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東大 工学系研究科 精密工学専攻 専門学術(小論文) 2025年度 B日程 院試 過去問 解答例・解説(全7問)

全7問の分野は材料力学・材料1問、制御工学1問、電磁気学・回路1問です。解説はすべて、途中式と最終答は大問1問ぶんを公開しています。残りは解答PDFに収録しています。問題本文は含みません。

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第1問 — 計測工学:分解能の限界と表面の数値化

答案の構成

1語につき解答用紙1枚なので、各語を「定義1文 → 定量式1本 → 応用と限界 → 精密工学での意味」の4段で組むと過不足がない。冒頭で主張を1文置き(分解能は測定系の限界を、表面性状は加工結果を数で語るための規約である)、以降の段落をその根拠として並べる形にすると、読み手が採点しやすい。

2語をつなぐ軸

選んだ2語は独立に書いてよいが、最後に一言つなぐと厚みが出る。表面性状の値は測定器の分解能とフィルタ設定に依存するので、RaRa を議論するには触針半径・カットオフ・分解能を同時に指定しなければならない。「測り方を書かない粗さ値は比較できない」という一文が、両者の接点になる。

式をどこで使うか

図表や数式を用いてよい設問なので、式は多用するより1語につき1〜2本に絞り、その式が何を制限しているかを言葉で説明したほうが評価される。量子化幅と RaRa の定義式を書けば十分で、雑音や散乱の関係は比例関係の形で示せばよい。

残る2語に備える

1/f雑音は、スペクトル密度が S(f)∝1/fαS(f)\propto 1/f^{\alpha}(α≈1\alpha\approx1)と低周波ほど大きくなる雑音で、ゼロ点ドリフトと長時間平均の限界を作る。対策は変調して高周波帯へ逃がすこと(チョッパ増幅、ロックイン検出)である。走査型プローブ顕微鏡は、鋭い探針と試料の相互作用(トンネル電流、カンチレバーのたわみや共振)を検出しながら走査し、距離を一定に保つフィードバックで表面形状や物性分布をナノスケールに可視化する装置で、圧電走査系の非線形性と探針形状による畳み込み誤差が精度を決める。

失点しやすい点

分解能を精度や不確かさと混同する答案が多い。「最小表示桁=分解能ではない」ことと、平均化しても消えない低周波成分があることを明示したい。表面性状では RaRa だけを挙げて終えると弱く、フィルタ(カットオフ)の存在と、機能に応じてパラメータを選ぶという視点を必ず入れる。

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第2問 — 精密加工学:板材の分離と量産型の作り込み

答案の骨格

主張は「切口面の形は材料でなくクリアランスと型の状態が決めている」で、その根拠を(1)分離過程の4段階、(2)荷重の式、(3)クリアランス過大・過小の症状、(4)刃の摩耗と寿命判定、の4段で並べる。金型側は「型の誤差は全数に転写される」を主張に置き、工程順序、誤差配分、寿命設計の3段で支える。

図の使いどころ

図表を使ってよい設問なので、切口面の4領域は文章で並べるより1枚の断面図で示すほうが早く、記述量も節約できる。図には板厚 tt と領域名だけを入れ、寸法の数値は書かない。

残る2語に備える

ラッピングは、ラップ盤と工作物の間に砥粒スラリーを介在させ、低荷重・低速の相対運動で微小除去する仕上げ加工で、粗さだけでなく平面度を収束させるために加圧分布と運動軌跡を設計する点が本質である。溶射は、粉末やワイヤを加熱・溶融して高速で基材に衝突させ、扁平化した粒子の積層で皮膜を作る表面改質法で、気孔、酸化、残留応力、界面密着が性能を左右し、後加工まで含めて寸法を保証する。

失点しやすい点

せん断加工を「刃で切る」とだけ書き、亀裂の発生と合流に触れないと、破断面やバリの説明ができなくなる。クリアランスの最適値を断定的な数値で書くのは危険で、板厚と材質、要求品質で変わることを添えるほうが安全である。金型では工程名の列挙で終わりやすいので、なぜその順序かを熱処理変形で説明し、型直しが前提の工程であることまで書きたい。

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第3問 — マイクロシステム材料学:残留応力と犠牲層プロセス

