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東京科学大(旧東工大) 理学院 物理学系 物理学コース 物理 2026年度 院試 過去問 解答例・解説(解説6項目)

解説6項目の分野は電磁気学・回路1項目です。解説は1問、途中式と最終答は大問1問ぶんを公開しています。PDFの収録範囲は商品ページで確認できます。問題本文は含みません。

最終更新:

第1問 — 三原子分子の振動

三原子分子の振動の途中式・最終答をPDFで見る

第2問 — 水素原子と原子核の有限サイズ

水素原子と原子核の有限サイズの途中式・最終答をPDFで見る

第3問 — 物理数学

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第4問 — 半導体の測定と回路

半導体の測定と回路の途中式・最終答をPDFで見る

第5問 — 磁場とコイル

設問5の補足

一般式(LL′−M2)/(L+L′−2M)(LL'-M^{2})/(L+L'-2M)へ代入しても同じ結果です。磁気的な結合を無視した通常の並列合成LL′/(L+L′)LL'/(L+L')は使えません。

設問6の補足

磁気エネルギー密度は∫HdB\int H dBです。∫BdH\int B dHは磁気随伴エネルギーで、非線形の場合は値が異なります。この取り違えをすると、最後の係数を3/43/4ではなく1/41/4にしてしまいます。

設問7の補足

外部磁場の回転の式の右辺にZZの電流密度を入れると、問題が除外した自己磁場を混ぜることになります。

解答

設問1 ソレノイド内の磁束密度

単位長さ当たりnn回巻きなので、長さℓ\ell にnℓn\ell 回あります。アンペールの法則を内部と外部にまたがる長方形の経路に適用します。

設問2 自己インダクタンス

11巻きを貫く磁束はBSBSです。全巻数nℓn\ell を掛けた鎖交磁束λ\lambda を電流IIで割ります。

設問3 蓄えられるエネルギー

電流を00からIIまで増やす間に電源がする仕事を積分します。ここではLLが電流によらないためdλ=LdId\lambda =L dIです。

設問4 内側コイルに生じる起電力

内側コイルが拾う磁束の断面積はS′S'です。巻数は同じなので、相互インダクタンスMMは次の値です。

M=μ0n2S′ℓ=S′SL M=\mu_0n^2S'\ell=\frac{S'}S L

図では同じ巻き方向で、正の電流はb→ab\to aです。一方、求める電圧はccの電位からddの電位を引いたものです。同じ向きの端子電圧Vd−VcV_d-V_cがMdI/dtM dI/dtとなるため、指定されたV′V'は逆符号になります。

設問5 並列接続したときの自己インダクタンス

外側・内側の自己インダクタンスをLL、L′L'とすると、L′=(S′/S)L=ML'=(S'/S)L=Mです。今度は両枝の電流を左端aa・ccから右端bb・ddへそろえて取ります。共通の端子電圧をVVとすると、

V=LI˙1+MI˙2,V=MI˙1+L′I˙2. \begin{aligned}V&=L\dot I_1+M\dot I_2,\\V&=M\dot I_1+L'\dot I_2.\end{aligned}

差を取ると(L−M)I˙1=0(L-M)\dot I_{1}=0です。S′<SS'<SなのでI˙1=0\dot I_{1}=0となり、変化する電流は内側の枝に流れます。全電流の変化はI˙2\dot I_{2}なので、合成インダクタンスはL′L'です。

設問6 非線形磁性体の磁気エネルギー

H=nIH=nI、B=κμ0H+αH3B=\kappa \mu _{0}H+\alpha H^{3}です。電流が作る鎖交磁束λ=nℓSB\lambda =n\ell SBを使い、電源の仕事IdλI d\lambda を積分します。

E~=∫0Ii dλdi di=nℓS∫0Ii(κμ0n+3αn3i2)di=κμ0n2SℓI22+34αSℓn4I4. \begin{aligned}\widetilde E&=\int_0^I i\,\frac{d\lambda}{di}\,di\\&=n\ell S\int_0^I i\left(\kappa\mu_0n+3\alpha n^3i^2\right)di\\&=\frac{\kappa\mu_0n^2S\ell I^2}{2}+\frac34\alpha S\ell n^4I^4.\end{aligned}

設問7 外部磁場BBが満たす方程式

真空中の静的な磁場であり、BBにはソレノイドZZ自身の電流が作る磁場を含めません。したがって、この領域のBBには電流源がなく、次の22式が成り立ちます。

設問8 11本の回路が受ける力の線積分

電流の向きに取った線素drd rが受ける力はIdr×BI d r\times Bです。回路全体で足します。

設問9 面積分K(z)K(z)を使った力の表式

基本ベクトルeie_{i}を使って成分を取り、スカラー三重積でdrd rを先頭へ移します。その後、設問のグリーンの定理を使います。

fi(z)=I∮Czdr⋅(B×ei)=I∫Szez⋅[∇×(B×ei)]dx dy. \begin{aligned}f_i(z)&=I\oint_{C_z}d\boldsymbol r\cdot(\boldsymbol B\times\boldsymbol e_i)\\&=I\int_{S_z}\boldsymbol e_z\cdot\left[\boldsymbol\nabla\times(\boldsymbol B\times\boldsymbol e_i)\right]dx\,dy.\end{aligned}

