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東大 工学系研究科 物理学 2023年度 院試 過去問 解答例・解説(解説2項目)

解説2項目の分野は電磁気学・回路1項目、力学1項目です。解説は1問、途中式と最終答は大問1問ぶんを公開しています。PDFの収録範囲は商品ページで確認できます。問題本文は含みません。

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第1問 — 振動:固定支点・ばね支点・強制変位の振り子

I.1 水平・鉛直の式から角度の式を導く

接線方向へ投影して張力を消す

棒に沿う単位ベクトルは (sin⁡θ,cos⁡θ)(\sin\theta,\cos\theta)、θ\theta が増える向きの接線単位ベクトルは (cos⁡θ,−sin⁡θ)(\cos\theta,-\sin\theta) である。張力は棒に沿うため、その接線成分は零となる。答案で行った加減は、この接線方向の内積に相当する。

実際、 x¨=l(θ¨cos⁡θ−θ˙2sin⁡θ),y¨=−l(θ¨sin⁡θ+θ˙2cos⁡θ) \ddot x=l(\ddot\theta\cos\theta-\dot\theta^2\sin\theta),\quad \ddot y=-l(\ddot\theta\sin\theta+\dot\theta^2\cos\theta) を代入すると、向心加速度に由来する θ˙2\dot\theta^2 の項が相殺し、 x¨cos⁡θ−y¨sin⁡θ=lθ¨\ddot x\cos\theta-\ddot y\sin\theta=l\ddot\theta が得られる。この段階では小角近似を使っていない。

エネルギーと加速度の向きの検算

質点の速さは l∣θ˙∣l|\dot\theta|、最下点を零とした位置エネルギーは mgl(1−cos⁡θ)mgl(1-\cos\theta) なので E=12ml2θ˙2+mgl(1−cos⁡θ). E=\frac12ml^2\dot\theta^2+mgl(1-\cos\theta). 時間微分は dE/dt=mlθ˙(lθ¨+gsin⁡θ)=0dE/dt=ml\dot\theta(l\ddot\theta+g\sin\theta)=0 となり、運動方程式とエネルギー保存が一致する。小さい正の θ\theta に対して θ¨<0\ddot\theta<0 なので、最下点へ戻す加速度にもなっている。

鉛直軸の向きを取り違える誤り

yy を下向きと決めた本問で my¨=−mg−Tcos⁡θm\ddot y=-mg-T\cos\theta と置くと、重力の接線成分の符号が変わり、最下点が不安定になる式を得る。例えば θ¨=+(g/l)sin⁡θ\ddot\theta=+(g/l)\sin\theta なら正の小角がさらに増え、物理的な復元と逆になる。重力の成分を原題の座標へ合わせる。

I.2 最下点から水平に打ち出した小振動

小角近似の意味

Taylor展開 sin⁡θ=θ−θ3/6+⋯\sin\theta=\theta-\theta^3/6+\cdots、cos⁡θ=1−θ2/2+⋯\cos\theta=1-\theta^2/2+\cdots から、一次の精度では sin⁡θ\sin\theta を θ\theta、cos⁡θ\cos\theta を1とできる。角度はラジアンで扱い、∣θ∣≪1|\theta|\ll1 が条件である。解を求めた後にも最大振幅を調べ、仮定が保たれるかを確認する。

線形方程式の一般解は Ccos⁡Ω0t+Dsin⁡Ω0tC\cos\Omega_0t+D\sin\Omega_0t である。θ(0)=0\theta(0)=0 が C=0C=0 を、θ˙(0)=u1/l\dot\theta(0)=u_1/l が D=u1/(lΩ0)D=u_1/(l\Omega_0) を決める。位置と速さの二つの初期条件が必要である。

初期速度と周期の確認

微分すると θ˙(0)=u1/l\dot\theta(0)=u_1/l となり、x˙(0)≃lθ˙(0)=u1\dot x(0)\simeq l\dot\theta(0)=u_1 を再現する。周期 2πl/g2\pi\sqrt{l/g} は質量に依存せず、長い棒ほどゆっくり振れる。初期の運動エネルギー mu12/2mu_1^2/2 と、小角の最大位置エネルギー mglθmax⁡2/2mgl\theta_{\max}^2/2 を比べても、θmax⁡=∣u1∣/gl\theta_{\max}=|u_1|/\sqrt{gl} が得られる。

