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埼玉大学大学院の数学は難しい?過去問・英語・外部受験

埼玉大学院の数学では、行列や微積分の計算に加えて、定義に基づく証明を120分で書く力が必要です。2026年度夏・冬の実際の出題と解答例で、準備すべき範囲を説明します。2027年度第1次は英語スコア不要、専門100点・面接100点です。

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数学の難易度:行列の計算だけでなく、定義から証明する力が必要

埼玉大の数学で確認したいのは、線形代数・微積分の必答問題を最後まで書けるかと、選択の代数・幾何・解析のどれで答案を作れるかです。2026年度夏(2025年8月21日実施)と同冬(2026年2月12日実施)はいずれも120分、必答4問と選択1問、各20点の計100点でした。次の表は、この2回の問題を読んだ内容です。将来の出題予想や大学による難易度評価ではありません。

問題2026年度夏2026年度冬
必答13次正方行列の固有値・対角化・累乗。2次正方行列の固有値・対角化・累乗。
必答2部分空間の直交補空間と正規直交基底。対称行列の固有値、核と像の次元、像の直交補空間。
必答32変数の多項式の停留点と極値。場合分けされた2変数関数の連続性・偏微分・全微分。
必答4重積分の極限と広義積分の収束。楕円領域上の重積分。変数変換と積分領域の設定。
選択A・代数環のイデアル。積の集合と生成されたイデアルの比較。剰余類の一致条件と、整数格子の商群の位数。
選択B・幾何集合族が位相であることの証明と、ハウスドルフ性。整数平行移動による同値関係、商写像の開性、商空間のハウスドルフ性。
選択C・解析積分方程式から微分方程式を導き、初期条件から解く。有理関数の極を調べ、留数定理で実積分を求める。

同じ「微積分」でも、夏の必答3は極値の判定、冬の必答3は定義を使った極限の証明です。計算問題の正答数だけで準備の完成度を判断すると、この違いを見落とします。選択Cも、夏は微分方程式、冬は複素積分でした。一つの解法だけを覚える対策では足りません。

解答例:偏微分できるだけで「全微分可能」と結論しない

2026年度冬・必答3では、次の関数の連続性、原点での偏微分、原点での全微分可能性を調べます。

f(x,y)={x2sin⁡(1/y)(y≠0),0(y=0).f(x,y)=\begin{cases}x^2\sin(1/y)&(y\ne0),\\0&(y=0).\end{cases}

まず、yが0でない点では連続な関数の積・合成なので連続です。原点では、絶対値がxの2乗以下であることから連続と分かります。一方、x₀が0でない点(x₀, 0)では、次の2列に沿った関数値が異なる極限へ向かうため不連続です。

yn=1π/2+2πn,zn=13π/2+2πn,f(x0,yn)=x02,f(x0,zn)=−x02.y_n=\frac{1}{\pi/2+2\pi n},\quad z_n=\frac{1}{3\pi/2+2\pi n},\qquad f(x_0,y_n)=x_0^2,\quad f(x_0,z_n)=-x_0^2.

原点での2つの偏微分係数は、各座標軸上で関数値が0になることから、どちらも0です。しかし、偏微分係数が存在することだけでは全微分可能性の証明になりません。線形近似との差を原点からの距離で割り、0へ近づくことを示します。

0≤∣f(x,y)−f(0,0)−0x−0y∣x2+y2≤x2x2+y2≤x2+y2⟶0.0\le\frac{|f(x,y)-f(0,0)-0x-0y|}{\sqrt{x^2+y^2}}\le\frac{x^2}{\sqrt{x^2+y^2}}\le\sqrt{x^2+y^2}\longrightarrow0.

したがって原点で全微分可能で、微分は零写像です。このように、必要な定義を選び、不等式による評価や反例の列を作って結論まで書く力が問われます。上の式を見れば分かる段階と、制限時間内に自分で組み立てられる段階を区別して練習してください。

120分の演習で確認すること

  1. 必答4問の完成度:行列計算、空間・基底、微分、積分のどこで止まったかを記録します。未習の選択分野を広げる前に、必答の穴を把握します。
  2. 選択1問の判断:A・B・Cを読み、定義から最後まで説明できる問題を選びます。「去年の解析が解けた」だけで今年もCと決めません。
  3. 答案と時間:5問の平均は24分ですが、各問を24分で打ち切る指定はありません。解ける問題を残さず、証明の根拠や積分範囲まで書けたかを見直します。

この2回の過去問は筆記の準備を測る材料です。2027年度第1次は面接にも100点が配点されているため、筆記だけの自己採点を合格見込みに置き換えることはできません。

