院試hub

東大 工学系研究科 精密工学専攻 専門学術(小論文) 2026年度 B日程 院試 過去問 解答例・解説(全7問)

全7問の分野は材料力学・材料2問です。解説はすべて、途中式と最終答は大問1問ぶんを公開しています。残りは解答PDFに収録しています。問題本文は含みません。

最終更新:

第1問 — 計測工学:ヘテロダイン干渉とザイデル収差

ホモダインとの対比を書く

「干渉で長さを測る」だけでは、なぜ二周波にするのかが説明できていない。情報を強度から位相へ移すことで直流ドリフトから切り離し、電気的な位相計測の分解能をそのまま持ち込める点と、方向判別ができる点が要点である。λ/2≈0.32 μm\lambda/2\approx0.32\,\mu\mathrm{m} や屈折率の 10−610^{-6} オーダの感度のように、数値を一つ二つ添えると桁の感覚が伝わる。

選択2 ザイデル収差

列挙で終わらせない

5種類を並べるだけの答案は多い。展開式で位置づけたうえで、hh と ρ\rho の次数から「軸上でも出るか」「像高のどこで効くか」を導ける形にすると差がつく。なお色収差は波長依存の収差であり、単色収差であるザイデル収差には含まれない。

併せて押さえたい用語

計量トレーサビリティは、不確かさが明示された切れ目のない校正の連鎖によって測定結果を国家標準・国際単位系へ結び付けている状態で、これがなければ工場間・国際間で同じ寸法が同じ意味をもたない。熱電対は異種金属の接合部の温度差が起電力を生むゼーベック効果を利用した温度センサで E=∫T0TS(T) dTE=\int_{T_0}^{T}S(T)\,dT と書け、基準接点補償が必須である。K型(クロメル--アルメル)は感度がおよそ 41 μV/K41\,\mu\mathrm{V/K}、使用範囲は約 −200-200〜1200 ∘C1200\,^\circ\mathrm{C} である。

解答

意味と原理

周波数がわずかに異なる二つの光波を重ね合わせ、生じるビート信号の位相から光路差を読み取る干渉計測法である。受光器は光強度に応答するので、周波数差を Δf\Delta f とすると I(t)=I0+I1cos⁡(2πΔf t+Δϕ)I(t)=I_0+I_1\cos(2\pi\Delta f\,t+\Delta\phi) となり、測定情報は明暗ではなく位相 Δϕ\Delta\phi に載る。干渉縞の明暗を数えるホモダイン干渉との決定的な違いがここにある。二周波光源には、軸方向磁場でゼーマン分裂させた He--Ne レーザ(差周波数は数 MHz 程度)や音響光学素子による周波数偏移を用い、偏光ビームスプリッタで参照光路と測定光路に分けて再合成する。コーナキューブで往復させる測長構成では、屈折率 nn の媒質中で鏡が xx 動くと光路長が 2nx2nx 変わるので Δϕ=4πnxλ,ΔfD=2nvλ \Delta\phi=\frac{4\pi n x}{\lambda},\qquad \Delta f_{\mathrm D}=\frac{2nv}{\lambda} となる。後者は速度 vv の鏡が与えるドップラー周波数で、ビート周波数の増減がそのまま運動方向を示す。位相1周期が変位 λ/2\lambda/2(λ=633 nm\lambda=633\,\mathrm{nm} で約 0.32 μm0.32\,\mu\mathrm{m})に対応し、1/10001/1000 程度まで内挿すれば分解能は 0.3\,nm 台になる。

