東北 · 東北大学
東北大 電気・情報系 院試 過去問対策|6回分の解答制作で見えた2024年8月以降の3題選択戦略
東北大学大学院 電気・情報系の2023年8月〜2026年3月実施回の解答制作メモから、旧12題構成から新6題構成への変化、3題選択の判断、電磁気・回路・計算機・物理・数学の具体対策を整理します。
最終更新: 2026-05-23
この記事は、東北大学大学院 電気・情報系の募集要項をまとめるための記事ではありません。InshiHubで2023年8月、2024年3月、2024年8月、2025年3月、2025年8月、2026年3月実施回の解答TeXを作ったときに見た、問題見出し、科目変更前後の構成差、3題選択で事故りやすい箇所を整理します。
東北大 電気・情報系は、2024年8月実施分から試験科目が変わったことが公式ページで案内されています。解答制作の実感としても、2023年8月と2024年3月は基礎・専門が分かれた12題構成、2024年8月以降は6題構成になり、受験生に求められる力は「全部を薄く知る」より「6題を見て、勝てる3題を即決する」方向へ寄っています。
6回分を解答化して見えた構成変化
2023年8月と2024年3月は12題分を解答化しました。2024年8月以降は、電磁気、電気回路、計算機ハードウェア、計算機ソフトウェア、物理、数学基礎に相当する6題を扱う形です。以下は、問題本文ではなく、解答ファイルの見出しから作った対策用の地図です。
| 実施回 | 解答制作で確認したテーマ | 対策上の意味 |
|---|---|---|
| 2026年3月 | 電磁誘導、二端子対回路、全加算器とMUX、関係の性質、井戸型ポテンシャル、線形代数と積分 | 新6題構成の典型。電気系と情報系のどちらでも、数学基礎を保険にできると強い。 |
| 2025年8月 | 平面電磁波の反射と透過、線路負荷と過渡応答、JKフリップフロップ、文脈自由文法、トンネル効果、ラプラス変換と幾何 | 電磁波・伝送線路・計算機をまたぐ年度。電磁気と回路を両方取るなら波の境界条件が鍵。 |
| 2025年3月 | 平行導体と接地平板、無損失伝送線路、3値入力論理、再帰と高速累乗、二準位系の統計力学、級数と行列 | 情報系出身者が戦いやすい。再帰・論理・数学で2題を作り、電気回路か物理を足す設計が可能。 |
| 2024年8月 | 静電界と静電容量、共振回路と変圧器、論理式の簡単化、二分探索木、Drude模型とHall効果、正則関数と対角化 | 科目変更後の最初の回。電磁気と回路は標準寄り、情報は論理とデータ構造が分かれる。 |
| 2024年3月 | 中空円筒導体、結合インダクタ、多数決関数、直積、剛体運動、ラプラス変換、制御系、AM受信機、MOSFET、順序回路、スタック機械、有限幅ポテンシャル | 旧12題構成。現行6題対策にも、各科目の典型論点を拾う練習として使える。 |
| 2023年8月 | 同心球導体、並列交流回路、リード・マラー標準形、写像、転がる球、正規直交化、電磁石と制御、整流波形、BJT、順序回路、再帰関数、半無限障壁 | 旧構成の総合演習。現在の6科目にない制御・電子回路・通信系も含まれるため、現行対策では取捨選択が必要。 |
最初の5分で3題を選ぶ
工学研究科・医工学研究科の受験者は、公式ページ上では6題中3題を選ぶ形です。6題すべてを丁寧に読むと時間が溶けるので、最初の5分で次の分類をつけます。
| 分類 | 見分け方 | 本番判断 |
|---|---|---|
| 即決候補 | 静電容量、電磁誘導、二端子対、伝送線路、全加算器、MUX、論理式簡単化、二分探索木、行列対角化 | 解法の型が見えるなら最初に取る。計算量が読める問題で答案の土台を作る。 |
| 準備済みなら取る | 平面波の反射透過、Drude模型、トンネル効果、井戸型ポテンシャル、文脈自由文法、再帰関数 | 得意分野なら強いが、未習なら時間を食う。小問の前半だけ取る判断もあり。 |
| 最後に回す | 旧構成の制御系、AM受信機、MOSFET、BJT、整流波形、剛体運動など、現行6題の主軸から外れやすい論点 | 過去問演習では使うが、現行試験の主戦場とは切り分ける。 |
科目別に何を鍛えるか
電磁気学
