筑波大 理工情報生命学術院 数理物質科学研究群 数学学位プログラム 専門科目(数学) 令和7年度1・2月期 院試 過去問 解答例・解説(全5問)
全5問の分野は位相・幾何1問、線形代数1問、代数1問です。解説はすべて、途中式と最終答は大問1問ぶんを公開しています。残りは解答PDFに収録しています。問題本文は含みません。
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第1問 — 微積分
方針
半径だけの関数 では,勾配の大きさは になる。ここでは なので,計算の中心は の極座標積分である。
検算
では である。したがって半径 の小円板での積分は面積 に近い。最後の極限が になるのはこの直観と一致している。
典型ミス
で部分積分後の の符号を間違えやすい。答えは であり,微分して戻ることを確認するとよい。
解答
極座標の半径を と書く。
であり, であるから よって である。
では なので である。したがって内点で極値をとるための必要条件を満たす点が存在しない。実際,各点から半径方向に少し外側へ動けば は増加し,内側へ動けば減少する。ゆえに 上で極値をとらない。
極座標を用いると ここで を用いた。
広義積分は である。さらに より したがって
最終答
。環状領域の積分は ,小円板での極限値は 。
第2問 — 線形代数
方針
「定数倍すると直交行列」という条件は,まず を見るのが最短である。列ベクトルが互いに直交し,長さがすべて であることを示せば十分である。
試験で書くべきポイント
回転と拡大の合成と結論するには, が直交行列であるだけでなく も書く。もし なら回転ではなく鏡映成分を含む直交変換になる。
検算
跡は である。拡大率 で割った回転行列の跡は なので, となり, に入っている。
第3問 — 代数学
方針
選択肢Aは「3次既約多項式の随伴行列」と見るとよい。非零有理ベクトル に対して が従属になることは, の非零元のノルムが0になることと同じである。
試験で書くべきポイント
選択肢Bでは,共役類の大きさを軌道安定化定理で処理する。特に「 は の約数」という主張は,中心化群 を安定化部分群として明示すると一行で通る。
典型ミス
中心化群 と中心 を混同しないこと。ここでの は固定した元 と可換な元全体であり,元 ごとに変わる部分群である。
第4問 — 集合・多様体・ホモロジー
方針
第1小問は集合列の上極限・下極限である。周期列では,上極限は周期内の和集合,下極限は周期内の共通部分になる。
多様体の確認
方程式1本で定まる部分集合が滑らかな曲面であることは,正則値定理で示すのが最も短い。勾配が消える点を求め,その点がレベル集合に乗っていないことを確認する。
典型ミス
最後の単体的複体では2単体がない。4本の辺で囲まれているため図形としては円周であり,穴を埋める面は存在しない。このため が残る。
第5問 — 複素解析・実解析
方針
選択肢Cは長方形積分と留数定理で処理する。上辺では と置いたとき,分母が符号反転し,分子に が出る。向きの反転と合わせて係数を確認するのが重要である。
実解析側の要点
選択肢Dの点ごとの極限は ,, で分ける。ただし積分値では1点 の値は影響しない。最後は優収束定理を使うと,極限関数の積分だけに落ちる。
典型ミス
複素積分では上辺の向きを忘れると係数が になってしまう。実解析では の極限を としてしまう誤りが多いが,分数部分は に収束する。
年度別の解答例(6年度)
微積分 / 線形代数 / 代数学
微積分 / 線形代数 / 代数学
令和7年度1・2月期(このページ・全5問)
微積分 / 線形代数 / 代数学
微積分 / 線形代数 / 代数学
漸近展開と極限積分 / 対角化と反交換 / 単元群と合同式
微積分 / 線形代数 / 代数学
令和7年度1・2月期の出題内容
全5問
前年度(令和7年度8月期)との違い
- 大問数
- 令和7年度8月期 6問 → 令和7年度1・2月期 5問
筑波大学の公式過去問
- 公開年度範囲
- 令和4〜令和8年度(8月期・1〜2月期)
- 公式の解答例
- 非公開(問題冊子のみ)
- 英語の扱い
- TOEFL/TOEIC/IELTS の外部英語スコア提出が必須(2022年度入試以降)。
- 院試hubの最終確認
- 2026-06-03