誤差要因と応用

実用精度を決めるのは原理ではなく周辺条件である。偏光の漏れや混合は1周期・半周期の周期誤差として数 nm の残差を生み、参照光路との光路長差(デッドパス)が大きいと環境変動がそのまま誤差になる。空気中では屈折率が支配的で、温度が 1 K1\,\mathrm{K} 変われば約 1×10−61\times10^{-6}、気圧が 1 hPa1\,\mathrm{hPa} 変われば約 3×10−73\times10^{-7} の光路長変化を生むため、環境を測ってエドレンの式で補正するか真空中で測る。ほかにアッベ誤差や余弦誤差が加わる。露光装置や工作機械のステージ計測、三次元測定機の軸校正、レーザドップラー振動計に用いられ、光コムによる絶対距離測定へ発展している。

意味と波面収差による整理

軸対称光学系で正弦を3次まで展開したときに現れる5種類の単色収差、すなわち球面収差・コマ収差・非点収差・像面湾曲・歪曲の総称である。近軸理論は1次項だけを残した理想結像であり、そこから最初にずれる項が3次収差にあたる。規格化した瞳座標を (ρ,θ)(\rho,\theta)、像高を hh とすると W(h,ρ,θ)=W040ρ4+W131hρ3cos⁡θ+W222h2ρ2cos⁡2θ+W220h2ρ2+W311h3ρcos⁡θ W(h,\rho,\theta)=W_{040}\rho^{4} +W_{131}h\rho^{3}\cos\theta +W_{222}h^{2}\rho^{2}\cos^{2}\theta +W_{220}h^{2}\rho^{2} +W_{311}h^{3}\rho\cos\theta と書け、各項が順に上記5種に対応する。球面収差は hh に依存せず軸上でも残り、縦収差は瞳半径の2乗、横収差は3乗に比例する。コマは軸外で像が尾を引く収差で、球面収差のない系では正弦条件 nysin⁡u=n′y′sin⁡u′ny\sin u=n'y'\sin u' を満たせば消える。非点収差はメリジオナル像面とサジタル像面が分離する収差で像高の2乗で効き、これが消えたときに残る像面がペッツバール面である。像面湾曲は薄肉レンズ系ではペッツバール和 ∑i1/(nifi)\sum_i 1/(n_if_i) を0にすれば平坦化でき、歪曲は倍率が像高に依存する収差で点像の鮮鋭さは損なわない。

精密工学における意義

露光装置、顕微鏡、マシンビジョン、三次元形状計測では収差が測定不確かさへ直結する。重要なのは、校正で補正できる収差とできない収差を分けて扱うことである。歪曲は像高に対する写像の歪みなので r′=r(1+k1r2+k2r4)r'=r(1+k_1r^{2}+k_2r^{4}) のようなモデルを同定すれば補正できる。一方、球面収差・コマ・非点収差は点像分布を広げるので、分解能と重心推定の再現性を直接損ない、後処理では取り戻せない。補正は絞り位置、曲率と屈折率の配分、非球面で行うが、必ず他の収差とのトレードオフを伴う。

最終答

周波数差 Δf\Delta f をもつ二光のビート位相から光路差を読む干渉法。往復構成では Δϕ=4πnx/λ\Delta\phi=4\pi nx/\lambda で変位に対応し、強度変動に強く方向判別もできる。精度は周期誤差、デッドパス、空気屈折率、アッベ誤差の管理で決まる。

3次近似で現れる5つの単色収差(球面収差・コマ・非点収差・像面湾曲・歪曲)。波面収差 W=W040ρ4+W131hρ3cos⁡θ+W222h2ρ2cos⁡2θ+W220h2ρ2+W311h3ρcos⁡θW=W_{040}\rho^4+W_{131}h\rho^3\cos\theta+W_{222}h^2\rho^2\cos^2\theta+W_{220}h^2\rho^2+W_{311}h^3\rho\cos\theta の各項に対応し、歪曲は校正できるが点像を広げる収差は分解能を直接損なう。

第2問 — 精密加工学:切削工具材料とポリッシング

一本の軸で並べる

材種を羅列するだけでは点が伸びない。硬さと靱性のトレードオフという軸を先に置き、その軸上に各材種を配置し、被覆はその軸を回避する工夫だと説明すると全体が一つの論理でつながる。「硬ければよい」と書かず、相手材との反応性まで含めて選ぶことに触れる。式は VTn=CVT^n=C か理論粗さのどちらかを入れ、nn が材種の性格を表す指標であるといった読み方を添える。

