院試hub

立教大学 理学研究科 数学専攻 数学 2026年度 夏季(2025年7月実施) 院試 過去問 解答例・解説(全9問)

全9問の分野は線形代数2問、代数2問、位相・幾何1問です。解説はすべて、途中式と最終答は大問1問ぶんを公開しています。残りは解答PDFに収録しています。問題本文は含みません。

最終更新:

第1問 — 線形代数:パラメータ付き線形写像の全射性・核・像

検算

s≠0s\neq0 として As(3,−1,1,0)TA_s\left(3,-1,1,0\right)^{\mathsf T} を計算すると (3−2−1, 6−5−1, 3−4+1)T=(0,0,0)T\left(3-2-1,\ 6-5-1,\ 3-4+1\right)^{\mathsf T}=\left(0,0,0\right)^{\mathsf T}。確かに核に入る。ss を含む第 44 成分が 00 なので、この結果は ss に依存しない。

全射性の言い換え

fsf_s が全射 ⟺\Longleftrightarrow 像が R3\mathbb R^{3} 全体 ⟺\Longleftrightarrow 列ベクトルが R3\mathbb R^{3} を張る ⟺\Longleftrightarrow rank⁡=3\operatorname{rank}=3。33 行しかないので rank⁡≤3\operatorname{rank}\le3 であり、等号成立が全射の条件である。

4>34>3 なので単射にはならない

定義域の次元が値域より大きいので dim⁡Ker⁡≥1\dim\operatorname{Ker}\ge1、fsf_s は ss の値によらず単射でない。

設問2 s=0s=0 のときの核と像の基底

像の基底に元の列を使う理由

行基本変形は列の間の 11 次関係を保つが、列空間そのものは変える。したがって「階段形で主成分が立つ列の番号」を読み取り、対応する元の行列の列を取る。変形後の列を答えにすると誤りになる。

検算

第 33 列 (−1,−1,1)T=−3a1+a2\left(-1,-1,1\right)^{\mathsf T}=-3\bm a_1+\bm a_2、 第 44 列 (2,3,0)T=4a1−a2\left(2,3,0\right)^{\mathsf T}=4\bm a_1-\bm a_2。 残り 22 列が a1,a2\bm a_1,\bm a_2 の 11 次結合で書けるので、像の次元は確かに 22 である。

次元定理の確認

dim⁡Ker⁡f0+dim⁡Im⁡f0=2+2=4=dim⁡R4\dim\operatorname{Ker}f_0+\dim\operatorname{Im}f_0=2+2=4=\dim\mathbb R^{4}。整合している。

失点しやすい点

s≠0s\neq0 の核が s=0s=0 の核に含まれること(k1\bm k_1 は共通)は自然だが、s=0s=0 ではもう 11 本増える。自由変数の個数を階数から正しく数えること。

解答

行基本変形

第 22 行から第 11 行の 22 倍を、第 33 行から第 11 行を引き、さらに新しい第 33 行から新しい第 22 行の 22 倍を引く。 As=(12−1225−13141s)⟶(12−12011−1022s−2)⟶(12−12011−1000s). A_s=\begin{pmatrix}1&2&-1&2\\2&5&-1&3\\1&4&1&s\end{pmatrix} \longrightarrow \begin{pmatrix}1&2&-1&2\\0&1&1&-1\\0&2&2&s-2\end{pmatrix} \longrightarrow \begin{pmatrix}1&2&-1&2\\0&1&1&-1\\0&0&0&s\end{pmatrix}.

階数と全射性

fsf_s が全射 ⟺\Longleftrightarrow rank⁡As=3\operatorname{rank}A_s=3。上の階段形から rank⁡As={3(s≠0)2(s=0) \operatorname{rank}A_s=\begin{cases}3 & \left(s\neq0\right)\\ 2 & \left(s=0\right)\end{cases} なので、fsf_s が全射となるのは s≠0s\neq0 のときである。

s≠0s\neq0 での核

次元定理より dim⁡Ker⁡fs=4−3=1\dim\operatorname{Ker}f_s=4-3=1。連立方程式を解く。 第 33 行から sx4=0sx_4=0、s≠0s\neq0 より x4=0x_4=0。 第 22 行から x2+x3−x4=0x_2+x_3-x_4=0、すなわち x2=−x3x_2=-x_3。 第 11 行から x1+2x2−x3+2x4=0x_1+2x_2-x_3+2x_4=0、すなわち x1=−2x2+x3=3x3x_1=-2x_2+x_3=3x_3。 よって Ker⁡fs={t(3, −1, 1, 0)T | t∈R}. \operatorname{Ker}f_s =\left\{t\left(3,\,-1,\,1,\,0\right)^{\mathsf T}\ \middle|\ t\in\mathbb R\right\}.