研究科全体の公表人数から、数学や外部生の合格率は出せない

埼玉大学データブック2025の入学者選抜実施状況(冊子10ページ)には、令和7年度の理工学研究科博士前期課程について、入学定員436人、志願者535人、入学者438人と記載されています。

  • 合格者数の表ではありません。入学者には進学先として埼玉大を選んだ人が載るので、志願者535人を入学者438人で割って実質倍率とは呼べません。
  • 数学だけの集計ではありません。理工学研究科全体の人数で、数学の筆記区分・口述区分や外部生だけの合格率を示していません。
  • 集計条件があります。私費・国費留学生は外数で、秋期入学、秋期入学試験で入った4月入学者、再入学者は含まれません。

数学の募集人員20人や口述・筆記の内訳も、内部生・外部生の定員ではありません。出願できる条件と実際の試験内容を確かめ、自分の答案・研究の説明を準備する方が、全体の人数から「入りやすい」と推測するより判断に役立ちます。

数学は120分で5問に解答。筆記100点と面接100点

2027年4月入学・第1次募集要項の数学プログラムは、線形代数学・微分積分学の4問すべてと、代数・幾何・解析の基礎的な3問から1問を解答する指定です。7問から自由に5問を選ぶ試験ではありません。

試験2027年度第1次の条件配点
専門・必答線形代数学と微分積分学の4問すべてに解答。計100点
専門・選択代数・幾何・解析の基礎的な3問から1問。専門全体で120分。
面接複数の試験委員による個人面接。研究への意欲・関心、専門知識等を総合して評価。100点
英語独立した英語試験・TOEIC等のスコア提出の指定なし。配点なし

筆記と面接は同じ100点です。「筆記さえ解ければよい」とは判断できません。志望する研究、これまで学んだ数学、使った定理の仮定と結論を言葉で説明する準備も必要です。面接の評価項目は要項の選抜方法、配点はプログラム別配点表で確認できます。

数学の口述試験は何を聞かれるか

口述区分は200点で、数学プログラムでは次の3項目を扱います。公式の口述試験内容に基づく項目です。

  1. 卒業研究、またはこれまでに学んで関心を持った数学の定理・理論の説明と質疑応答。
  2. 志望動機と、希望する研究テーマについての質疑応答。
  3. 単位の修得状況と数学の基礎知識についての質疑応答。

説明する定理は、名前だけでなく仮定・結論・具体例・証明の流れを準備します。仮定を外すと成り立たない例や、自分がどこに関心を持ったのかも説明できると、質疑の準備になります。これは演習上の提案で、大学が公表した質問の逐語記録ではありません。

過去問の練習では必答4問を残さない

まず1回分を120分で解き、必答4問と選択1問のそれぞれに、どこまで答案を書けたかを記録します。線形代数では対象の空間・基底・写像を明確にし、微積分では定理の適用条件、積分範囲、極限の取り方を確認します。選択問題は同じ年度の3問を読んでから1問を決め、終わった後に選ばなかった分野の不足も点検します。

解説を読んだら、途中式を見ずにもう一度書き、計算結果を元の式に戻して確かめます。個別の問題の収録内容は埼玉大数学の解答解説・見本に掲載しています。

TOEIC等の有効期間は3年または4年。数学・機械の科目群Bは英語なし

下表は2027年4月入学・第1次募集の筆記試験区分です。口述区分は別の配点です。有効期間は、試験当日からではなく大学への成績提出日から遡って3年または4年です。

プログラム有効期間英語配点利用できる試験・条件
分子生物学4年以内200点TOEIC・TOEFL・IELTS
生体制御学4年以内100点TOEIC・TOEFL・IELTS
物理学4年以内100点TOEIC・TOEFL・IELTS
基礎化学3年以内200点TOEIC・TOEFL・IELTS
応用化学3年以内50点TOEIC・TOEFL・IELTS
数学提出指定なし英語なし専門100点・面接100点
電気電子物理工学3年以内100点TOEIC・TOEFL・IELTS
情報工学3年以内100点TOEIC・TOEFL・IELTS
機械科学・科目群A3年以内100点TOEIC・TOEFL。IELTS不可
機械科学・科目群B提出指定なし英語なし必修300点・選択200点・面接100点
環境社会基盤国際3年以内100点TOEIC・TOEFL・IELTS

要項の試験名はTOEIC L&R(IPを含む)、TOEFL(PBT・iBT・ITP)、IELTSです。機械科学ではIELTSを認めず、科目群Aを選んだ場合だけ英語を評価します。科目群Bは専門の選択科目が増えます。単に英語を省いて同じ試験を受ける方式ではありません。