2語を1本の線でつなぐ

「表面マイクロマシニングで作った構造の出来を決めるのは、リリース前に膜へ入っている応力である」という一文を先に置くと、応力と歪の一般論、薄膜残留応力、犠牲層プロセス、リリース後の反りとスティクション、という順で話が一直線になる。用語を別々に説明する形式の設問でも、最後に接点を一言添えると理解の深さが伝わる。

式の選び方

応力と歪の側では、定義式と一般化フックの法則に加えて、ストーニーの式か熱応力の式のどちらか1本を挙げれば十分である。プロセスの側では毛管圧の式1本でスティクションの機構が説明でき、対策(超臨界乾燥、突起、疎水化)がすべてこの式のどの項を潰すかとして整理できる。

残る2語に備える

接触角は固体上の液滴の濡れ性を表す量で、平衡状態ではヤングの式 γSV−γSL=γLVcos⁡θ\gamma_{\mathrm{SV}}-\gamma_{\mathrm{SL}}=\gamma_{\mathrm{LV}}\cos\theta が成り立ち、実表面では粗さと化学的不均一性によりヒステリシス(前進角と後退角の差)が生じる。フリップチップボンディングはチップを反転させてバンプで基板に直接接続する実装法で、配線が短く高周波特性と放熱に優れる反面、位置合わせ精度、金属間化合物の形成、熱膨張差による応力とアンダーフィルによる緩和が設計課題になる。

失点しやすい点

応力と歪を σ=Eε\sigma=E\varepsilon の一次元だけで済ませると、薄膜の二軸応力やポアソン効果が扱えず、ストーニーの式の 1−ν1-\nu の由来も説明できない。テンソルとしての定義を1行でも書いておきたい。表面マイクロマシニングでは「MEMSの作り方」と一般化せず、犠牲層の選択除去という定義を明示し、バルク型との違いとスティクションに必ず触れる。

解答

応力と歪

応力は、物体内部の仮想的な面に働く内力を面積で割った極限量で、面の向きと力の向きの2つの方向を持つため2階のテンソル σij\sigma_{ij} で表す。歪は変形の局所的な度合いを表す量で、変位場 uiu_i の勾配から εij=12(∂ui∂xj+∂uj∂xi) \varepsilon_{ij}=\frac{1}{2}\left(\frac{\partial u_i}{\partial x_j}+\frac{\partial u_j}{\partial x_i}\right) と定義される(微小変形)。線形弾性体では両者は一般化フックの法則 σij=Cijklεkl\sigma_{ij}=C_{ijkl}\varepsilon_{kl} で結ばれ、等方均質かつ一軸なら σ=Eε\sigma=E\varepsilon、横方向には ε⊥=−νε\varepsilon_{\perp}=-\nu\varepsilon が成り立つ。

マイクロシステムで応力と歪が主役になるのは、破壊の判定よりも形状と周波数の管理のためである。薄膜は成膜時の温度、堆積の様式、格子や熱膨張のミスマッチによって、外力がなくても残留応力を持つ。基板と膜の線膨張係数を αs,αf\alpha_s,\alpha_f、成膜温度からの温度差を ΔT\Delta T とすれば、熱に由来する成分は σth=Ef1−νf (αs−αf) ΔT \sigma_{\mathrm{th}}=\frac{E_f}{1-\nu_f}\,(\alpha_s-\alpha_f)\,\Delta T と見積もれる。膜応力は基板の反りとして測ることができ、基板の厚さ hsh_s、膜厚 hfh_f、曲率半径 RR を用いたストーニーの式 σf=Eshs26 (1−νs) hf(1R−1R0) \sigma_f=\frac{E_s h_s^{2}}{6\,(1-\nu_s)\,h_f}\left(\frac{1}{R}-\frac{1}{R_0}\right) が標準的な評価法である(R0R_0 は成膜前の曲率半径)。

もう一つ重要なのが異方性である。単結晶シリコンは立方晶の異方性弾性体であり、見かけのヤング率は結晶方位によって変わる。したがって、梁の向きをウェハの結晶方位に対してどう取るかが剛性と共振周波数に効き、設計図には方位の指定が必要になる。さらに、膜厚方向に応力が一様でなく勾配を持つ場合、解放された片持ち梁は上または下へ反る。この応力勾配は、平均応力がゼロでも生じうる点に注意がいる。

