
2025年度 第2回7問Aの4問から3問、Bの3問から2問。計5問を解答。
2024年度 第1回7問Aの4問から3問、Bの3問から2問。計5問を解答。
2024年度 第2回5問第1〜5問。A/B区分と問題選択の記載なし。第5問は連結性の4小問。

6実施回の合計は37大問です。2024年度第2回の第5問は、連結性の定義、区間の連結性、集合族の合併、連続像の連結性を扱う4小問です。この回の解説では第5問を三つに分けていますが、別々の大問ではありません。

A/B形式の回では、7問全体から自由に5問を選ぶことはできません。Aを3問、Bを2問選ぶ条件です。練習でもAだけを多く解いて終えず、Bで2問分の説明を完成させられるか確かめてください。第2回という名称だけから、2025年度と2026年度を同じ形式だと判断しないことも必要です。

2026年度第1回A-1:重解と対角化を分けて調べる

公式PDFの2ページ目、A-1にある行列を扱います。パラメータaは複素数で、固有方程式が重解を持つ条件、対角化できる条件、対角化できない場合のジョルダン標準形を求めます。以下は院試Hubによる解答例です。

A=(20a020100),a∈CA=\begin{pmatrix}2&0&a\\0&2&0\\1&0&0\end{pmatrix},\qquad a\in\mathbb C

固有方程式が重解を持つのはa=−1、0

第2列で行列式を展開すると、固有値2に対応する一次式と、残りの二次式に分かれます。

det⁡(λI−A)=(λ−2)det⁡(λ−2−a−1λ)=(λ−2)(λ2−2λ−a)\begin{aligned}&\det(\lambda I-A)\\&\quad=(\lambda-2)\det\begin{pmatrix}\lambda-2&-a\\-1&\lambda\end{pmatrix}\\&\quad=(\lambda-2)(\lambda^2-2\lambda-a)\end{aligned}

重解の生じ方は二通りあります。二次式自体が重解を持つ場合と、二次式の根が、すでにある固有値2と一致する場合です。

Δ=(−2)2−4(−a)=4(1+a),Δ=0  ⟺  a=−1,22−2⋅2−a=0  ⟺  a=0.\begin{gathered}\Delta=(-2)^2-4(-a)=4(1+a),\\\Delta=0\iff a=-1,\\2^2-2\cdot2-a=0\iff a=0.\end{gathered}

したがって求める値はa=−1、0です。判別式だけを計算すると、固有値2との重なりで生じるa=0を落としてしまいます。

a=0では対角化でき、a=−1ではできない

aが−1、0以外なら、複素数体上で三つの固有値が相異なるので対角化できます。残る二つの場合では、重複する固有値の固有空間を調べます。

a=0の固有値は2、2、0です。固有値2について連立方程式を解くと、x=2zでy、zは自由に選べます。

ker⁡(A−2I)=span⁡{(201),(010)},dim⁡ker⁡(A−2I)=2\begin{aligned}\ker(A-2I)&=\operatorname{span}\left\{\begin{pmatrix}2\\0\\1\end{pmatrix},\begin{pmatrix}0\\1\\0\end{pmatrix}\right\},\\\dim\ker(A-2I)&=2\end{aligned}

固有値0の固有空間は、ベクトル(0,0,1)で張られる1次元空間です。異なる固有値の固有空間を合わせて3本の独立な固有ベクトルが得られるので、a=0でも対角化できます。

a=−1の固有値は1、1、2です。一方、固有値1の固有空間は1次元しかありません。

ker⁡(A−I)=span⁡{(101)},dim⁡ker⁡(A−I)=1\begin{aligned}\ker(A-I)&=\operatorname{span}\left\{\begin{pmatrix}1\\0\\1\end{pmatrix}\right\},\\\dim\ker(A-I)&=1\end{aligned}