「TOEIC600点なら合格」「何点なら専門を何点補える」という基準は、この要項にはありません。英語の配点と、合格最低点・スコア換算式を混同しないでください。なお、環境社会基盤国際の専門小論文には一般的な科学英語による出題も含まれます。外部スコアを使うことが、専門試験で英語を読まないという意味ではありません。

TOEIC IPは対面受験のみ。デジタル証明書は2枚印刷する

第1次募集の英語証明書の条件と研究科の現行入試案内は、TOEIC IPのオンラインスコアを無効としています。IPという名称だけで判断せず、受験方法も確認します。TOEFLは会場受験・オンライン受験とも有効という指定です。

  • 紙の証明書:原本とコピーを提出します。原本は面接後に返却されますが、原本だけを出すと返却されません。
  • TOEICのデジタル公式認定証:プリントアウトしたものを2枚提出します。スマートフォンの画面を見せるだけでは指定の提出形式を満たしません。
  • 通常の筆記区分:出願時または学力検査時に提出できます。一度出したスコアは差し替えられません。指定された英語成績を出さない場合は0点として扱われます。
  • 口述区分:生体制御学・応用化学は出願時提出が必須です。分子生物学・物理学・電気電子物理工学・環境社会基盤国際は出願時または口述試験時に提出します。
  • 口述で筆記・面接が免除された場合:基礎化学・情報工学・機械科学は英語スコアの提出が不要です。免除にならず筆記を受ける場合の条件とは区別してください。

埼玉大が学内で実施するTOEIC IP・TOEFL ITPについては、在籍者向けにCampusSquareの該当ページを2枚印刷する扱いがあります。他大学出身者が自大学の成績画面で同じ提出をできるという意味ではありません。英語能力を公的書類で証明する提出免除も、大学への事前照会が必要です。

外部生も出願できる。希望指導教員と出願前に相談する

第1次募集の資格・募集人員には、日本の他大学の卒業者と2027年3月までの卒業見込み者が含まれます。要項は、希望する指導教員と出願前に十分相談するよう求めています。相談がない場合、教員の退職等で受け入れできないことがあるためです。

数学の募集人員は20人で、口述13人程度・筆記7人程度という内訳でした。これは内部生・外部生の枠ではありません。口述希望者の条件は、出願資格を満たすこと、学業・人物が優れていること、合格時に入学を確約できること、予定指導教員と事前協議していることの4点です。書類審査で受験する方式が通知されます。

口述の結果、筆記・面接の免除者にならなかった人は、その後の筆記・面接を受けます。口述を申し込めば筆記が必ず免除されるわけではありません。

  1. 希望する研究と教員を決める。これまで学んだ数学や卒業研究、進学後に研究したいことを整理して相談します。
  2. 証明書を準備する。他大学出身者は卒業・卒業見込み証明書と成績証明書が必要です。編入歴がある人は編入前の学校の成績証明書も確認します。
  3. 数学の志望調査書を記入する。志願票・受験票・写真票、検定料の収納証明書等もそろえます。大学院在学中・在職中の人は受験許可書等の追加条件があります。
  4. 書類を期限内に届ける。第1次は持参または簡易書留で締切必着です。学内在籍者向けのForms手続きと、外部受験者の紙の志願票を取り違えないでください。

外部受験者向けの全提出書類は要項PDF12〜13ページにあります。外国の学歴・飛び入学・個別資格審査等は別の資格条件があり、通常の出願開始前に審査が必要な場合があります。

第1次は実施済み。第2次に数学の募集はない

2027年4月入学の第1次募集は、2026年に実施済みです。以下を次年度の締切として使わず、研究科の現行募集一覧で希望年度・プログラム・選抜区分を確認してください。

手続き・試験2027年4月入学・第1次の指定
通常の出願2026年6月1日〜5日、受付9時〜16時。郵送は締切必着。
物理学の筆記希望者出願は6月22日〜26日。通常の出願と期間が異なる。
口述試験7月11日9時から(プログラムの個別指定がある場合はその指定に従う)。
数学の筆記8月20日13時〜15時
数学の面接8月21日10時から
合格発表9月7日10時。4月入学合格者の入学確約書は10月9日までに提出。

2027年度第2次は電気電子物理工学と融合教育だけ

2026年10月16日時点の公式一覧は、電気電子物理工学プログラムと融合教育プログラムだけを第2次の募集対象としています。数学は含まれません。電気電子物理工学の出願期間は10月7日〜9日で、既に終了しています。

電気電子物理工学の第2次は11月7日10時〜12時に専門、13時から面接、合格発表は12月7日10時です。専門400点・英語100点・面接300点で、専門は数学2問と電気回路・電磁気学・量子力学の3問から2問を解答します。融合教育は同じ専門試験とは限らないので、その区分の要項を確認します。