速さを角速度と同一視する誤り

θ˙(0)=u1\dot\theta(0)=u_1 とすると、角速度と速度の単位を混同し、振幅を u1/Ω0u_1/\Omega_0 と誤る。この振幅は長さの単位を持ち、角度にならない。最下点では x=lsin⁡θx=l\sin\theta の微分から x˙=lθ˙\dot x=l\dot\theta を使う。

II.1 ばね支点の場合の棒の張力

座標が動かない精度を区別する

y=l(1−θ2/2+⋯ )y=l(1-\theta^2/2+\cdots) には角度の一次の変化がない。したがって、小角の一次理論ではおもりの鉛直位置は ll のままで、鉛直加速度も二次以降となる。ただし、実際に鉛直運動が完全にないのではなく、捨てる精度に現れるという意味である。

原題は θ\theta に加え、無次元量 l/g θ˙\sqrt{l/g}\,\dot\theta、(l/g)θ¨(l/g)\ddot\theta も小さいと指定している。そのため lθ˙2/gl\dot\theta^2/g や (l/g)θθ¨(l/g)\theta\ddot\theta を二次として落とせる。角度だけが小さく、非常に高速で回る場合にまで T=mgT=mg を使えるわけではない。

二次の補正と次の設問への使い方

鉛直の式を正確に解けば T=mg+ml(θ˙2cos⁡θ+θ¨sin⁡θ)cos⁡θ. T=\frac{mg+ml(\dot\theta^2\cos\theta+\ddot\theta\sin\theta)} {\cos\theta}. これを小さい量で展開すると、零次が mgmg で一次の補正はないことが分かる。後の水平の式には Tsin⁡θT\sin\theta が現れるので、一次の精度では mgθmg\theta としてよい。二次の張力補正に一次の θ\theta を掛けても三次となり、採用する精度には入らない。

向心力の項を一次へ混ぜる誤り

固定支点の張力に現れる mlθ˙2ml\dot\theta^2 だけを残し、他の同じ次数の項を無視すると、近似の次数が不揃いになる。逆に、近似記号なしで全振動について T=mgT=mg と断言すると、鉛直加速度のある正確な式と矛盾する。答案では「一次の精度」と条件を添える。

II.2 質量のない蝶番の水平方向の釣り合い

質量零の節点は代数的な拘束になる

質量 MhingeM_{\rm hinge} の蝶番なら Mhingeδ¨=Tsin⁡θ−kδM_{\rm hinge}\ddot\delta=T\sin\theta-k\delta と書く。原題のモデルではその質量を無視するので、独立した慣性項を持たず、各時刻で水平力が釣り合う。これは蝶番が静止するという条件ではない。棒の角度が変われば δ\delta も変わり、速度も持ち得る。

ばねの復元力 −kδ-k\delta は自然長からの変位に比例するHookeの法則である。原題は δ=0\delta=0 を自然長と定めているため、別の初期伸びを加える必要はない。

符号と単位の検算

正の θ\theta ではおもりが蝶番の右にあり、棒は蝶番を右へ引く。その釣り合いにはばねの伸び δ>0\delta>0 が必要で、得た比例式の符号と合う。mg/kmg/k は長さなので、無次元の角度を掛けた δ\delta の単位も正しい。

k→∞k\to\infty で δ→0\delta\to0 となり、硬いばねほど支点が固定点へ近づく。kk が小さい場合は、同じ角度でも支点の変位が大きくなる。

蝶番に重力成分を直接入れる誤り

水平方向の式へ mgsin⁡θmg\sin\theta と Tsin⁡θT\sin\theta を同時に足すと、重力の効果を二重に数える。重力はおもりへ鉛直に作用し、蝶番へ伝わる水平力は棒の張力成分である。例えば誤式 kδ=2mgθk\delta=2mg\theta は支点変位を2倍にし、その後の固有振動数まで変えてしまう。

