院試hub

文系から情報系大学院へ|受験資格・数学の準備とNAIST・JAISTの入試

文系・異分野から情報系大学院を目指す人へ。2027年入学のNAIST・JAISTの口頭試問と、電通大・九大の筆記試験を比較。数学の未履修範囲を調べる方法、過去問から準備量を見積もる手順、他分野の経験を研究課題につなぐ例を説明します。

最終更新: 2026-10-23

志望校の解答・解説PDF

大学・専攻ごとに、収録年度・解説の見本・価格を確認できます。

志望校の解答PDFを探す

文系学部や情報以外の理系学部から、情報系大学院を受験できる選抜があります。 ただし、出願資格を満たしていても、数学や専門科目の準備が済んでいるとは限りません。 まず志望先の試験方式を調べ、自分が説明・計算できる内容との差を確認します。

ここでは2027年入学の公式要項を使い、NAIST・JAISTの口頭試問と、電通大・九大の筆記試験を比べます。 数学を未履修なら基礎の確認項目、研究分野を変える理由に迷っているなら研究課題を作る例から読めます。 要項の確認日は2026年10月23日です。電通大・九大は終了済みの選抜を比較例に用い、次年度の条件とは区別しています。

文系・他学部から受験できるか

募集要項の出願資格で、自分の学位・卒業時期がどの項目に当たるかを確認します。電通大の2027年4月入学・一般入試要項5ページと、九大システム情報科学府の同年度要項2ページでは、国内大学の卒業者・2027年3月31日までの卒業見込み者を資格に挙げ、この項目に学部分野の限定は設けていません。

次に、希望教員への連絡や承諾の条件を確認します。電通大では事前面談と第1希望教員の出願受入承認が必要で、九大も希望指導教員への事前連絡を求めています。 学歴の条件を満たすこと、研究室から必要な承諾を得ること、試験に合格することは、それぞれ確認が必要です。 連絡の進め方は事前連絡・承諾・訪問の違いにまとめています。

学士がない場合や海外の大学を卒業した場合などは、別の資格区分や事前審査に当たることがあります。 学部分野を変えるという理由だけで個別資格審査が必要と決めず、要項の資格番号から判断してください。 社会人選抜には職歴など別の条件があるため、社会人の出願資格と区別します。

NAISTとJAISTの試験方式・準備の違い

2027年入学の博士前期課程。NAISTは情報科学区分、JAISTは4月入学の一般選抜。
対象試験の内容準備する説明
NAIST(奈良先端大)オンライン面接で約20分。数学の口頭試問と、小論文・出身専攻を考慮した情報科学の質問代数・解析の定義と計算の理由、小論文で使った知識や研究の問い
JAIST(北陸先端大)オンライン面接30分以内。小論文の発表7分以内と、小論文・エントリーシートの質疑23分以内これまでの取り組み、入学後の課題、方法を選ぶ理由、必要な基礎知識

試験形式の根拠は、NAIST要項9ページとJAIST要項8〜9ページです。表の準備内容は、その形式に合わせた学習の提案です。 面接形式であっても、志望理由を話す練習だけでは足りません。

NAIST:指定範囲の数学を、説明しながら解く

情報科学区分の数学は、Strang『Introduction to Linear Algebra』第4版の1〜7章と、Lang『A First Course in Calculus』第5版の1〜15章が指定範囲です。 日本語訳も要項に記載されています。別の版を使う場合は章番号だけで対応させず、指定版の内容と照合します。

教科書の例題を解いたら、用語の意味、式を変形した理由、使った条件を声に出して説明します。 たとえば固有値の計算ができても、固有ベクトルや対角化の意味を説明できないなら、その定義へ戻ります。 小論文の写しは持ち込めないため、記載した問い・方法・自分の作業を、原稿を見ずに説明する練習も必要です。

JAIST:小論文の各主張に、理由を説明できるか

一般選抜では、提出した小論文の内容を7分以内で発表します。 資料を短くするだけでなく、何を調べたいのか、なぜその方法を使うのか、これまでの経験から何を担当できるのかが伝わる構成にします。 発表に使う概念や計算を自分で説明できるか確かめ、まだ実施していない作業を成果として扱わないようにしてください。

JAISTの入試Q&A・Q27は、学部とは異なる研究課題を認め、準備状況や専門を変える理由も記述できると案内しています。 一律の数学筆記は一般選抜の要項に掲げられていませんが、基礎学力も評価するため、数学を一切問われないという意味には読めません。 NAIST・JAIST専用の解答PDFは院試hubでは販売していません。

電通大・九大で必要な数学と専門科目

筆記試験を受ける場合は、必須科目と選択科目を別々に並べます。 選択できる科目に得意分野があっても、必須数学の未習範囲は残ります。 以下は2026年実施・2027年4月入学の一般入試の例です。これから受ける回の科目表で変更の有無を確認してください。

