京都大学 × 大阪大学
京大 数学・数理解析 vs 阪大 数学 院試比較|関西の数学系院を分野別・併願戦略で比較
京都大学 理学研究科 数学・数理解析専攻と大阪大学 理学研究科 数学専攻の院試を、収録年度・大問数・両校に共通する出題論点で対比。基礎科目/専門科目の構成、代数・幾何・解析・確率の重なり、公式が配布する過去問と解答の公開状況(確認日つき)を並べます。
理学研究科 数学・数理解析専攻は6年度40大問、理学研究科 数学専攻は4年度42大問の解答を収録しています。両校に共通する出題論点は8件です。
京都大学 理学研究科 数学・数理解析専攻と大阪大学 理学研究科 数学専攻は、関西で数学系の修士課程を狙う外部生にとって有力な二択です。両校とも学部数学の標準範囲を要求しますが、出題形式(京大の基礎+専門の二段構成)と研究環境に差があります。
一目でわかる比較表
| 比較項目 | 京大 数学・数理解析 | 阪大 数学 |
|---|---|---|
| 試験構成 | 基礎科目 + 専門科目(二段) | 学部標準の4領域から出題 |
| 出題の性格 | 基礎で全範囲、専門で深掘り | 学部標準の運用力を測る |
| 研究の広さ | 数学専攻 + 数理解析専攻(RIMS) | 代数・幾何・解析・確率の各分野 |
| 立地 | 京都・北部構内 | 大阪・豊中キャンパス |
| 向いている受験生 | 全範囲を均一に運用/代数幾何・数理解析志望 | 関西で基礎を固めて受験したい |
試験形式の違い
京大は基礎科目(線形代数・微積分・複素解析・ルベーグ積分など)と専門科目(代数・幾何・解析の踏み込んだ内容)の二段構成で、基礎で穴を作ると専門で挽回しづらい構造です。阪大 数学は学部標準の4領域(線形代数・解析・代数・幾何)の運用力を測る構成が中心です。京大の数理解析専攻(RIMS)はさらに数理解析寄りの選択問題が用意される年度があります。
分野別に見る対策の重なりと違い
線形代数
固有値・対角化・ジョルダン標準形は両校共通。京大の基礎科目はこの運用力を厚く見ます。
解析
複素解析(留数定理)・ルベーグ積分(収束定理)は共通。京大の基礎科目で解析の比重が高い傾向があります。
代数
群・環・体・加群は共通。京大の専門科目では踏み込んだ証明(ガロア対応、加群の構造)が出る傾向があります。
幾何
位相空間・多様体の入口は共通。京大 数理解析側で踏み込んだ内容が出ることがあります。
京大は計算過程と論理を最後まで丁寧に積み上げる文化があり、途中式を省略すると配点を取り切れません。阪大も学部標準の論述精度を求めますが、京大の専門科目はより踏み込んだ証明を要求します。両校とも定義の運用と well-definedness の確認を厳しく見ます。
どちらを優先するかの判断フロー
- 代数幾何・表現論・数理物理を志望 → 京大(RIMSを含む)
- 学部標準を均一に固めて関西で受験したい → 阪大が組みやすい
- 全範囲を均一に運用できる → 京大の基礎+専門と相性が良い
- 京大を本命、阪大を保険 → 関西で2校体制が組める
関連する解答パック・ガイド
京大 数学・数理解析の答案は京都大学 数学・数理解析専攻 基礎科目の解答パック、阪大 数学は大阪大学 数学専攻の解答パックで確認できます。
京大 基礎科目 と 阪大 数学 の院試 過去問 収録年度・大問数(2020〜2026年度)
京大 基礎科目は6年度・6回の試験で40大問、阪大 数学は4年度・6回の試験で42大問の解答を作っています。
| 項目 | 京大 基礎科目 | 阪大 数学 |
|---|---|---|
| 収録年度 | 2020〜2026年度(6年度) | 2023〜2026年度(4年度) |