新6題構成では、静電界、静電容量、電磁誘導、平面電磁波、反射透過が中心に見えます。2023年8月の同心球導体、2024年3月の中空円筒導体、2024年8月の静電容量、2025年3月の平行導体、2025年8月の平面波、2026年3月の電磁誘導を見ると、境界条件と向きの定義が答案の命です。宇野・白井『電磁気学』なら3〜10章を、式の導出より境界条件の置き方に寄せて使います。
電気回路
回路は、共振回路、変圧器、伝送線路、二端子対、過渡応答がよく出ます。2025年8月の線路負荷と過渡応答、2026年3月の二端子対回路は、定義式と符号規約がずれると答案が崩れます。Nilssonを使うなら、回路定理、二端子対、過渡応答、伝送線路の章だけを過去問に合わせて戻るのが効率的です。
計算機ハードウェア
2024年8月の論理式簡単化、2025年3月の3値入力論理、2025年8月のJKフリップフロップ、2026年3月の全加算器とMUXを見ると、論理式を回路へ落とす力がそのまま点になります。カルノー図だけでなく、標準形、最簡形、順序回路、有限オートマトンまで答案にできる状態にしておきます。
計算機ソフトウェア
ソフトウェアは、二分探索木、再帰と高速累乗、文脈自由文法、関係の性質が見えています。Cormenを全部読む必要はありません。計算量、木、再帰、構文解析、関係・写像の証明を、短い答案で説明できるようにしてください。情報系出身者はここを即決候補にできます。
物理
物理は、井戸型ポテンシャル、トンネル効果、二準位系、Drude模型とHall効果が中心です。量子力学と熱物理・固体物理の入口が混ざるため、物理出身者には得点源ですが、電気回路・情報系だけで来た受験生には重い科目です。取るなら井戸型ポテンシャルとトンネル効果を先に固めるのが安全です。
数学基礎
数学基礎は、線形代数、ラプラス変換、複素関数、幾何が見えます。2024年8月の正則関数と対角化、2025年8月のラプラス変換と幾何、2026年3月の線形代数と積分は、電気系・情報系どちらの受験生にも保険になり得ます。公式の教科書例どおり、線形代数と応用数学を短時間で確認する価値があります。
答案で落としやすい条件
- 電磁気で、法線方向・電位基準・境界条件を書かずに容量や反射係数を計算する。
- 回路で、二端子対の電流向きと行列定義を答案の途中で変えてしまう。
- 計算機ハードウェアで、真理値表から論理式、論理式から回路への対応を省略する。
- 計算機ソフトウェアで、再帰の停止条件や計算量の根拠を書かない。
- 物理で、波動関数の連続条件、規格化、透過・反射係数の定義を曖昧にする。
- 数学基礎で、固有値の重複やラプラス変換の収束条件を確認しない。
参考書は公式キーワードに寄せて使う
| 科目 | 使う本 | 見る箇所 |
|---|---|---|
| 電磁気 | 宇野亨・白井宏『電磁気学』、Nathan Ida | 静電界、誘電体、静磁界、電磁誘導、Maxwell方程式、平面波 |
| 電気回路 | 大野克郎・西哲生『大学課程 電気回路』、Nilsson | 回路定理、二端子対、伝達関数、過渡応答、分布定数線路 |
| 計算機ハードウェア | 笹尾勤『論理設計』、阿曽弘具『計算機学入門』 | 論理関数、標準形、最簡形、組合せ回路、順序回路 |
| 計算機ソフトウェア | Cormen、Rosen、Sebesta | 計算量、木、再帰、集合・関係、文法、構文解析 |
| 物理 | Griffiths、Kittel | 井戸型ポテンシャル、障壁、トンネル効果、ボルツマン分布、自由電子気体 |
| 数学基礎 | 内田・浦川『線形代数概説』、田中ほか『電子情報系の応用数学』、Arfken | 行列、固有値、線形空間、フーリエ解析、複素関数、ラプラス変換 |
後回しにしてよいもの
旧12題構成に含まれていた制御系、AM受信機、MOSFET、BJT、整流波形、剛体運動は、過去問演習としては価値があります。ただし2024年8月以降の新6題構成だけを短期で対策するなら、まずは公式の6科目表にある電磁気、電気回路、計算機ハードウェア、計算機ソフトウェア、物理、数学基礎に絞った方がよいです。旧構成の専門科目を広げすぎると、現行の3題選択力が鈍ります。
6か月の演習配分
- 1か月目: 6科目を一度眺め、自分の本命3題と保険2題を決める。
- 2〜3か月目: 本命3題を章単位で復習。電磁気・回路なら境界条件と符号規約、情報系なら真理値表・再帰・計算量を固める。