核の次元

s=0s=0 では rank⁡A0=2\operatorname{rank}A_0=2 なので dim⁡Ker⁡f0=4−2=2\dim\operatorname{Ker}f_0=4-2=2。

核の基底

階段形の第 33 行は 0=00=0 となり条件を与えない。自由変数は x3,x4x_3,x_4 である。 第 22 行から x2=−x3+x4x_2=-x_3+x_4、 第 11 行から x1=−2x2+x3−2x4=3x3−4x4x_1=-2x_2+x_3-2x_4=3x_3-4x_4。 (x3,x4)=(1,0),(0,1)\left(x_3,x_4\right)=\left(1,0\right),\left(0,1\right) として k1=(3,−1,1,0)T,k2=(−4,1,0,1)T. \bm k_1=\left(3,-1,1,0\right)^{\mathsf T}, \qquad \bm k_2=\left(-4,1,0,1\right)^{\mathsf T}. この 22 本は 11 次独立(第 33・第 44 成分を見れば明らか)で、次元が 22 なので核の基底である。

像の次元と基底

dim⁡Im⁡f0=rank⁡A0=2\dim\operatorname{Im}f_0=\operatorname{rank}A_0=2。像は A0A_0 の列ベクトルが張る空間で、階段形の主成分は第 11 列と第 22 列にある。したがって元の行列の第 11・第 22 列 a1=(1,2,1)T,a2=(2,5,4)T \bm a_1=\left(1,2,1\right)^{\mathsf T}, \qquad \bm a_2=\left(2,5,4\right)^{\mathsf T} が像の基底になる。

最終答

fsf_s が全射となるのは s≠0s\neq0。このとき Ker⁡fs=⟨(3,−1,1,0)T⟩\operatorname{Ker}f_s=\left\langle\left(3,-1,1,0\right)^{\mathsf T}\right\rangle(11 次元)

Ker⁡f0\operatorname{Ker}f_0 の基底:(3,−1,1,0)T, (−4,1,0,1)T\left(3,-1,1,0\right)^{\mathsf T},\ \left(-4,1,0,1\right)^{\mathsf T}。 Im⁡f0\operatorname{Im}f_0 の基底:(1,2,1)T, (2,5,4)T\left(1,2,1\right)^{\mathsf T},\ \left(2,5,4\right)^{\mathsf T}

第2問 — 線形代数:冪等行列の固有値・固有空間・対角化可能性

最小多項式による見方

A2−A=OA^{2}-A=O より、AA の最小多項式は λ(λ−1)\lambda\left(\lambda-1\right) を割り切る。固有値は最小多項式の根なので 00 か 11 しかない。設問 33 で使う視点である。

両方が現れるとは限らない

A=OA=O なら固有値は 00 のみ、A=IA=I なら 11 のみである。設問 22 の r=rank⁡Ar=\operatorname{rank}A を使うと、r=0r=0 と r=nr=n がこの 22 つの場合にあたる。

失点しやすい点

v≠0\bm v\neq\bm 0 を明記してからスカラーの式に落とす。ここを飛ばすと λ2=λ\lambda^{2}=\lambda を結論できない。

設問2 固有空間の次元

射影としての解釈

AA は Cn=V0⊕V1\mathbb C^{n}=V_0\oplus V_1 に沿った V1V_1 への射影である。x=(x−Ax)+Ax\bm x=\left(\bm x-A\bm x\right)+A\bm x と分解すると、第 11 項は A(x−Ax)=Ax−Ax=0A\left(\bm x-A\bm x\right)=A\bm x-A\bm x=\bm 0 より V0V_0 に、第 22 項は V1V_1 に属する。

I−AI-A も冪等

(I−A)2=I−2A+A2=I−A\left(I-A\right)^{2}=I-2A+A^{2}=I-A。I−AI-A は V0V_0 への射影で、rank⁡(I−A)=n−r\operatorname{rank}\left(I-A\right)=n-r である。AA と I−AI-A の役割が入れ替わる対称性がある。

トレースとの関係

tr⁡A\operatorname{tr}A は固有値の和なので 0⋅(n−r)+1⋅r=r0\cdot\left(n-r\right)+1\cdot r=r。冪等行列では階数とトレースが一致するという有名な事実がここから出る。

設問3 対角化可能性

最小多項式による別証

A2−A=OA^{2}-A=O より最小多項式は λ(λ−1)\lambda\left(\lambda-1\right) を割り切る。11 次因子の積で重根をもたないので、AA は対角化可能である。こちらは 11 行で済む。

標準形が階数だけで決まること

上の形から、冪等行列は階数 rr だけで相似類が定まる。nn と rr が同じ冪等行列はすべて互いに相似である。

直交射影との違い

本問の AA は一般の(斜交)射影である。さらに A∗=AA^{*}=A(エルミート)を課すと直交射影になり、V0⊥V1V_0\perp V_1 が成り立つ。冪等性だけでは直交性は出ない。

失点しやすい点

「固有値が 0,10,1 しかないから対角化可能」とはいえない。(0100)\begin{pmatrix}0&1\\0&0\end{pmatrix} は固有値 00 のみだが対角化できない。固有空間の次元の和が nn になることを示す必要がある。

線形代数:冪等行列の固有値・固有空間・対角化可能性の途中式・最終答をPDFで見る

第3問 — 微分積分:逆関数定理と逆関数の縮小性

開区間になる理由

定義域が開区間 (0,∞)\left(0,\infty\right) で ff が狭義単調連続なので、像も開区間になる。端点 22 が像に入らないことを明記する。

f′>1f'>1 という強い評価

単に f′>0f'>0 ではなく f′(x)=2ex−1>1f'\left(x\right)=2e^{x}-1>1 が成り立つ。設問 33 の不等式が「≤\le」でなく厳密な「<<」になるのはこの評価のおかげである。