II.3 ばね支点の振動方程式

支点加速度を含む絶対座標

Newtonの式を使うのは、慣性系に対するおもりの絶対座標 xx である。支点から測った水平変位 lθl\theta だけを2回微分すると、支点の加速度 δ¨\ddot\delta を落としてしまう。II.2の関係を微分すると x¨=(l+mg/k)θ¨=Lθ¨\ddot x=(l+mg/k)\ddot\theta=L\ddot\theta となり、これを水平運動方程式へ入れる。

この LL は棒が伸びた長さではなく、支点が動くことでおもりの変位が増える比例係数である。棒の実際の長さは ll のままである。

エネルギーからの独立な導出

一次の変位に対応する二次のエネルギーを取ると K=12mL2θ˙2,U=12mglθ2+12kδ2=12mgLθ2. K=\frac12mL^2\dot\theta^2,\quad U=\frac12mgl\theta^2+\frac12k\delta^2 =\frac12mgL\theta^2. 従ってEuler--Lagrange方程式は mL2θ¨+mgLθ=0mL^2\ddot\theta+mgL\theta=0 となり、L>0L>0 で割れば同じ式が得られる。支点が動く分は運動エネルギーだけでなく、ばねのエネルギーにも入る。

硬いばねと軟らかいばねの確認

k→∞k\to\infty なら L→lL\to l、Ωs→Ω0\Omega_s\to\Omega_0 となる。有限の正の kk では L>lL>l なので Ωs<Ω0\Omega_s<\Omega_0、支点が動く場合のほうが遅く振れる。

x¨=lθ¨\ddot x=l\ddot\theta と誤って固定支点の式を使うと Ωs=Ω0\Omega_s=\Omega_0 のままになり、ばね定数に全く依存しない答えになる。支点変位 δ\delta が角度と同じ一次量であるため、その加速度も落とせない。

II.4 打ち出した後の角度

絶対速度から初期角速度を決める

おもりの速さは支点の速さと棒に対する相対速度の和なので、 x˙=δ˙+lθ˙=(mgk+l)θ˙=Lθ˙. \dot x=\dot\delta+l\dot\theta =\left(\frac{mg}{k}+l\right)\dot\theta=L\dot\theta. 従って、与えられた u2u_2 をそのまま lθ˙l\dot\theta に等置してはいけない。質量を無視した蝶番は、水平力の代数的釣り合いに従って瞬時に速度を変え得る。打ち出す前に蝶番が静止していたことを、打ち出し直後も δ˙=0\dot\delta=0 という条件へ延長しない。

初期値とエネルギーの検算

解は θ(0)=0\theta(0)=0 を満たす。微分して x˙(0)=Lθ˙(0)=u2\dot x(0)=L\dot\theta(0)=u_2 となり、実際に与えた初速度を再現する。II.3のエネルギーへ代入すると 12mL2θ˙2+12mgLθ2=12mu22 \frac12mL^2\dot\theta^2+\frac12mgL\theta^2 =\frac12mu_2^2 となる。初めに棒が鉛直でばねが自然長だから、エネルギーがすべておもりの並進分であることにも合う。

固定支点の初期条件を使う誤り

θ˙(0)=u2/l\dot\theta(0)=u_2/l とすると、解の振幅は正解の L/lL/l 倍となる。その解から計算するおもりの初速度も Lu2/l>u2Lu_2/l>u_2 であり、与えられた条件を満たさない。振動方程式だけを確かめてもこの誤りは検出できないため、最後に絶対座標の速度へ戻して確認する。

III 水平に強制変位させた支点

支点が動き始める瞬間の初期条件

ξ(0)=0\xi(0)=0 でも ξ˙(0+)=Aω\dot\xi(0+)=A\omega であり、位置が零という条件から速度零は導けない。本問の t<0t<0 の静止状態と正弦状の駆動をつなぐ理想化では、支点速度が跳ぶ。質量のない棒が両端から受ける力は棒に沿い、最初は棒が鉛直なので、おもりには横方向の力積を与えない。従っておもりの横速度は連続で零、相対角速度だけが −Aω/l-A\omega/l へ変わる。