選択2 ポリッシング

プレストン則の限界と加工法の区別

除去率が圧力と速度の積に比例する単純さが、この加工法を制御可能にしている。ただし kpk_p はスラリー濃度、パッド状態、温度、加工の進行とともに変化するので、実際にはその場計測と補正が前提になる。研削・ラッピングとの違いは、固定砥粒か遊離砥粒か、工具が剛体か弾性体かで整理する。ラッピングは硬い定盤で寸法・平面度を出す工程、ポリッシングは軟質工具で粗さと変質層を詰める工程、と役割で分けると説明しやすい。

併せて押さえたい用語

圧延加工は、回転する一対のロール間に材料を通して板厚を減らす塑性加工で、圧下率 r=(h0−h1)/h0r=(h_0-h_1)/h_0 で表す。材料が食い込むには接触角 α\alpha と摩擦係数 μ\mu の間に tan⁡α≤μ\tan\alpha\le\mu が必要で、板厚精度は張力、潤滑、ロールの弾性変形とクラウン制御で決まる。加工硬化は、塑性ひずみとともに転位密度 ρ\rho が増して流動応力が上がる現象で、σ=σ0+αGbρ\sigma=\sigma_0+\alpha Gb\sqrt{\rho} と整理され、巨視的には σ=Kε n\sigma=K\varepsilon^{\,n} の n 乗硬化則で表される。切削や研削の表層にも硬化層が生じ、次工程の切削抵抗や疲労強度、残留応力に影響する。

精密加工学:切削工具材料とポリッシングの途中式・最終答をPDFで見る

第3問 — マイクロシステム材料学:鉛フリーはんだと実装

規制の話で終えない

「環境規制で鉛が使えなくなった」だけでは工学的な内容がない。融点上昇がプロセス窓を狭め、界面反応と疲労挙動が変わり、その結果として設計基準そのものを見直す必要が生じた、という因果の連鎖まで書く。精密機器では接合部のクリープ変形が光学素子やセンサの位置を数 μ\mum 動かし、そのまま計測誤差になるという観点を加えると、材料選定が寸法安定性の問題であることを示せる。

選択2 実装

失点しやすい点

実装を「基板に部品をはんだ付けすること」とだけ書くと、1次実装と最先端の集積技術が抜け落ちる。逆に最新技術の名称だけを並べると原理が抜ける。熱膨張係数差という一つの物理を軸にして、方式の違いがその対処法の違いであることを示すのが安全である。鉛フリーはんだを材料側、実装を構造側として同じ接合部を二方向から見せると、二語を選んだ理由が答案の中で自然に示せる。

併せて押さえたい用語

リソグラフィーは、感光性樹脂に光でパターンを転写して微細構造を作る技術で、解像度と焦点深度はレイリーの式 R=k1λ/NAR=k_1\lambda/\mathrm{NA}、DOF=k2λ/NA2\mathrm{DOF}=k_2\lambda/\mathrm{NA}^{2} で与えられる。ArF 液浸とマルチパターニング、波長 13.5\,nm の EUV へと短波長化・高 NA 化が進んだ。ナノインプリントは、原版モールドを樹脂に押し当てて機械的にパターンを転写する方式で、熱式と UV 硬化式がある。光の回折限界に依らず数十 nm の構造を安価に量産できる一方、離型時の欠陥、モールド寿命、重ね合わせ精度、残膜の均一性が課題である。