失点しやすい点

f(0)=2f\left(0\right)=2 を像に含めない。定義域が (0,∞)\left(0,\infty\right) と開いていることを見落とさない。

設問2 微分可能な逆関数の存在

局所と大域

逆関数定理が保証するのは局所的な逆関数の存在である。大域的な逆写像の存在は単調性(=単射性)から別に言う必要がある。両方を書いて初めて証明が閉じる。

f′≠0f'\neq0 が要る理由

f′(x0)=0f'\left(x_0\right)=0 の点では逆関数は微分可能にならない(y=x3y=x^{3} の逆 y=x1/3y=x^{1/3} が原点で微分不可能なのが典型例)。f′>1f'>1 という評価はこの障害がないことを保証する。

C∞C^{\infty} 性

ff は実際には C∞C^{\infty} 級なので f−1f^{-1} も C∞C^{\infty} 級である。設問は C1C^{1} 級の逆関数定理を指定しているので、そこまでで十分である。

設問3 逆関数の縮小性

一様な縮小ではないこと

(f−1)′(y)=12et−1\left(f^{-1}\right)'\left(y\right)=\dfrac{1}{2e^{t}-1} は y→2+y\to2^{+}(t→0+t\to0^{+})で 11 に近づく。したがって ∣f−1(x)−f−1(y)∣≤L∣x−y∣\left|f^{-1}\left(x\right)-f^{-1}\left(y\right)\right|\le L\left|x-y\right| を満たす定数 L<1L<1 は存在しない。縮小写像の原理(バナッハの不動点定理)はそのままでは適用できない。

図形的な意味

ff のグラフの傾きがどこでも 11 より大きいので、y=xy=x に関する対称移動で得られる f−1f^{-1} のグラフは傾きが 11 未満になる。「急な関数の逆関数は緩やか」という直観そのものである。

別解(ff 側で評価する)

a=f−1(x)a=f^{-1}\left(x\right)、b=f−1(y)b=f^{-1}\left(y\right) と置くと示すべき式は ∣a−b∣<∣f(a)−f(b)∣\left|a-b\right|<\left|f\left(a\right)-f\left(b\right)\right|。ff に平均値の定理を使うと ∣f(a)−f(b)∣=f′(ξ)∣a−b∣>∣a−b∣\left|f\left(a\right)-f\left(b\right)\right|=f'\left(\xi\right)\left|a-b\right|>\left|a-b\right|。逆関数の微分可能性を使わずに済むので、こちらのほうが素朴である。

失点しやすい点

cc が xx と yy の間にあり、しかも Im⁡f\operatorname{Im}f に属することを確認する。Im⁡f\operatorname{Im}f は区間なので中間の点も含まれる。

微分積分:逆関数定理と逆関数の縮小性の途中式・最終答をPDFで見る

第4問 — 微分積分:2変数関数の停留点とヘッセ行列による極値判定

fxf_x の因数分解が効く

4x(x2+3y2)4x\left(x^{2}+3y^{2}\right) の第 22 因子は実数の範囲で x=y=0x=y=0 でしか消えない。この観察により、連立方程式が実質 x=0x=0 の 11 本に落ちる。

対称性

f(x,y)=f(−x,y)=f(x,−y)f\left(x,y\right)=f\left(-x,y\right)=f\left(x,-y\right) で、ff は両軸に関して対称である。停留点が yy について対称に現れるのはこのためで、(0,1)\left(0,1\right) と (0,−1)\left(0,-1\right) は同じ性質をもつ。

失点しやすい点

fyf_y の因数分解で −4y-4y の項を落とさない。−2y2-2y^{2} の微分がここに効いている。

設問2 ヘッセ行列の行列式

fxy=0f_{xy}=0 になること

33 つの停留点はすべて x=0x=0 にあり、fxy=24xyf_{xy}=24xy はそこで消える。ヘッセ行列が対角行列になるので、行列式は対角成分の積で済む。

判定法の準備

det⁡H>0\det H>0 かつ fxx>0f_{xx}>0 なら極小、det⁡H>0\det H>0 かつ fxx<0f_{xx}<0 なら極大、det⁡H<0\det H<0 なら鞍点。det⁡H=0\det H=0 のときは 22 階までの情報では判定できない。設問 33 でこの区別を使う。

(0,0)\left(0,0\right) が退化する理由

原点付近では f≃−2y2f\simeq-2y^{2} で、xx 方向の 22 次の項が存在しない(最低次が x4x^{4})。xx 方向の曲率が 00 になるので det⁡H=0\det H=0 となる。

設問3 極値

22 方向で符号が違えば鞍点

det⁡H=0\det H=0 の場合は、原点を通る 22 つの曲線(ここでは 22 本の座標軸)に制限して符号を見るのが最も速い。片方で正、もう片方で負になれば極値でないことが確定する。

det⁡H=0\det H=0 でも極値のことがある

g(x,y)=x4+y4g\left(x,y\right)=x^{4}+y^{4} は原点で det⁡H=0\det H=0 だが極小である。det⁡H=0\det H=0 は「判定不能」であって「鞍点」ではない。必ず個別に調べる。