固有値1の重複度2に対して独立な固有ベクトルが1本しかなく、固有値2の分と合わせても基底を作れません。よって対角化できる必要十分条件は次のとおりです。

A が C 上で対角化可能⟺a≠−1A\text{ が }\mathbb C\text{ 上で対角化可能}\quad\Longleftrightarrow\quad a\ne-1

a=−1のジョルダン標準形を確かめる

固有値1には大きさ2のブロックが一つ、固有値2には大きさ1のブロックが一つ必要です。したがって、ブロックの順序を除けば次の形になります。

J=(110010002)J=\begin{pmatrix}1&1&0\\0&1&0\\0&0&2\end{pmatrix}

変換行列も作れば、この形を直接検算できます。v=(1,0,1)、w=(1,0,0)、e₂=(0,1,0)を列ベクトルとすると、Av=v、(A−I)w=v、Ae₂=2e₂です。wは固有ベクトルではありませんが、A−Iを作用させるとvになる一般化固有ベクトルです。

P=(v w e2)=(110001100),det⁡P=1\begin{gathered}P=(v\ w\ e_2)=\begin{pmatrix}1&1&0\\0&0&1\\1&0&0\end{pmatrix},\\\det P=1\end{gathered}
AP=PJ⟹P−1AP=JAP=PJ\quad\Longrightarrow\quad P^{-1}AP=J

重解の有無だけでは対角化を判定できません。この問題では、a=0とa=−1を比べると、固有空間の次元を調べる必要が分かります。復習では固有多項式の計算に加え、固有値ごとに連立方程式を解き、独立な固有ベクトルが何本あるかまで確かめてください。

公式解答例の閲覧と、ほかの問題の解説

研究科の公式過去問案内では、過去3年分の問題を公開し、解答例は担当窓口で閲覧する方式を案内しています。問題PDFへのリンクから公式解答もダウンロードできるわけではありません。訪問前に担当窓口と閲覧方法を確認してください。

院試Hubでは2024〜2026年度・6実施回の数学の解答PDFを販売しています。同じページから年度別の解説、収録内容、実物の見本を確認できます。公式問題は上の表から開き、解説を読む際も、入学年度と第1回・第2回が一致しているか照合してください。

途中式と最終答まで読める解説

問題本文は含みません。公式の問題冊子と併用してください。

数学の収録解説の分野(2024〜2026年度・37大問)

院試hubの収録解説6実施回・37大問の見出しを分野別に数えたものです。この集計は公式の大問番号で数えています。微分積分・解析が14大問(全体の38%)で最多。微分積分・解析・線形代数は6実施回すべてに出ています。

分野大問数全大問に占める割合直近の連続出題最後に出た回
微分積分・解析1438%6回連続2026年第2回募集
線形代数924%6回連続2026年第2回募集
616%1回連続2026年第2回募集
代数411%—2026年第1回募集
位相・幾何38%—2026年第1回募集

このほか1大問だけ収録した分野は 数学 です。

収録年度と大問数

岡山大 数学の解答で立てた注意点(115件)

院試hubの解説で、その設問だけに立てた小見出しです(「方針」「検算」のような全問共通の 見出しは除いています)。新しい実施回から並べています。

微分積分・解析42件

線形代数23件

位相・幾何17件

  • 2026年第1回募集 第6問 距離空間のコンパクト性閉性の証明 / 反例の意味
  • 2024年第2回募集 第5問 連結性定義から示すという条件 / 相対開集合 / 上限法の構造 / 答案で落としやすい点 / 共通点の役割 / 証明の流れ / 相対開性の確認 / 添字集合の大きさ / 逆像を使う理由 / 相対開集合の扱い / 非空性の確認 / 開集合を像で押し出さない
  • 2024年第1回募集 第6問 B-2 コンパクト性開被覆の定義を正確に使う / 全射でない理由 / 同相の証明で必要な性質