マイクロシステム材料学:鉛フリーはんだと実装の途中式・最終答をPDFで見る

第4問 — メカトロニクス・ロボティクス:遊星歯車機構と位相進み遅れ補償

式の出し方と接続

ウィリスの式を暗記した式として書くより、「キャリヤ座標系に移れば単純な歯車列になる」という一文を添えると導出を理解していることが伝わる。内歯車とのかみ合いで符号が反転する点も明示する。減速比が慣性を 1/i21/i^2、外乱を 1/i1/i にするという関係は機構と制御をつなぐ最短の一文で、これを書くと次の補償器の話へ自然に接続できる。

他の減速機と比べる

遊星歯車機構だけを説明するより、精密機構での位置づけを一言添えると答案が締まる。遊星歯車減速機は1段の減速比がおおむね数倍から10倍程度で効率が高く、同軸で大トルクを扱えるが、バックラッシと遊星間の荷重分担がロボット関節では課題になる。波動歯車装置は弾性変形するフレクスプラインを用いて1段で数十から百数十倍の高減速比を同軸で得られ、バックラッシがほぼないので位置決め用途で広く使われるが、ねじり剛性が非線形でヒステリシスをもち、角度伝達誤差が周期的な成分として現れる。偏心揺動型のサイクロ減速機は高減速比と高い剛性・耐衝撃性を両立する。減速機を使わないダイレクトドライブは、バックラッシと摩擦がなく分解能で有利だが、トルク密度が低く発熱が大きい。要求される減速比、剛性、バックラッシ、慣性、効率、発熱のどれを優先するかで選択が変わる、という形で書くと、機構を知っている答案になる。

選択2 位相進み遅れ補償

三つの要求を分けて書く

定常偏差、速応性、安定余裕という三つの要求が、それぞれ低周波ゲイン、交差周波数、交差周波数付近の位相に対応する。この対応を先に示してから補償器の式を出すと、なぜ進みと遅れを併用するのかが一行で説明できる。進み補償は高周波ゲインを上げるためノイズに弱く、遅れ補償は応答に長い尾を残すという副作用にも触れる。

数値で検算する

進み補償の式は数値を入れると確かめやすい。a=10a=10 なら sin⁡ϕm=9/11=0.818\sin\phi_m=9/11=0.818 から ϕm≈55∘\phi_m\approx55^\circ、そのときのゲインは 10≈3.2\sqrt{10}\approx3.2(約 10\,dB)である。位相余裕を 55∘^\circ 分だけ稼ぐ代わりに、交差周波数付近で 10\,dB のゲイン増を受け入れることになる、と読める。この一往復を書いておくと、公式を覚えているだけでないことが示せる。

離散実装での注意

実際の補償器はディジタル制御で実装するので、連続系の設計をそのまま持ち込むと合わない。サンプリング周期 TsT_s のゼロ次ホールドはおよそ Ts/2T_s/2 の時間遅れに相当し、角周波数 ω\omega では ωTs/2\omega T_s/2 の位相遅れとして安定余裕を削る。したがってサンプリング周波数は制御帯域より十分高くとる。離散化は双一次変換 s=(2/Ts)(z−1)/(z+1)s=(2/T_s)(z-1)/(z+1) が一般的で、重要な折点は前置ひずみで合わせる。あわせて、アンチエイリアスフィルタ自身の位相遅れ、センサの量子化、微分動作によるノイズ増幅、積分器を含む場合のアンチワインドアップも設計の予算に入れる。

併せて押さえたい用語

コンフィギュレーション空間は、ロボットの姿勢を一意に定める一般化座標の集合で、nn 自由度なら nn 次元の多様体になる。障害物をこの空間上の障害領域 CobsC_{\mathrm{obs}} へ写せば、経路計画はロボットを点とみなした自由空間 CfreeC_{\mathrm{free}} 内の連続経路探索に帰着し、RRT や PRM が使える。ジャイロスコープは角速度を検出するセンサで、機械式は角運動量保存、光学式はサニャック効果 Δϕ=8πNAΩ/(λc)\Delta\phi=8\pi NA\Omega/(\lambda c)、MEMS 振動式はコリオリ力を利用する。誤差はバイアス安定性とランダムウォークで決まり、加速度計と組み合わせて慣性計測装置を構成する。