極大がない理由

f(x,y)→∞f\left(x,y\right)\to\infty(∥(x,y)∥→∞\left\|\left(x,y\right)\right\|\to\infty)なので、ff は上に有界でない。したがって最大値をもたず、上の計算からわかるとおり極大点も存在しない。

失点しやすい点

(0,1)\left(0,1\right) と (0,−1)\left(0,-1\right) の両方を答えに含める。対称性から片方だけ調べて済ませるのは構わないが、答えには 22 点とも書く。

微分積分:2変数関数の停留点とヘッセ行列による極値判定の途中式・最終答をPDFで見る

第5問 — 代数学:分母が p 冪の有理数のなす群の自己準同型環

GG の正体

G=Z[1/p]={mpk | m∈Z, k≥0}G=\mathbb Z\left[1/p\right]=\left\{\dfrac{m}{p^{k}}\ \middle|\ m\in\mathbb Z,\ k\ge0\right\}、すなわち分母が pp の冪であるような有理数全体である。Z⊂G⊂Q\mathbb Z\subset G\subset\mathbb Q で、どちらの包含も真である。

表示は一意でない

mpnmp^{n} という表示は一意でない(2p1=2p⋅p02p^{1}=2p\cdot p^{0} など)。したがって「m,nm,n を取り替えても議論が通る」書き方をする必要がある。上の証明は g,g′g,g' の表示を 11 つ固定して進めているので問題ない。

n≤n′n\le n' としてよい理由

gg と g′g' の役割は対称なので、番号を付け替えるだけである。答案では「一般性を失わず」と断る。

設問2 End⁡(G)\operatorname{End}\left(G\right) がアーベル群であること

GG の可換性が必要な場所

f1+f2f_1+f_2 が準同型になる計算で、f1(h)f_1\left(h\right) と f2(g)f_2\left(g\right) を入れ替えている。非可換群ではこの入れ替えができず、自己準同型の和は一般に準同型にならない。

環としての構造

End⁡(G)\operatorname{End}\left(G\right) は写像の合成を積として環にもなる。設問 44 の同型は、実は環同型 End⁡(G)≅G\operatorname{End}\left(G\right)\cong G(GG を Z[1/p]\mathbb Z\left[1/p\right] という環と見たもの)に強められる。

失点しやすい点

「End⁡(G)\operatorname{End}\left(G\right) が群である」ためには、まず和が End⁡(G)\operatorname{End}\left(G\right) の中に留まることを確かめる必要がある。ここを省略しない。

設問3 φ\varphi が準同型であること

評価写像

φ\varphi は「11 での値を取る」評価写像である。End⁡\operatorname{End} の加法が各点での加法として定義されているので、評価写像が準同型になるのは自動的である。

1∈G1\in G であること

1=1⋅p0∈G1=1\cdot p^{0}\in G なので φ\varphi の定義に意味がある。GG が 11 を含むことは設問 44 でも本質的に効く。

単位元の対応

φ(0)=0\varphi\left(0\right)=0。準同型は単位元を単位元に写すという一般則の確認になる。

設問4 φ\varphi の逆写像の存在

pkp^{k} で割る操作が許される理由

GG は Q\mathbb Q の部分群なので捩れがなく、pkx=pkyp^{k}x=p^{k}y から x=yx=y が従う。有限群ではこの割り算ができず、同様の議論は通らない。

n<0n<0 の扱いが要点

n≥0n\ge0 だけなら「準同型は整数倍と可換」で終わるが、GG には 1/p1/p のような元があるので、pkp^{k} 倍して整数に戻してから割る、という一手間が要る。設問の難所はここである。

結果の意味

End⁡(Z[1/p])≅Z[1/p]\operatorname{End}\left(\mathbb Z\left[1/p\right]\right)\cong\mathbb Z\left[1/p\right]。同様に End⁡(Z)≅Z\operatorname{End}\left(\mathbb Z\right)\cong\mathbb Z、End⁡(Q)≅Q\operatorname{End}\left(\mathbb Q\right)\cong\mathbb Q が成り立つ。「Q\mathbb Q の部分環になっている加法群の自己準同型環はその環自身」という現象の一例である。

失点しやすい点

全単射を示すのに、単射性と全射性を別々に論じてもよいが、逆写像を具体的に構成して 22 つの合成が恒等写像になることを示すほうが短く確実である。設問が「逆写像が存在することを示せ」と要求しているのもこの形を想定している。

代数学:分母が p 冪の有理数のなす群の自己準同型環の途中式・最終答をPDFで見る

第6問 — 代数学:\mathbb F_2 上の x^6+x^3+1 と有限体の拡大

一般化

同じ議論で、qq 元体上の ss 次元ベクトル空間の元は qsq^{s} 個である。有限体の位数が必ず素数の冪になるのはこの事実から従う。

ss の意味

s=dim⁡F2F2[r]s=\dim_{\mathbb F_2}\mathbb F_2\left[r\right] は rr の F2\mathbb F_2 上の最小多項式の次数に等しい。rr は 66 次の ff の根なので s≤6s\le6 である。設問 44 でこの上界を使う。