- 4か月目: 2024年8月、2025年3月、2025年8月、2026年3月の新6題構成を時間無制限で解く。
- 5か月目: 6題を5分で読み、3題選択してから答案化する通し演習を繰り返す。
- 6か月目: 選ばなかった問題も含めて選択理由を記録し、本番で迷う科目を1つまでに減らす。
公式情報の確認場所
最新情報は、東北大学 電気・情報系の入試情報ページと、工学研究科の過去問題についてで確認してください。2026年5月23日時点で、電気・情報系ページには2024年8月実施分からの試験科目変更、6題からの選択方式、TOEFL iBT TestまたはTOEIC公開Testを使う英語スコア、過去問題PDF、出願前の教員相談推奨が掲載されています。
InshiHubの解答パックの使い方
東北大 電気・情報系 基礎専門科目の院試 過去問 解答PDFは、2023年8月〜2026年3月の6回分を同一購入単位で確認できるようにしています。おすすめは、まず公式PDFで6題を眺めて3題を選び、その理由をメモすること。その後に解答パックで、選んだ問題の答案条件と、選ばなかった問題の撤退理由を照合してください。
東北大 院試 の他専攻ガイド
東北大学大学院 工学研究科は、電気・情報系の他にも機械系・材料科学系が外部受験の対象になります。電気・情報系で身につけた「信号・回路の状態方程式と保存則の宣言」は、機械系の運動方程式・材料系の状態量定義でも同じ型として効きます。下記の同大学他専攻の院試ガイドも合わせて読むと、東北大 院試 全体の出題傾向と対策の見取り図ができます。
よくある質問
この大学・研究科の解答パック
上記の出題範囲をカバーするオリジナル解答・解説PDFを年度別に整備しています。
対応する解答パックを見る東北大学 東北大 電気情報 院試 — 出題範囲・倍率・日程・面接・研究計画書
筆記対策と並行して、東北大学 院試の倍率・日程・配点・出題範囲・面接対策・研究計画書・英語スコア要件・準備のタイムラインを確認できます。
よくある質問
- この記事の新規情報は何ですか。
- InshiHubで作成した東北大学 電気・情報系の2023年8月、2024年3月、2024年8月、2025年3月、2025年8月、2026年3月実施回の解答TeXを見直し、旧12題構成から新6題構成へ変わった後の選択戦略を整理した点です。募集要項の要約ではなく、実際の問題見出しと答案制作上の詰まりから逆算しています。
- 2024年8月以降は何が変わりましたか。
- 公式ページでは、2024年8月実施の秋季入試から試験科目変更があること、基礎専門科目6題が1冊の問題冊子で出題され、工学研究科と医工学研究科の受験者は3題を選ぶことが案内されています。解答制作上も、2023年8月と2024年3月の12題構成から、2024年8月以降は6題構成へ明確に変わっています。
- 工学研究科志望ならどの3題を選ぶのが安全ですか。
- 短期なら、電磁気、電気回路、計算機ハードウェアまたは計算機ソフトウェアを軸にし、物理と数学基礎を保険に置くのが現実的です。物理が得意なら電磁気・電気回路・物理、情報系出身なら計算機ハードウェア・計算機ソフトウェア・数学基礎を軸にできます。ただし本番の問題文を見てから3題を確定する訓練が必須です。
- 情報科学研究科の受験者も同じですか。
- 公式ページでは、情報科学研究科2群の受験者は6題中2題を選択すると説明されています。この記事は商品ページの対象である電気・情報系の基礎専門科目全体を扱いますが、3題選択の記述は主に工学研究科・医工学研究科の受験者を想定しています。出願先の研究科の最新案内を必ず確認してください。
- 英語スコアは何を使いますか。
- 公式ページでは、英語にTOEFL iBT TestまたはTOEIC公開Testのスコアを利用し、団体受験用のTOEFL ITPやTOEIC IPは認めないこと、入学試験実施日から過去2年以内のスコアを有効とすることが案内されています。詳細は必ず最新の公式ページで確認してください。
- InshiHubの解答パックはどう使うべきですか。
- 公式PDFを開いたら、まず6題を見て自分の3題選択を決め、その答案を残してから解答パックで照合してください。解答を先に読むより、選ばなかった問題も含めて選択理由を記録する使い方が、東北大電気・情報系では効果的です。