| 収録した試験の回数 | 6回 | 6回(第2次募集・第1次募集) |
| 大問の合計 | 40問 | 42問 |
| 1回あたりの大問数 | 6〜7問 | 4〜10問 |
| 解説に典型ミスを書いた大問 | 13問 | 13問 |
| 解説に採点・部分点の置き所を書いた大問 | 33問 | 0問 |
実施回ごとの大問数(年度ページへのリンク)
阪大 数学
- 2026年度 第2次募集 4問
- 2026年度 第1次募集 10問
- 2025年度 第2次募集 4問
- 2025年度 第1次募集 10問
- 2024年度 第1次募集 10問
- 2023年度 第2次募集 4問
京大と阪大に共通して出ている論点と、片方だけに出ている論点
テーマ別に数えると、共通する論点は8件、京大だけに出ている論点は2件、阪大だけは2件です。
| 両校に出ている論点 | 京大 | 阪大 |
|---|---|---|
| 線形空間・基底 | 8問 | 4問 |
| 固有値・固有ベクトル | 6問 | 5問 |
| 留数定理 | 2問 | 6問 |
| 重積分と極座標 | 3問 | 1問 |
| ラグランジュの未定乗数法 | 2問 | 1問 |
| 二次形式 | 1問 | 2問 |
| ベータ関数・ガンマ関数 | 1問 | 1問 |
| 一様収束 | 1問 | 1問 |
年度別の大問見出し(京大 / 阪大・直近6年度)
解答PDFに付けた大問見出しをそのまま並べています。年度は各年度の解答・解説ページへリンクしています。
2026年度
京大 基礎科目
- 第1問 広義積分の収束範囲
- 第2問 行列の階数
- 第3問 可換な行列全体の次元
- 第4問 上極限・下極限の最値
- 第5問 調和関数の表示
- 第6問 陰関数で定まる曲面と高さ関数の臨界点
- 第7問 二元部分集合族の分類
阪大 数学
- 第1問 A-1 変分法の基本補題
- 第1問 線形代数
- 第2問 A-2 対称行列と交換子写像
- 第2問 重積分・調和関数
- 第3問 A-3 余可算位相のコンパクト性と連結性
- 第3問 位相
- 第4問 A-4 留数計算と広義積分
- 第4問 複素関数
- 第5問 B-1 二次元線形群
- 第6問 B-2 中国剰余型同型とイデアル
- 第7問 B-3 直交群の多様体構造
- 第8問 B-4 球面と三角形の和空間のホモロジー
- 第9問 B-5 可積分関数と幾何級数
- 第10問 B-6 線形常微分方程式の境界条件
2025年度
京大 基礎科目
- 第1問 回転対称な積分
- 第2問 三次行列の固有値
- 第3問 交換子と対角化可能行列
- 第4問 振動積分の収束範囲
- 第5問 対数を含む有理型積分
- 第6問 連結な閉集合と固定点
- 第7問 円板上の多項式の最大最小
阪大 数学
- 第1問 A-1 連続関数の Ln ノルム極限
- 第1問 多変数関数の極値
- 第2問 A-2 トレース零行列と共役作用
- 第2問 行列の固有値
- 第3問 A-3 コンパクト性と固有写像
- 第3問 連結性とコンパクト性
- 第4問 A-4 分枝対数とベータ積分
- 第4問 留数定理
- 第5問 B-1 位数8の群
- 第6問 B-2 二次整数環の剰余環
- 第7問 B-3 S3上の積関数の臨界点
- 第8問 B-4 射影空間型商とホモロジー
- 第9問 B-5 線形常微分方程式と畳み込み表示
- 第10問 B-6 分布関数表示と測度の極限
2024年度
京大 基礎科目
- 第1問 極座標による二重積分
- 第2問 三角型に近い行列の固有値と階数
- 第3問 核と像の直和分解
- 第4問 ガウス型に集中する振動関数
- 第5問 偶奇性とフーリエ積分
- 第6問 球面二つの和写像の臨界値