F2[r]\mathbb F_2\left[r\right] が体であること

rr は代数的元なので F2[r]=F2(r)\mathbb F_2\left[r\right]=\mathbb F_2\left(r\right) は体である。有限次元代数拡大では多項式環と有理式体が一致する。

設問2 r9=1r^{9}=1 かつ r3≠1r^{3}\neq1

ff は 99 次の円分多項式

x6+x3+1=Φ9(x)x^{6}+x^{3}+1=\Phi_9\left(x\right) である。その根は 11 の原始 99 乗根、すなわち位数がちょうど 99 の元である。設問 22 はこの事実を F2\mathbb F_2 上で確認している。

標数 22 での符号

F2\mathbb F_2 では −1=1-1=1 なので x9−1=x9+1x^{9}-1=x^{9}+1、x3−1=x3+1x^{3}-1=x^{3}+1 と書いても同じである。符号を気にせず計算できるのが標数 22 の便利なところである。

r≠1r\neq1 でもある

r3≠1r^{3}\neq1 から特に r≠1r\neq1。設問 33 で rr の位数を確定するときに使う。

設問3 9∣2s−19\mid2^{s}-1

位数の候補を絞る手順

「r9=1r^{9}=1 だから位数は 99 の約数」→「99 の約数は 1,3,91,3,9」→「11 と 33 を排除」。この 33 段が定型である。設問 22 で r3≠1r^{3}\neq1 を示させているのは、この排除のためである。

K×K^{\times} が群であること

体の 00 でない元全体は乗法について群をなす。有限体ではこれは巡回群になることも知られているが、本問ではラグランジュの定理だけで足りる。

失点しやすい点

∣K×∣=2s−1\left|K^{\times}\right|=2^{s}-1 で −1-1 を忘れない。00 は乗法群に属さない。

設問4 ff の既約性

22 の位数を 99 を法として求める

2s≡1(mod9)2^{s}\equiv1\pmod 9 を満たす最小の ss は、(Z/9Z)×\left(\mathbb Z/9\mathbb Z\right)^{\times}(位数 66 の巡回群)における 22 の位数である。ここでは 22 が生成元になっているので位数は 66。この計算が設問 44 の核心である。

直接因数分解しないこと

F2\mathbb F_2 上の 66 次多項式を素朴に因数分解しようとすると、11 次から 33 次までの既約多項式で割ってみる必要があり手間がかかる。位数の議論のほうがはるかに速い。

一般則

Φn(x)\Phi_n\left(x\right) が Fq\mathbb F_q 上既約であるのは、qq が (Z/nZ)×\left(\mathbb Z/n\mathbb Z\right)^{\times} の生成元であるときに限る。n=9n=9、q=2q=2 はまさにこの場合である。

設問5 ガロア群と中間体の個数

対応の向き

部分群が大きいほど固定体は小さい。位数 66 の部分群(全体)には F2\mathbb F_2 が、位数 11 の部分群(単位元のみ)には KK 自身が対応する。位数 22 の部分群 ⟨Φ3⟩\left\langle\Phi^{3}\right\rangle には F23=F8\mathbb F_{2^{3}}=\mathbb F_8、位数 33 の部分群 ⟨Φ2⟩\left\langle\Phi^{2}\right\rangle には F22=F4\mathbb F_{2^{2}}=\mathbb F_4 が対応する。

中間体の数え方

F26\mathbb F_{2^{6}} の部分体は F2d\mathbb F_{2^{d}}(d∣6d\mid6)でちょうど 11 つずつ。66 の約数は 1,2,3,61,2,3,6 の 44 個なので中間体も 44 個である。ガロア対応を経由しなくても同じ結論が得られる。

Φ\Phi が自己同型であること

標数 22 では (x+y)2=x2+y2\left(x+y\right)^{2}=x^{2}+y^{2}(二項係数 22 が 00)なので Φ\Phi は加法も保つ。Φ6=id\Phi^{6}=\mathrm{id}(すべての x∈F64x\in\mathbb F_{64} で x64=xx^{64}=x)で、Φd≠id\Phi^{d}\neq\mathrm{id}(0<d<60<d<6)だから位数はちょうど 66 である。

失点しやすい点

「中間体」に F2\mathbb F_2 と KK 自身を含めるかどうかで答えが 44 か 22 に変わる。どちらの立場か明示して答える。

代数学:\mathbb F_2 上の x^6+x^3+1 と有限体の拡大の途中式・最終答をPDFで見る

第7問 — 幾何学:弧長助変数で表した回転面のガウス曲率

E=1E=1 の意味

vv を固定した曲線(母線を回転させたもの)が弧長でパラメータ付けされている。線素は ds2=du2+g(u)2dv2ds^{2}=du^{2}+g\left(u\right)^{2}dv^{2} となり、回転面の標準形である。