同じ結論は、支点速度の急変を含む短時間の式 l Δθ˙=−Δξ˙l\,\Delta\dot\theta=-\Delta\dot\xi を積分しても得られる。初めに θ˙(0)=0\dot\theta(0)=0 とするのは、おもりを支点と同じ水平速度で打ち出す別の初期条件になる。

特解と同次解の係数

θp=Bsin⁡ωt\theta_p=B\sin\omega t と置けば (Ω02−ω2)B=Aω2/l(\Omega_0^2-\omega^2)B=A\omega^2/l なので、 B=Aω2/[l(Ω02−ω2)]B=A\omega^2/[l(\Omega_0^2-\omega^2)] となる。同次解は Ccos⁡Ω0t+Dsin⁡Ω0tC\cos\Omega_0t+D\sin\Omega_0t で、初期角度零から C=0C=0、初期角速度から DΩ0+Bω=−Aωl,D=−AωΩ0l(Ω02−ω2) D\Omega_0+B\omega=-\frac{A\omega}{l},\qquad D=-\frac{A\omega\Omega_0}{l(\Omega_0^2-\omega^2)} が得られる。これらをまとめたものが答案である。

分母が零の共振ではこの特解を使えない。ω=−Ω0\omega=-\Omega_0 の場合は θp=(AΩ0/(2l))tcos⁡Ω0t\theta_p=(A\Omega_0/(2l))t\cos\Omega_0t と置き、初期角速度を合わせて上記の特別な式を得る。時間とともに増える項があるので、小角近似はその項も十分小さい時間範囲に限る。

別の積分表示による確認

零初期角度と初期角速度 θ˙0\dot\theta_0 を持つ強制振動は θ(t)=θ˙0Ω0sin⁡Ω0t+∫0tsin⁡{Ω0(t−s)}Ω0Aω2lsin⁡ωs ds \theta(t)=\frac{\dot\theta_0}{\Omega_0}\sin\Omega_0t +\int_0^t\frac{\sin\{\Omega_0(t-s)\}}{\Omega_0} \frac{A\omega^2}{l}\sin\omega s\,ds とも書ける。積分核は、瞬間的な外力に対する単振動の応答を重ねたものである。この式を微分すれば運動方程式と二つの初期条件を直接満たすと確かめられる。θ˙0=−Aω/l\dot\theta_0=-A\omega/l を代入して積分すると答案の式を再現する。

具体的な初期条件の誤りと適用範囲

同じ微分方程式を θ˙(0)=0\dot\theta(0)=0 で解いた式は θwrong=Aω2l(Ω02−ω2)(sin⁡ωt−ωΩ0sin⁡Ω0t). \theta_{\rm wrong}= \frac{A\omega^2}{l(\Omega_0^2-\omega^2)} \left(\sin\omega t-\frac{\omega}{\Omega_0}\sin\Omega_0t\right). この式では x˙(0+)=Aω+lθ˙(0+)=Aω\dot x(0+)=A\omega+l\dot\theta(0+)=A\omega となり、静止していたおもりの初速度を変えてしまう。支点とおもりの初速度を別々に検算する必要がある。

また共振から外れていても、∣Ω02−ω2∣|\Omega_0^2-\omega^2| が小さい場合は角度が大きくなり得る。得られた θ\theta とその時間微分が、原題の小角近似が成り立つ時間範囲で使う。分母が非零というだけで、任意の振幅や時間へ線形解を適用しない。

解答

I.1 水平・鉛直の式から角度の式を導く

棒の張力を TT とすると、質点の位置と運動方程式は x=lsin⁡θ,y=lcos⁡θ,mx¨=−Tsin⁡θ,my¨=mg−Tcos⁡θ. x=l\sin\theta,\quad y=l\cos\theta,\qquad m\ddot x=-T\sin\theta,\quad m\ddot y=mg-T\cos\theta. xx の式に cos⁡θ\cos\theta、yy の式に sin⁡θ\sin\theta を掛けて引くと m(x¨cos⁡θ−y¨sin⁡θ)=−mgsin⁡θ. m(\ddot x\cos\theta-\ddot y\sin\theta)=-mg\sin\theta. 座標を2回微分して左辺を整理すれば mlθ¨ml\ddot\theta になる。