数学の公式過去問には2月実施回がありますが、過去の実施実績から2027年2月の募集を保証することはできません。次の数学の追加募集は、対象に数学と明記された新しい告知で判断してください。

数学の公式問題と解答解説:大学院と工学部編入を分けて選ぶ

数学プログラムの公式過去問ページには、2026年度の2025年8月実施・2026年2月実施など、入学年度と実施年月を併記した問題があります。公開されている科目は数学です。2027年度第1次の数学には英語試験がないため、学部入試の英語問題を大学院数学の対策に使う必要はありません。

大学院数学の解答解説は、2024〜2026年度の夏・冬、計6実施回を収録しています。2026年度夏は2025年8月、同冬は2026年2月の試験です。2027年度の問題・解説を含む商品ではありません。

同じ大学の工学部第3年次編入・数学の解答解説は学部に編入するための商品です。大学院数学とは試験範囲・問題・出願資格が異なります。学部一般入試の英語も別区分なので、「埼玉大学」という大学名だけで教材を選ばないでください。

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過去問は何年分あるか(公式の公開年度と院試hubの収録年度)

1件

埼玉大学の大学院数学は、数理電子情報専攻・数学プログラムの公式サイトに8月・2月実施の過去問があります。2027年度第1次は英語スコア不要で、専門の必答4問と選択1問、面接を課します。公表中の2027年度第2次は数学を募集していません。工学部第3年次編入の数学は別の入試です。

公式の配布先公式が公開している年度院試hubの収録年度確認日
理工学研究科 数理電子情報専攻 数学プログラム(博士前期課程)2003〜2026年度入試(最新は2025年8月・2026年2月実施)2024〜2026年度(3年度分)・6回数学 解答PDF2026-10-17

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公式の解答例が公開されている配布先

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解答PDF(研究科・専攻 × 科目 × 収録年度)

1件

1件の解答PDFに、のべ6回の試験・42大問を収録しています。

研究科・専攻科目収録年度大問数価格解答PDF
理工学研究科 数理電子情報専攻 数学プログラム数学2024〜2026年度(3年度分)・6回42¥3,200解答PDF

関連 リソース

外部受験のよくある質問

埼玉大学大学院の数学の難易度はどの程度ですか。

2026年度夏・冬の公式問題では、線形代数と微積分の必答4問に加え、代数・幾何・解析から1問を選び、120分で5問に解答します。行列の計算だけでなく、連続性・全微分の定義を用いる証明、選択問題では環・商空間・複素積分などもあります。大学名や研究科全体の志願者数だけで易しいとは判断できません。本文に両回の出題表と全微分の解答例を示しています。

埼玉大学大学院の倍率から数学の合格しやすさは分かりますか。

大学のデータブック2025では、令和7年度の理工学研究科博士前期課程の入学定員436人・志願者535人・入学者438人が載っていますが、合格者数は載っていません。数学プログラムだけの人数でもなく、私費・国費留学生は外数です。志願者数を入学者数で割って実質倍率や外部生の合格率とすることはできません。

埼玉大学の院試数学にTOEICは必要ですか。

2027年4月入学・理工学研究科第1次募集の数学プログラムには、英語の試験・外部スコア提出の指定はありません。筆記区分は専門100点と面接100点、口述区分は口述200点です。電気電子物理工学や情報工学など、他プログラムの英語要件を数学へ当てはめないでください。

埼玉大学大学院の英語の過去問はどこにありますか。

数学プログラムの公式過去問ページで公開されているのは数学の問題です。2027年度第1次の数学には英語試験がありません。他プログラムの英語評価は主にTOEIC・TOEFL等の成績を使います。学部一般入試の英語、工学部編入試験、大学院入試は別の試験です。

埼玉大学大学院はTOEIC何点あれば合格できますか。

2027年度第1次の要項では、プログラム別に英語50・100・200点等の配点が示されていますが、合格を保証するTOEIC点数や一律の換算式は示されていません。有効期間も提出日から3年または4年と異なります。数学と機械科学の科目群Bは英語の配点がありません。

埼玉大学の数学プログラムは冬も募集していますか。

2026年10月16日時点で公表されている2027年4月入学・第2次募集は電気電子物理工学プログラムと融合教育プログラムだけで、数学は対象外です。過去の2月実施の数学問題はありますが、次の2月も数学を募集することを意味しません。

外部生も数学プログラムの口述試験に出願できますか。

2027年度第1次の口述試験の出願条件は、所定の出願資格、学業・人物ともに優れていること、合格時の入学確約、予定指導教員との事前協議です。他大学出身者を一律に除く規定ではありません。書類審査で口述・筆記の受験方式が決まり、口述で筆記・面接の免除にならなければ筆記・面接を受けます。