F=0F=0 の意味

母線と緯線が直交する。回転面では常に成り立ち、以降の曲率計算が簡単になる理由でもある。

g>0g>0 の仮定

g(u)>0g\left(u\right)>0 は曲線が xx 軸に触れないこと(回転面が特異点をもたないこと)を保証する。g=0g=0 になる点では G=0G=0 となり、パラメータ表示が退化する。

設問2 ガウス曲率が gg のみで決まること

ガウスの驚異の定理との整合

第一基本量が E=1E=1、F=0F=0、G=g2G=g^{2} で、これは gg だけで決まる。曲率が内在量である以上、KK も gg だけで書けるはずである。この設問はその一般論を具体的に確かめている。

vv に依らないこと

KK が vv に依存しないのは回転対称性による。回転は等長変換なので曲率を保つ。

弧長でない場合

一般の (rcos⁡v,rsin⁡v,h(r))\left(r\cos v,r\sin v,h\left(r\right)\right) 型(zz 軸まわり、弧長でない)では K=h′h′′r(1+h′2)2K=\dfrac{h'h''}{r\left(1+h'^{2}\right)^{2}} と複雑になる。弧長助変数を取ることで −g′′/g-g''/g という最も簡潔な形が得られる。

失点しやすい点

∣pu×pv∣=g\left|\bm p_u\times\bm p_v\right|=g となる計算で弧長条件を使う。EG−F2=g\sqrt{EG-F^{2}}=g からも同じ値が得られるので、両方で確かめるとよい。

設問3 曲率が一定になる例

条件の確認を忘れない

問題は f′>0f'>0、g>0g>0、f′2+g′2=1f'^{2}+g'^{2}=1 を課している。KK の値を合わせるだけでなく、この 33 条件が定義域 II 上で成り立つことを示して初めて「例」になる。とくに ∣g′∣<1\left|g'\right|<1 が必要である。

K=−1K=-1 の場合

g′′=gg''=g より g=cosh⁡ug=\cosh u などが解だが、g′=sinh⁡ug'=\sinh u で ∣g′∣<1\left|g'\right|<1 を保つには ∣u∣<arcsinh⁡1\left|u\right|<\operatorname{arcsinh}1 に制限される。得られるのは擬球(トラクトリックスの回転面)に相当する曲面である。定義域が制限される点で K≥0K\ge0 の例より扱いにくい。

定曲率曲面の分類

KK が定数の回転面は、K>0K>0 なら球面型、K=0K=0 なら円柱・円錐・平面型、K<0K<0 なら擬球型に分かれる。g′′+cg=0g''+cg=0 の解の形(三角関数・11 次式・双曲線関数)がそのまま対応している。

失点しやすい点

gg を決めたら ff も明示的に与える。f′=1−g′2f'=\sqrt{1-g'^{2}} を積分できる gg を選ぶのが、答案を短くするこつである。

幾何学:弧長助変数で表した回転面のガウス曲率の途中式・最終答をPDFで見る

第8問 — 位相空間:ハミング距離と離散的な距離空間

ハミング距離

dd は符号理論で使われるハミング距離である。通常は有限集合の直積上で考えるが、成分の集合が R\mathbb R でも定義と証明はそのまま通る。

n=1n=1 の場合

d(x,y)=δ′(x,y)d\left(x,y\right)=\delta'\left(x,y\right) は離散距離(異なれば 11、等しければ 00)である。一般の nn はその nn 個の和になっている。

三角不等式の証明の型

「左辺が 00 なら自明、11 なら右辺も 11 以上」という場合分けが最短である。δ\delta のまま扱うより δ′=1−δ\delta'=1-\delta に置き換えたほうが不等号の向きが素直になる。

設問2 B(0;2)B\left(\bm 0;2\right) の図示

ふつうの球と違うこと

ユークリッド距離なら半径 22 の開球は円板だが、ここでは面積 00 の 11 次元集合になる。距離が整数値しか取らないため、球の形が離散的な条件に翻訳されるからである。

他の半径の場合

0<r≤10<r\le1 なら B(0;r)={0}B\left(\bm 0;r\right)=\left\{\bm 0\right\}(11 点集合)。r>2r>2 なら B(0;r)=R2B\left(\bm 0;r\right)=\mathbb R^{2} 全体。半径を連続的に変えても球は 33 通りしか現れない。

11 点集合が開集合

B(0;1)={0}B\left(\bm 0;1\right)=\left\{\bm 0\right\} が開集合なので、この位相は離散位相である。したがって任意の部分集合が開かつ閉になる。

設問3 点列 {Pk}\left\{P_k\right\} の収束

ユークリッド距離との対比

通常の距離では ∥Pk−0∥=n/k→0\left\|P_k-\bm 0\right\|=\sqrt n/k\to0 で収束する。同じ点列でも入れる距離を変えると収束・発散が変わるという、位相を意識させる例である。

離散位相での収束

設問 22 の注意のとおり dd は離散位相を定める。離散位相では、点列が収束するのは「ある番号以降ずっと同じ点」の場合に限る。PkP_k はすべて相異なるので収束しない。