代数13件

  • 2026年第1回募集 第5問 対称群の部分群隣接互換で生成できる理由 / 交わりの見つけ方 / 正規性の判定 / 単数群との比較
  • 2025年第1回募集 第5問 直積環のイデアル直積環ではべき等元を見る / 射影だけでは不足する点
  • 2025年第2回募集 第5問 局所環と極大イデアル剰余環で考える / 局所環の判定 / 第3問の工夫
  • 2024年第2回募集 第4問 自由アーベル群の自己準同型有限生成自由であることの使い所 / 単射と全射は対称ではない / 全射なら同型となる理由 / 行列での検算

数学4件

  • 2026年第2回募集 第4問 複素積分線積分は原始関数でもよい / 極が円周上にないかを確認する / 三角関数の定積分と留数 / 符号の検算

頻出論点と、同じ論点を出す他大学

院試hubが解答した大問の論点を、他大学の出題と突き合わせたものです。併願先を 探すときの重なりの実数として使えます。

論点この専攻での出題出題年度同じ論点を出す他大学全国の出題大学
固有値・固有ベクトル9問2026・2025・2024神戸大学・京都大学・東京大学・大阪大学・名古屋大学25大学
重積分と極座標6問2026・2025・2024神戸大学・京都大学・大阪大学・名古屋大学・電気通信大学23大学
ジョルダン標準形4問2026・2025・2024京都大学・東北大学・東京科学大学・東京都立大学・広島大学14大学
留数定理3問2026・2025東京大学・北海道大学・名古屋大学・筑波大学・大阪公立大学18大学
線形空間・基底2問2025・2024神戸大学・名古屋大学・東京大学・京都大学・北海道大学21大学
一様収束2問2026・2024名古屋大学・京都大学・東京科学大学・東京大学・大阪公立大学14大学
群論・環論2問2026・2025神戸大学・九州工業大学・名古屋大学・東京科学大学・早稲田大学13大学
正定値行列1問2025名古屋大学・大阪大学・東京大学・九州工業大学・京都大学17大学
テイラー展開1問2024京都大学・北海道大学・九州工業大学・東京大学・東北大学18大学
ベータ関数・ガンマ関数1問2024東京大学・京都大学・東京都立大学・大阪公立大学・早稲田大学12大学

岡山大 公式の過去問の公開年度と公式解答例

公開されている年度
直近3年分(2023〜2025年度実施分)
公式の解答例
解答例は窓口で閲覧
院試hubが最後にリンクを確認した日
2026-10-17
ページの内容
一般入試の専門科目に限りWeb掲載。著作物の引用を含む部分は非公表。解答例は担当窓口での閲覧のみでWeb非公開。数理科学コースの数学もこのページの区分から辿る。

よくある質問

岡山大学数理科学の院試数学は何問選びますか。

2024〜2026年度の第1回と2025年度第2回は、Aの4問から3問、Bの3問から2問、計5問を解答します。2024年度第2回は5大問、2026年度第2回は4大問で、問題冊子にA/B区分と問題選択の記載はありません。年度と回を分けて確認してください。

岡山大学の院試数学の公式過去問と解答例はどこにありますか。

環境生命自然科学研究科の過去問ページから問題PDFを入手できます。公式解答例はWeb掲載ではなく担当窓口での閲覧です。窓口・受付方法は研究科の公式案内で確認してください。この記事には院試Hubによる2026年度第1回A-1の解答例を掲載しています。

2026年度第1回A-1は、固有値が重なれば対角化できないのですか。

固有値が重なる場合にも対角化できることがあります。この問題で重解を持つのはa=−1と0ですが、a=0では固有値2の固有空間が2次元なので対角化できます。a=−1だけ対角化できません。

2024年度第2回の数学は5問ですか、7問ですか。

公式問題は5大問です。第5問の連結性を三つに分けて説明しているため、院試Hubの年度別ページには7項目の解説があります。問題番号は公式第1〜5問に合わせています。

岡山大学の解答PDF一覧で、岡山大学の研究科・専攻・科目をまとめて確認できます。

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