I.2 最下点から水平に打ち出した小振動

sin⁡θ≃θ\sin\theta\simeq\theta により、θ¨+Ω02θ=0\ddot\theta+\Omega_0^2\theta=0 である。初期位置は θ(0)=0\theta(0)=0、最下点での水平速度は x˙(0)=lθ˙(0)=u1\dot x(0)=l\dot\theta(0)=u_1 だから、一般解の係数を決めると

この近似を運動全体へ使うには、振幅 ∣u1∣/gl≪1|u_1|/\sqrt{gl}\ll1 が必要である。

II.1 ばね支点の場合の棒の張力

支点は水平方向だけに動くので、おもりの鉛直座標は y=lcos⁡θy=l\cos\theta のままである。従って y¨=−l(θ˙2cos⁡θ+θ¨sin⁡θ),Tcos⁡θ=mg−my¨. \ddot y=-l(\dot\theta^2\cos\theta+\ddot\theta\sin\theta),\qquad T\cos\theta=mg-m\ddot y. 原題の一次近似では、θ˙2\dot\theta^2 と θθ¨\theta\ddot\theta は二次の量であり、y¨\ddot y は無視できる。また cos⁡θ≃1\cos\theta\simeq1 なので

II.2 質量のない蝶番の水平方向の釣り合い

ばねが蝶番を左へ引く力は kδk\delta、棒が蝶番を右へ引く成分は Tsin⁡θT\sin\theta である。蝶番の質量は無視できるので、有限の加速度に対して水平合力は零となり −kδ+Tsin⁡θ=0. -k\delta+T\sin\theta=0. T≃mgT\simeq mg、sin⁡θ≃θ\sin\theta\simeq\theta を代入して

II.3 ばね支点の振動方程式

一次の精度でおもりの水平座標は x=δ+lθ=(l+mgk)θ. x=\delta+l\theta=\left(l+\frac{mg}{k}\right)\theta. おもりに働く水平力は −Tsin⁡θ≃−mgθ-T\sin\theta\simeq-mg\theta なので、 mx¨=−mgθm\ddot x=-mg\theta に代入すればよい。L=l+mg/kL=l+mg/k と置くと

II.4 打ち出した後の角度

初めに θ=0,δ=0\theta=0,\delta=0 で、おもりの絶対水平速度が u2u_2 である。x=Lθx=L\theta だから θ˙(0+)=u2/L\dot\theta(0+)=u_2/L となる。振動方程式の解にこの初期条件を入れて

全運動での小角近似には ∣u2∣/gL≪1|u_2|/\sqrt{gL}\ll1 を確認する。

III 水平に強制変位させた支点

支点の変位を ξ=Asin⁡ωt\xi=A\sin\omega t とする。一次の絶対座標は x=ξ+lθx=\xi+l\theta なので m(ξ¨+lθ¨)=−mgθ,θ¨+Ω02θ=Aω2lsin⁡ωt. m(\ddot\xi+l\ddot\theta)=-mg\theta,\qquad \ddot\theta+\Omega_0^2\theta=\frac{A\omega^2}{l}\sin\omega t. t<0t<0 でおもりは静止している。t=0+t=0+ の支点速度は AωA\omega だが、鉛直な棒は水平力積を伝えないため、おもりの絶対速度は x˙(0+)=0\dot x(0+)=0 のままである。従って θ(0)=0,θ˙(0+)=−Aωl. \theta(0)=0,\qquad \dot\theta(0+)=-\frac{A\omega}{l}. ω2≠Ω02\omega^2\ne\Omega_0^2 で正弦の特解と同次解を合わせると

原題は ω\omega を実定数として ω≠+Ω0\omega\ne+\Omega_0 を指定している。負の値も字義どおり含めた ω=−Ω0\omega=-\Omega_0 では、別に θ(t)=A2l{sin⁡Ω0t+Ω0tcos⁡Ω0t} \theta(t)=\frac{A}{2l}\{\sin\Omega_0t+\Omega_0t\cos\Omega_0t\} となる。ω\omega を正の角振動数とする通常の範囲では、最初の式を使えばよい。

最終答

lθ¨+gsin⁡θ=0.\displaystyle l\ddot\theta+g\sin\theta=0.