完備性

(Rn,d)\left(\mathbb R^{n},d\right) は完備である。コーシー列は途中から距離 00、すなわち定数列になるので必ず収束する。離散距離の空間は常に完備で、有界でもある(d≤nd\le n)が、コンパクトではない(Rn\mathbb R^{n} は非可算個の孤立点をもつ)。

失点しやすい点

「1/k→01/k\to0 だから収束する」と直感で答えない。収束は距離に関する定義に戻って判定する。

位相空間:ハミング距離と離散的な距離空間の途中式・最終答をPDFで見る

第9問 — 複素解析:長方形積分路と π の級数表示

(−1)n\left(-1\right)^{n} の出どころ

cos⁡πn=(−1)n\cos\pi n=\left(-1\right)^{n} である。sin⁡πz\sin\pi z を分母にもつ関数を積分すると交代級数が現れるのはこのためで、逆に πtan⁡πz\dfrac{\pi}{\tan\pi z} を使うと符号のない級数になる。

2πi2\pi i が 2i2i になる理由

z=nz=n の留数の分母に π\pi が含まれるので、2πi2\pi i と約分して 2i2i が残る。±k\pm k の項では約分が起こらないので π\pi が分子に残り、πksin⁡πk\dfrac{\pi}{k\sin\pi k} の形になる。

辺上に極がないこと

横幅を ±(N+12)\pm\left(N+\frac12\right) と半整数に取っているのは、鉛直な辺が整数点を避けるためである。設問 22 の ∣sin⁡πz∣≥1\left|\sin\pi z\right|\ge1 もこの取り方のおかげで成り立つ。

設問2 ∣sin⁡πz∣\left|\sin\pi z\right| の下からの評価

22 つの評価の質の違い

鉛直な辺での下界 11 は NN に依らない定数だが、水平な辺での下界 sinh⁡πN\sinh\pi N は指数的に大きくなる。この差が設問 33 と設問 44 の議論の違いを生む。

半整数を選ぶ理由

Re⁡z\operatorname{Re}z が整数だと sin⁡πz\sin\pi z が 00 に近づき得るが、半整数なら ∣sin⁡πz∣\left|\sin\pi z\right| が最大値側で押さえられる。長方形の幅を 2N+12N+1 に取る設計はこのためである。

公式の導出

∣sin⁡(x+iy)∣2=sin⁡2xcosh⁡2y+cos⁡2xsinh⁡2y=sin⁡2x(1+sinh⁡2y)+cos⁡2xsinh⁡2y=sin⁡2x+sinh⁡2y\left|\sin\left(x+iy\right)\right|^{2}=\sin^{2}x\cosh^{2}y+\cos^{2}x\sinh^{2}y =\sin^{2}x\left(1+\sinh^{2}y\right)+\cos^{2}x\sinh^{2}y=\sin^{2}x+\sinh^{2}y。

設問3 鉛直な辺の寄与

t2t^{2} を捨てないこと

1a2+t2≤1a2\dfrac{1}{a^{2}+t^{2}}\le\dfrac{1}{a^{2}} と粗く評価すると ∣J∣≤2Na2≃2NN=2\left|J\right|\le\dfrac{2N}{a^{2}}\simeq\dfrac{2N}{N}=2 となり、00 に収束することが示せない。積分区間の長さが 2N2N と伸びるので、被積分関数の tt 依存性を残す必要がある。

arctan⁡\arctan の上界

arctan⁡θ<π2\arctan\theta<\dfrac{\pi}{2} を使う。より粗く ∫−∞∞dta2+t2=πa\displaystyle\int_{-\infty}^{\infty}\frac{dt}{a^{2}+t^{2}}=\frac{\pi}{a} としてもよい。

左の辺も同様

z=−N−12+tiz=-N-\frac12+ti でも ∣sin⁡πz∣=cosh⁡πt≥1\left|\sin\pi z\right|=\cosh\pi t\ge1、∣z∣2\left|z\right|^{2} は同じ値なので、まったく同じ評価が成り立つ。

設問4 水平な辺の寄与

設問3より易しい理由

分母に sinh⁡(Nπ)\sinh\left(N\pi\right) という指数因子があるので、多項式の評価はいくら粗くてもよい。設問 33 のように積分の中身を丁寧に見る必要はない。

kk が固定であること

kk は「整数でない実定数」なので N→∞N\to\infty に対して固定されている。したがって NN が十分大きければ N2−k2>0N^{2}-k^{2}>0 が保証される。

下の辺も同様

z=s−Niz=s-Ni では ∣sin⁡πz∣2=sin⁡2πs+sinh⁡2(−πN)\left|\sin\pi z\right|^{2}=\sin^{2}\pi s+\sinh^{2}\left(-\pi N\right) で、sinh⁡\sinh が奇関数でも 22 乗すれば同じ。評価は変わらない。

設問5 π\pi の級数表示

数値による確認

n=0n=0 の項は 2⋅1=22\cdot1=2。n=±1n=\pm1 の項は 2⋅−1−3×2=432\cdot\dfrac{-1}{-3}\times2=\dfrac43 を加えるので 2+1.333=3.3332+1.333=3.333。 n=±2n=\pm2 で 2⋅1−15×2=−0.2672\cdot\dfrac{1}{-15}\times2=-0.267、 n=±3n=\pm3 で 2⋅−1−35×2=0.1142\cdot\dfrac{-1}{-35}\times2=0.114。 3.333−0.267+0.114=3.1803.333-0.267+0.114=3.180 で π=3.1416\pi=3.1416 に近づいている。交代級数なので収束は遅いが確実である。