表面マイクロマシニング

表面マイクロマシニングは、基板の表面に構造層と犠牲層を交互に成膜・パターニングし、最後に犠牲層だけを選択的に除去(リリース)して、基板から浮いた可動構造を作るプロセス群である。基板そのものを深く彫り込むバルクマイクロマシニングと対をなす。代表的な材料の組み合わせは、犠牲層に酸化シリコンやリンガラス、構造層に多結晶シリコンを用い、フッ酸系のエッチング液または気相フッ酸で犠牲層を抜くものである。

利点は三つある。第一に、面内の形状がリソグラフィで自由に決まるため、櫛歯電極やばねのように複雑な平面形状を高い再現性で作れる。第二に、加工が表面の薄膜層に閉じるので半導体製造工程との整合がよく、回路と同一チップ上に集積しやすい。第三に、層構成を変えるだけで多層の可動機構を作れる。加速度センサ、角速度センサ、マイクロミラー、高周波スイッチなどが典型的な応用である。

一方、固有の失敗モードがある。最も特徴的なのがスティクションで、リリース後の液体を乾燥させる過程で、構造と基板のすきま gg に残った液体の毛管圧 Δp=2γcos⁡θg \Delta p=\frac{2\gamma\cos\theta}{g} が構造を基板に引き付け、接触後は表面力で固着してしまう。対策としては、超臨界二酸化炭素乾燥や昇華による乾燥で気液界面を作らないこと、接触面積を減らす微小突起を設けること、表面を疎水化することが行われる。次に、前項で述べた残留応力と応力勾配による反りと座屈があり、これは共振周波数のずれや初期ギャップの変動として現れる。さらに、厚さ方向の寸法が成膜厚に縛られるため高いアスペクト比の構造は作りにくく、必要ならば深堀りエッチングを併用する。

精密工学としての要点は、寸法と材料定数がプロセスで決まってしまうことへの対処である。膜厚と応力はロットごとにばらつくため、絶対値に頼らない差動構造にする、静電力で共振周波数を電気的に調整する、出荷時に自己校正するといった設計側の吸収策が実用上は不可欠になる。

最終答

応力は内力を面積で割ったテンソル量、歪は変位勾配の対称部で定義され、線形弾性では σij=Cijklεkl\sigma_{ij}=C_{ijkl}\varepsilon_{kl} で結ばれる。薄膜では熱膨張差などによる残留応力が生じ、ストーニーの式で基板の曲率から評価する。表面マイクロマシニングは構造層と犠牲層を積層し、犠牲層の選択除去で可動構造を作るプロセスで、平面形状の自由度と回路との集積性に優れる一方、スティクションと残留応力・応力勾配による反りが固有の課題となる。

第4問 — メカトロニクス・ロボティクス:角度を測る器と角度を作る器

答案の骨格

両語とも「原理を式で1本 → 特徴を3点 → 誤差または限界 → 精密工学での使い分け」で組む。冒頭に「分解能と精度は別である」という主張を置き、レゾルバでは周期的角度誤差、ステッピングモータではマイクロステップの停止角ずれを、その主張を支える2つの根拠として並べると論旨が明快になる。

式の読み方

レゾルバの2式は、搬送波の項が共通で角度情報が包絡線に載ることを示している。この構造から、振幅が変動しても比を取れば角度が残ること、逆に2出力の利得が不平衡だと角度に1周期の誤差が入ることが同時に読み取れる。式を書いたあとにこの一文を添えると、単なる暗記でないことが伝わる。

背景と発展性

レゾルバは古くからある素子だが、R/D変換をソフトウェアで行う方式や、巻線をプリント基板の導体パターンで作る誘導形の角度センサが実用化しており、耐環境性を保ったまま薄型・低コスト化する方向にある。ステッピングモータも、電流波形と逆起電力から負荷角を推定して脱調を検知する閉ループ駆動が普及しつつある。どちらも「センサレス化」「自己校正」が発展の軸になる。

残る2語に備える

ハーモニックドライブ(波動歯車装置)は、楕円状に変形する薄肉のフレクスプラインと剛性のサーキュラスプラインのわずかな歯数差を使い、小型で高い減速比と低いバックラッシを得る減速機で、代わりにねじり方向の弾性と摩擦ヒステリシスが制御の帯域を制限する。可操作性は手先速度と関節速度を結ぶヤコビ行列 J(q)J(q) に基づく指標で、吉川の可操作度 w=det⁡(JJT)w=\sqrt{\det(JJ^{\mathsf{T}})} が代表的であり、w=0w=0 は特異姿勢に対応する。