eie_{i}が一定でdiv⁡B=0\operatorname{div} B=0なので、角括弧内は(∂/∂xi)B(\partial /\partial x_{i})Bです。またcurl⁡B=0\operatorname{curl} B=0から∂Bz/∂xi=∂Bi/∂z\partial B_z/\partial x_{i}=\partial B_{i}/\partial zとなります。

fi(z)=I∫Sz∂Bz∂xi dx dy=I∫Sz∂Bi∂z dx dy=IdKi(z)dz. \begin{aligned}f_i(z)&=I\int_{S_z}\frac{\partial B_z}{\partial x_i}\,dx\,dy\\&=I\int_{S_z}\frac{\partial B_i}{\partial z}\,dx\,dy=I\frac{dK_i(z)}{dz}.\end{aligned}

各断面は同じ形のままzz方向へ移動するため、xyxy平面の積分範囲を固定して微分できます。

設問10 NN本の回路全体が受ける力

NNが十分大きいので、単位長さ当たりの回路数をN/(z2−z1)N/(z_{2}-z_{1})として和を積分に置き換えます。

一様な外部磁場ならK(z2)=K(z1)K(z_{2})=K(z_{1})で合力は00です。この式は設問の密な巻線の連続近似で、有限本数の端点の差は無視しています。

最終答

設問1 ソレノイド内の磁束密度

Bℓ=μ0(nℓ)I,B=μ0nI\displaystyle B\ell=\mu_0(n\ell)I,\qquad B=\mu_0nI

設問2 自己インダクタンス

λ=(nℓ)BS=μ0n2SℓI,L=μ0n2Sℓ\displaystyle \lambda=(n\ell)BS=\mu_0n^2S\ell I,\qquad L=\mu_0n^2S\ell

設問3 蓄えられるエネルギー

E=∫0Ii dλ=∫0ILi di=12LI2\displaystyle E=\int_0^I i\,d\lambda=\int_0^I Li\,di=\frac12LI^2

設問4 内側コイルに生じる起電力

V′(t)=Vc−Vd=−S′SL dI(t)dt\displaystyle V'(t)=V_c-V_d=-\frac{S'}S L\,\frac{dI(t)}{dt}

設問5 並列接続したときの自己インダクタンス

Leq=S′SL\displaystyle L_{\mathrm{eq}}=\frac{S'}S L

設問6 非線形磁性体の磁気エネルギー

G=34Sℓn4I4\displaystyle G=\frac34S\ell n^4I^4

設問7 外部磁場BBが満たす方程式

∇⋅B=0,∇×B=0\displaystyle \boldsymbol\nabla\cdot\boldsymbol B=0,\qquad \boldsymbol\nabla\times\boldsymbol B=\boldsymbol0

設問8 11本の回路が受ける力の線積分

f(z)=I∮Czdr×B\displaystyle \boldsymbol f(z)=I\oint_{C_z}d\boldsymbol r\times\boldsymbol B

設問9 面積分K(z)K(z)を使った力の表式

f(z)=IdK(z)dz\displaystyle \boldsymbol f(z)=I\frac{d\boldsymbol K(z)}{dz}

設問10 NN本の回路全体が受ける力

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第6問 — 一次元格子のフォノン

一次元格子のフォノンの途中式・最終答をPDFで見る

物理の解答・解説PDF

2020〜2026年度のうち6年度 · ¥2,880

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年度別の解答例(6年度)

  • 2026年度(このページ・解説6項目)

    三原子分子の振動 / 水素原子と原子核の有限サイズ / 物理数学

  • 2025年度(解説6項目)

    剛体コマの歳差と章動 / 量子統計とボース凝縮 / 線形代数・複素積分・ルジャンドル多項式

  • 2024年度(解説6項目)

    剛体球の弾性衝突 / 同軸ケーブル / 線形代数・微分方程式・フーリエ積分

  • 2023年度(解説6項目)

    磁場中の帯電剛体 / 導体中の電磁波 / 複素関数・線形代数・ベクトル解析

  • 2022年度(解説6項目)

    サイクロイド上の運動 / 静電場と回転双極子の放射 / ヘルムホルツ方程式と波動方程式のグリーン関数

  • 2020年度(解説6項目)

    中心力と軌道遷移 / 静電場と誘電体 / 調和振動子と撃力

2026年度の出題内容

解説6項目

この6問の分野は電磁気学・回路1問です。

大問分野主題解説の小見出し最終答
第1問—三原子分子の振動—あり
第2問—水素原子と原子核の有限サイズ—あり
第3問—物理数学—あり
第4問電磁気学・回路半導体の測定と回路—あり
第5問—磁場とコイル—あり
第6問—一次元格子のフォノン—あり

前年度(2025年度)との違い

大問数
2025年度 6問 → 2026年度 6問
2025年度の解答例

東京科学大学の公式過去問

公開年度範囲
系サイトに依存
公式の解答例
解答例の掲載なし
英語の扱い
2027年4月・2026年9月入学ではTOEIC L&R・TOEFL iBT・Home Editionを使用。物理学系は出願時に提出せず、筆答試験当日にオンライン版PDFを印刷して持参。当日未提出は不合格です。
院試hubの最終確認
2026-10-15
東京科学大学の公式過去問PDF