半整数を代入する必然性

kk は整数であってはならないので、最も簡単な選択が k=12k=\frac12 である。しかも sin⁡πk=1\sin\pi k=1 となって右辺が最も簡単になる。

一般公式の別の使い道

∑n(−1)nk2−n2=πksin⁡πk\displaystyle\sum_n\frac{\left(-1\right)^{n}}{k^{2}-n^{2}}=\frac{\pi}{k\sin\pi k} は πsin⁡πk\dfrac{\pi}{\sin\pi k} の部分分数展開に他ならない。同様に πtan⁡πk\dfrac{\pi}{\tan\pi k} の展開は ∑n1k−n\sum_n\dfrac{1}{k-n} の形になる。sin⁡πz\sin\pi z を分母にもつ関数を長方形で積分する、という手法がこれらの公式を統一的に与える。

失点しやすい点

和の範囲が n=−∞n=-\infty から ∞\infty までであることに注意する。nn と −n-n の項は k2−n2k^{2}-n^{2} が偶関数なので等しく、n≥1n\ge1 の分を 22 倍して n=0n=0 の項を足す形にも書ける。

複素解析:長方形積分路と π の級数表示の途中式・最終答をPDFで見る

年度別の解答例(6年度)

  • 2026年度 春季(2026年2月実施)(全9問)

    線形代数:固有値・対角化可能性・ジョルダン標準形と冪 / 線形代数:可換な行列の共通固有ベクトルと同時対角化 / 微分積分:チェザロ平均と重み付き平均の極限

  • 2026年度 夏季(2025年7月実施)(このページ・全9問)

    線形代数:パラメータ付き線形写像の全射性・核・像 / 線形代数:冪等行列の固有値・固有空間・対角化可能性 / 微分積分:逆関数定理と逆関数の縮小性

  • 2025年度 春季(2025年2月実施)(全9問)

    線形代数:4次行列の核・固有空間・対角化可能性 / 線形代数:基底の取り替えと表現行列・対角化可能性 / 微分積分:絶対収束による広義積分の存在と sin x の評価

  • 2025年度 夏季(2024年7月実施)(全9問)

    線形代数:多項式空間上の線形写像と表現行列 / 線形代数:A^4=E を満たす行列の構造 / 微分積分:log(1+x)/x と (1+x)^1/x の連続延長とマクローリン展開

  • 2024年度 春季(2024年2月実施)(全9問)

    線形代数:シルベスター方程式 AX-XB と共通固有値 / 線形代数:{}^tAA と A{}^tA の固有値から行列を復元する / 微分積分:多重極限の非存在と単調増加列による広義重積分

  • 2024年度 夏季(2023年7月実施)(全9問)

    線形代数:パラメータ付き3次行列の固有値と対角化・ジョルダン標準形 / 線形代数:3つの1次因子で零化される行列の構造 / 微分積分:一様連続性の定義と判定

2026年度 夏季(2025年7月実施)の出題内容

全9問

この9問の分野は線形代数2問・代数2問・位相・幾何1問・微分積分・解析1問です。

大問分野主題解説の小見出し最終答
第1問線形代数パラメータ付き線形写像の全射性・核・像全射性の言い換え / 4>3 なので単射にはならないあり
第2問線形代数冪等行列の固有値・固有空間・対角化可能性最小多項式による見方 / 両方が現れるとは限らないあり
第3問微分積分・解析逆関数定理と逆関数の縮小性開区間になる理由 / f&#x27;>1 という強い評価あり
第4問—微分積分:2変数関数の停留点とヘッセ行列による極値判定f_x の因数分解が効く / 対称性あり
第5問代数分母が p 冪の有理数のなす群の自己準同型環G の正体 / 表示は一意でないあり
第6問代数\mathbb F_2 上の x^6+x^3+1 と有限体の拡大一般化 / s の意味あり
第7問—幾何学:弧長助変数で表した回転面のガウス曲率E=1 の意味 / F=0 の意味あり
第8問位相・幾何ハミング距離と離散的な距離空間ハミング距離 / n=1 の場合あり
第9問—複素解析:長方形積分路と π の級数表示(-1)^n の出どころ / 2π i が 2i になる理由あり

2026年度 夏季(2025年7月実施)の解説には失点しやすい点9件・検算1件が付いています。

前年度(2025年度 春季(2025年2月実施))との違い

大問数
2025年度 春季(2025年2月実施) 9問 → 2026年度 夏季(2025年7月実施) 9問
2025年度 春季(2025年2月実施)の解答例

立教大学の公式過去問

公開年度範囲
2022〜2026年度の夏季・春季(直近は2024〜2026年度)
公式の解答例
一部の年度・科目のみ公開
英語の扱い
英語は外部試験のスコア提出。専門科目の数学のみ問題を掲載している。
院試hubの最終確認
2026-09-05
立教大学の公式過去問PDF