電通大:情報学と情報ネットワーク工学を分けて調べる

電通大要項13ページでは、情報学専攻は必須数学100点と、4科目から3科目を選ぶ選択科目300点です。 選択候補は、アルゴリズムとデータ構造、確率・オペレーションズリサーチ、離散数学、計算機工学です。

情報ネットワーク工学専攻は、必須の線形代数・微積分が各80点、8科目から3科目を選ぶ部分が計240点です。 情報学とは選択の範囲が異なるため、専攻名を確定して科目表を読みます。 両専攻の必須数学には、ベクトル空間・線形写像・固有値と、一変数微積分・偏微分・重積分などが含まれます。

この一般入試は英語の外部スコア100点と専門400点で選抜し、口述試験は課しません。 筆記では、計算の結果に加えて、条件と途中の論理を制限時間内に答案へ残す練習をします。 推薦・社会人入試の面接形式を、この一般入試へ当てはめないようにします。

院試hubの情報学専攻の解答PDFと情報ネットワーク工学専攻の解答PDFは、それぞれ必須数学の2022〜2026年度分です。 選択科目や、2027年度入学向けの2026年実施問題は含みません。志望専攻のページで収録回と紙面見本を確認してください。

九大情報理工:解析の範囲と、数学・専門それぞれの選択

九大要項9ページの情報理工学専攻は、数学100分・200点、専門120分・200点、英語の外部スコア100点です。 数学は線形代数と解析学・微積分が必須で、ベクトル解析と確率統計から1分野を選びます。 解析には微分方程式と複素関数論も含まれるので、一変数の微積分を履修しただけで範囲を終えたとは判断できません。

専門は、電気回路、情報理論、オートマトンと言語、電磁気学、アルゴリズム、計算機アーキテクチャの6分野から2分野です。 自分が学んだ分野と過去問の設問を照合して選びます。専門が情報系の名称だからという理由で、全分野の教材を買いそろえる必要はありません。

九大情報理工の数学解答PDFと専門科目の解答PDFは別の商品で、いずれも2022〜2026年度分です。 専門科目の商品は情報理論・オートマトンと言語・アルゴリズム・計算機アーキテクチャの4分野で、電気回路・電磁気学は含みません。 2027年度入学向けの新しい問題も収録外です。

数学・情報を未履修の場合の確認項目

履修した授業の名前と、現在解ける問題を分けて記録します。 以下は、自分の不足を調べるための確認例です。大学が示した合格基準や、どの大学にも共通する出題範囲ではありません。 志望先の科目表にある項目から使ってください。

分野例題で確かめること
線形代数行基本変形で連立一次方程式を解き、解がない場合・一意の場合・自由変数が残る場合を区別する。固有値・固有ベクトルを求め、固有ベクトルから基底を作れるか説明する。
微積分関数の定義域と微分可能性を確認して微分する。置換・部分積分の使い方を説明する。多変数が範囲に含まれるなら、偏微分を計算し、積分領域を図にして重積分を立てる。
確率・統計条件付き確率の分母が何の確率かを説明する。離散・連続を区別して期待値と分散を計算する。独立性を使った箇所を指摘する。
アルゴリズム短い擬似コードの変数を順に追い、どの入力で停止するか説明する。入力の大きさに対して、比較や反復の回数がどう増えるか数える。

指数・対数の変形や関数のグラフで止まる場合は、その箇所の高校数学へ戻ります。 大学の例題で途中の一行を説明できないときも、そこで使う定義や計算を先に補います。 教科書を最初から読み終えたかより、解説を閉じて別の例題を解き、理由を説明できるかで復習の進み具合を確かめます。

具体的な練習は、線形代数の対角化・証明例と二分探索の追跡・計算量の説明で確認できます。 プログラミング経験がある場合も、実装が動くことと、数学やアルゴリズムを答案で説明できることは別に確認します。

過去問から準備量と学習順序を決める

  1. 受験する専攻・方式の問題を1回分読む。 必須か選択か、時間と解答数を確認します。科目名が同じでも、年度が変わって範囲・選択条件が異なる問題は区別します。
  2. 未習・理解不足・時間不足を分ける。 用語を知らない設問、解説を読めば分かる設問、自力で解けるが時間のかかる設問を記録します。未習の設問を白紙にした結果だけで、必要な期間は決まりません。
  3. 一つの不足を補い、実際の所要時間を測る。 たとえば固有空間が分からなければ、連立一次方程式と基底を復習し、例題を解き直して元の問題へ戻ります。調べる時間と解き直す時間も記録します。
  4. 残りの課題と確保時間を比べる。 必須範囲、選ぶ専門分野、英語、出願書類を週の予定へ置きます。一つの例題の所要時間を全科目へ一律に掛けず、未習分野ごとに試して見積もりを直します。