失点しやすい点

レゾルバを「アナログのエンコーダ」と言い換えるだけでは不十分で、励磁と2相出力という構成と、絶対角である点を示す。ステッピングモータでは「パルス数で位置が決まる」と書いた直後に脱調へ触れないと、開ループの危うさを理解していないと見なされる。マイクロステップを「精度が上がる」と書くのは典型的な誤りである。

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第5問 — 生産システム工学:日程の計画と現場の順序制御

答案の構成

PERTは手順そのものが説明の中身なので、小さな数値例を1つ置いて前進計算・後退計算・余裕・クリティカルパスを実際に示すのが最短で確実である。文章で定義を並べるより、5作業程度の図と数行の計算のほうが理解を示せる。シーケンス制御は定義(順序と条件)→ フィードバック制御との対比 → 実装(PLC、状態機械、インタロック)→ 安全と異常復帰、の4段でよい。

数値例の作り方

図の例は、並行する2経路の長さを揃えないことが肝心である。A→C が7日、B→D が4日と差をつけておくと、余裕が3日という具体的な数字が出て、クリティカルパスの意味がはっきりする。答案でも所要日数は小さな整数にして、暗算で検算できる規模にとどめる。

2語をつなぐ軸

どちらも「順序」を扱う仕組みだが、時間の粒度と失敗の現れ方が違う。PERTでの誤りは工期の遅れとして数週間後に現れ、シーケンス制御での誤りは設備の停止や干渉として即座に現れる。この対比を一言添えると、生産システムを階層で捉えていることが示せる。

残る2語に備える

サイバーフィジカルシステムは、設備や製品の状態をセンサで計測し、ネットワークで集めた情報を解析して物理側へ制御・最適化として戻す閉ループの仕組みで、故障予兆、品質異常検知、加工の補正に応用される。ERP(enterprise resource planning)は、受注、生産計画、在庫、購買、会計を統合して全社の資源整合を取る基幹業務システムで、実時間の現場制御は担わず、製造実行システムなどと粒度を分けて役割分担する。

失点しやすい点

PERTを「工程表の書き方」で終えると弱い。前進・後退の2方向計算と全余裕の定義を書き、資源制約を扱わないという限界まで触れたい。シーケンス制御は「自動化のこと」と広げすぎるのが典型的な失点で、フィードバック制御との目的の違いを1文で切り分けるところから始める。

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第6問 — 設計システム工学:何を最適化するかと、どう詰めるか

答案の骨格

「最適化アルゴリズムがいくら強力でも、定式化を誤れば意味のない解が出る。定式化を決めるのが機能設計である」という主張を冒頭に置き、機能設計側は写像と独立公理、最適化側はKKT条件と手法の使い分けを、それぞれ2段ずつの根拠として並べる。設計システム工学の設問では、この上流と下流の分業を語れるかが評価の分かれ目になる。

式をどう見せるか

FR=A DP\mathrm{FR}=A\,\mathrm{DP} は、行列の中身を書かずとも「対角なら独立、三角なら逐次、それ以外は堂々巡り」と一文で説明できる。KKT条件も全式を書くより、相補性条件 λigi=0\lambda_i g_i=0 の設計的な意味(有効制約だけが解に効く)を添えるほうが理解を示せる。

精密工学における意義

機能分離の考え方は、案内面と計測基準を別部材にする、支持と位置決めを分ける、といった精密機械の定石そのものである。最適化の側では、感度解析が公差配分に流用できる。すなわち、目的関数の設計変数に対する感度は、その寸法にどれだけ厳しい公差を割り当てるべきかの根拠になる。この2点を書けると、他分野の一般論ではなく精密工学の答案になる。

残る2語に備える

狩野モデルは、品質要素を顧客満足への効き方で当たり前品質・一元的品質・魅力的品質などに分類する枠組みで、満足が要求充足に対して非線形である点を示し、限られた資源をどこへ配分するかの判断に使う。ボクセルモデルは、空間を立方格子に分割して各セルに材料の有無や物性を割り当てる形状表現で、集合演算やトポロジー変化に強く、CT計測データや積層造形、トポロジー最適化と相性がよい一方、格子幅が境界精度を制限する。

失点しやすい点

機能設計を「機能を書き出すこと」と説明して終えると、なぜ分解するのかが伝わらない。独立性か、変更の波及追跡か、いずれかの目的を明示する。最適化では手法名を並べるだけの答案が多いので、定式化・必要条件・評価コストによる使い分け・多目的の扱いのうち2つ以上に踏み込む。

