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広島大 先進理工系科学研究科 数学プログラム 数学 一般A(令和4年8月実施・午前) 院試 過去問 解答例・解説(全3問)

全3問の分野は線形代数1問、微分積分・解析1問です。解説はすべて公開し、途中式と最終答は解答PDFに収録しています。問題本文は含みません。

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第1問 — 線形代数:階数条件と3周期線形写像

方針

(A) は,行列式で階数が落ちる候補を絞り,行の一次関係をそのまま右辺の整合条件に移す問題である。階数が 22 になった後は,独立な2本の方程式だけを解けばよい。

(B) は B=(I+A+A2)/3B=(I+A+A^2)/3 が射影になっていることを見抜くと整理しやすい。YY は AA の固定部分,XX は固定成分を取り除いた部分である。XX 上では A2+A+I=0A^2+A+I=0 が成り立つので,実数上では2次元ずつ回転する成分に分かれる。

典型ミス

  • a=1a=1 を出した後に,階数が本当に 22 である確認を落とさないこと。

  • 連立方程式の条件は q=2p+rq=2p+r である。第2行が第1行の2倍と第3行の和になっていることを右辺にも反映する。

  • YY の元に対して Ay=yAy=y となる理由は,AB=BAB=B と By=yBy=y の2つを使う。ここを省くと固有値 11 の結論が弱くなる。

採点上の注意

  • 射影の直和分解は v=(v−Bv)+Bvv=(v-Bv)+Bv と書くと短く確実である。

  • dim⁡X\dim X が偶数である説明では,J2=−IJ^2=-I を作るのが最も安全である。複素固有値の話だけで済ませる場合も,実空間なので共役対で次元が偶数になる点を明記する。

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第2問 — 解析:振動関数と対数特異性をもつ広義重積分

方針

(A) は「微分可能」と「導関数が連続」を混同しないことが大切である。f′(0)f'(0) は存在するが,x→0x\to0 で −cos⁡(1/x)-\cos(1/x) が振動するため導関数は 00 で連続ではない。一様連続性は導関数の有界性だけで全域を一発処理しようとせず,原点近くのコンパクト部分と無限遠の部分に分けると安全である。

(B) は極座標と s=e−r2s=e^{-r^2} の置換が本体である。符号を含む積分 II は正負をそのまま計算し,収束判定では絶対値のべきにより無限遠での指数減衰が e−(2+α)r2e^{-(2+\alpha)r^2} に変わる点を見る。

典型ミス

  • f′(0)f'(0) を −cos⁡(1/x)-\cos(1/x) の振動から存在しないと判断しないこと。原点で見るべきなのは差商 hsin⁡(1/h)h\sin(1/h) である。

  • log⁡(1−e−r2)\log(1-e^{-r^2}) は負である。II の計算では符号を落とすと答えが逆になる。

  • IαI_\alpha の原点側は任意の α\alpha で収束する。判定を決めるのは無限遠側である。

採点上の注意

  • 一様連続性の証明は,コンパクト部分と外側の Lipschitz 評価を明示すれば十分に説得的である。

  • 収束判定では,r→0r\to0 と r→∞r\to\infty の2端点を分けて書く。広義積分なので片方だけの議論では不十分である。

解析:振動関数と対数特異性をもつ広義重積分の途中式・最終答をPDFで見る

第3問 — 位相:内部の逆像と余有限位相

方針

(A) は,内部の定義を「その点を含み集合に含まれる開近傍がある」と言い換えるだけで証明できる。逆方向は,AA を開集合に限定すると Int⁡A=A\operatorname{Int}A=A になるので,連続性の定義に戻る。

(B) は余有限位相の基本性質である。開集合は「空でない限り,補集合が有限」の集合であり,閉集合は「有限集合または全体」である。したがって無限集合はすべて稠密になる。

典型ミス

  • (A)(2) で単射や恒等写像を選ぶと等号になりやすい。定数写像と単点集合を使うと差が明確に出る。

  • (A)(3) では,任意の部分集合ではなく開集合 UU に適用する。Int⁡U=U\operatorname{Int}U=U として逆像が開くことを示せば十分である。

  • 余有限位相で有限集合は閉集合であり,無限集合は閉とは限らない。通常位相の直感で Z\mathbb Z が閉と判断しないこと。

採点上の注意

  • 位相の公理は「全体・空集合」「任意和」「有限交叉」を分けて確認する。

  • Z‾=C\overline{\mathbb Z}=\mathbb C の理由は,閉集合の分類から一行で書ける。

  • 最後は f(A‾)⊂f(A)‾f(\overline A)\subset\overline{f(A)} を使うと短い。直接証明する場合も,Z\mathbb Z が稠密で単点集合が閉であることを明示する。

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年度別の解答例(8年度)

  • 2026年度 一般A(全3問)

    行列式・逆行列・固有値・ジョルダン標準形・可換子 / 一様連続性・関数項級数・広義重積分 / 第3問 (I)/(II) 選択

  • 2025年度 一般A(全3問)

    線形代数:逆行列・連立方程式と多項式空間上の線形写像 / 解析:関数列の一様収束と多変数関数の極値 / 第3問 (I)/(II) 選択

  • 一般A(令和5年8月実施・午前)(全3問)

    線形代数:平面部分空間と線形変換 / 解析:関数列・関数項級数と重積分 / 位相:逆像位相と部分空間位相

  • 一般A(令和5年8月実施・午後)(全9問)

    問4:群準同型・有限指数部分群・行列群 / 問5:多項式環の準同型と核イデアル / 問6:実射影平面の二次埋め込み

  • 2024年度 一般B(全3問)

    線形代数:交代行列・対称行列と内積 / 微分積分:x log sin x の解析と級数 / 第3問 (I)/(II) 選択:位相 / 確率

  • 一般A(令和4年8月実施・午前)(このページ・全3問)

    線形代数:階数条件と3周期線形写像 / 解析:振動関数と対数特異性をもつ広義重積分 / 位相:内部の逆像と余有限位相

  • 一般A(令和4年8月実施・午後)(全5問)

    問8:Möbius変換・留数計算・Schwarz型評価 / 問9:積分の等号条件と正則変動型の極限 / 問10:混合正規分布と切断平均

  • 2023年度 一般B(全3問)

    線形代数:べき零行列と逆行列・対角化と極限 / 多変数関数の連続・偏微分・重積分 / 第3問 (I)/(II) 選択

一般A(令和4年8月実施・午前)の出題内容

全3問

この3問の分野は線形代数1問・微分積分・解析1問です。

大問分野主題解説の小見出し最終答
第1問線形代数階数条件と3周期線形写像採点上の注意あり
第2問微分積分・解析振動関数と対数特異性をもつ広義重積分採点上の注意あり
第3問内部の逆像と余有限位相採点上の注意あり

一般A(令和4年8月実施・午前)の解説には採点上の注意3件・典型ミス3件が付いています。

前年度(一般A(令和4年8月実施・午後))との違い

大問数
一般A(令和4年8月実施・午後) 5問 → 一般A(令和4年8月実施・午前) 3問
一般A(令和4年8月実施・午後)の解答例

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公開年度範囲
2020〜2026(プログラムにより差あり)
公式の解答例
一部の年度・科目のみ公開
英語の扱い
TOEFL/TOEIC スコア提出。学内英語試験はプログラムにより異なる。
院試hubの最終確認
2026-06-03
広島大学の公式過去問PDF