メカトロニクス・ロボティクス:遊星歯車機構と位相進み遅れ補償の途中式・最終答をPDFで見る

第5問 — 生産システム工学:タグチメソッドとインダストリアルエンジニアリング

一般語との混同を避ける

SN 比を通信工学の信号対雑音比としてだけ説明する答案は評価されない。ここでの SN 比は機能のばらつきに対する頑健性の指標であり、損失関数と二段階設計まで含めて初めて品質工学の説明になる。精密加工では、温度、材料ロット、工具摩耗などの制御しきれない要因が寸法ばらつきを生む。公差を厳しくして精度を買うより、感度そのものを下げるほうが費用対効果が高いという転換が、この手法の技術的な貢献である。

選択2 インダストリアルエンジニアリング

二語の関係を明示する

タグチメソッドは「作ったものがばらつかないようにする」、IE は「作る流れに無駄がないようにする」。品質と生産性は同じ生産システムの二つの断面であり、どちらも測って設計するという点で共通する。この一文を置くと二語の選択に意味が生まれる。生産システム工学の論述は定性的になりがちなので、標準時間の定義式、ラインバランス効率、リトルの法則のうち一つは必ず書き、経験則ではなく工学として扱っていることを示す。

併せて押さえたい用語

インターロックは、所定の条件が満たされない限り次の動作を禁止する安全機構で、扉が閉じるまで運転できない、原点復帰前は高速動作させないといった形で実装される。人の注意ではなく機構と論理で防ぐことが要点で、故障時に安全側へ倒れるフェールセーフ設計や、機能安全規格 IEC 61508 の安全度水準(SIL)と結び付けて論じられる。SWOT 分析は、内部環境の強みと弱み、外部環境の機会と脅威を四象限に整理し、それらを掛け合わせて戦略を導く経営分析の枠組みである。定性的で主観が入りやすいため、市場データや工程能力などの定量指標と併用して初めて意思決定に耐える。

生産システム工学:タグチメソッドとインダストリアルエンジニアリングの途中式・最終答をPDFで見る

第6問 — 設計システム工学:公差と点群データ

寸法だけで説明しない

公差を「寸法の許容差」とだけ説明すると精密工学の答案としては不十分である。データムと幾何公差、すなわち「何を基準にどの自由度を拘束するか」を書けるかどうかが分かれ目になる。あわせて、公差が精度とコストの交換レートであること、厳しくすれば加工法が変わり検査も高価になることに一言触れると、設計システム工学らしい答案になる。

選択2 点群データ

二語を突き合わせる

公差は要求、点群は実測である。従来は接触測定の代表点で判定していた公差を、面の分布として評価できるようになったことが技術的な変化である。この対応関係を書くと二語を選んだ必然性が示せる。逆に、点群を「三次元スキャナで取れるデータ」とだけ書くと処理と評価の議論が抜けるので、ICP を一つ挙げて式で書き、点数の多さが精度を意味しないことに触れる。

併せて押さえたい用語

FTA(故障の木解析)は、望ましくない頂上事象を出発点として、その原因を AND ゲート・OR ゲートで下位事象へ演繹的に展開する解析法である。最小カットセットから弱点となる事象の組合せを特定し、基本事象の発生確率から頂上事象の確率を見積もる。部品の故障モードから積み上げる帰納的な FMEA と対にして用いる。ライフサイクルアセスメントは、原料採取から製造、使用、廃棄・リサイクルまでの環境負荷を定量評価する手法で、ISO 14040/14044 に沿って、目的と調査範囲の設定、インベントリ分析、影響評価、解釈の4段階で進める。機能単位の定義とシステム境界の引き方で結論が変わるため、前提の明示が結果と同じくらい重要である。