θ(t)=u1lΩ0sin⁡Ω0t=u1glsin⁡ ⁣(gl t).\displaystyle \theta(t)=\frac{u_1}{l\Omega_0}\sin\Omega_0t =\frac{u_1}{\sqrt{gl}}\sin\!\left(\sqrt{\frac gl}\,t\right).

T≃mgT\simeq mg。ここでは一次の精度での張力である。

δ=mgkθ\displaystyle \delta=\frac{mg}{k}\theta(一次近似)。

Lθ¨+gθ=0,L=l+mgk,Ωs=gL=gkkl+mg.\displaystyle L\ddot\theta+g\theta=0,\qquad L=l+\frac{mg}{k},\quad \Omega_s=\sqrt{\frac gL}=\sqrt{\frac{gk}{kl+mg}}.

θ(t)=u2LΩssin⁡Ωst=u2gLsin⁡Ωst,L=l+mgk.\displaystyle \theta(t)=\frac{u_2}{L\Omega_s}\sin\Omega_st =\frac{u_2}{\sqrt{gL}}\sin\Omega_st,\qquad L=l+\frac{mg}{k}.

θ(t)=Aωl(Ω02−ω2){ωsin⁡ωt−Ω0sin⁡Ω0t},ω2≠Ω02.\displaystyle \theta(t)=\frac{A\omega}{l(\Omega_0^2-\omega^2)} \{\omega\sin\omega t-\Omega_0\sin\Omega_0t\}, \qquad \omega^2\ne\Omega_0^2.

第2問 — 電磁気学:同軸導体の静電誘導と平面波の反射・透過

電磁気学:同軸導体の静電誘導と平面波の反射・透過の途中式・最終答をPDFで見る

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年度別の解答例(6年度)

  • 2026年度(解説2項目)

    力学:拘束が変わる二質点系と重心運動 / 電磁気学:電気双極子・導体球・磁気双極子

  • 2025年度(解説2項目)

    剛体の力学:球への撃力と段差の乗り越え / 電磁気学:平行導線の電場・伝送線路・導体平面

  • 2024年度(解説2項目)

    剛体の力学:ばねに結ばれた円板の転がりと衝突 / 静電気学:一様電荷中の運動と誘電体境界の鏡像法

  • 2023年度(このページ・解説2項目)

    振動:固定支点・ばね支点・強制変位の振り子 / 電磁気学:同軸導体の静電誘導と平面波の反射・透過

  • 2022年度(解説2項目)

    力学:一様な棒の振り子と衝突 / 電磁気学:同軸円筒の磁界・漏れ電流・誘電体界面

  • 2021年度(解説2項目)

    力学:ばねにつながる物体への衝突と再衝突 / 電磁気学:動く導体棒と抵抗・コンデンサ

2023年度の出題内容

解説2項目

この2問の分野は電磁気学・回路1問・力学1問です。

大問分野主題解説の小見出し最終答
第1問力学固定支点・ばね支点・強制変位の振り子接線方向へ投影して張力を消す / エネルギーと加速度の向きの検算あり
第2問電磁気学・回路同軸導体の静電誘導と平面波の反射・透過—あり

前年度(2022年度)との違い

大問数
2022年度 2問 → 2023年度 2問
2022年度の解答例

東京大学の公式過去問

公開年度範囲
2017〜2026
公式の解答例
解答例の掲載なし
英語の扱い
TOEFL iBT/ITP のスコア提出。
院試hubの最終確認
2026-10-22
東京大学の公式過去問PDF