- 第7問 行列単位を作る基底
阪大 数学
- 第1問 A-1 一様収束と幾何級数
- 第2問 A-2 べき零線形写像
- 第3問 A-3 連続写像と位相的性質
- 第4問 A-4 二重極の留数と実積分
- 第5問 B-1 半直積群の計算
- 第6問 B-2 Z[sqrt(-5)
- 第7問 B-3 クライン瓶型商と2形式
- 第8問 B-4 球面と円の和空間のホモロジー
- 第9問 B-5 ガウス核による積分変換
- 第10問 B-6 符号条件付き自律方程式
2023年度
京大 基礎科目
- 第1問 二次形式の球殻積分
- 第2問 二つの核の共通部分
- 第3問 可換な対角化可能写像
- 第4問 ラプラス型の変数変換
- 第5問 平方根型常微分方程式の一様収束
- 第6問 曲面と水平断面
2022年度
京大 基礎科目
- 第1問 極座標で見る収束条件
- 第2問 四つのベクトルの一次独立性
- 第3問 有限アーベル群の部分群の数え上げ
- 第4問 積分で定まる凸関数の最小値
- 第5問 留数計算型の実積分
- 第6問 二つの制約で定まる多様体
阪大 数学
この年度の収録なし
2020年度
京大 基礎科目
- 第1問 第1八分球での単項式積分
- 第2問 パラメータ付き三次行列の固有値
- 第3問 右逆写像からの直和分解
- 第4問 単調関数と可積分性
- 第5問 ベータ関数型積分
- 第6問 直交2フレームの多様体
- 第7問 リーマン和の一次補正
阪大 数学
この年度の収録なし
公式が配布している過去問と解答の公開状況(京大 / 阪大)
院試hubが公式ページを開いて確認した記録です。日付はそのページを最後に確認した日です。
| 項目 | 京大 | 阪大 |
|---|---|---|
| 確認した公式ページ | 理学研究科 数学・数理解析専攻 | 理学研究科 数学専攻 |
| 公式が出している年度 | 1989〜2027(2021年度は試験場での筆記試験なし) | 2016〜2027年度の掲載分(年度により第1次・第2次) |
| 公式解答 | 問題のみ(解答例は非公開) | 問題のみ(解答例は非公開) |
| 英語の扱い | TOEFL iBT スコア提出。年度により英語問題は著作権の都合で非掲載。 | TOEFL iBT スコア提出。年度により詳細は専攻案内を要確認。 |
| 最終確認日 | 2026-09-26 | 2026-09-26 |
| 公式ページ | www.math.kyoto-u.ac.jp/ja/past-exams | www.math.sci.osaka-u.ac.jp/inshi |
よくある質問
- 京大数学と阪大数学は併願できますか。
- 両校とも関西で学部数学の標準範囲を要求するため、学習の土台が大きく重なり併願に向きます。試験日程が重ならない年度であれば物理的に併願可能です。日程は最新の募集要項で確認してください。
- どちらの方が難しいですか。
- 京大は基礎科目+専門科目の二段構成で、基礎で穴を作ると専門で挽回しづらい構造です。阪大も学部標準の運用力を要求しますが、京大の専門科目は踏み込んだ証明が出る傾向があります。難易度は単純比較できないため、両校の過去問を実際に解いて相性を確認してください。
- 京大の数理解析専攻(RIMS)とは何ですか。
- 京大 数理解析専攻は数理解析研究所(RIMS)が運営に関わる側面があり、研究テーマが純粋数学から数理物理・計算機科学まで幅広く分布します。代数幾何・表現論・数理物理で世界的な拠点です。
- 英語スコアはどちらも必要ですか。
- 両校とも理学研究科で外部英語スコアの提出が広がっています。提出方式・有効期限は最新の募集要項で確認し、出願2か月以上前にスコアを確保してください。