筆記なら、復習後に別年度の同分野を時間内に解けるか確かめます。 NAISTの数学口頭試問なら指定範囲の例題を使い、途中の説明まで試します。 JAISTの一般選抜については、公式Q&A・Q33で過去の口頭試問を公開していないと案内しているため、提出する小論文の各主張に理由と根拠を説明する準備を進めます。

時間の計算と週の割り当ては勉強時間の実測と計画、 筆記の問題冊子は公式過去問リンク集へ進んでください。 半年や1か月という期間だけで合格の見込みを決めることはできません。

他分野の経験を情報系の研究課題につなぐ例

これまでの経験から、扱ってきた対象や疑問を一つ選びます。 その疑問の何を情報技術で調べるのか、既存の方法と何を比較するのかまで絞ると、研究室に相談する内容が具体的になります。

社会調査の自由記述を分類した経験がある場合

以下は準備のための架空例です。大学が推奨するテーマや、合格者の研究計画ではありません。 授業への要望を人手で分類した経験があり、短い自由記述では複数の要望が混ざり、分類に迷ったとします。 情報系で調べる問いを、単語に基づく分類規則と学習した分類器で、どのような記述を誤って分類するかの比較へ絞ります。

  • 引き継げる経験:回答を読む、分類項目を定義する、判定に迷う記述を記録する。ただし、実際に担当していない調査や分析は経験に含めません。
  • 新しく決めること:一つの回答に複数の分類を付けるか、正解として扱うラベルを誰がどう決めるか、比較する規則と分類器、評価に使う回答の分け方。
  • 着手前の確認:研究に利用できるデータと許諾、個人情報の扱い、必要な学内手続き。手元の授業アンケートを、そのまま研究に使えるとは限りません。

少量の利用可能なデータで、読み込み、分類、誤りの集計までを一度試します。 評価用の回答を使って規則やモデルを調整すると、同じ回答に合わせた結果になるため、方法を調整するデータと最後に確かめるデータを分けます。 同じ人の回答が両方に入る影響も検討し、全体の正解率だけでなく、どの分類を取り違えたかを記録します。

この例で補う知識は、文字列や表形式データを処理するプログラミング、分類器が使う計算、誤りを集計・比較するための確率統計です。 研究室には、文章分類を指導対象にできるか、適切な比較方法は何か、自分の準備で不足する前提知識は何かを相談します。 情報系へ移る理由も、元の分野で生じた疑問と、新たに使いたい方法のつながりから説明できます。

文書全体の組み立ては研究目的・問い・方法の整理を参照してください。 受験の準備と並行して、希望研究室で実際に扱える研究かを確認します。

志望先を絞って準備を始める

まず候補の専攻ごとに、出願資格、事前連絡の条件、試験方式、必須数学、専門の選択、英語の期限を一枚にまとめます。 次に、筆記なら公式過去問、数学口頭試問なら指定範囲の例題、小論文中心なら自分の研究課題を使い、実際に止まる箇所を調べます。

未履修の範囲と復習にかかった時間が分かってから、学習予定と受験する回を見直します。出願までの期限の並べ方と大学別の英語条件も確認してください。 解答PDFを使う場合は、大学名だけで選ばず、専攻・科目・実施回・収録年度が自分の演習に合うか、商品ページの見本で確かめます。

志望校の解答・解説PDF

大学・専攻ごとに、収録年度・解説の見本・価格を確認できます。

志望校の解答PDFを探す

よくある質問

文系学部から情報系の大学院を受験できますか。
受験できる選抜があります。たとえば電通大・九大の2027年4月入学の一般入試では、国内大学の卒業・卒業見込みという資格に学部分野の指定はありません。ただし教員への事前連絡などの出願条件があり、試験では数学や専門知識を問います。受験する年度・専攻・選抜の要項で確認してください。
NAISTやJAISTなら数学の勉強は不要ですか。
NAISTの2027年入学・情報科学区分には、代数と解析の数学口頭試問があります。JAISTの2027年4月入学・一般選抜は小論文の発表と質疑が中心ですが、基礎学力も評価します。独立した数学筆記がないことから、数学を一切問われないとは判断できません。
数学を履修していません。何から始めればよいですか。
志望先の必須・選択科目と出題範囲を確認し、公式過去問の1回分で未習の用語や計算を調べます。定義が分からない箇所は教科書の例題へ戻り、解説を閉じても手順と理由を説明できるか確かめてから過去問へ戻ります。履修した授業名だけで準備済みとは判定しません。
学部の卒業研究と違うテーマを研究計画に書けますか。
JAISTの公式Q&Aは、学部の研究内容と異なる課題を認め、準備状況や専門を変える理由も説明できると案内しています。これまでに取り組んだこと、新しく確かめたい問い、使う方法、まだ不足する知識を分けて書き、希望研究室で扱えるか確認します。他大学では指定の設問・様式に従ってください。

ほかの進め方ガイド

ガイドの一覧