設計システム工学:何を最適化するかと、どう詰めるかの途中式・最終答をPDFで見る

第7問 — バイオ・メディカル:組織へ電流を与える技術と、電気活動が回路を変える現象

2語の並べ方

分野の異なる2語を選んだときは、無理に一つの機構へまとめず、比較の軸を1本立てるのがよい。ここでは「電気と生体の相互作用」を軸に、電気メスは短時間の熱過程で組織を不可逆に変える技術、可塑性はミリ秒の発火が数十分から数日の構造変化を招く現象、と時間スケールで対比した。冒頭にこの軸を1文で示せば、2つの説明が1つの答案として読める。

電気メスで書くべき順序

発熱の式 → 電流密度の集中 → 切開と凝固の差(気化か変性か)→ 高周波を使う理由 → 電極構成 → 安全、の順に固定すると漏れがない。「なぜ高周波か」は核心でありながら書き落とされやすいので、刺激作用と熱作用を分離するためという一文を必ず入れる。

可塑性で書くべき水準

分子機構(NMDA受容体、カルシウム、AMPA受容体)と、抽象化した学習則(ヘッブ則、STDP)の両方に触れると、生物の暗記でも工学の借り物でもない答案になる。経路の名称を並べるより、カルシウム流入の大小がLTPとLTDを分けるという一点を正確に書くほうがよい。

残る2語に備える

パルスオキシメトリは、酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンの吸収スペクトル差を使い、2波長の透過光の脈動成分と定常成分の比から動脈血酸素飽和度を非侵襲に推定する方法で、体動、末梢循環、外光が主な誤差要因になる。電気泳動分離は、電場中での荷電粒子の移動度 v=μEv=\mu E の差で混合物を分離する手法で、ゲルのふるい効果や電気浸透流を使い分け、ジュール熱と流路表面の状態が再現性を左右する。

失点しやすい点

電気メスを「熱で焼く道具」とだけ書くと、切開と凝固の区別も高周波の必然性も説明できない。対極板熱傷に触れると臨床工学の理解が示せる。シナプス可塑性では「学習に関係する」で終えず、増強と抑圧の両方があること、時間順序が符号を決めることを書く。どちらも原理・応用・限界の3点がそろって論述になる。

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年度別の解答例(4年度)

  • 2026年度 B日程(全7問)

    計測工学:ヘテロダイン干渉とザイデル収差 / 精密加工学:切削工具材料とポリッシング / マイクロシステム材料学:鉛フリーはんだと実装

  • 2026年度(全14問)

    A日程 計測工学 / A日程 精密加工学 / A日程 マイクロシステム材料学

  • 2025年度 B日程(このページ・全7問)

    計測工学:分解能の限界と表面の数値化 / 精密加工学:板材の分離と量産型の作り込み / マイクロシステム材料学:残留応力と犠牲層プロセス

  • 2025年度(全14問)

    A日程 計測工学 / A日程 精密加工学 / A日程 マイクロシステム材料学

2025年度 B日程の出題内容

全7問

この7問の分野は材料力学・材料1問・制御工学1問・電磁気学・回路1問です。

大問分野主題解説の小見出し最終答
第1問分解能の限界と表面の数値化答案の構成 / 2語をつなぐ軸あり
第2問板材の分離と量産型の作り込み答案の骨格 / 図の使いどころあり
第3問材料力学・材料残留応力と犠牲層プロセス2語を1本の線でつなぐ / 式の選び方あり
第4問角度を測る器と角度を作る器答案の骨格 / 式の読み方あり
第5問制御工学日程の計画と現場の順序制御答案の構成 / 数値例の作り方あり
第6問何を最適化するかと、どう詰めるか答案の骨格 / 式をどう見せるかあり
第7問電磁気学・回路組織へ電流を与える技術と、電気活動が回路を変える現象2語の並べ方 / 電気メスで書くべき順序あり

2025年度 B日程の解説には失点しやすい点7件が付いています。

前年度(2025年度)との違い

大問数
2025年度 14問 → 2025年度 B日程 7問
2025年度の解答例

東京大学の公式過去問

公開年度範囲
直近1年分のみ(2026年度A日程・2025年度B日程)
公式の解答例
非公開(問題冊子のみ)
院試hubの最終確認
2026-08-13
東京大学の公式過去問PDF