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院試 信号処理の出題傾向と対策

院試 信号処理の出題傾向。フーリエ変換・ラプラス変換・Z変換・サンプリング定理・ディジタルフィルタの頻出パターンと、電気・情報通信系研究科ごとの試験範囲、答案で失点しやすい論点を整理します。

院試 信号処理 は、電気・電子・情報通信系の研究科を志望する受験生にとって、専門試験の配点の中で大きな割合を占める分野です。連続時間信号のフーリエ・ラプラス解析と、離散時間信号のZ変換・離散フーリエ変換(DFT)・FIR/IIRフィルタ設計の双方を、計算と図示の両方で答案にすぐ落とせる状態が求められます。ベクトル解析や複素関数論を前提とする計算が多く、基礎数学が崩れていると問題に取り組めません。本記事では信号処理を出題する研究科の傾向と頻出パターン、答案で失点しやすい論点、推奨教科書を整理します。

この分野が出題される大学・研究科

信号処理を主要試験科目として出題するのは、東京大学 情報理工学系研究科 電子情報学、九州大学 システム情報科学府 電気電子工学、東北大学 工学研究科 電気・情報工学、東京科学大学 工学院 情報通信系・電気電子系、電気通信大学 情報理工学研究科 電気・電子・光デバイスなどです。電気電子系では連続時間信号と回路理論を絡めた問題が中心、情報通信系ではディジタル信号処理(サンプリング、FIRフィルタ設計、FFT)が中心という傾向があります。連続・離散の境目(サンプリング定理、ZOH再構成、エイリアシング)は研究科を問わず頻出です。

頻出の出題パターン

信号処理の試験で頻出のサブトピックは以下です。フーリエ・ラプラス・Z変換の3つの直交した変換を、目的に応じて使い分けられるかが鍵になります。

  • 連続時間信号:たたみ込み、LTIシステムのインパルス応答、周波数応答
  • フーリエ級数・フーリエ変換:周期信号・非周期信号の周波数領域表現、パーセバルの等式
  • ラプラス変換:初期値・最終値定理、伝達関数、極と零点
  • サンプリング定理:ナイキスト周波数、エイリアシング、再構成フィルタ
  • 離散時間信号:差分方程式、Z変換、安定性(極の単位円内)
  • 離散フーリエ変換:DFT・FFT、循環たたみ込み、スペクトル漏れ
  • ディジタルフィルタ設計:FIR(窓関数法、Parks-McClellan)、IIR(双線形変換、インパルス不変変換)
  • ランダム信号:自己相関関数、パワースペクトル密度、ウィーナー・キンチンの定理

答案で失点しやすいポイント

信号処理の答案で最も多い失点は、フーリエ変換の定義(規約)の不一致です。F(ω) = ∫ f(t) e-iωtdt とするか F(ω) = (1/2π) ∫ ... とするかで係数が変わるため、答案冒頭で採用する定義を明示しないと、パーセバルの等式や反転公式の係数が一意に決まりません。サンプリング定理を扱う問題では、サンプリング周波数とスペクトルのコピー間隔の関係、再構成フィルタの通過帯域幅の指定をスペクトル図で示さないと、エイリアシングの有無を採点者が判別できません。Z変換では収束領域(ROC)を明示しないと、同じ式が異なる時間関数を意味することになり、逆変換で誤答が出ます。フィルタ設計問題では、設計仕様(通過域・阻止域のゲイン、リップル、位相)と設計パラメータの対応を答案で接続させないと部分点を取り切れません。DFTを扱う問題では、線形たたみ込みと循環たたみ込みの違いを明示せず長さを揃えるためのゼロパディングを書き忘れる答案が頻出失点です。ランダム信号のパワースペクトル密度を求める問題では、自己相関関数の定義(時間平均かアンサンブル平均か)と定常性の仮定を1行添えるのが基本動作です。

推奨教科書・参考書

  • Oppenheim-Schafer『Discrete-Time Signal Processing』:事実上の標準
  • Oppenheim-Willsky『Signals and Systems』:連続・離散の両方をカバー
  • 樋口龍雄『ディジタル信号処理』(昭晃堂)
  • 谷萩隆嗣『ディジタル信号処理』(コロナ社)
  • 佐藤幸男『信号処理入門』(オーム社)
  • 『大学院入試問題集』各社:実戦演習用

院試hub の解答パックでカバーされる範囲

院試hub では信号処理が試験範囲に含まれる電気・情報通信系研究科について、年度別の解答パックを揃えています。東北大 工学研究科 電気・情報工学電通大 電気・電子・光デバイス東京科学大 工学院 情報通信系 などを横断的に確認することで、連続時間系と離散時間系の問題比重の差を整理できます。公式PDFを自力で解いてから答案を突き合わせ、フーリエ変換の定義と収束領域の指定を解答パックで点検する順番で使ってください。

公開前に必ず最新の公式募集要項・公式過去問ページで試験科目・出題範囲を確認してください。

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