設計システム工学:公差と点群データの途中式・最終答をPDFで見る

第7問 — バイオ・メディカル:マイクロフルイディクスと電気生理数理モデル

数値見積もりと表裏の関係

「小さいから層流」ではなく、代表値を入れて Re≈0.1Re\approx0.1、拡散時間 ≈5 s\approx5\,\mathrm{s} と示すと、現象の桁を把握していることが伝わる。同じ物理から利点と欠点が同時に出ることを書けると、列挙より深く読める。

選択2 電気生理数理モデル

式の役割を説明する

m3hm^{3}h や n4n^{4} の指数を書き写すだけでは理解が伝わらない。速い活性化と遅い不活性化という時間スケールの分離が、しきい値・全か無か・不応期を生むという因果を一文で述べるのが要点である。あわせてパラメータ同定と個体差という限界に触れると、モデルを使う立場からの記述になる。

併せて押さえたい用語

細胞遊走は、細胞が仮足の突出、接着、収縮、後端の脱着を繰り返して移動する現象で、突出はアクチンの重合、収縮はアクトミオシン、接着はインテグリンを介する接着斑が担う。濃度勾配に応答する走化性や基質剛性の勾配に沿うデュロタキシスがあり、創傷治癒、免疫応答、がん転移に関わる。微細流路を用いれば勾配を制御して定量評価できる。手術支援ロボットは、術者の操作をマスタ・スレーブ方式で体内の鉗子先端へ伝える機器で、多自由度手首、手ぶれ除去、モーションスケーリング、立体視により狭い術野での精密操作を可能にする。課題は力覚提示とコスト、習熟であり、術中画像との位置合わせや部分的な自律化が発展方向である。

バイオ・メディカル:マイクロフルイディクスと電気生理数理モデルの途中式・最終答をPDFで見る

年度別の解答例(4年度)

  • 2026年度 B日程(このページ・全7問)

    計測工学:ヘテロダイン干渉とザイデル収差 / 精密加工学:切削工具材料とポリッシング / マイクロシステム材料学:鉛フリーはんだと実装

  • 2026年度(全14問)

    A日程 計測工学 / A日程 精密加工学 / A日程 マイクロシステム材料学

  • 2025年度 B日程(全7問)

    計測工学:分解能の限界と表面の数値化 / 精密加工学:板材の分離と量産型の作り込み / マイクロシステム材料学:残留応力と犠牲層プロセス

  • 2025年度(全14問)

    A日程 計測工学 / A日程 精密加工学 / A日程 マイクロシステム材料学

2026年度 B日程の出題内容

全7問

この7問の分野は材料力学・材料2問です。

大問分野主題解説の小見出し最終答
第1問ヘテロダイン干渉とザイデル収差ホモダインとの対比を書く / 列挙で終わらせないあり
第2問材料力学・材料切削工具材料とポリッシング一本の軸で並べる / プレストン則の限界と加工法の区別あり
第3問材料力学・材料鉛フリーはんだと実装規制の話で終えない / 併せて押さえたい用語あり
第4問遊星歯車機構と位相進み遅れ補償式の出し方と接続 / 他の減速機と比べるあり
第5問タグチメソッドとインダストリアルエンジニアリング一般語との混同を避ける / 二語の関係を明示するあり
第6問公差と点群データ寸法だけで説明しない / 二語を突き合わせるあり
第7問マイクロフルイディクスと電気生理数理モデル数値見積もりと表裏の関係 / 式の役割を説明するあり

2026年度 B日程の解説には失点しやすい点1件が付いています。

前年度(2026年度)との違い

大問数
2026年度 14問 → 2026年度 B日程 7問
2026年度の解答例

東京大学の公式過去問

公開年度範囲
直近1年分のみ(2026年度A日程・2025年度B日程)
公式の解答例
非公開(問題冊子のみ)
院試hubの最終確認
2026-08-13
東京大学の公式過去問PDF